現れた竜は、竜の中でも上位だろう存在でした。思わず身構えるクレアルに、竜は口を開きます。
『ごきげんよう!新入りか!俺はハルファスだ、よろしくな!』
しかし思った以上に気さくな竜……ハルファスに思わず脱力する事となりました。
『……まさか竜だとは思いませんでした。ザムザ、せめて先に言ってください。』
『す、すみません……もはや慣れきっちゃってるので忘れてました。ハルファスさん、こちらクレアルさんです。一揆軍に加わってくれるとの事で、連れてきました!』
『おおそうか!仲間はどれだけ居ても困らないからな!……クレアルちゃんだったか?俺たちはあの覇王とやらを名乗る北条雪乃に立ち向かうための集団だ。君は見た限りかなり戦えそうだし……あの悪逆非道の北条軍にも敵うかもしれない。よろしく頼むよ!』
クレアルは冷静に分析します。このハルファスは、自分とは違い義憤によって一揆軍を結成したのでしょう。ならば、自分の本心や人喰いの事は伝えなくていい。そう考えました。狂っているクレアルですが、冷静な判断はできるのです。
『……ええ。よろしくお願いしますね!私、これでもとても強いので!』
そうして暫くその一揆軍の暮らす村……『竜の巣』で過ごす事になったクレアルはしかし、問題に直面します。
『……あまり考えない人、多くないですか?』
クレアルをここに連れてきたザムザは育て親が脳筋だったらしく彼女自身もかなりの脳筋でした。そしてハルファスも考えるのは苦手な性格のようで、他の皆もあまり積極的に作戦等を考えないタイプのようでした。
仕方なくクレアルは幾つもの作戦を立案したり、そもそもの作戦会議の立ち上げを提案します。クレアルは不老不死になる前、一国の王女でした。病弱だったとはいえ、それなりの教育は受けていましたので、普通に頭が良いのです。
そんな事を繰り返すうち、ハルファスは言いました。
『クレアルちゃん!君これからこの一揆軍の参謀ね!君の考える作戦、今までより効率がいいんだ!』
『……リーダー。これ、本来なら貴方が考えることですよ?』
『……悪い!俺には何も思いつかん!それに……君が実力を示すからだ!』
『貴方は……はぁ。仕方ありませんね…。』
いつの間にか一揆軍の参謀とされたクレアルはぼんやりと考えます。
(……私、何故参謀なんてしてるんでしょう?永遠を求める人を喰らうためにここに来たのに……。)
仕方なく参謀として、時には戦士として活動するクレアルは遂に北条軍が攻めて来る事を知ります。
『……皆さん。ここからが正念場です。北条軍がここに辿り着くまで最速で1週間はかかることでしょう。相手はかなりの大軍です。訪れるまでに戦に備え、己を高め……少しでも勝てる可能性を増やしましょう!』
『『『『『おぉっ!』』』』』
そうして決起集を終えたクレアルは、ハルファスをジトリと見て言います。
『……何故リーダーの貴方ではなく私が仕切ってるんです?』
『……だってクレアルちゃんのがそーゆーの上手いし。俺は頭がいいからな……いつだって最善の手をとる。どうかな?』
『はぁ……とにかく私は鍛錬をしますよ。やるからには、勝ちたいので!』
『おお!いいやる気だな!……皆で生きて帰ろうな!』
『…ええ。当然ですよ。』
クレアルは肩をすくめ、鍛錬の為にその場を離れます。竜の巣一揆軍と北条軍激突まで1週間。それまで、少しでも己を高めるために。
『……やっぱ私が参謀っておかしいですよね?』
……少しの疑問を抱きながら。
登場したプレイヤー。
覇王 北条雪乃様
ふぉのん様
ザムザ様
Halphas(ハルファス)様
登場許可ありがとうございました。