私は今、雄英高校の入学試験に来ています。
ヒミコは今頃は推薦組として合格してるんだろう。
ここからは、原作に介入することになる。
袴田維折というキャラクターが読者に与える印象を良くしないとな、もしかしたらほら『僕のヒーローアカデミア人気投票1位の袴田維折』になってpixivでヒミコとの濃厚な百合が人気になったり、堀越先生がTwitterに『アニメ化したのでトガヒミコと袴田維折です。』みたいになって太もも!ってなる可能性もあるのだ。
百合といっても私のはTS百合になってしまうが……
主人公との第一印象はいいに越したことはない。
「…ぼーっとしてた」
とかどうでもいいことを考えていたら、もうスタート待ちだった。転生者としてあるまじきことだ。
主人公をガン無視してしまった。ていうか、いた?
………同じエリアには居ないようだ。
じゃあもう、最大火力のティロ・フィナーレしたいし0ポイントぶっ壊そうかな。
『はいスタート』
瞬間私はリボンで身体を引っ張って、パチンコみたいに射出する。
「ティロ・フィナーレ!」
とりあえず、ロボを見つけ次第全部破壊する。
究極は全部壊せば最強だろう。
この程度のロボなら貫通させられるな、脆い脆い。
リボンを伸ばしてロボとロボをぶつけて壊す。
『ヒョウテ…』
『ブッ…』
殺さないように気を回さなくて済むロボット相手だと楽だ。
というより、気が抜けるというか、脅威に感じない。
『チョッ…マッテ…!』
『タスケッ』
『ヤダァッ!!』
「ティロ・フィナーレ!ティロ・フィナーレ!ティロ・フィナーレっ!お前もティロ・フィナーレ!」
ティロ・フィナーレを撃つこと自体は殆ど疲れはない。
……が、ちょっと喉が痛くなってきた。叫びすぎて。
えーとコレで何体目だ?
20か?もっとか?あんま覚えてない。
「そこの君、もう大丈夫…なぜって?もう治した」
「えっ…あっ、痛くない!?」
怪我人をみたらとりあえずリボン巻けばいいし、ロボをみたらとりあえずティロ・フィナーレでいい。
なんて楽な作業だろうか、早くもヒミコに会いたくなってきた。
「もう大丈夫、治した」
もうそろそろヒミコも私の血が欲しくなった頃だろう。
血を吸われると身体中の力が抜けて、穏やかな浮遊感と心地よさを感じるんだ。その状態で膝枕されたらそれはもう天国だった。
「もう治した」
あぁ…寂しい。今までこんなに長い時間離れたことは無かった。いつから一緒にいるのが当たり前になったのだろうか。
私将来ちゃんとヒーローとしてやってけるかな…?
「治した」
ベルベットリボンのように滑らかなふとももは、愚かな転生者の心を力強く掴んで離さないのだ。
「ふともも」
「は?」
おっといけない。なんか意識が飛んでた。
私としたことがたかだか入試で
これではヒーロー失格じゃないか。
「うわぁぁあ!0ポイントがでたぞー!」
「逃げろーーっ!」
「0ポイントだ!あんたも早く逃げろ!」
「え?今ふとももっていった?」
あぁ、なんだただの0ポイントか……
まぁいいや、特大のふともも…じゃなかった。
特大のティロ・フィナーレをぶち込んでやろう。
「よし、カッコよく行こうかな!」
けして今までがカッコよくなかったというわけではない…ハズだが、ちょっとふとももに支配された思考を振り切るためにも派手に破壊してやる事にした。
リボンをたっぷりふんだんに使って、巨大な固定砲台を編み上げる。砲身を調整して巨大な0ポイントを正面に捉えたら、奴の脚部をリボンで拘束する。
「アルティマシュート・ティロ・フィナーレ!!」
けたたましい轟音と共に、巨大だった0ポイントの上半身が綺麗に円形に焼け削れた。
超質量で射出されたリボンの砲弾は、射線上に何一つ残すことは無い。それは、純粋な破壊そのものであった。
雄英高校の会議室、モニターを囲む教師たちが試験の様子を見定めていた。
「今年は本当に逸材揃いだね」
「レスキューポイント0で総合1位、対照的にヴィランポイント0で7位」
「総合1位は後半他が鈍っていくなか派手な個性で寄せ付け迎撃し続けていた…相当なタフネスによるものだ」
と、まずは1位の爆豪勝己と主人公である緑谷出久に焦点が当てられる。
原作通りの会話が交わされた後、話題は我らがオリ主袴田維折へと移される。
「2位の袴田維折も凄まじい個性の練度だ」
「2位の子なんだけど、彼女と推薦の渡我被身子は特例としてA組で見てくれると助かるのさ」
と、ここで突然トガヒミコの要求を口にするネズミ人間…いや、人間ネズミの根津校長。
「なぜです?そいつらだけ特例扱いするんですか」
「渡我被身子のほうは事情が特殊なのさ。彼女は袴田維折に強く依存している。精神も不安定だ。野に放つには危険すぎるという判断でもあるのさ」
「なるほど…監視、ですか」
「そして2位の袴田維折だけれど、まず彼女は強い」
維折の戦闘映像がモニターに映し出される。
多彩な攻撃、射撃、移動、防御、治癒。そのどれもが高水準。
それらに比べると体術は他の上位陣の受験生にはやや劣るが、確実に学生の強さではなかった。
「この高い戦闘能力が、渡我被身子についていってヴィランになられでもしたらもう手が付けられない。No.4の娘だし大丈夫だとは思うけど……念の為、渡我被身子の要望を叶えておいたほうが良い」
「確かに袴田少女のあの大砲がこちらに向けられたらと思うと……いくら私でも被害ゼロで勝つのは難しいかもしれないね!」
根津校長に同意するのはNo.1ヒーロー、オールマイト。
最強、最高、最良のヒーローである彼が思わず身震いするほどの火力が、アルティマシュート・ティロ・フィナーレにはあった。
余談だが、アルティマシュートというのはティロ・フィナーレの没ネーミングだそうだ。
「あなたでも、ですか」
「もちろん、負けるつもりはないさ。しかし私が彼女を止めるなら、最初の一撃で命を奪わないといけないほどには手こずるだろうね……その点相澤君なら見るだけで無効化出来るし、どの道A組にいれるつもりだったんでしょ根津さん!」
「うん、まぁそうなんだけどね。それでも特例としたのは、今年に限り…試験的にクラスの上限を22まで増やそうと思ってるのさ!その2枠には、あまりこういう言い方をしたくないんだけどヴィラン予備軍というべき子たちが入ることになるのさ」
本当にかっこいいアングラヒーロー、相澤消太が腕を組んで考え込む。
「…ということは、B組にもそういった生徒が入るという事ですね。私が言うのもなんですが、そういった事は抹消ありきの方針なのでは?」
「確かにそうだね。B組に何か合ったときも頼むよ相澤くん」
「………」
本当に大丈夫なのか…?
相澤はじっとりとした目で書類を見る。
「袴田維折…個性【リボン】……リボン?」
「あの大砲とかリボンで説明付く…?」
『リボンで傷が治るかフツー!?』
「リボンってなんだっけ…」
根津の調べによって過去の異常性を危惧された渡我被身子だったが、袴田維折の個性によって渡我被身子への疑念とか、爆豪勝己のタフネスとか緑谷出久の自己犠牲とか、特例4枠だとか、全ての印象を消し去って事なきを得たという。
A組に不在にするような子はいない…!
でも維折とトガちゃんはセットで入れたい…!
……せや、B組にも二人入れたらバランスええやん、の精神でした