4
あれから、長い時が過ぎました。クレアールは不老不死であることを隠し各地を転々としていました。そうするうち、海の向こうの極東の島国へと辿り着きました。
クレアールという名は極東の人々には呼びづらいらしく、クレアールはクレアルと名乗るようになります。そうして極東を旅していた末に辿り着いた辺境の村で、クレアルは酷く驚きました。自身の身元を証明するものもないクレアルを、村の者達は温かく受け入れたのです。長い時を過ごすうち人間の汚い所を数多く見てきたクレアルは感動し、そのまま村に滞在する事にしました。
辺境にあるその村はよく魔物に襲われていました。しかし、数人の剣士達が村を魔物から守っていました。クレアルはそれを見て、ふと思います。もし、もしも自身も剣を扱えたら、村の皆の役に建てるのではないか。村の皆を守れるのではないか。
考えた末、クレアルは村を守る剣士の一人に弟子入りを頼み込みました。15歳という若さで村の誰よりも剣の扱いが上手い少年、
しかし、クレアルの身体には溢れんばかりのエネルギーがあります。そのエネルギーの影響で、クレアルの身体は頑丈で身体能力も高いものでした。クレアルはその身体能力をアピールし、ようやく暁に弟子にしてもらえました。
暁はぶっきらぼうな少年でした。でも、それ以上に隠しきれない優しさのある少年でした。鍛錬でこれまでできなかった事をできるようになれば、素直に『前よりできてる』と教えてくれました。村を守るためにと戦う意思を見せたクレアルに、暁は極東特有の剣…刀を渡してくれました。クレアルが村を守るためにと無茶して危険な魔物に立ち向かえば、暁はクレアルに無茶をするなと酷く激昂し……泣きそうな顔をしたのです。
いつしか、暁はクレアルにとってかけがえのない存在となっていました。長い時を生きたクレアルにはわかりました。きっとこの感情を恋と言うのでしょう。ですが、クレアルは不老不死です。あまり長くこの村に留まることはできません。よしんば想いを伝えて結ばれたとして、それを皆が受け入れてくれたとして。不老不死であるクレアルは間違いなく暁に置いていかれるでしょう。だからこそ、その想いをクレアルは秘めていました。