2025年2月23日:PIXIVに『死滅回遊 泳者 緑谷出久 受肉体Ver』を投稿
「この際旧作を書き直すか」
で、本作が生まれたってわけ。
オリ主はいません
一部受肉タイプVerとPIXIVに投稿した旧作から使い回している部分があります。ご了承ください。
彼は足元を見ながらとぼとぼ歩いていた。そして先ほどまで起きていた出来事を思い出す。
幼馴染でもあり、長い間自分をいじめてきた爆豪勝己の言葉
『来世は〝個性〟が宿ると信じて、屋上からのワンチャンダイブ!!』
あれはどう考えても自殺教唆だろう。つまり幼馴染は自分の死を望んでいる。
そして下校中に出会った、自分が一番憧れていた
『プロはいつだって命懸けだ。“個性”がなくても成り立つとは、とてもじゃないが口には出来ないね。』
『夢見るのは悪い事じゃない。だが、相応に現実も見なくては。』
言い方は優しかった。しかし『現実を見ろ』と言っていたのだ。同じ日に立て続けに自分という存在を否定する言葉に心が折れかけていた。
しかし、先ほどヘドロに襲われている幼馴染を助けに走り出した時自分は何もできなかった。その自分の無力さが嫌になっていたのだ。
出久は歩きながら1人呟く。先ほどオールマイトがいてくれたから助かったがもしいなかったら自分はあのまま死んでいただろう。
「これからどうしようかな。」
わかってる。ヒーローになりたいと口では言いながら何もしてこなかった自分が悪いのだ。もし体を鍛えていればオールマイトにそう言われることはなかったかもしれないし、幼馴染からいじめられることもなかったかもしれない。もしかしたらヒーローになれる可能性が何%かあり得たかもしれないのに。
彼は1人考え事をしながら歩いているといつの間にか6階建ての廃ビルの前にやってきていた。彼は普段とある理由で廃ビルに近づかないようにしていたが今日はなぜかきてしまったみたいだ。そして廃ビルの屋上に目をやる。
「あれぐらいの高さだったら死んじゃうのかな?」
無意識のうちにそう呟いていた。そしてそのまま廃ビルの中へ入って階段を登って行った。2階、3階、4階と登って行き5階へたどり着いた。そして6階へ上がろうとした時、自分がいる階に自分とは別の誰かがいることがわかった。その『誰か』を確かめるためにその階にある部屋を順にのぞいていった。そして最後の会議室のように大きな部屋でその『誰か』がいた。
こんな場所に人がいるとは思わず物陰に隠れ、しばらくじっと見てしまった。そして相手は自分の視線に気がついたのか振り向く。その人物の額には一直線に縫い目が走っていた。出久は本能的にその人物が危険だと感じた。しかし不思議と恐怖はなかった。
「おや君、"無個性"かい?だがこれは•••脳の
奴が何を言っているのかわからなかった。
「この世界には『呪術』と呼ばれた異能が存在した。これは“個性”とは違う異能で、それを操る人間のことを呪術師と呼ぶ。そして呪術師の中には固有能力を持つ人間もいて、その固有能力を『術式』と呼んだ」
「術式は生まれつき肉体に刻まれているもので、持っている人間もいれば持たない人間もいる。」
「そんな術式だがそれ使うのに必要なエネルギー、『呪力』がある。呪力とは術式を持たない者、呪術が扱えない者を含めてほぼ全人類が持ち合わせているエネルギーだった。しかし"個性"が発展した今の時代では呪力は旧人類とも呼べる"無個性"しか持ち合わせていない」
その人物は丁寧に教えてくれた。出久は自分が何をされるか想像がつかなかった。しかし抵抗はしなかった。もう、全てがどうでも良かったからだ。そして相手の指が自分の額に触れる。
「さっき言った『脳の
額に冷えピタを貼るような違和感を覚えた。
「これで登録完了。じゃあね」
その人間は出久に背を向けて去っていった。
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あれ以降、出久は全てにおいてやる気を失った。しかし自分がこれから巻き込まれるものを知っていたから体を鍛えた。いずれ行われるであろうデスゲームですぐに死なないように、後悔しないように。
そして雄英進学どころかヒーローになることにも諦めた彼は地元から少し離れた普通の高校に進学した。その高校には自分と同じくヒーローになることを諦めたものが多くいた。自身より強い"個性"を妬んだ者が多くいる教室。そんな中で自分たちよりさらに、圧倒的に劣った"無個性"がいればどうなるか想像に難くない。
持ち物は壊され捨てられ、服に隠れる場所を殴られ焼かれ、いじめを受けるストレスにより不眠症にもなった。それでも母親に心配かけないように学校に通い続けた。
12月1日
深夜そんな高校生活を行っていた彼の元にコガネが姿を現した。
『リンゴンリンゴンリンゴンリンゴンリンゴンリンゴン!!12月1日0:03、只今より死滅回遊開始をここに宣言いたします!!これからプレイヤーの皆様にルール説明を行います!!!』
『其の一・
其の二.前項に違反した
其の三.
其の四.
其の五.
其の六.
其の七.
其の八. 参加または
そのアナウンスをきっかけに日本は混乱に包まれ、その影響により学校は休校となった。
その休校期間中、出久は漂着物のゴミや不法投棄の多い海浜公園で呪力を用いた身体強化、術式の理解とその解釈を広げるなどして呪術への理解を深めた。
ーーーーー
休校明けた12月8日 9:32
『27点入りました』
変わりない窓ガラスや壊れた机や床を突き破り伸びた鉄製の串に刺さった者
綺麗な扉や穴が空いた黒板の側で炭になった者
出久は血と肉片が大量に散らばった教室にいた。
血と肉片は自分を今日まで虐げてきたクラスメイトたちだ。
ーーーーー
弁明しておくと、彼は初めクラスメイトたちを殺す気はなかったのだ。この日もこれまでと変わらずイジメを受けていた。しかしいつもと違うことが一つあった。
「おい、デク•••」
学校に登校する時、進路が別々となった中学卒業以降、顔を合わせることがなかった幼馴染と約半年ぶりに再開したのだ。
「かっ••••爆豪くん?」
「久しぶりだな」
「え?うん•••久しぶりだね。かっちゃ、爆豪君はどうしてここに?今は寮にいるはずでしょ?」
「外出許可もらったんだよ。」
それを聞いて学校外にいる理由はわかったがなぜ自分に話しかけたのかわからなかった。出久は毎朝目を覚ます時間がギリギリのため、遅刻にならないように急がないといけないのだ。
「じゃあね。」
そう言って前に立つ彼の横を通り過ぎようとしたが、爆豪が出久の腕を掴む。いきなり腕を掴まれて、混乱する。何か目的があるのだろうが、急いでいる出久にはそれを聞く余裕がない。
「えっと、離してくれない?僕急いでるんだけど」
「•••お前、大丈夫かよ」
その言葉が寝不足により回ってなかった出久の脳を覚醒させた。
「誰のせいで•••」
小声だった。すぐそこにいる爆豪ですら聞こえないかもしれない程小さな声だった。
「?•••デク?」
すぐに自分が何を言ったのか自覚し、爆豪の手を振り払い学校へ向かったのだ。
ーーーーー
いつも通りのイジメに今朝の爆豪からの心配の言葉、そして死滅回遊が始まってしまったこと。これらが混ざり合った末、彼は血をかぶることとなった。
「•••あぁ」
家に帰らないと
そう思った彼はそのまま教室を出た。隣のクラスの教師や生徒が何人も廊下に出ていたが、出久を見て硬直する。出久は彼らの通り抜けて玄関まで行く。
靴を履き替え校舎から出る。
先ほど通った道を戻る。
見慣れた道を歩く。
家の前に辿り着く。
扉を開ける。
母がいた。
「っ!•••出久?」
血に濡れた出久を見て母は凍りつく。
「おかあさん」
靴を履いたまま家に上がり、そのまま母の元へ行き、そして抱きしめる。
「ごめんね•••」
彼の着る制服はポリエステルとウールでできた物。ポリエステルは石油を原料とした合成繊維であり、その石油は炭化水素を主成分とした液体。
彼の母は木の杭で串刺しとなった。
「いずく•••••?」
なるべく苦しまないように刺す場所は調節した。しかしそれは意味なかったようだ。
「ごめんなさい••••••」
そう言った母は涙を流し絶命した。
「ごめん••••••」
涙は出なかった。出せなかった。
「ごめんね•••••••••」
これで彼はもう戻れない
どっちが好み?
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受肉Ver
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覚醒Ver