ベストジーニストのコーチにより、私のリボンの扱いは飛躍的に高まった。なんなら、頑丈さに関してはジーニスト以上だとお墨付きまでいただいた。
あ、申し遅れました。
私TS転生者の
ベストジーニストの娘に転生しました、将来は最強のヒーローです。対戦よろしくお願いしティロ・フィナーレ!!!
あれから考えたのだが、そういえば魔法少女まどか☆マギカにおいて、最強の魔法少女(バグ枠のまどかを除く)は巴マミだ。
そして巴マミはリボンの能力でマスケット銃を撃っていたわけで、理論上私にもできるということだ。
最近は早めに帰って来るベストジーニストを脅かしてやろうとマスケット銃を造っては射撃、造っては射撃、造っては射撃。お母さんに頼んで使わせてもらってるトレーニングルームの壁をぶち破る勢いで撃って、撃って、撃って。
どんな個性にも限界はある。
「撃って!撃って!撃って!撃ってぇ!」
合宿の個性伸ばしってようはこれでしょ?
限界超えて使い続ければいい。
私の場合ちょっと手脚の皮膚が裂けて血が出る程度。
軽いランナーズ・ハイ、撃ち続けていると楽しくなってあまり気にならない。
日に日に威力も精度も上がっていくのが楽しかった。
個性自体に何故か治癒力があるからそういうものなのだろう、不思議と傷はほとんど綺麗に治るので、美少女的にもそこまでのデメリットではない。
トレーニングを終えて、帰宅するときっていうのが油断しがちなときだと思う。
街でヴィランが暴れている。
なんてこと無いよくあることだ。
羨ましい………
あの人達は今、きっとやりたいことをやってる。
少女は、渡我被身子は堪えていた。
今すぐにでもあのヴィランみたいに自分の性を皆に打ち明けてしまいたい。
私は人の血を求めている、愛する人の血を。
ずっと我慢してきた。
親に言われた通りに我慢してきた。
抑えつければ圧えるだけ膨張していく本性を確かに感じているのだ。本能の赴くまま生きて死にたい。
こうしていると羨ましくて我慢できなくなりそうだ。
もう、さっさと帰ってしまおう。
「危ない!」
「いやぁぁあ!」
「女の子が襲われパァンッ!!
けたたましい銃声に思わず振り返る。
そこには、血塗れのお姫様がいた。
「動くな…!」
「ヒィィィ!う、撃つな!撃つな!」
ヴィランがあっさりと制圧されているのが見える。
自分とそう変わらない歳の女の子の血塗れの右手から無数の布が大柄なヴィランをがっしりと固定して、その上ヴィランの周りを沢山の銃が取り囲んでいる。
うち一丁からは煙が上がっていて、さっきの銃声の元だと分かる。
ヴィランの個性はなんだったのだろうか、おそらくは【トゲ】とか【針】とかだろうか。
少女の全身に突き刺さったそれに、少女自身の出す布に、なんと蠱惑的な鮮血が滴っているのを見て、思わず喉を鳴らしてしまう。
なんて、美しいんだろう。
チゥチゥ…したい。
「なぜ立ち向かった!維折がダメージデニムになる事など無かった!」
ベストジーニストにめっちゃ怒られてる。
正直さっきのヴィランの百倍怖い。
「別に……この程度痛くもないです…」
「無茶をしないでくれ…!君はまだ子供なんだ」
「……ごめんなさい」
ベストジーニストにとっては、私は子供なんだよな。
私としてはあんまり実感無いんだけど。
「それに……あのマスケット銃は?危険すぎる。相手を殺してしまうぞ」
「それは…ほんとに、そうでしたね…」
咄嗟に撃ったけど当たらなくて良かった。
あそこまでの威力は完全に過剰だったとしっかり理解した。アレを使うのはもう少し手加減慣れてからにしよう。
困った………ベストジーニストの言い分がもっともすぎてなんも反抗できないや。
「お姉ちゃん!大丈夫!?」
「お、大丈夫?ケガない?」
「お姉ちゃん助けてくれてありがとう!かっこよかったよ!」
……なんか、恥ずかしいな。
でもやっぱ、悪くない。嬉しいもんだね。
「……君が助けた子か」
「はい、そうです」
「次は攻撃を止める方法を教える。しっかり実力をつけるんだ。助けた相手に心配そうな顔をさせるな」
「す、すみません…」
全身に突き刺さったトゲを抜いて出来た穴をリボンで巻いて治す。こう深い傷だと時間はかかるけど。
それに怒られはしたけど新しい戦闘訓練もしてくれるらしいし、これは私の勝ちだな。傷もそんな痛くないし。
自宅まで一緒に帰ったら、お母さんにもバチクソ叱られたがまぁ……そういうこともあるよね。
「見つけたぁ……!イオリちゃん!」
百合は好きですか?
私は好きです。