TS転生者のライザのアトリエでのなんてことない生活 作:雷雷帝王
本日3個目の投稿です!イエイ!別に書くことがなくなったとかそういうのじゃないからね!?
ボクたちは塔の中に入り、上を目指して散策しているとタオが何やら紙を拾った
「これは……この塔で戦った兵隊が書き残したものみたいだ。ええ、と──『もう時間が無い。あの恐ろしい魔物との戦いは、あっという間に始まり、終わろうとしている。俺は街道を警備する一兵卒でしかない。なのに混乱の中、戦えるからと駆り出されてしまった。どこの悪党がどんな大罪を犯せば、あんな光景を引き起こせるんだ。全てが奴らに踏みにじられた。黄金の麦畑も、緑の丘も、白い石畳も、全て。その踏みにじる足が今、この塔に届きつつある。神よ、せめて避難のため別れた妻と子に、ご加護を』──ここで、終わってる……」
タオが呼んだ手記はボクたちの心情を暗くした。だが、今さら立ち止まるわけにはいかず、ボクたちは重い足取りで上へと進んだ
ボクたちは塔の頂上にたどり着いた
「すごく大きな結晶……村から時折キラキラ光って見えてたのって、これだったんだね」
「どう?やっぱり塔の頂上は感慨深──レント?」
「ここから見下ろした光景が、全部フィルフサの軍勢だった時の絶望って、どれだけ大きかったんだろうな」
「あたしたちが、絶対そうさせない。まずは、それを心に決めて、そのために頑張ろう」
「そう、だな……よし!まずは、頑張って、調査といくか!!」
「おっ、レントがいつもの調子に戻ったね」
「ここが最上階だ、重要なものがある可能性は高い。しっかり調べるぞ」
アンペルさんの言葉を聞き、各々で塔の最上階を調査することになった
しばらく各々で調査し、一旦集まってボクたちは『浮遊天球の間』を調査していた
「ここにも、フィルフサに踏み荒らされたっぽい跡が残ってるね……」
「そんな状態って事は、ここにいた人たちは……」
「当然、誰一人生き残りはいないだろうな」
「陥落した城塞跡なんて、そんなものだ。相手がフィルフサなら、なおさらだ。ぐっ!」
アンペルさんの言葉に少しイラついたボクはクラウディアが見えない位置でアンペルさんの腹に肘鉄を食らわした
「アンペルさん、もう少し言葉を選んでから喋ったらどうかなあ……!」
「す、すまない……」
なんてことをしていたら、ライザが何かを見つけたらしい
「……ん?」
「がれきの下に、こんなものが……」
「んんっ、これは……クリント王国の遺跡で稀に使われる形式の鍵、だな。ライザ、分かるか?」
「うん……ボロボロだけど、凄い力が込められてる。すごく高度な、錬金術の力で作られてる……!」
「小さく刻んである文字は……『中に入る仕掛け』か。確かに鍵っぽいけど、どこに入れるものだろう」
「ん?鍵のあった所に……これは巻物、いや封書か。む、この紋章は……!」
「紋章が、どうかしたの?」
「ああ。こいつは、クリント王国の高位錬金術士だけが用いる紋章だ」
「署名は『南フルークスター管区長』の役職名だけか。この辺り一帯を取り仕切ってた錬金術士だろう」
「文書の内容は?」
「そう急くな──『本書は、未練の遺言なり』──!」
「!!」
「──『胡散臭い呪いと侮られ続けた我らが錬金術は、長き時をかけ、王国の中心となる地位を得た。我らは王国の力となり、光となり、糧となった。王国の誇りに、叡智に、剣に、鎧に、そして死を呼ぶ病となった』──」
「……」
「──『我らは、異界より資源を得、各地に『門』を築き、王国に大いなる繁栄をもたらした。我らはそのために、自らの良心を眠らせた。友人らの森から水を奪い、軍勢を引き入れた』──」
「…………」
「──『彼らの聖地から資源を奪い続けた我らに、やがて天罰が下った。一面の涸れた地平から『蝕みの女王』がフィルフサを引き連れ、来た。我らはたちまち異界を追われ国を食い荒らされた。我らに出来たのは、研究施設だった塔を用い、フィルフサを誘き寄せる波長を放射することで領民が避難する時間を稼ぐ、ただそれだけ。この一地域だけの抗いが、せいぜいの力。あれほどに満ちていた力も光も、糧も、全て消え失せた。誇りも叡智も剣も鎧も、いつしか王国と民衆、そして我ら自身に降りかかる死の病となり果てた。全ては、我らの罪』──」
「…………、……何を、勝手なことを……っ!!」
「リラさん……。……レイも、大丈夫?」
「……大丈夫、とは言いづらいかな。でも、今は話を聞こう」
「──『この遺言を読む誰かに、我が未練を託したい。我らの、せめてもの抗いが成就したかどうかを。この地より南方の汽水湖上に、我らの建造した人工島がある。偶然、緊急避難の役に立った』──」
「……えっ?」
「南方の、キスイコ?」
「建造した、人工……島?」
「──『その名を『クーケン』という』──」
「『クーケン』……クーケン島……あたしたちの住む、島……!?」
「──『どうか、ここを訪れてほしい。未だここに住まう人があれば、訪ねてほしい。息災か、と』──」
「……ライザ」
「……何?レイ」
「…………息災か」
「……あんた、今どういう状況か分かってる……」
「うん。クーケン島が人工島ってことでしょ。なんか、ボクの正体より地味だよね」
「あんたねえっ!あたしたちが……はあ、怒る気力もないわ。他にないかあるかもしれないし軽く探索しましょう」
ライザがそう言ったため、ほかのみんなはほかに何かないか軽く周辺を調査していた。そして、アンペルさんとリラさんはライザたちの後ろ姿を見ながら話していた
「なんだか、妙な方向に話が進んでしまったな。お前にとっては、すわりが悪い話だったかも知れんが」
「構わん。どう悔いたとして、何を語ったとして、奴らを許さない、という私の心は変わらない」
「そこは私も一緒だな。私は、悪事を犯す錬金術士が気に食わない。だから、その行為に抗う……こいつは意地ってやつだ。相手が、何をどう思っていたとしても変わらない」
「結構なことだ。多少の同情でフラフラされては、旅の連れとしてたまったものではないからな」
「やれやれ……連れなら、もう少し言い方ってものを考えてけれてもいいんじゃないか?」
「それも変える気はない」
「アンペルさん、リラさん、そろそろ出発するよー!」
ある程度の調査を終えたライザがアンペルさんとリラさんを呼んだ
「分かった。さて、行くか」
「ああ……どこの誰とも知らん悪党さんよ、島の連中は息災だぜ。ここにやってくるほどにな」
「アンペルさんでもカッコつけたい時があるんだね」
「!?レイ……盗み聞きとは、褒められたことじゃないな」
「まあまあ、ボクも悪事を犯す錬金術士は嫌いだからね。だから、ボクも頑張るから、アンペルさんも頑張って」
「ははっ、言われるまでもない」
そして、ボクたちは塔を後にしてアトリエに戻ったのだった
レイガルン·アガタール…遺言を聞いて自分の先祖を作るためにオーレン族の死体を利用したくせに友人なんて呼び挙句の果てに自分たちが悪いと今更言ってきてキレかけた人。けれど、当事者のリラさんの方が辛いため我慢した