何も言わずに許してください…
では、良い幻想を………
輝蛍side
霊華「そのまま!」
輝蛍「ひ、ひぃい!!」
霊華さんとのワンツーマンの修行は、妖忌さんとの修行とはまた違った恐ろしさがある。
妖忌さんの修行は暖かくも厳しいが霊華さんのはそんなんじゃない。精神と肉体を短時間に極限まで疲労させるのような修行だ。
現に今
霊華「そのままだとまた目を覚まさなくるほどボロボロになってしまうぞ!」
師匠様の凄まじい怒号と喝を背中に、己知山付近にあった
滝の下から上に向かって弾幕をぶっ放している。
しかも、魔理沙のマスタースパークみたいな太いレーザーみたいなのをだ。
さらにそれを、一時間一定の高さまで水を押し返せとのこと。………………辛い!
魔理沙の場合は自分の魔力を増幅させるためにミニ八卦炉を使っているけど
俺はそれ無し!しかもまさかの霊力だけでやれと言われている。
無論、途切れたらやり直しのおまけ付き。
輝蛍「霊華さぁああん!!このままだと霊力すっからかんになりますって!!」
霊華「だったら”覚醒”すればいいだろ?そっちの方が霊力の値が高いんじゃないのか?」
輝蛍「無茶言わんでください!まだ意識的に使えないんですよあれ!」
”覚醒”
妹紅との戦いの時に俺の二つ目の能力と体内にあるわすがな霊力を一時的に爆発させ力同士を融合させたもの、らしい。これは霊夢に聞いた話。
あの後力尽きて意識を闇が闇の中に沈み込んだ際に、どうやら一部の記憶も吹っ飛んだらしい、てか吹っ飛んだ。肝心なところだけ吹っ飛んでどうでも良いことは記憶に残っている。生き物あるある。
霊華「そんなもん気合と根性でやれ!!」
輝蛍「無茶苦茶だぁあああああ!!!!」
因みにこの時点で45分経過、もう身体から霊力を絞っても出てこない。そのぐらい身体から大量の霊力を放出してしまった。さっきまで一定押し返せていた激流がみるみるとも元の流れに戻ろうと、俺を飲み込んで……
こりゃ、いかん。
まだこんなところで死ねないよ、彼女も作ってねぇしワインの味も知らなければ職にも就てねぇ…
なによりも……
”輝蛍……!”
輝蛍「アリスにチューのお返ししてねぇえええええええ!!!!!!」
その時だった。
この世に未練たらたらで理不尽な死を迎えようとしたどうしようもない俺の胸の奥が、ほんのり暖かくなった。
その暖かさは身体中を駆け巡りジワジワと広がっていくのを感じた。一瞬不思議に思ったがそんな事をしている場合ではなく、眼前まで大瀑布の激流は迫っている。
駆けだ!こなくそぉ!!
その暖かいナニカに身体を委ねた。
霊華「 来たか!」
輝蛍「…………ぁあああああ!だりゃぁああ!!!」
瞬間、激流は真っ二つに裂け俺の横を流れた。
な、なぁんじゃこりゃああああああ!
驚きを隠せなかった。
さっきまで散々泣き言ほざいて死にかけていた俺が生きている。河に着地した激流から出てくる飛沫を身体に受けている。びしょびしょだ、気持ち悪りぃ。
でもそれを身体で感じて頭で考えてる。生きてる。
輝蛍「…………おおおおおおお!!!生きてる!」
霊華「ふふっ、驚くのはそれだけじゃなさそうだぞ?」
霊華さんがこれは面白いと言わんばかりの顔をしながら俺を指さしている。
何がおかしいんだよ、とか少し思って身体中を見回すと…
確かにおかしかった。
身体中から光の粒子が溢れ出し、その粒子が渦を巻きながら俺の身体に纏いついていた。それだけではなくいつの間にか服装まで変わっていた。足具と手甲が装飾で派手になってたり、来ていたチャイナスーツ(アリスと俺策)がよくあるRPGの主人公のラストフォルムの装備みたいになってたり(あ、ベースのチャイナスーツは保ってくれてるのね)、髪の毛の色が少し伸びてさらに全体的に少し逆立ってる、おまけにクリーム色になってぇら。
霊華「随分派手になったな、愉快愉快」
けたけたけた、と霊華さん
このぉ、こっちは身なり変わりすぎて対応できねぇってねのに他人事のように笑いやがって…!
霊華「さて君の力が出たところで君の能力の詳細をさらっと今説明しよう」
さらりとこの人言いやがった!人のこと見てやがるから憎めねぇ……!
霊華「輝蛍、君は今二つ目の能力が強力な状態にある。その姿だとどうやら霊力がメインになってるようだね、それに妖力も多少はあるみたいだな」
輝蛍「魔力を自分の身体から感じないのは、この力で比率が変わったからなのか」
霊華「比率が変わったと言うのは不適切な発言だな。正しくは、力が二つあって切り替えが出来るってのが適切かもしれない」
輝蛍「はぁ〜ん」
霊華「だからお前が妖夢の刀を握れたのだろうな」
輝蛍「…………え、そゆこと?」
数日前だった、修行を終えたあとに妖忌さんにこう言われた。
妖忌「いやぁしかし、よく考えればお前、今頃死んでいたのか〜」
輝蛍「…………何を仰います?」
妖忌「ほれ、お前いつぞや言ってただろ?楼観剣持ったと」
輝蛍「はい」
妖忌「楼観剣ってのは、とある妖が鍛えた刀でなぁ、ちとクセのある刀なんじゃ。通常刀なんざ誰が持ったとて振ろうとおもえば振れるんじゃ。しかし楼観剣は持ち主を選ぶのじゃよ」
輝蛍「と、言いますと?」
妖忌「楼観剣はな、”妖力”が一定ある者しか扱えないんじゃがその一定もそれなりにないといかんのじゃ。そして、妖力を持たない者がその刀を持ち、身を振ろうものなら…………刀が精気を吸い取り、持ち手が命を失う」
輝蛍「なるほど、俺には妖力があったと」
妖忌「外部から一時的に取り込んだかなんだかは知らんがまぁ、ラッキーじゃったな☆」
今思えば笑えない話だ。あの時はまだ力の目覚めすら微かなものだった。どうして持てた、かと言うよりは、どうして死ななかったになりそうだ…
霊華「さて、力の出所と大まかな詳細は分かったから休憩にしようか」
輝蛍「は、はい…!」
力の抜き方はなんとなくだけど理解できた。身体の周りに散らばった”気”みたいなものを体に吸い込ませる感覚。それをイメージするだけ…
実際やってみたら、いつの間にかいつもの服装、いつもの武装いつもの髪質だった。
無事に戻れたことにほっと一安心した。
霊華「さてさて、次のステップに移らにゃいかんな。どうしてやろうか……」
輝蛍「ここまで、かなり基礎体力作り、精神練習なんかしてきたから技の練習とかどうですか?教えてもらいたいことかなりありますし」
霊華「いや、技はお前が自分で考えろ」
輝蛍「えぇ!?冷たくないですか!?」
霊華「ふっ、最終レッスンで大事になってくるんだ」
輝蛍「はぁ〜きっつ!何するんだろ!」
頭を抱えて唸っている俺に霊華さんは…
霊華「まぁ大丈夫だ、ここで終わりじゃないんだ。それにまだ時間はあるし向こうが動かなければ私達は動けないわけだし」
と、頭を撫でてきた。
…………あれ?なんだろうこの違和感?
急に頭に出来た違和感の塊、その違和感の正体もなんとなく分かったけど…
霊華「…………私は、闘った。己の使命を全うするために。一人の人間として、博麗の巫女として」
霊華さんは話し出した。
霊華「私は博麗の巫女として物心ついた頃から育てられた。私の母が亡くなり巫女を襲名し、妖怪退治を専門にし各地で起こった異変や災害を片っ端から片付けた。各地からは”歴代最強の巫女”なんて呼ばれたりもした」
輝蛍「随分立派な称号で…」
霊華「そんなもの、欲しくて取った名ではない。
………………でもな、ある日、博麗の巫女として闘う以外に闘う理由が出来た」
輝蛍「…………霊夢」
霊華「あの子は本当にいい子”だった”、紫や藍達に留守を頼んだ時が多かったが文句の一つも垂れなかったそうだ。本当にいい子だ…」
輝蛍「霊華さん、やっぱり…」
霊華「お前は頭がいいな、そうだ。私は死んでいる」
輝蛍「俺の仮説ですが、そうなると霊華さんいい歳してますね?」
霊華「……話してごらん?」
輝蛍「確か霊夢の歳が15だったと思います。少なからず霊夢が大体4歳くらいの時点で貴女はこの世界にはいない。んで霊夢や紫さんに教えてもらった話、紫さんレベルの力を持つものを封印するには相当力を使う。強力ならその分だけ効果も強いでしょうし、んでルーミアを封印するために霊華さんは”夢想転生”を応用した封印術式みたいなものでルーミアを封印した。しかし、力の抑制だけで終わったみたいですけど」
霊華「お見事」
輝蛍「ただどうしても当てはまらない。霊夢と霊華さんは少なからず接触しているのに、時系列が噛み合わない」
霊華「それは私にも説明できない、あの後気がついたら私は彼奴の闘いの後に霊夢を拾っていた。きっとなんらかの影響で時空の歪みが生じたのやもしれん。ルーミアの能力で時空が歪み、それを修整しようとした幻想郷そのものに何かあったのかもな」
輝蛍「…………なんか、ぐちゃぐちゃですね」
霊華「それが、幻想郷だろ?」
輝蛍「………………これから霊夢には会うんですか?」
霊華「どうやら紫が私を生きている程でなんかしてくれているらしい、もっとも霊夢に私の姿は知られてないらしいから、会わないほうがお互いのためかもな」
その時の霊華さんの手の冷たさとあの顔を俺は忘れられそうになかった……
はい!ここまで!
次あたりから戦闘描写に近づけたいですね…
そろそろルーミアの方も書かなくては
と、言うわけで早速作業に取り掛かります!
では、これまで!さよなら〜