No one knows…   作:詠夢

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見切り発車、駄文、設定ガバガバ
それでもよければちょっとした暇潰し程度にどうぞ。



皆んなで悪の組織ぶっ潰そうの会!

アーク。人類の超巨大地下都市であり最後の生存領域。

およそ100年前、ラプチャーに敗北し地上を失った人類はこの地下の箱庭に逃げざるをえなかった。

人類の最先端の技術が駆使されており、人口の空まで作られている。

殆どの人間は空が偽物であるということも知らず平和に暮らしている。正確に言うと犯罪などは起きているのだが、人類はラプチャーの脅威に怯えることもなく平和に暮らしている。

 

さて、そんな平和な日常の一ページ。

 

「ルイ!危ない!」

 

母親と歩いていた少女が車道から飛び出してきた車に轢かれそうになっていた

スピードの出た車から少女を助け出せる者がいるわけもなく

その日最初の悲劇の事故が起きてしまうのだった

その筈だった

 

空間が歪む

 

車が少女の体に衝突する瞬前少女を抱えてそこから離れる

何が起きたのかは誰にも気付かれない

母親の元に少女を置いてその場を離れる

 

空間が元に戻る

 

誰かの悲鳴が上がる

誰かが警察を呼べと怒鳴る

誰かが写真を撮ろうと身を乗り出す

そんな中

 

「リオ?!あぁよかった、怪我はない?」

「……うん、ママ」

 

母親は少女を抱きしめ泣きじゃくる

少女はショックの影響か母親に抱きしめられたまま虚空を見つめている

正確には虚空の先の一人のフードを被った人物を見つめている

だが、騒ぎに集まってきた群衆に遮られてしまい次に見た時には既にその人物は姿を消してしまっていた

 

(誰だったんだろう…)

 

 

 

 

人ごみに紛れて狭い路地に入る

誰にも見られてないことを確認してから無線を起動する

 

「こちらエース、当該車両を確認した。被害者はゼロ、やはり遠隔で動かしていて車内に人はいなかった。周囲も確認したが怪しい人物も見当たらなかった」

『了解。今その車両の記録を確認して操縦者を逆探知してるからそのままパトロールしてて』

「了解」

 

無線を切った後、再び群衆の中へと向かう

 

 

 

「やはり仕事が的確ですね彼は。あの人にも見習ってほしいものです」

「本当にね…エクシア、逆探知の方はどう?」

「順調で〜す…面倒くさいですけどよくある手法ですねー…多分そろそろ…あ、出ました〜」

「確認したわ。エース、座標が出たわ送った地点に至急向かって」

『了解』

「増援は送りますか?」

「いいえ、彼の足手纏いになるだけでしょ。それに彼なら一人で十分よ」

 

 

 

 

 

「クソッ!!!」

車両の衝突事故が起こった場所からおよそ5キロ程離れた路地にて

フードを被った男が苛立たしく地面に先刻まで持っていたデバイスを叩きつける

車両を操って確実に少女に衝突させた筈なのに少女は車の衝突から逃れていた

何故だ?あの状況から逃れる方法は無かった

どうやったって確実にあのガキは死んでいたはず

男が冷静だったのなら直ぐに移動しようと判断できたかもしれないが、カメラ越しに見た光景に男は思考力を奪われていた

故に、男が逃げる前に彼が到着してしまった

逃げていても彼が追いつくのに変わりはなかったかもしれないが

 

「お前が犯人だな」

「!!!」

 

まるで初めからそこに居たかの如く

音は無く、気配も無く、機械なのではないかと錯覚する程に人間離れした何者かがそこにはいた

いつの間にか背後を取られた男にできることは逃げ出すことだけであった

謎の人物からできるだけ離れる

何故ここが分かった?

逆探知でもされたというのか

誰が?何の為に?

逆探知ができる程の技術力と権力を持ち合わせている何者か

そんなものは……

そんなことはどうでもいい

アレは確実に自分を追ってここまで来た

つまりはアレに捕まれば自分の人生は終わりを迎えるということ

 

「まぁ、逃げようが逃げまいがお前の末路は変わらんがな」

 

突如頭上から声が降ってきた

と思ったら男はすでに地面に組み伏せられていた

 

「っ!離せぇっ!」

「離せという犯罪者を離す間抜けがいるか。とにかくお前が車を動かしてた犯人だな?殺人未遂の容疑でご同行願おう」

「畜生…」

 

男は腕を掴まれて立ち上がらせられる

そこで初めて追跡者の顔を見ることになるのだった

 

「テメェ、中央政府の指揮官か…?」

「ん、流石にアウターリムの人でも俺のこと知ってるんだ。有名になると何処から恨まれてるか分かったもんじゃないよ。取り敢えず同行願おうか、因みに拒否権はなしね」

「…クハッ!そういう訳にもいかねぇんでな!」

「っ?!」

 

瞬間、指揮官の体が動かなくなる。

よく見ると男の腕に何かの機械が取り付けられていた

そしてその機械から何かの電波が出ていることに気付く

 

「お前、ニケのくせして指揮官なんてやってんだろ?秘密にしてるみたいだが知ってるぜ」

「……最近巷で噂のニケの動きを妨害できるってやつか。いいもん持ってんじゃん」

「へっ、こちとらテメェらに追い回されてるんでな!」

 

男が銃を構える

 

「あー、分かってるとは思うけどただの銃はニケには効かないぞ?」

「残念、これはニケを殺す為に作られた特別製の弾だ。頭さえ撃ち抜けばテメェらでもお陀仏だぜ」

「Oh…まじか」

「てなわけでな、悪いが死んでくれや」

 

男がニケの頭に銃を突きつける

 

「遺言だと思って聞いて欲しいんだけどさ」

「あぁ?」

「なんで殺す前に一々話すのかね、サクッとやっちゃった方が手っ取り早いのに」

「あぁ?」

「〇〇戦隊とか、〇〇ライダーとかそういうのと同じ理論なんかね」

「知るか」

 

男が引き金を引く

押し付けていた銃口から抵抗が消える

ニケがそのまま地面に倒れる

なんて言うことは無かった

そもそもニケは姿を消していた

 

「は?」

「だからこうなるんだよ」

 

男の手に銃はなくいつの間にか手錠が掛けられていた

そして撃ったはずのニケが男が持っていた銃と機械を興味深げに観察しながら男の周りを歩いていた

 

「……何しやがったテメェ」

「敵に素直に教えるわけないでしょ。というか逆に聞きたいんだけど君ってあの組織と関わり合いある?」

「......なんのことだ」

「うわぁ、明らかに知ってるやつが言うセリフNo.1じゃんそれ。まぁあいつらじゃないとここまで大規模な工作はできないしね、分かりきったことではあるんだけど」

「お前何者だ」

「うーん、結構メディアとかには出てると思うんだけどなぁ。というか君さっき自分で言ってたじゃん」

「そういうことじゃねぇ、お前明らかに普通のニケじゃねえだろ。もしかしてクイーン達の仲間なのか」

「確かにクイーンは中央政府と関係があるから仲間といえば仲間になるのかもしれないけど僕はあっち側ではないよ。メディアでも出てる通り僕は中央政府所属の指揮官さ」

「ニケが指揮官とか世も末だな」

「それには同意するよ。ていうかお喋りしすぎじゃない僕等?いつになったら護送チーム来るんだろ......あ、僕が報告入れないと来るわけないか」

「......阿呆なんかアンタ?」

「こればっかりは反論のしようがないね......こちらエース、犯人を確保した護送のチームを寄越してくれ。え、遅い?いや犯人が思ったより手強くてさぁ、ミサイル撃ってきたんだよ?マジで。ごめん、やっぱ今の冗談。冗談だからお願いだから通信越しでも分かる位殺気を飛ばすの辞めてくれません?」

 

「はぁ…戻ってきたら話あるから覚悟しといて。無理?何でよ、推しのライブ?あんた一回殴られたい?さっさと引き渡して戻ってきて。以上」

 

聞かなくても想像ができる通信の内容に苛立ちを隠せずに通信を切るユルハ

そしてそんな様子を見て通信先の男に対して頭を悩ませるアドミ

これがエースいう男と長らく関わってきた彼女達の日常だった

 

「お調子者ということ以外は欠点という欠点がないんですけどね...」

「別にそんなことないわよ。彼奴は他にも沢山欠点ある典型的なダメ男よ。ポンコツぶりだけならあの子にも負けてないわね」

「ユルハはエースさんには厳しいですね」

「……そんなことないでしょ」

 

「超優秀指揮官兼捜査官エース。たっだいま戻りましたー!ユルハさーん、しっかり犯人引き渡しましたy......ちょっと急用を思い出したので帰らせていただき「待ちなさい」ヒエッ」

 

意気揚々と作戦室に入って来たエースはユルハを見るなり綺麗なターンを決めて逃げ出そうとしたが失敗。

ユルハに首根っこを掴まれてさながら猫のようであった

 

「普段適当な分今日はしっっっかり報告して貰うから」

「えーっと、犯人を追って色々あって確保した、じゃダメですかね」

「ダメに決まってるだろうが!」

「ブヘェェェ!!!」

 

ユルハによる強烈な右フックが炸裂

エースは吹き飛ばされて近くにあった椅子に吸い込まれていった

ユルハが周りの隊員に合図を出すとそのままエースを椅子に押さえ付ける

 

「何だ!やめろ!俺は何もしてないんだ!弁護士を呼んでくれ!これは違法捜査だ!」

「残念。既に弁護士は買収済みよ」

「?!何だと!クッ、ここの司法は全てこの鬼の思うままというわけか。なんて事だここまで腐っていたとは」

「さぁ、吐きなさい。あなたに逃げ場はないわよ、というかあんたわたしのこと鬼とか言ったわよね?よし後で絶対一回殴るから」

「冗談です。そんなユルハ姐様のことを鬼って言うだなんて今僕のことを押さえつけてる隊員達しかいないですよ!」

 

(((((!?!?!?)))))

 

ユルハの目が周囲の隊員達へと向く

 

「決してそんなことは…」

「上官のことをそんな風に言うわけがないじゃないですか!」

「確かに鬼みたいだとは言いましたけど…」

「バカっ余計なこと!」

「(オワタ…)」

 

隊員の一人の一言によってユルハの殺気が増す

それに怯える隊員達の様子を見てエースはあることを思い付く

 

「(おい、協力してここから逃げるぞ)」

「!(そんなことしたら本当に殺されちゃいますって)」

「(どっちにしろこのままだったら殺されるわ戯け!)」

「(確かに…)」

「(いいか、俺が閃光爆弾を出すから合図したら目と耳を塞げ…いいな?)」

「(了解)」

「あなた達、そいつをしっかり捕まえておけば罰則は無しでいいわよ」

「「「「「イエス、マム」」」」」

「お前らァァァァァ!」

 

そうしてエースの絶叫が部屋の中に響くのを聴覚をオフにすることによって無視してアドミは一人で今回の任務を振り返る

 

今回の任務は3週間前から偶発していた車両の衝突事故の調査が始まりだった

車は高価な為、ロイヤル位しか所有しておらずアークでは車が走っていること自体稀である

車両が少ないにも関わらず交通整備の人員は充実している(人員の無駄遣いでは?

そんな中人命被害を出す程の事故を起こしたとなってはそれ相応に騒ぎにはなる

しかも車には人が乗っておらず、事件として扱われかなり大掛かりな捜査が行われた

しかし収穫は一切ゼロ。

結果、中央政府が直接捜査をすることになった

そうして中央政府からトライアングルに任務を言い渡されたのが2週間前

中央政府直属の部隊であり、アーク中のあらゆる情報を得ることのできる自分たちですら当初捜査は難航していた

そこへやって来たのがエースである

 

コードネーム:エース

表では中央政府直属の人間の指揮官として“新星の再来だ”とか

“人類の希望だ”とか持て囃されている(らしいです興味がないので知りませんが

裏では中央政府の命令でアークの平和を脅かす人間を始末するために働いています

どうでもいいことですが、彼は一応唯一の男性のニケです

だからなんだと言われればそうですが、かなり珍しく初めて知る人には驚かれるそうです

実際、私も初めて紹介された時は少し驚きました

彼とは何度か別の任務でも協力しており、今回の任務も彼が合流してから捜査が一気に進展しました

車両を遠隔で操作しているということにもいち早く気が付き、エレクトリックショックとプロトコールに直接協力を申し出たのも彼です

任務に取り組む時は優秀でとても頼れるのに…今もなお椅子に拘束されているのを見ると本当に同一人物なのかと疑いたくなります

話が盛大に脱線しましたね

一連の事件は今日エースさんが捕縛した男による犯行でした

男はアウターリムの人間であり、以前にも別の事件を起こしており重要指名手配犯として登録されていました

何度かニケの部隊に追跡されていましたが今回押収した機械によって逃げ仰せていたようです

犯行理由は黙秘。

使用していたデバイスや武装の潤沢さから恐らく組織的なものだと思われますが、犯人からはまだ何も聞けていません

車の方ですが、車の製造場所から盗み出されていたようです

車を操作した方法ですが、盗み出した後車の操作機関の部分に遠隔で操作できるよう細工をしていたようで、操作自体は民間人のデバイスを幾つか経由して本人はバレないよう離れた場所で隠れて操作していたようです。

 

そうして一連の流れを纏めていたら不意に肩を叩かれた

振り返ってみると仕置きが終わったのかユルハが何か口を動かしていた

聴覚を切っていたことを思い出し、慌ててオンにする

 

「すみません、聴覚センサーを切っていて聞こえていませんでした。なんでしょう?」

「いや、大したことじゃないのだけど彼の腕が取れちゃってメンテナンスに連れていかなきゃ行けないから報告書頼める?」

「十分大したことなんじゃないですか……?取り敢えず了解しました。というより既に取り掛かっていますのでお気になさらず」

「ありがとう。それじゃ任せたわ」

 

そう言ってユルハとエースさんは作戦室から出て行った

 

「何だかんだ言ってエースさんが来てから楽しそうですけどね…」

 

そう一人呟くアドミであった

 

 

 

 

「なんで人間の力でニケの腕が取れるのよ」

「いやぁ、メンテをサボってたら摩耗しちゃってたみたい…アハハ…」

「あなたねぇ…」

「面目ない」

「メンテナンスをしなかったというだけでニケのボディがそんな簡単に壊れるわけない…あの力の影響なんでしょ?」

「それを含めてメンテナンスだからどっちにしろ僕が原因なのには変わりないよ」

「そんなのは知ってるわよ、次からはちゃんとメンテナンス行け」

「はい…」

「……直せるからと言ってそれを使いすぎるのもよしなさいよ」

「うん、一回酷く怒られたからね」

「五月蝿い(ゴスッ」

「痛った!なんで?!」

「さっさと行くわよ」

「マジでなんで殴ったん?」

「また殴られたくなかったら黙って歩いて」

「イエス、マム…」

 

余談ではあるが後に二人纏めてメンテナンスのエンジニアに怒られたのであった…

 

 

 

 

 

 

扉を開けて室内に入る

「テメェは昨日の…」

「やっほー、昨日の今日でまた顔を合わせることになるなんてね。昨日から尋問されっぱなしでしょ、ほらカツ丼でも食べて一息吐きな」

「いらねぇよ、ていうかこうして見ると本当にテレビに出てくる野郎と一緒だな」

「一緒ていうか本人だから。てなわけでこのスーパーエリートコマンダーが今日のお話し相手だよ。趣味は推しの音楽を聴くことと推しのグッズを集めること、推しのライブの録画の鑑賞です。よろしくね〜」

「やってることただのオタクじゃねえか」

「オメェ今この世の全てのオタクを敵に回したぞ、覚悟はいいか?俺はできてる」

「一人で会話すんな、あと言っておくが俺は何も喋らねえぞ」

「友達が少ないと一人で会話することも増えるんだよ。あと、何も喋らないってこともないんじゃないかな。今の君は拘束されている身だし、そもそも君はアークでの権利は持ち得ていない。故に非合法なこともできちゃうんだよ?」

 

そう言って目の前の男に向けて笑顔を見せる

ただの笑顔ではなく、普通の人間だったら本能的に恐怖を抱くタイプのわっる〜い笑顔だ

こういう脅しをする時には笑顔が一番。そんなことがあり得なくても相手が勝手に拡大解釈してくれて従順になってくれる。

これ以上手っ取り早く話を聞かせてもらう方法はないよね

 

「っ!何するつもりだ」

 

効果はばつぐんだ!

表には出せないあんなことやこんなことを想像して怖がっちゃってるみたいだね。僕がこんな顔で笑いながら拷問する姿とか想像しちゃたのかな?………待って、自分で一瞬想像しちゃったけど思ってたよりこえぇなこれ。次から気を付けよ

 

「正直に話してくれるなら、僕は君に危害を加えるつもりはないよ。信じられないと思うけど」

「……元々ニケは人間に危害を加えられないんじゃなかったか」

「うーん、確かにね…でも残念、僕は特例でリミッターが外されているんだ」

「っ!!!」

 

つい反応が面白くてまた笑顔になっちゃった

あんまり怖がらせると逆に話してくれなくなるからなぁ…気を付けなきゃ

というかお偉い方から何をしてでも情報を聞き出せって言われちゃってるんだよなぁ…ドラマで出てくる素直に話したくなるお薬渡されちゃってるんだよなぁ

どうしたもんかねぇ…

 

「……話せば解放してくれるか?」

「!うーん、ないね」

「クソが」

「でも、君解放された所でどうするの?」

「あァ?」

「今はここで保護してあげてるけどもしアウターリムに戻ったら君、確実に始末されるよ?」

「っ!」

「そりゃそうでしょ、だってあれだけ準備されてた作戦を失敗したんだもん。組織からしたら恨みこそすれど歓迎はまずあり得ないでしょ」

「……じゃあどうすればいいんだよ」

「簡単だよ、君が僕たちに情報を渡して僕たちが組織を潰しに行く」

「無理に決まってんだろうが」

「へぇ、その心は?」

「あの組織はアウターリムでもトップの規模だ。アークにだって構成員は入り込んでる。ここだって誰が聞いてるかわかんねえぞ」

「それどこのスパイ組織だよ。ていうかやけに素直に話してくれるじゃん、どしたん?」

「別に、話しても話さなくても俺の末路は変わらないみてぇだからな。面白い方に賭けてるだけだ」

「そうかい。じゃあ直球ドストレートで聞くけど拠点は全部で幾つある?」

「俺も全部は知らねぇが五つは知ってるぞ」

「じゃあその場所の地図分かる?」

 

そう言って机の上にアウターリム全域が載った地図を広げる

 

「何で用意してんだよ」

「まぁ、君が素直に話してくれるって信じてたから」

「ウゼェ……」

 

そう言って彼は地図を詳しく見始める

 

「ここと、ここ……あとここもだ」

 

彼が示していく場所に印を付けていく

そうして五つの拠点の場所を確認し終えると男は椅子に深くもたれ掛かった

 

「お疲れ様、君のおかげで長らく続けてきた捜査がやっと終わりそうだよ」

「そりゃよかったな……なぁ、本当に潰せるのか?」

「なぁに、期待してるの?さっきまであれだけ組織に従順だったのに」

「うるせえ、真面目に答えろ」

 

 

「当たり前でしょ、僕を誰だと思ってるのさ」

 

 

 

 

 

 

 

「あんたに何ができるって?」

「はい、すみません……」

 

何故だ

何故僕は昨日に続きまた今日も説教されなきゃいかんのだ

まぁ心当たりがないと言えば嘘になる

情報を聞いた後、彼女たちに共有もせず一人で突撃しようとした挙句、アドミに見つかって色々言い訳をしようとしたけど全部ダメでゴリ押しで走って行ってしまおうとしたらユルハと正面衝突したけどこの内のどれがこの鬼の地雷を盛大に踏み抜いてしまったのだろうか

 

「(ゴスッ」

「痛ったぁ!本当に何で?!」

「なんか失礼なこと言われた気がしたから」

「人の思考を読むなよ、それ僕の専売特許なんだから」

「で、何で一人で行こうとしたんですか?」

「え、一刻も早く悪者をとっちめようと思って……」

「計画性ゼロ、短絡的、実現性…はなくはないですがバカですね」

「酷くないですかアドミさん?!」

「妥当すぎる評価ね」

「妥当な評価です」

「あら、息ピッタリ仲良いね」

 

まぁ確かに少し冷静じゃないかも

あの組織は確実に彼女が絡んでるしそれが原因か

自分でも自分のことを冷静に見れていない程とは……重症だなこりゃ

 

「確かに僕の悪い所が大いに出てた、二人にちゃんと話して計画を立ててからの方が被害も少ない…申し訳ない二人とも」

「…頭を上げてください。その情報は貴方でなければ聞き出せなかったでしょうし、そもそも彼を捕らえたのは貴方の功績です。今回の功労者に掛けるような言葉ではなかったですね。こちらからもお詫びします」

 

三人の内二人が互いに頭を下げ合っているという状況に少し気まずくなったユルハが二人の顔を無理矢理上げさせる

 

「そんなことしてる場合じゃないでしょ!組織の連中がいつ場所を移すかも分からないんだから、さっさと部隊を編成して向かうわよ!」

「でも、上からの許可は……」

「問題ありません」

 

そこへ我らがチョロインお姫様プリバティがやって来た

 

「誰がチョロインですか!」

「え、プリバティさんも思考読めるようになったんですか?」

「思いっきり口に出てましたよ」

「まじかぁ…」

 

我、ナレーションを口に出してしまうという大失態

 

「それより、許可は降りたのね?」

「ええ、私たちだけじゃなくて他にも部隊を動かしてくれるみたいです」

「他の部隊…?もしかしてあいつらか」

「誰のことかは存じ上げませんが、貴方が仲良くしている彼女たちにも協力してもらえ、とのことでした」

「うん、アウターリムのことだから元からそのつもり」

「それでは、私たちは準備をしてから向かいますので一足先に向かっていてください」

「了解、それではまた後ほど」

 

そうして三人と別れてアウターリムへ向かう用意をしに部屋へと戻る

 

 

 

 

 

 

「なるほど、それでわざわざここへやって来たというわけですか...」

「ええ、何分戦闘が激しくなりそうなもので戦力が多いに越したことはないので皆さんに協力して頂きたいのですが...」

「構いません。元より彼らの行動は些か過激すぎましたので、我らとしてもあの組織は早々に潰しておきたかったので」

「毎度毎度すみません、ご迷惑をかけてばっかりで...」

「そんなことはないですよ。それに貴方の兄君にはいつも助けられていますので」

「そういえば、あのボンクラ兄貴は何処へ?」

「今はモランの所へ行ってるはずです。彼方の方で手伝いが欲しいとかで」

「なるほど、それじゃあ次は彼女の所へ向かうとします」

「其方はお願いします。私はロザンナにこのことを伝えてから向かいます」

「ではまた後ほど」

「ええ」

 

良かった、正直彼女にはもしかしたら断られるんじゃないかと不安だったが今回は義があると認められたらしい

それにあの兄貴のことも世話してくれてるし、いい人すぎないか?というかクイーンの人達全員いい人なんだよなぁ……

というかお茶うま

 

 

 

 

 

 

「あれ、兄さん今日は何用で?」

「いや、ちょっと人が入り用で協力を頼もうと思って来たんだけど…モランはどこ?」

「姐さんですか?多分ソファで寝てると思いますけど…」

「嘘でしょ?今何時だと思ってんだよ…邪魔するぞ?」

「兄さんだったらいつでも歓迎ですよ〜」

「そういや、荒事になるけどジンはどうする?」

「いやぁ、昨日足を折っちゃいまして…ちょっと参加できそうにないっすね申し訳ないっす」

「いつも通りね了解…」

 

あんだけ厳つい見た目しておいてブレーンはないだろ…

初見だったら若様の護衛とかそういうゴリゴリの格闘タイプだと思うのにあれで喧嘩が苦手って言ってるんだぜ?

あれこそこの世のバグだと思うね俺は

で、ソファの前までやって来た訳だが……

 

「何だこりゃ」

 

目の前には同じソファで眠る一組の男女が……

というか男の方は女の腕によって体を締められているのか苦しそうに呻いている

あんな細い腕からどれだけ強い力が出ているのか考えると恐ろしい

この世のバグ二人目見つけたわ

 

「はぁ…おい、起きろバカ二人〜?牡丹会崩壊の危機だぞー、あとモランはさっさと兄貴を離してやれ死にそうだから」

「敵はどこだぁ!?」

「急に飛び上がんなよ危ないなぁ」

 

牡丹会崩壊の危機、という言葉に焦ったのかモランが目を開けたと思った次の瞬間ソファから飛び上がって来た

普通に顔を引いてなかったら顎に頭頂部がストライクショットしてたぞ

 

「あれ、お前が何でここにいるんだ?今日は特に予定もなかったはずだけど…」

「急用でな。悪いが手伝って欲しいことがあるんだけど」

「えっと、自分で言うのもあれだけど頭使うことは得意じゃないぞ?」

「そんなんとっくに分かってるわ。デスクワークで頼ることがあったとしてもお前だけには絶対に頼らないから安心しろ」

「そこまで言わなくても……」

「ちょっと危ない組織がいてな、そこを潰すのに人が要るんだ。手伝ってくれないか?そういうの、得意だろ」

「あぁ、そういうことなら任せとけ!牡丹会総出で協力するぜ!」

「ありがとう。それじゃ俺は兄貴連れて行くからモラン達はサクラ達に合流してくれ」

「分かった!」

 

やっぱ元気だなぁ、この人。天真爛漫とはまた違うんだろうけど、一緒に居て楽しいから好きなんだよなぁ。あ、ラブではないから安心してくれ、モランにはもっと良い人が相応しいだろうし。

ていうか兄貴おもっ

 

そうして兄貴を引きずりながら拠点の一つである建物の前までやって来る

 

「おーい、いい加減起きろ兄貴ー。さもないとサクラに言いつけるぞー」

「それだけはやめてくれ…ていうか、わざわざ俺連れてくる必要あった…?三人が協力してくれてるんだからお前だけでも楽勝じゃん…」

「あんたも偶には働け。最近完全にヒモ男になって来てるぞ?三人とも優しいから許してくれてるけど…」

「優しい人には甘えるべきだと思うんだよ俺は」

「甘えすぎだわボケ…ていうかいつの間にモランとあんな仲良くなってるんだよ。言っておくがモランとあんたは認めないからな」

「え、『娘はやらん!』てやつ?いつから俺のお父さんになったんお前?」

「お前じゃモランに相応しくない」

「あ、モラン側のお父さんだったんだ。それじゃお義父さん、娘さんを僕に下さい」

「お前それ本気で言ってる?」

「急にマジになんなよ……冗談に決まってるだろ、というか今日のアレに関しても急に抱き枕代わりになって欲しいって言われてああなってただけだから…本当に疾しいことはないからな?」

「怪し〜。まぁいいや、さっさと制圧して他の拠点の情報を貰おう。何分要る?」

「お前に合わせるよ」

「じゃあ30秒で」

「やっぱり5分だけくれない?」

 

『こちらエース、各員報告を』

「清明会、総員位置に着きました」

「ヘッドニア、準備できたわ」

「牡丹会、いつでも行けるぜ!」

「トライアングル部隊、突入可能です」

「………」

 

やっぱり彼女達は反応しないか

まぁ、隠れて手伝ってくれてるだろうから俺らも頑張ろう

 

「それでは各位、突入!」

 

無線から喧騒が聞こえてくる

それぞれの場所で始まったようだ

俺らも遅れを取らないようにしなくては

 

「よし、行くぞ兄貴」

「へ〜い、めんどくさいなぁ…」




どうも、ニケって女性しかいないよな…よっしゃ男キャラ作るかというノリで書き始めました作者です。
まず初めに、ニケの男キャラがいないというのに関して色々設定上矛盾点や読んでいておかしいだろ馬鹿野郎と思われることが少なからずあることと思います。これにつきましては原作と矛盾が発生しないよう落とし所を探りながら書いていきたいなと思っておりますので、何卒ご理解の程よろしくお願い申し上げます(土下座
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