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『あーあ……こんな時間が《永遠》に続けばいいのに。』
誰に言うでもなく男は呟きました。それを影から見ている存在にも気づかずに。
『こんにちはっ!』
『……?』
突然声をかけられた男は振り向きます。そこには14〜5歳程の少女がいました。極東出身なのでしょうか、和装を着ています。腰には剣を差していましたが、おそらく魔物相手に使うのだろうと判断し少女に声をかけました。
『えーと……何か用かな?というか、君は?』
『私ですか?私はクレアルって言います!』
少女…クレアルはニコリと愛らしく微笑みます。それに毒気を抜かれた男は困ったようにクレアルに話しかけました。
『えーと……クレアル、ちゃん?俺に何か用?』
『用……用と言えば用なのでしょうか?よくわかりません!』
その答えに男は思わず天を仰ぎたくなりました。見た目の年齢的に可能性を除外していましたが、迷子ではないかと思ったので。
『うーん……親とかは……?』
『いませんよ!』
これは本格的に迷子だ、と男は頭を抱えました。しかし放っておくわけにも行かないと更に話しかけます。
『あー、とりあえず俺だけクレアルちゃんの名前知ってるのもあれだし、俺の名前も教え……『いいえ、大丈夫です!』』
その答えに思わず男はクレアルをまじまじと見ます。
『……えっと、俺の名前知ってるの?』
『え?知らないですよ?あっ、知ってるから大丈夫、って訳じゃないです!』
『ならなんで……。』
『え?なんで、って……だって、貴方はもう死んじゃいますから!死んじゃう人の名前、知っても仕方がないでしょう?』
そこでようやく、男はクレアルに関わってはいけないと気づきました。助けを求めるにも辺りに人はいません。逃げようと踵を返したところ、一瞬でクレアルは回り込みました。未成年の少女とは思えない身体能力に、男は怯みます。
『どこに行くんですか?駄目ですよ〜。』
『な、なんだよ!なんなんだよ、お前!』
『大丈夫です!貴方は死にますが、私の一部となります!そして、永遠を共に生きるのですよ!人間って、永遠に憧れますよね?だから、永遠を生きる私の一部にしてあげるのです!』
男は、クレアルの異常性に恐怖し後退りします。そして再び逃げようとした瞬間、クレアルは男の目の前に居ました。
『うふふ、貴方も言ってましたよね?私知ってます!ほら、怖くないですよ!痛いのも苦しいのも一瞬です!』
『は……。』
『永遠を共に生きましょう♡』
『ふぅ~……これで更なる永遠に近づきましたね!』
あれから数百年以上。途中で何年経ったのか数えるのをクレアルはやめていました。クレアルは各地を転々とし続け、『永遠』のために人やそれに近しい存在を喰らい続けています。
『次は……あそこの町に行きましょう!あれ、でも途中の山にドラゴンが出るんですっけ…。まあ、グルマンディーズレベルじゃなければ大丈夫ですね。』
呟き、クレアルは歩み出します。全ては永遠のために。