不定期更新です
超常が日常になった世界、僕のヒーローアカデミアの世界に転生したならどんな個性が欲しいか……
そんな話を友達としたのを覚えている。
私は確かそう、オバホのアレが良いと言ったんだったか。
治せるのがいいよね。
友達は新秩序がいいと言っていた。
そんなもん誰だって欲しいだろ、と結局はありきたりな事を話したものだ。
そうして今、私はニュースでオールマイトを見ている。
そうニュースだ。ヒロアカが放送されているわけではない。私はオールマイトがヒーローとして人々を救う映像を見ている。
つまり、私は転生した。
せっかく転生したのだからどうせなら強個性がいいなぁとか思いながら、年甲斐もなくヒーローにキャーキャー言っている。
ついでにいうとTS転生した。
お母さんの顔を見るに、多分私も将来美少女になることは確定だろう。
「お母さんあのね!わたし凄いヒーローになるんだ!」
なんて、きゃっきゃと小さな女児みたいにはしゃいで、私は個性診断に向かうのだった。
「お嬢さんの個性はリボンだね」
私の右手からぴょろんと飛び出たリボンを見て、大分怪しげな例の
「まぁ…リボン?お父さんの遺伝かしら」
「…………」
リボン……リボンかぁ……
もっとこう…なんかさぁ。もっと強そうなの、無いの?
ていうか私まだ父の顔見たこと無いんだけど死んだん?
リボンは無いだろ、そんなヒーローいるかよ。
「だ、大丈夫よ!お母さん応援してるから、ね?今日は
そして、私はその後一週間ほど拗ねた。
リボンは無いだろ……と。
リボンはちょっと、さぁ。転生者としてどうなの?
「維折、大丈夫よ、きっとヒーローなれるって!ね?お…ベストジーニストを見てごらん?あの人だって鍛えたから強いだけでそうでなければ繊維を操るだけ?ってなるわよ?個性の強さ的にはそうそう変わんないわよリボンだって!」
「ヒーロービルボードチャート4位に凄いこと言うね…」
お母さん大丈夫?さすがにそれ親の贔屓目凄くない?
確かにベストジーニスト、どっかの金玉に「ンンッふふふっふっw君の個性は鍛え上げたからこその強さァ〜ンンふふふっふっ」とか言われていた。
なるほど、確かに、じゃあ私でもなんとかなるかな…
「それにあなたは私とあの人の子よ、最強に決まってるじゃない!もう…最強よ、最強。維折の強さ見せつけるのよ!」
「そぉ〜かなぁ〜!わたしってば最強かなぁ〜!?」
「そりゃああなた、私は元ヒーローよ?お父さんも現役ヒーローだし……サラブレッドよサラブレッド、強いはずよ!」
「そうなんだ…知らなかった…」
お母さんが元ヒーローだっていうのも、父が現役でヒーローやってるのも知らんかったそんなの……
しかし、なんだかやる気が出てきたぞ。
明日は限界まで個性使って訓練してみよう。
「ありがとうお母さん、スッキリしたから寝るね」
「うん、おやすみなさい」
やっとやる気が出てきた。
そうだよ、目指すべきはオールマイトではない。
目指すべきはベストジーニストなんじゃないか。
どんな個性も鍛え方しだいだよな、よし、頑張るぞ。
私が憧れたオールマイトよりも人を救えるヒーローになってやるぞー!
「すーー…すー……」
深夜2時を過ぎた頃、ようやく帰宅できた。
最近は忙しくてなかなか家に帰るのが遅くなってしまう。
特に娘が産まれてからというものの、少しばかり仕事を詰め込みすぎたかもしれない。
「ただいま。維折はもう寝てしまったかな」
「ええ、5時間は遅かったわね」
「早寝なのは良いことだ」
妻にも負担をかけてしまっているだろう。
娘の面倒を妻一人に任せてしまうとは……
「維さん、私も元々あなたのサイドキックですよ。ご心配無く。維折はもう、いい子よ、いい子。手のかからない子」
「そうか。君に似たのだろう」
最近はこうして娘の寝顔を眺めることが、なんというかそれだけで疲れが取れるような気がする。
私と同じで、ヒーローであり父でもあるエンデヴァーもこんな気持ちになるのだろうか。
「明日は随分と久しぶりに休みが取れたよ」
「それは嬉しいです。久しぶりにあの子に会えるのでは?」
「ハハハ…顔を忘れられてやしないか不安だな」
維折……私達のつむいだ平和の証。
頬がほころぶのも、今ばかりは悪いことでもないな。
「あの子も個性が出たんですよ」
「そうか…どんな個性だったんだ?」
「リボンです。リボンを精製して操る個性」
………なんか知らないけど知ってる声がする。
だれだ?CV緑川っぽい聞き覚えのある声だ。
眠い身体を起こして階段を降りるとはっきりと声が聞こえてくる。私の個性の事を話しているのか。
「リボン、か。繊維を束ねた個性。なるほど、世代を経る事に強力になるというならさしずめヴィンテージデニムか」
「あ、ジーニストだ」
眠くて目がぼやけてたんで確証が持てなかったが、やっぱりこの声ベストジーニストだ。なぜ家に?
「維折、おはよう」
嬉しそうに笑う首の長いイケメンが目に眩しい。
ていうか首長いな……個性キリンだろ。
「維折?どうしたの?」
お母さんは料理中なのか包丁を片手にこちらを見ている。
おそらくだが心配されているのだろうか?
「あ、いや。なぜここにベストジーニストさんがいるのかと…」
「えっ」
「痛っ!」
え、なに?なんなの?怖い。
ベストジーニストさんはなんでそんな絶望しきった顔してんの?どっかで会ったっけ?無いよな……
「…お母さん、血が出てる!」
よくわかんないので助けを求めるようにお母さんを見ると指から血が出ている。とりあえず止血しないと、と思って私の個性で造ったリボンを指に巻きつける。
「すぐに手当を…」
「あら…?なんだか痛みが引いたわ…」
「えっ?」
恐る恐るリボンを解くと、傷はすっかり消えていた。
どういう事だろう、私の個性ってリボンだよな?
「……そうか、個性が混ざり合ったんだろう」
「あ、私の個性……【消毒】!」
「私達の個性が合わさった複合型…」
消毒の個性がどうなれば傷を塞ぐ個性になるのか分からない。
いやまて、今なんていった?
「私達の個性って言った?」
「あ、あぁ…維折、私の事知っているかな」
「ベストジーニストでしょ?」
ベストジーニストは何を言いたいのか。
お母さんは笑い堪えてるし……
「私の名前は袴田維、維折の名前を言ってごらん?」
「え?袴田維折………あ〜」
「ぷぷ……無理、面白いんですけどっ」
あー。なるほどね理解した。
そっか私ってベストジーニストの娘に転生したんだ。
なるほどね、私を転生せしめた女神様は私にNo.4の娘をやれと。なるほどね……道理でお母さんやたらベストジーニスト推してたんだ。……仲良くていいっすね。
「いやてっきり父親は死んだかと…」
「あのねぇ、現役ヒーローって言ったでしょ?」
「名前くらい教えてて欲しかったんだけどね」
ていうかしょうがないじゃん。
ベストジーニストはベストジーニストだもん、袴田維なんて名前私のようなニワカには分からないって。
「お、お父さん」
「すまない…」
ベストジーニストが言葉だけでダメージデニムになってる。凄い、センイ喪失しないヒーローがボロボロになってる。
「…あ、あの、お父さん…個性の使い方…教えてくれる?」
「あ、あぁもちろんだ。個性としては使い勝手は似たようなものだろうしな…」
とりあえず、心強い師匠を手に入れた。
これは、私が最強のヒーローになるまでのお話……
ということにしておきたい。
デニムと検索したら予測変換にリボンってでました。
デニムリボンってのがあるみたいですね
それだけです。