TS転生者のライザのアトリエでのなんてことない生活 作:雷雷帝王
最近思いついた設定を入れたくなったので、独自設定のタグを入れたいと思います。それが嫌な方はご了承ください
ボクたちはアンペルさんたちに訊きたいことがあり、アトリエで二人が帰ってくるのをを待っていた。そして数分後、二人が帰ってきた
「おかえり、二人とも」
「よう、街道の北で、バレンツさんの部下に聞いたぞ。竜をぶっ倒したらしいな」
「よくやったな……お前たちはもう、一人前以上なのかもしれんな」
「へへっ、そうかな?まあ、調子に乗らないよう気を付けてるよ」
「それよりも訊きたいことがあるんだけど、いい?」
「……?話してみろ」
「レイが倒したあの魔物……もしかして『フィルフサ』っていうんじゃ、ないかな?」
ライザが『フィルフサ』の名前を出した途端、二人の雰囲気が変わった
「その名前……どこで知った!?」
「やっぱり……古城で、すごい戦いの跡を見たの。名前は、城の石碑に書いてあった文字を、タオが」
「城……そうか、あの竜は、はぐれた野生種じゃなく奴らと戦うために召喚された類か。奴らの出現に呼応して、眠っていた召喚装置が再起動したわけだ」
「『奴ら』って……あの魔物は1匹じゃ、ないの?」
「ふわぁ〜…まっ、だよね。あの魔物が1匹いたところで城があんなになるはずがない。けど、大群だったら話は変わってくるよね」
「アンペル、そろそろ話してもいいんじゃないか?」
「そうだな、お前が言うように、もう一人前以上なら真実を話して協力を仰ぐべき、だろうな」
「真実?」
「ああ、真実を話そう──だが、その前にまずお前たちの方で起きたことを、全部話してくれ」
そうしてボクたちは竜退治で起きたことをすべて話した
竜退治で起きたことをすべて話し終えた後、アンペルさんは口を開いた
「推測通りだな。あの古城はクリント王国による竜の召喚装置を備えた、対フィルフサの城塞だ」
「対フィルフサ……クリント王国が戦ってたのって他の国とかじゃなくて、あの魔物なの?」
「ああ、ここ一帯はクリント王国とフィルフサの大規模な戦場だったと見ていいだろう」
「召喚装置まで起動する程となると……まずいな。早く『門』を見つけなければ」
「ショウカンのキドウがモン?頼むから二人とも俺たちにも分かるように説明してくれよ」
「すまん、私たちも冷静さを欠いていたようだ……そうだな……まず、フィルフサのことから話そう。お前たちが遭遇した魔物は、『フィルフサ』。クリント王国を滅亡させた『異界からの災厄』だ」
「クリント王国を滅ぼした、だって……!?」
「正確には、滅亡に至る国力の衰退を招いた一因、か。フィルフサは『異界』と呼ばれる場所の生物でな」
「イカイ?また分からねえ言葉が……」
「……今いるこの世界とは別の、もう1つの世界だ」
「かつてクリント王国は、錬金術で作った『門』の力で2つの世界を繋げ、異界からの稀少な資源を持ち込んだ。その資源の力で、クリント王国は大いに繁栄し繁栄を支えるため、新たな『門』を各地に作り続けた。だが……やがてその行為の報いを受けることになる。異界からもたらされた、資源以外のものによって、な」
「資源以外のもの──『異界からの災厄』──?」
「そう、フィルフサだ。奴らは王国の各地に開いた『門』から溢れ出し、すべてを食い荒らした。王国は一季節……たった一季節の、この『大侵攻』鎮圧のために力を使い果たし、衰退の坂を転げ落ちた」
「そんな魔物……フィルフサのことなんてクリント王国の昔話じゃ、一度も聞いたことないぜ?」
「王国は繁栄の根源である異界と『門』の存在を滅亡する最後の最後まで機密として隠していてな……。『大侵攻』に関するあらゆる記録を禁じ、その痕跡すらも必死に抹消したのさ。そう。ここからは昔話じゃない、今の問題になる。私たちの調査ってのは、つまるところ『門』の探索だ。私とリラは、各地の痕跡に残された『門』を探し出し稼働していればこれを封印する、そんな旅を続けてきた」
「お二人はなぜ、そんな大変なことを?何も知らない現代の人々を守るため、ですか?」
「まあ、私たちにも色々あるんだ……とにかくこの近隣に稼働中の『門』があるのは間違いない」
「しかもフィルフサを通すほど機能を保っている奴がな。早急に探し出し、封印しなければならん」
「そうだよな……。あの時の俺たちみたく何も知らない人間と出くわしたらヤバいもんな」
「もちろん、それもある、が……問題は、季節だ」
「季節?」
「お前たちが出くわしたのは『斥候』……つまり偵察兵だ。奴らは、這い出た先の状況を大雑把に探る」
「それがなんで、問題なの?」
「……奴らは水気を器の極端に嫌う。『大侵攻』が一季節で終わった一番の理由がそれだ」
「奴らは、這い出た一帯を荒らすだけ荒らすと巣穴に帰るように、本拠地の異界へと戻っていく……」
「ああっ!!」
「わっ!?び、びっくりした……どうしたの、ライザ」
「水を嫌う魔物が、溢れ出すのに絶好の季節──」
「あっ──」
「そう、この地方にこれから来る、乾期だ。早急に探さなきゃならん理由が、分かっただろ?」
「で、でもっ、その『斥候』はレイが倒ししたんじゃ」
「倒した、と言っても数ある『斥候』の1匹でしかない。ボクが倒してる間に探り終わって、異界に戻ってる個体だっているだろうね。ふわぁ~」
「ああ、その通りだ。だから、今後はお前たちにも『門』の探索に協力してもらう。自分たちの暮らす、この土地を守るためにな」
「もしかして……あたしたちの村に伝わってる『乾きの悪魔』ってのは、フィルフサ?」
「確証はないが、特徴からして、恐らくな」
「乾期を呼ぶ悪魔じゃない、乾期に襲ってきた悪魔だったんだ」
「竜がいたんだ、悪魔がいても驚きは……いや、やっぱ驚くか」
「ああ、それと……今話したフィルフサと『門』のことは誰にも話してはならんぞ」
「それは、どうして?みんなで探せば早いんじゃ……」
「私たちの目的が『門』を二度と使わせないことだからだ。かつてクリント王国とフィルフサの犠牲に──」
「喋り過ぎだ、アンペル」
「そうか……そうだな。こいつらが相手だと、ついな。とにかく、絶対に口外無用だ」
「うん、分かった。それで、あたしたちは何をすればいいの?」
「そうだな、今すぐ頼めることはない。が、いつ奴らと遭遇してもいいように、準備を整えておく必要はあるな」
「竜と戦って思ったけど、錬金術でもっと強力な道具とか、作らないかな……」
そうライザが言ったら、アンペルさんは数秒ライザを見て口を開いた
「なら、この本をやろう。錬金術の専門書だ。錬金術は、高度になればなるほど危険なものが増える。そのため、うかつに見せることはできないんだが……。今のお前なら、上手く扱えるはずだ。私の代わりに、色んなことを試してみてくれ」
「分かった、やってみる!」
これからボクたちは色々な秘密を知ることになる。そしてボク自身も、自分の秘密に向き合うことになる
レイガルン·アガタール…実は竜との戦いで疲れているので欠伸が出て仕方ない人