ヒロアカと呪術廻戦のクロスオーバーもの書きてぇな
本作「で、俺が生まれたってわけ」
PIXIVに投稿済み
11月31日
エリちゃんがいる生活に慣れ始め、ヒーロービルボードチャートも発表されてすぐ。明日から12月に入り、今年ももう僅かだった。その日僕は基礎体力訓練の後に轟くんから火力の上げ方のコツを、B組の柳さんから物を動かすコツを教わった。コツを教わるついでに2人とそれぞれの力についての語り合いがそこそこ白熱し、それらも含めた疲れもあって風呂にも入らずに寝てしまった。
気がつくと僕は宇宙にいた。星々はぶつかり合う物もあればその場に止まる物もあった。そして僕はその星の一つに立っていた
目の前に広がる漆黒が強調された空間に漂う人間がいた。その人間が宙で逆さまのまま僕を目に映した。
「久しぶりだな、坊主」
不的な笑みを浮かべた和装の「僕」の言葉に、僕は2年前のことを思い出す。
ーーーーー
『これは約束、縛りだ。』
僕に「僕」が言った
『俺の力の全てをお前に使わせてやる。この力を使えば火を吹けるし、物も引っ張れるし、それ以外、そしてそれ以上のこともできるようになる。この力を使えば間違いなくヒーローになれるだろう。』
『しかし条件がある』
『一つ目、時が来たらお前の体は俺がもらう。いつかわからない。明日かもしれないし来年かもしれない。もしかしたら10年20年後かもしれない。だがお前が生きている内に来るであろうその時、必ず体はもらう。』
『二つ目、この縛りを忘れること。正確に言うと火を吹けることと物を引っ張れることができるようになること以外を忘れること。じゃなきゃお前のメリットが無くなっちまうからな』
そこまで言うと伸ばした小指をむけてきた。
『これを受け入れるならこの指を握れ』
僕は小指を絡めた
ーーーーー
突如脳内に溢れ出した存在した記憶。
忘れていた、忘れたままでいたかったその衝撃的な記憶を思い出した出久は混乱した
「その『時』が来たってことですか?」
しかし同時に質問ができるくらいの落ち着きもあった。
「思ってたよりかは遅かったが、それでも約束は守ってもらうぞ」
「抵抗•••しても、いいですか?」
「いいぞ」
その言葉を聞いてすぐ、出久は「緑谷」を引き寄せた。彼が自分の2m内に入ってすぐに口から蒼炎を吹き出した。それは切島や轟など炎へ耐性、燃えない体を持つ者以外に使ったことがない。しかし友人や先生方から『凶悪コンボ』と呼ばれるそれを初っ端から使う。
'ゴンッ'と自身の顎に衝撃を受ける。蒼炎から伸びた拳が見えた
「あのさぁ、俺は2年間お前の中から外の様子を知ってるし、何よりこの力は俺が貸し出した本人なんだぞ?蒼炎程度でダウンするわけないだろ。」
服すら燃えてない「緑谷」がそこに立ってた。そのまま動けず膝を地につけた出久に近づく
「安心しろ、すぐに体をもらうつもりはない。ちゃんと周りの人間との別れの時間はやるよ。そのためにも•••コガネ、今の日付とルールを読み出せ」
『今の日付は12月1日でございます。
其の一・
其の二.前項に違反した
其の三.
其の四.
其の五.
其の六.
其の七.
其の八. 参加または
ルールは以上となります』
それを聞いて「緑谷」は少し考えて言葉を出す。
「10日やる。それまでに家族友達先生にお別れを済ませ、やり残したこともやれ。11日の0:00になったらお前の体をもらう。何か質問は?」
抵抗を諦めた出久は「自分」を見る
「人を殺さなきゃいけないんですか?」
「あぁ。そうしなきゃ死ぬ。」
「プレイヤー以外の人間は?」
「殺したらポイントになるかもしれねぇが基本コロニー内で完結するならわざわざ殺しに行く必要はないな。」
出久はそこまでの情報で考えた。体を奪われるのは確定事項。そして意識は自分ではなくても自分の体で人を殺すのならそれは自分が殺したも同義だ。しかしそれを防ぐことはできない、なぜなら止めてしまえば自分が死ぬ。
「条件があります。」
それなら自分が妥協できる範囲でなるべく人殺しを避けるしかない。
「体をあけ渡す期限は6日でいいです。その代わりプレイヤーじゃない人間は絶対に殺さないでください。」
「緑谷」は再び考えるそぶりを見せた。
「•••いいぞ。じゃあ12月7日0:00にお前の体をもらう。その代わり俺は非プレイヤーは殺さない。これでいいな?」
出久は頷き、それと同時に自室で目を覚ます。すぐに新品のノートを取り出し、文字を書き始める
ーーーーー
12月6日 11:33 仙台結界
事務所を持たないNo.5ヒーローミルコは仙台のコロニー内を跳び回っていた。
「ふっ」
一度立ち止まり、死角を減らせるように体を回し目を動かす。同時にうさぎ耳に入る音を注意深く意識する。
「!」
遠くに聞こえた風切音の方向を見ると、自身に向かって建造物が奥から順に破壊されていた。
「チッ!」
仙台コロニーに突入して3時間。範囲も軌跡も見えない砲撃を、風切音と同時に起きる破壊から逆算して避け続けていた。
(だが大体の位置が割れた!!)
スタジアムに体を向けて走り始める
「気づいたか。まぁNo.5は伊達じゃないか」
スタジアムの屋根に立っていたリーゼント頭の男が向かってくるミルコを意識する。
「グラニテブラスト」
リーゼントの先端から砲撃を3つ繰り出す。ミルコはその攻撃に気付き、勘頼りで避ける。それを見て男は喜ぶ
「お前はデザートになってくれるかミルコ!!」
ーーーーー
同日 11:42 名古屋結界
「やぁやぁ初めましてレディ・ナガン。俺はレジィ、ルール5では術師に分類される人間だ。」
とあるビルの屋上でプレイヤー狩りを行っていたナガンの元にレシートで身を包んだ男とその仲間がやってきた。彼女は男の顔を見て、その額に弾丸を打ち込んだ。
「痛いなぁ•••いきなりヘッドショットは酷くないか?」
男は弾丸が刺さった額から軽く出血したが、それだけで慌てる様子も怯える様子もない。
「なんのようだ?」
銃口を下す。今この男への勝算が思い浮かばないから。
「遠距離攻撃を持ち、ポイントもそれなりに稼いでる君ほどの実力者に提案がある。仲間にならないか?」
「•••なんでだよ。仲間になって何のメリットがある」
「メリットかぁ•••じゃあ君は今回のこれ、死滅回遊についてどこまで知ってる?」
「•••知らん。私ら脱獄犯は全員収監中見えない誰かの声を聞いたんだ。そいつが『出してやる代わりに死滅回遊に参加してもらう』って言ったんだよ。そん時説明はなかったけど、あそこから出してくれるなら喜んで参加するってやつがほとんどだ。もちろん私もその中の1人だ。逆にお前達は知ってるのかよ」
「もちろん。術師の成り立ちやこのゲームを仕掛けた黒幕。確定はしてないけどこのゲームの目的も考えられる。」
ナガンはライフルを収納する。自分がなんの情報を知らない以上、情報を多く持った彼につき、話を聞く方が良いと判断した。
足元で壁に寄りかかって座る男を見る
「•••おやじ」
「こいつも連れていいか?」
ーーーーー
同日 12:02 京都府某所パチンコ店
「きた!!!!」
うるさい店内の中、パチンコ台に釘付けの男がそれ以上のうるさい声を出していた
「金ちゃ〜ん」
顔にアクセサリを多くつけた人間がその男に近づいてきた。
「お、綺羅羅か。手紙は渡せたのか?」
「渡せた。ついでに泣かれた。金ちゃんは?」
「俺は遺産稼ぎだよ。
「そっかその
「愛されてるようには見えねぇがな。で、どこのコロニーに入る?」
「一番近い京都コロニーでいいでしょ。でも入る前にご飯食べよ」
「だな。そういえばあいつらはどこに入るか知ってるか?」
「さあ?」
それぞれが受肉元の器からの頼み事を終え、京都コロニーへ向かう
ーーーーー
同日 23:58 東京第二結界
「弱い、弱すぎる。ヒーローだかヴィランだか期待してたのに、No.9だから期待してたのに•••!期待外れすぎる!これだったら俺の生きた時代の方がまだ良かったぞ」
2本の髪の束を生やした青年が爪を噛みながら愚痴を吐く。目の前には原型を失ったNo.9ヒーローヨロイムシャの亡骸があった。
『4点入りました。』
「あ?まだ死んでなかったのかよ。たく、おいぼれなら長生き出来ただけの実力ぐらい持ってろよほんとに」
ヒーロー、ヴィラン、そして数の少ない術師を大勢殺した青年は彼らの弱さに苛立ちを隠せないでいた。青年は呪物になる直前の記憶を思い出す
『羂索、貴様の知る最強の術師は誰だ?』
『宿儺、魔天の2強だ。600年前で申し訳ないがこれは譲れない』
「どこにいやがる。宿儺、魔天•••!」
『所持ポイントが100点超えました。ルールを追加しますか?』
「あ、ルール?•••そうだな」
ーーーーー
12月7日 0:01 雄英高校1年A組寮前
赤く、そして渦が巻かれた瞳の緑谷が建物から出てきた。扉から離れた場所には胸元と股を透過した女が膝をついていた。
「•••黄昏か」
「4ヶ月ぶりでございます魔天様」
「林間合宿が8月だから•••大体4ヶ月ぶりだな。で、状況は?俺が知ってる知らない関係なく全て教えてくれ」
「では死滅回遊開始時点からのことを。北海道や沖縄含む離島以外の日本全土に10の結界、通称コロニーの出現。その晩のうちに国内7つの刑務所が呪霊により襲撃され、水葛以外の6ヶ所に収監されてたヴィランが脱獄いたしました」
「呪霊が新しく生まれなくなった現代で刑務所を襲撃できるだけの質と量はどこから?」
「羂索が現在使用している器『夏油傑』の呪霊操術によるものです。ちなみにこの『夏油傑』は2000年代の術師となります」
「なぜ刑務所を襲った?」
「電子機器と現代の人間では感知できない呪霊を介してそれぞれの囚人と交渉を行いました。内容は刑務所から脱獄と死滅回遊への参加」
「脱獄犯がでなかったらしい水葛は?」
「緑谷出久と戦ったヴィラン、『ジェントル・クリミナル』が単独制圧を成し遂げました」
それを聞くと緑谷、否、魔天は笑い出した。
「ほんと、このガキは面白いな。で、各コロニーの現状は?」
黄昏がそれに答える前に、コガネがアナウンスを始めた。
『泳者による死滅回游へのルール追加が行われました!!
2人揃ってそれぞれのコガネを見上げていた。
「コガネ早速今ルール追加回数に変動があったプレイヤーを表示してくれ」
『あいよ!』
滞留結界 東京第二
「ありがとう。次はマスキュラー•••今筋強斗を出してくれ」
滞留結界 東京第一
「言った通り東京にいるのか。だがこの様子だと1時間後には100点超えてそうだな。で黄昏、各コロニーの様子は?」
「では東京両コロニーから。その二つの目立ったプレイヤーは先ほど確認した東側は鹿紫雲とヨロイムシャ、西側はマスキュラーとなっています。それ以外に目立った術師、ヒーロー、ヴィランはおりません。強いて言うならエンデヴァー事務者筆頭に都内ヒーロー達が両コロニー周辺の監視を行っています」
「東京以外は?」
「ヒーローでは昨日ミルコが仙台にて戦闘。脱獄犯ではレディ・ナガン、オーバーホールは名古屋にて術師と交流、KUNIEDAは京都を庭園に、ギャシュリーは恐山を子供で覆ってます。脱獄犯以外、ヴィラン連合の生き残りは御所湖コロニー。異能解放軍はそれぞれ散らばり様子見を。その他ホークスが桜島を、ファットガムが大阪を監視中。」
「そうか」
呟きながらコロニー別で現存プレイヤーを流し見している。
「ヨロイムシャは死んだみたいだな。んで、天使と万は?」
「天使は器とその仲間達と相談中、参戦は〆日直前になるでしょう。ちなみに彼女の受肉は
「なるほど。じゃあこれで最後だ。宿儺と羂索は?」
コガネに向けられてた視線が黄昏へ集中する。
「宿儺は現在蛇腔病院地下にて肉体の調整中です。どうやら12月に間に合わなかったようです。羂索、そして裏梅も同じです。どちらもすぐに参戦することはないでしょう」
聞き終わりコガネに再び目をやる。今度は死滅回遊未参加プレイヤーを見ている。
「それと魔天様、
再び視線が黄昏に注がれる。
「場所は?」
「皇居の地下空間にありました」
「そうか•••それを加工できそうな人間は?」
「桜島コロニーにいます」
「よし、俺は予定通り東京第一に行く。お前は桜島に行ってそいつを保護してくれ」
「承知いたしました。ところで服装は?」
雄英ジャージを着た彼を見て黄昏が聞く。
「あ?あぁ、このままでいいよ。着替え持ってないし」
「•••よろしければ私が見繕いましょうか?」
「いいのか?」
「少々お時間をいただくことになりますが、それでも魔天様にぴったりなものを用意いたします」
「なら頼む。悪いな雑用ばかり押し付けて」
「いえいえ、好きでやってるのでご心配なく。それでは私のアジトへ行きましょう」
空間が歪む。時間がズレる。
「そういえば顔はそれでいいのですか?」
「あぁ。この方が後々便利だろうからな」
2人は姿を消した。
「デク?」
「デクくん?」
ーーーーー
同日 12:01 桜島コロニー
『15ポイント追加しました』
「あ〜あ、がっかりやわ。君らヒーローなんやろ?女ならともかく、同じ男なのにここまで弱いと俺まで恥ずかしくなるわ〜」
そんな愚痴を吐く男の前には、主に顔面が変形した屍がそこらに散らばっていた。
「こんなに弱いと経験値にすらならんわ」
思い出すは自身が生きた2000年代。口元に傷のある男、目元を隠した白髪の男の2人。
「あっち側に行くんには、もうちょっと腕の立つやつとやらんと」
ブツクサ言いながら血溜まりを後にする
「ならそう言うあなたはどうなのかしら?」
声と同時に何かが割れる音を耳にした瞬間、男はビルを3つ壊して飛ばされていた。自分が元いた場所を見ると胸元と股を透過した女が逆さまに浮いてた
「いきなり攻撃だなんて、礼儀がなっとらんなぁ」
「あら、戦場における礼儀は相手にとどめを刺すことでしょ?」
「物騒な礼儀やなぁ。そもそも君女やろ?女なら男の3歩後ろ歩かんと行き遅れるで?」
「あなた、女を下に置かないと自尊心を満たせない可哀想な人ね」
「あ゙?」
ーーーーー
同日 同刻 東京第一コロニー
『3ポイント追加しました』
「たりねぇ、足りねぇよ•••!」
思い出すは8月、雄英高校林間合宿を襲撃したその日
『聞こえてるな?いずれお前が脱獄したその時、今度こそ遠慮なく本気でやろう。だが場所は東京の決められた範囲内だ。好きな方に入れ、俺はお前の後を追う』
それ以来奴の声、顔、そして自分を映した赤い瞳が忘れられないでいた。
『おいマスキュラー!新プレイヤーが入ってきたぞ!!』
コガネの言葉に空を見上げる。着物姿の緑谷が空にいて、興奮が爆発した
「みぃどぉりぃやぁ!!」
ビルを壊しながらまだ滞空中の彼の元へ向かう。
「待ってたぜこの時を!!」
全力の一撃を緑谷にぶつける。しかしそれは片手で受け止められた。
「はっ!!だよなだよな!!!」
圧倒的格上との戦い、一度でも戦ってしまえば病みつきになる。たとえ相手が全力でなくても、戦うだけで言い表せない快感が生まれる。
今度は両腕を用いて連打を繰り出す。今のマスキュラーは全ての攻撃が全力の一撃だ。緑谷はその全てを右手で防ぐ。
魔天は左手を隙間をなくすように全開する。
「領域展開」