【リボン】のヒーローアカデミア   作:嘘しか言わん狐

8 / 27
間に合いました…
不定期なんですけどね?


個性把握テスト

更衣室に入って、約10秒。

袴田維折は、死んだ。

 

 

「ヒミコ…この血は…すべ、て、君に…」

 

「ぺろぺろ…可哀想なイオリちゃん、なにを私以外にエッチな目を向けてるんですかぁ?」

 

「申し訳ありません…わ、わたくしのせいで…?」

 

そこには着替え中のヤオモモ、鼻血を流して倒れる維折、維折の鼻血を舐め取るヒミコのみがそこにあった。

 

「ケロ、鼻血を舐めるのはちょっとどうなのかしら、衛生的に」

 

「うわっ…わっ……わぁぁ……!?」

 

「都会は進んどる……!!!」

 

仕方ないので、ヒミコが維折を着替えさせ、グラウンドまで運んだのだった。

 

 


 

 

 

「個性把握…テストォ!?」

 

 

 

グラウンドに驚愕の声が響く。

相澤のじっとりとした目が、生徒達を一人ずつ射抜いていき……

 

 

「おい渡我、なぜ袴田は血塗れなんだ」

 

「鼻血の流しすぎです」

 

「叩き起こせ」

 

 

 

 

 

 

「ゲホッ……!!頭痛い…気持ち悪い…」

 

「やっと起きたか。2度説明するのも合理的じゃない、渡我、お前が説明してやれ」

 

「はいでーす。誰かが余計なこと言ったので最下位除籍でーす」

 

「よし、端的でいい」

 

しまった……原作の会話を聞き逃した。

個性把握テストか…まぁなんとかなるだろう。

私の個性は【リボン】だからな(?)

 

 

 

〜50メートル走〜

 

 

どうせやるなら、一番がいい。

入試の時は爆豪勝己に負けたしな…

あいつレスキューポイント0だったよね…?

どんだけ倒したんだ……?

 

「袴田、お前の番だぞ」

 

「はい」

 

私のリボンが最強だということを証明しないとねっ!

スタートと同時にリボンを射出して身体そのものを飛ばす!

 

「4秒8。4位だな」

 

「今お父さんの事煽りました?」

 

「いや……」

 

不甲斐ない……この程度の速度しか出せないとは…

まだまだ修行が足りないみたいだ。

これで本当に転生者だというのか。

 

 

「いや…まだだ……」

 

もっと上手くできるはずだ。

成長できるはずだ。普段は適当なことしか考えていない脳みそを高速回転させて、この個性を…更に、向こうへ。

 

 

 

〜握力〜

 

 

リボンを編み込んで強固な一本の綱のようにすると、握力計を包み込み、それを力いっぱい締め上げる。

 

「未来のNo.1だ!私はっ!プルスウルトラ!!!」

 

ギチ…ギチチ…ブチブチブチ…!

 

「切ったどー!」

 

「えぇ……?」

 

「測定不能」

 

握力計は、真っ二つに潰し千切られた。

切断面が潰れてぴったりと閉じてしまっているそれを、トロフィーのように両手に掲げていた。

 

「なるほど、あぁすればいいのです」

 

その後、ヒミコも同じ方法で測定不能を叩き出した。

 

 

〜立ち幅跳び〜

 

 

 

「リボンで空を飛ぶにはどうすれば……」

 

「立ち幅跳びって空を飛ぶものじゃないのです」

 

「いやまて、飛べるかもしれないな…」

 

「えぇ…?」

 

 

イメージするのは東方projectの鍵山雛。

彼女はリボン使いだ*1。そして回転によって飛ぶ*2

 

……これだ!!

 

両手から伸ばしたリボンを、できるだけ薄く…

タフタリボンのように薄く張りのあるリボンを両手に4枚ずつ生み出して、それを右手側を左回転、左手側を右回転させることによって、ヘリコプターのように空を飛ぶ。

 

「なるほどなのです」

 

「……いつまで飛んでられる」

 

「わかりません。でも一度リボンを出して操ってしまえば別に体力に消耗はないです」

 

「……そうか。……まぁ………無限でいいか」

 

「やったーー!」

 

そうして飛びながら、ついでに新技『神砂嵐』も会得した。

 

 

〜反復横跳び〜

 

 

「どうっ!?ヒミコ!!早くない!?」

 

「そんなに速くないのです」

 

「峰田の後じゃなぁ…」

 

「いやでも普通に速くない…?」

 

リボンを両側に張って、プロレスのロープ技のように跳ねてみたが、流石に残像は出なかった。

 

 

〜ボール投げ〜

 

 

「緑谷くんはこのままだとマズいぞ……?」

 

「ったりめーだ。無個性のザコだぞ!」

 

「無個性!? 彼が入試時に何を成したか知らんのか!?」

 

ふわっと……全ての力がゼロに戻される。

その腕に宿っていた爆発的な力が掻き消えて、力無くボールが転がった。

 

「な…確かに今使おうと…!」

 

「個性を消した…」

 

「そうか!凄い!やっぱり本物のイレイザーヘッドだったんだ!僕もあまり情報は手に入れられなかったけど個性を消す抹消の個性!まさかその感覚を自分で感じられるなんて…」

 

「つくづくあの入試は合理性に欠くよ。お前のような奴も入学できてしまう」

 

相澤先生が緑谷出久に何かを話している。

多分、原作と同じなんだろうけど、聞いてみたかった。

 

「抹消…ですか」

 

ヒミコが顔を顰めて奥歯を噛み締める。

大方、『嫌な個性です。人の個性を上から否定するなんて』とか思っているんだろう。

 

「個性は戻した。ボール投げは2回だ。とっとと済ませな」 

 

「ふわぁ…」

 

緑谷出久がぶつぶつと呟いて、不安そうな顔で俯くのを見て皆が注目する中、ヒミコの退屈そうな欠伸がよく響いた。

 

ブワッ…と痺れるような破壊力がその一本の指に収束される。

 

「……おぉ」

 

「凄いパワー…」

 

あんなに興味の無かったヒミコが興味深そうに目を輝かせてしまうくらいには、衝撃的な力が突き抜けていく。

バキバキに折れた指は、血の色を濃く浮かべている。

 

「まだっ……!動けます!!」

 

「以外と面白いですね、あの子」

 

「でしょう?お茶子ちゃんとくっつけたいよね」

 

「分かるのです」

 

なんて、私達の結託を他所に余裕の無さそうな鬼気迫る表情の原作主人公様に近づいて、そのグチャグチャの指をリボンで包む。

 

「こ、これは…?」

 

「それじゃ治しきれないから後でリカバリーガールに治してもらってね」

 

「ありがとう…!痛みが引いたよ!」

 

「袴田、コイツの為にならん」

 

「はーい」

 

 

そうして、ボール投げもついに私の番だ。

大量のリボンで巨大な大砲を組み上げて、その砲身にボールを落とす。

 

 

「アルティマシュート・ティ」

 

「おい!その技は…!」

 

「ちゃんと火力落としてますって!ティロ・フィナーレ!」

 

 

ドォォォンッ!!!

 

 

 

「なっ…!?」

 

「あれで火力を落としただと……?」

 

「す、凄い個性だ!一体どんな個性なんだろう、なにか黄色いリボンのような物を使ったりしていたけど…それに治癒能力も合ったから、まさかただのリボンじゃないはずだ。治癒能力でイメージされる布、と言えば包帯?いや、そもそも包帯でもリボンでも、一体何を動力に弾を飛ばしているんだろう?いくら個性とはいえ、これではまるで創造の領域に…

 

 

「反応消失……無限。途中で燃え尽きたようだな」

 

「すげぇぇ!」

「また∞だぞ!!」

「クソが……!」

 

アルティマシュート・ティロ・フィナーレを撃つとなんだか凄く気分がいい……

湧き上がるA組の声にテンションが上がってヒミコを抱きしめると、抱き返してきたので二人でくるくる回ることにした。

 

……ちなみにヒミコも同じ方法で無限になった。

 

 

〜持久走〜

 

 

「痛っ……そろそろキャパが来た……」

 

 

リボンを出しては身体を吹っ飛ばす。

リボンを出しては身体を吹っ飛ばす。

ちょっと方向整えて吹っ飛ばす。

 

持久走っていつ終わるんだろう。

 

リボンがうっすら朱にしみていくのが分かる。

手がズキズキと痛む。ヒミコズブートキャンプ(血を飲み放題の朝)で伸びたキャパだが、流石にただリボンを出すだけ、と色々と編み込んでいるのとでは、同じ時間でも量は断然変わる。

 

多分今、掌は幾つも裂けたような傷がついてるんだろう。

痛みのせいかリボンの出が悪いし、出力も落ちてきた。

脚とか背中とかからもリボンが出ればなぁ……

 

「はぁ…はぁ…いたい……!」

 

持久走はあまりいい結果では無かった。

元々体力はヒミコの方が多いんだ。

最近頭痛もするし耳鳴りとかもするんだ。

 

めまいとか…喉も渇くし…

 

「よしよし、お疲れ様なのです」

 

「ん〜……んん……」

 

「チョコ食べるのです」

 

あー…美味しい……

 

「授業中だぞ」

 

 

〜上体起こし〜

 

 

「はっ…は…は…は…」

 

「はい、イオリちゃんのヒミコはここにいますよ〜ほーら、がんばれがんばれ!」

 

「あぁぁ…ぁ…」

 

両手から血塗れのリボンを出して、強引に身体を引っ張る。もう自力で身体を起こす気力は無い。

 

「た、大変ですわ!!顔が青白くて発汗の症状があります!脈も浅い…大量失血の症状ですわ!」

 

「ヒミコ…チョコを」

 

「はいチョコなのです」

 

「よし!血が戻った!」

 

 

〜長座体前屈〜

 

 

「はい、いいですよ、まっすぐです。そのままそのまま」

 

「コーーー…ホーーー…」

 

青白い顔で汗を流す維折の口に個性で造った酸素吸入器を口に押し込む八百万の迅速な処置により、なんとか真っ赤でグズグズに傷んだリボンを伸ばし続ける。

 

「おい袴田…もういい、分かったから…」

 

相澤消太によるティーチャーストップがかかり、健康上の配慮によって長座体前屈、2位。

 

 

 

〜結果発表〜

 

1位、袴田維折!!

やはり無限2回と測定不能が大きく影響したかな。

持久走のせいでキャパ来て手が裂けて大量出血してるけど。

 

 

「ちなみに除籍は嘘な、君らの最大限を引き出すための合理的虚偽」

 

 

「「「はーーーっ!?」」」

 

 

「嘘だろ!人一人死にかけてんだぞ!」

 

「グラウンド血塗れなんだけど!」

 

「はやく!救急車呼んで!!」

 

「嘘に決まってますわ。少し考えれば分かると思い…維折さん何を食べてるんですか……?」

 

口に…押し込まないと…

食べなきゃ…食べなきゃ……

 

「……あの、ランチラッシュ…?」

 

「貧血みたいだったからね、相澤先生もお体には気をつけてくださいね!」

 

「あぁ…生き返る……」

 

ランチラッシュの作ってくれたレバニラ炒めのおかげで大分血が戻った気がする。

家で食べるレバニラ炒めの1.2倍の効果だ。

 

 

「おかしいのは個性ではなく本人の方だったか」

 

 

なんか凄い失礼な事を言われた気がする。

どうしてそんなに呆れたような顔をされるのかわかりません相澤先生。私はやりきりました。新技も覚えたし……

無くした血も殆ど戻ったし。

 

 


 

 

『……どうしたァ?』

 

「……袴田維折は個性がおかしいのではなく、本人がおかしかった」

 

『あのリスナーに何が合ったんだよ!』

 

「重度の失血状態からレバニラ炒めを食べただけで回復した。人間ではないかもしれない」

 

『………そっかぁ~まぁ、治ったんならいいんじゃないの?』

 

プレゼント・マイクは、考えるのをやめた。

生徒が二人も自壊するし止まらないのを見て頭を悩ませる相澤消太を他所に、そういうこともあるよね!で、考えるのをやめた。

*1
違います。厄を溜め込む程度の能力です

*2
違います。ただ回ってるだけです




1位になるには死にかけないといけない維折ちゃん
個性把握テスト、やること多くて大変ですね
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。