プロジェクト東京ドールズ:外伝 『忘却のイミテーション・ドール』 作:やさぐれショウ
今をときめくアイドルグループ『Dolls』…東京都目黒区にある芸能事務所ドールハウスに所属し、そこの女子寮で日常生活を送っている。普段はアイドル活動をしているのだが、彼女達には2つの面がある。表面は、歌とダンスを披露し、見る者達を笑顔にする使命アイドル……裏面は、『ピグマリオン』と呼ばれる未知の脅威に唯一対抗し、東京を守る使命兵器。そして、その兵器を支援する為にドールハウスは密かに『
Dollsの1人、『サクラ』はピグマリオンに殺害され…記憶と感情を操る力を持つ存在『マスター』という男性に助けられ、国家兵器として蘇った。彼女達は今日も人知れず、未知の脅威と戦っている。そんな中、ドールの戦いの補佐をする兵器も、未知の脅威と戦っていた。
ドゴッ!!バキッ!!
「ふっ!!」ズドォンッ!!
白いパワードスーツと顔面部のシールドが閉じたのが特徴の戦士『仮面ライダーイクサ』は、ピグマリオンの撃破に成功した。ベルトに取り付けられたアイテムイクサナックルを外すと、変身を解除する。
PPP−−
『カナ、戦闘ご苦労だった。』
「…ありがとうございます、斑目さん。」
IXAシステムの適合者である『南田 カナ』は、通信機を通じてドールハウス所長『斑目 セツナ』と会話をする。現在のIXAシステムは動作が非常に不安定であり、長時間使用し続けると最悪の場合…命を落とす危険性がある。そのため、ピグマリオンとの戦闘で得たデータを元に、改良が進められている。
『周囲に反応は無い。気を付けて帰還してくれ。』
「了解です。」
戦闘を終えたカナは、ドールハウスへと帰還するが…相当疲れているのか、ゼェゼェとしている。そんな時…
「!!」
見たことも無い人型の怪物がカナの前に立ち塞がった。
「っ!?」
戦闘態勢に入るカナだが、ピグマリオンとの戦いでの疲れが出たままであるため…全く刃が立たなかった。
「ぐ…うっ……」
人型の怪物はゆっくりとカナに歩みを進める。その時、カナの頭上を1つの影が通過する。その直後、鈍い音が響き渡り、人型の身体が後方に勢いよく吹き飛んだ。
「……またか…こんなとこにも
それは、低い男性の声を発した。顔を上げると、黒い髪に光の無い目、銀色の腕輪が巻かれた左腕が特徴の少年が立っていた。
「!!」
カナはその少年を見て、目を丸くする。
「おい、自分のライダーシステムさえ満足に使い熟せねぇのか…情けねぇ……」
「…し、翔…君……!!」
「色々問いてぇとこだが、今はそれどころじゃねぇ…ソイツを貸せ。」
現れた少年『
ナックルから低い電子コールが響き渡ると、次にサイレンのような待機音が響き始める。翔は特に変身ポーズもせず、「変身」と呟く事も無く、すぐにナックルをベルトに取り付ける。
音声が響き渡ると、ベルトの赤い球体イクサジェネレーターが点滅し、十字架のような光が回転しながら翔の前に移動…その後、顔面部から上半身、下半身の順にパワードスーツを形成し、翔の全身に重なる。
(嘘…変身した……IXAシステムは本来、ドールハウスの者しか使えない筈なのに…)
仮面ライダーイクサ(セーブモード)に変身した翔は、人型へ向かって走り出し、タックルを繰り出す。その後、人型の右手左手を抑えつけ、10回程頭突きをした。その後、回し蹴りで人型を吹っ飛ばした。
(強い…彼ならきっと……)
イクサの戦いを見守るカナ。イクサは人型を軽々と持ち上げ、岩石落としのような投げ技を繰り出す。その後、片手で人型をブンブン振り回した後、乱暴に地面へと叩きつけた。
(そろそろ決めるか…)
イクサはベルトの右側についているホルダーから、イクサナックルの形をした銀色の笛型アイテムナックルフエッスルを取り出し、ベルトに装填…イクサナックルを押し込む。
電子コールが流れると、ベルトからナックルを取り外し、エネルギーをチャージする。そのまま人型に接近し、殴ると同時にナックルのトリガーを引き、5億ボルトの電流を叩き込んだ。まもなく、人型は半透明に変色した後、ガラスのように粉々に砕け散った。人型妖魔を撃破したイクサは、変身を解いて元の姿に戻った。
「…こんなモンか。」
「…翔君…!!」
戦闘を終えた翔に抱き着くカナは、声を殺して泣いた。その後、翔はカナの案内により、ドールハウスへと招待された。