おーい羂索! 夢バトルしようぜ夢バトル!   作:空吉

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GQuuuuuuXとバラエティの抱き合わせの枠を用意した組織に反省を促すダンスを踊りたくなってしまいました
あと本当は投稿を放送開始時刻に合わせたかったが間に合いませんでした


第5話 やっちゃいなよ! そんな『紛い物』なんか!

 悠仁もすっかり呪力操作に慣れ、映画を集中して見ていても、抱えるツカモトはスヤスヤ寝たまま微動だにしなくなった。

 俺はといえば、悠仁の邪魔をしないように、彼が座るソファの後ろに回って床に座り、俺だけが入るサイズの〝帳〟を下ろしたり上げたり下ろしたり上げたり、その他基礎的な結界術の練習をしていた。

 まあ俺のセンスが良いのか天与呪縛の恩恵の方か、はたまた【鯨】のバックアップか、またはその全部のおかげで、この短時間で習得できるものはしたと思う。

 そうしてそろそろかと思った頃に、やはり五条センセーが地下室に戻ってきた。悠仁の飲み込みの早さを見て少し驚いた表情をした後、俺の方を見て手招きをしたので、俺もそっと腰を上げた。

 

「悠仁」

「五条先生!?」

 

その声に悠仁が驚いて振り返る。五条センセーには気づいていなくとも、その呪力操作に変わらず乱れはない。それに満足げに笑ったセンセーは、「出かけるよ」と俺たちを見回した。

 

「呪術戦の頂点──『領域展開』について教えてあげる」

 

〝待〟ってたぜェ!! この〝瞬間(とき)〟をよォ!!

 呪術廻戦といえば領域展開だからね。あの大人気女優・百城千世子も使ってた。みんな知ってるね。いや本当に正直あのコラ好きすぎるんだよな。

 

 まあ俺が悠仁とともにこの修行展開に放り込まれた際、きっとこの場も同行させてくれるだろうとは思っていたし、『未来を見た』ので幾分か心構えはできている。少年院では【伏魔御廚子】を見損ねたし、初めて生で見る『領域展開』だ! 

 いや【鯨】なら『記憶』にして保存してるだろうから、いつでも見ようと思えば見られるけども。あいつのことは『地球の本棚』みたいなもんと思い始めている。『無限書庫』でもいいな。平成だ。

 いやでもあいつは日本しか周遊してないから『日本の本棚』になるのか? 途端に字面がちょっとマヌケになるな……歴史が長いから途轍もない量であることは間違いないのにな……。

 

 話が逸れすぎた。しかし俺、アーニャ並みにワクワクするのはいいが、あの漏瑚の領域で耐えられるのか……? なんか悠仁はアッツ!!とか言いながら立ってたのを『見た』けど。あれが耐えられるのって結局何でなんだっけ?

 

 そうして俺たちは、五条センセーの術式によるワープにて、漏瑚と交戦していた地点へと到着した。

 正直原理はきちんとは理解していないんだが、トーコ・トラベルみたいな感じか? まあ自分が扱うわけでもないからいいんだが……。使えたら便利だけども。確かエピソード『懐玉・玉折』あたりで言及されていたような気もするが、記憶違いかもしれん。

 

 そして俺と悠仁は、センセーの片手につき1人ずつ首根っこを引っ掴まれて連れて来られたわけだが、両手塞がってるの良くないよな? 五条センセーにそんな気遣い無用といったらそうかもしれないが、俺が気にする。

 悠仁とともにいそいそ降りつつ……降ろされつつ? 漏瑚と五条センセーのレスバが始まったのを聞いていた。悠仁はセンセーから離れているのに水面に立てるのを不思議がっていたが、俺にもわからん。無下限フィールドでも出来てる?

 

 俺がうんうん唸っている間に、センセーから「大丈夫でしょ、だって君弱いもん」とのとんでもない事実陳列罪発言が飛び出し。もちろん相手は『漏瑚、キレた!!』状態になってしまった。

 その殺気と覇気はさすがに特級、背中に冷や汗の一筋も流れるというもの。悠仁もその脅威を正しく認識しているようで、表情が固まっている。

 そこでふと、ぽん。と頭に置かれた大きな手。

 

「大丈夫だよ。でも一応、僕からは離れないでね」

 

まあ何とも頼もしいお言葉だ、作中最強格の安心感は違うね。俺はおとなしくぷるぷる背後で震えておくことにしよう。

 そうして展開される、漏瑚の領域【蓋棺鉄囲山】。……いや熱゛い゛!!!! しかしまあ驚くことに、十分耐えられる。本来なら、多分大気圏突入できないザクくらい(?)の熱さだと思うんだけど……本当に無下限フィールドのおかげか?? 俺の知らない仕様なんだが……まあどっかで言及されたのかもしれないが覚えてねぇな。

 俺の場合は念のために身体強化にゴリゴリ呪力回して防御力上げてるのもあるが、【鯨】が何かしら気を利かせて、以前のように呪力の出力を上げてくれているのかもしれないし。

 

 そんなこんなで、わりと余裕があるのと、もはや高まる好奇心を抑えられず、五条センセーの背後から周囲を見渡す。相手の呪力で満ち満ちているこの感じ……プレッシャーを感じながらも、今この時は嬉しさが上回ってしまう。

 

「これが……呪術戦(魔術)極致(最奥)生得領域(心象風景)を具現化する『領域展開(固有結界)』かぁ……!!」

「説明ありがとね。けど今何か変な読み方しなかった?」

「(オタクの)夢だからね、仕方ないンだ」

「答えになってねぇよ!?」

 

悠仁のツッコミをまあまあと流しつつ、五条センセーが『領域展開』の詳細な仕様を教えてくれるのを聞く。あ、センセーに向けて『隕』が降ってきた──が、何でもないことのようにセンセーはこれを破壊した。漏瑚はすっごい音の舌打ちをしている。

 

──並の術師なら領域に入れた時点で焼き切れるのだがな。五条悟と宿儺の器はともかく、あのもう1匹の小虫はなぜ生きている? 異様に多く、混じった呪力に関係があるのか?

 

あ、やっぱり並の術師なら焼き切れるレベルなんじゃねーか!! 危ねえな準備しといて助かった……あ? 今、俺は()()()()()()

 

 ふと我に帰ると、五条センセーは続いて必中仕様について教えてくれていた。

 でもこれは……確か……あ! 一部のネット民が「わかりづらい!!」て言ってた『実は必中付与されてないけど、領域によって無下限が中和されてるから実際当たる』だけの『隕』! あの『隕』じゃないか!

 

「センセーでもそれ必中付与されてないから例えが悪いよ〜例えが」

「!!」

 

漏瑚がピクリと反応し、こちらに視線を投げた。センセーも何か意味ありげにこちらを見てくる。

 

「──よく分かったね。まあ参考程度に覚えといてよ」

 

すまん、俺が悪かった! これはあのー前世の知識というか……実際に分かったわけじゃなくて……はい。

 ああほら、漏瑚さんもボルテージが上がってきとるやん。なになに、「突きつけられた彼我の差を」「呪霊──『新たな人間』としての矜持が」……?

 ……ああ!? もうこれやっぱり俺が相手の思考読んでる!! 『相手の考えていることがわかる』やつ!! 俺の革新だけ進んでる!? なんで!? 相手の呪力が満ちている危険な環境で適応が進んじまったとか!? 飛び出していけ宇宙の彼方……ってコト!? 望むところだけれども!

 だがそうか、漏瑚さんはそういう思想の呪霊だったのか。すっかり忘れててごめんやで。漫画で読んだのは随分と前なもんだから……。

 

「あなたも『新たな人類』を目指しているわけか。ニュータイプ……いや、どちらかというと『人間』というか『霊長』の座を得たい、ということかな」

 

 となると、『ニュータイプ』というよりも『新たなアーキタイプ』が近い? つまり新霊長後継戦? 

 あれ、すると宇宙(そら)に上がって新たな能力を開花させたニュータイプって、つまり型月的には『新たなアーキタイプ』ってことになる? 

 生み出した天体なるものをコロニーや他の人工天体と考えてしまえば……さらに、いわゆる『地球の重力に魂を引かれた人間たち』は『ムーン・キャンサー』と同質とも言えるわけで……………………ん?

 

 いつの間にか、俺以外は誰も、何も話していなかった。煮えたぎるマグマの音のみが響いている。

 悠仁はポカンと口を開けて、漏瑚さんは一つしかない目をこれでもかと見開きながら、俺を見ていて。センセーは相手から目を離さずも、明らかに変化した空気感に備えている。

 

 ──やっちまった。アカン、普通に口に出た。考えているだけだと思っていた。

 うーん、普段はそうでもないんだ。本当なんだ。だけれども夢中になると、考えていることを思わず口に出してしまうのが俺の悪い癖。こんな右京さんは嫌だ。

 

「──貴様、まさか儂の思考を読んだのか?」

「すみません!!!!」

 

一気に漏瑚さんから俺に対する警戒度が上がったのを感じる。土下座したいがここでやったら本当の『焼き土下座』になってしまう。

 

「紛い物の人間の分際で──灰すら残さんぞ、貴様ら」

 

今度は例のニュータイプの音(!)と共に『未来視』が働く。──本当に必中仕様の『隕』が降ってきてしまう。

 それでも先生は余裕を見せつけるように、ゆったりと話を続けてくれた。

 

「──さて、じゃあ領域対策の最後の一つを見せようか。紫苑が場をあっためてくれたことだしね」

「否定できない」

「マジで紫苑のその能力って何なん? 術式?」

 

それは俺も知りたいのだよ、虎杖悠仁くん……。

 センセーは片手でアイマスクを下げてその瞳を外気に晒しながら、もう片方の手で器用に俺と悠仁の首根っこ、というか襟を纏めて掴んだ。この人、握力と筋力がとんでもないことになってそう。

 

「領域に対する最も有効な手段。それはこちらも同様に、領域を展開すること。

 そうなると領域の押し合いになって、より洗練された方がその場を支配できる。──こんな風にね」

 

【無量空処】

 

それはまた、ひとつの宇宙か、銀河なのか。まあ芸術的ではある、と思うのだ。『いつまでも情報が完結しない』というその恐ろしさの本質は、向けられたことがなければ分からないだろうから。

 五条センセーは動きを止めた漏瑚の背後から彼の頭を掴むと、思い切り引きちぎった。ぐえ、苦しそうで思わず自分の首に手をやってしまう。……共感? いや……。

 同時に【無量空処】も解除され、元の景色に戻る。センセーはゴロゴロと地面に転がした漏瑚の首を、容赦なく踏みつけた。

 

「誰に言われてここに来た? ──いや、喋らなくていい。紫苑、『見せて』」

「あ。そうか、紫苑ってこういう時にも役に立てるんだな」

「まあそうね、俺の術式って本来こっち……もはや切り離せない気もするけど……あ、今更だけど〝帳〟いいんすか?」

「他に人いないしね、時間も惜しい」

「ほんとぉ? ……じゃあまあ、とりあえず……何日前か分からんな、『限界まで』いくか。対象はこの『特級呪霊』。【再上映(リバイバル)】」

 

『過去』の上映が始まる。

 この時、俺は正直、羂索打倒RTAいけるんじゃないかと思っていたんだ。ファミレスで()と話しているのか分かってしまえば、五条センセーが動かないわけないからな。

 だが『過去視』の術式を持つ生徒が入学したことを、あの慎重な黒幕が知らないはずはなく。ファミレスでの羂索との会合まで遡った時点で、そうなったのは当然のことだった。

 

「っ、あ〜〜〜〜やられた!! こいつ『認識阻害』の呪具かなんか持ってる!!」

「……誰か、人と話してるのは分かるけど、姿も声も、会話の内容も全く分かんないな……」

 

範囲が広い呪具だ。見ている映像は漏瑚視点だが、目の前に『人』がいること、周囲にも特級呪霊がいることくらいしかわからない。

 『人』の姿は全く特定できないし、その『人』が関わった会話は漏瑚のものすら音声として聞こえない。その身振り手振りから何か交渉らしき話をしている、くらいの推測が立つ程度だ。

 

「……いや。特級呪霊が徒党を組んでいるだけじゃなく、呪詛師とも繋がってるってことが分かっただけでも十分だ。紫苑、そろそろやめていいよ」

「……や、もうちょい焦点絞ったらいけ、るかも………っ、づあ゛!?」

 

何かが見えた、途端にバチリと弾かれた感覚と、眼に鋭い痛みが走って、術式を中断して目を抑える。悠仁が支えてくれるのに甘えて、視界が戻るのを待った。

 この感覚──羂索め、『認識阻害』だけじゃなく『邪視除け』系の呪具まで持ってんのかよ。ナザール・ボンジュウのような典型的な『目玉』の呪具だった──あいつ正体隠しに手慣れすぎだろ。

 やっぱり本来の術式たる【追憶幻想(メモリーズ・オブ・ノーバディ)】の方もなんとかスキルツリーを伸ばし、かつレベルも上げていかないと、今後大事なところで役に立たないかもしれん。『過去視』ってのは情報戦にも使えるものだからだ。

 そしておそらく、今目覚めつつある能力の、本当の開花は──きっと術式のその先に。

 

「おい、貴様────宿儺の器でない、()()()()()()

 貴様は儂が『紛い物』と断ずる『人間』に生まれついておきながら、儂の本当の望みを、理解できるのか?」

 

五条センセーにサッカーボールにされたままの漏瑚さんから、俺に向けての言葉をかけられた。

 先ほどの領域での声色とは違う、何かを確かめたいというような、そんな静かな声色だ。

 

「え、ああ……いや。まだ俺は、()()()便()()()()()()()()()()()と、思っている、ので。でも、いつかは。

 それに、あなたのことは──もう『記憶』として、【幻影の呪霊】が覚えていますよ」

 

「幻影の……。……そうか」

 

何を考えたのか、漏瑚が目を閉じる。センセーが刀印を組んで祓おうとしたその時──

 

「──っ直上!!」

 

俺の言葉に反応した悠仁が反射で飛び上がって、飛来してきた何かを蹴り飛ばす。

 上手く外れたその杭らしきものは、少し離れたところに突き刺さって、地面には戦意を削ぐ花を咲かせ、空中ではパキパキと枝を伸ばしてこちらに襲いかかってきた。

 その間に現れた新たな呪霊──前世で見たことあるな、なんて名前だっけ……お花見? みたいな名前のやつ──が、漏瑚の頭を抱えて走り去っていく。

 目をやられた俺と悠仁だけでは手数が足りず、結局のところ、五条センセーに助けられてしまった。俺がもっと上手くやれればあの程度応戦できただろうに……。

 武器欲しいな……武器……。回避ならまだしも攻撃手段がな……。【魔眼】の方を極めるところまで成長すればある程度の刃物でいけると思うんだけど……。

 

 ──本当は、漏瑚をここで祓いたい気持ちは山々だった。あいつは将来『渋谷事変』で味方を含む数多の人々を殺すから。

 前世で漫画を読んでいた時、七海さんの退場が惜しすぎて惜しすぎて……。だから、現時点でも五条センセーの力なら祓えるはずだった。俺は『未来』を見ていて、情報だって引き出した。

 だが、あの現象と俺に向けられたあの言葉で、戸惑ってしまった。『理解し合えること』──ニュータイプとは、とても簡潔に言えばそういう能力を持った人のこと、のはず。

 俺はあの時、『呪霊』のことすら理解しかけていて……でもあれは意思を持った特級だからこそ、の現象なのか?

 しかしそれでも、もしも『理解し合える者』としてのニュータイプが俺しか存在し得ないのだとしたら、俺がここにいる意味って、わりと、重い、ような…………。

 

 と、突然にゅっと目の前に五条センセーの素顔が現れて、俺は一瞬呼吸が止まった。ジャンプスケアやめてくれ。

 

「うん。『邪視除け』の効果は切れてるね。念のため【反転術式】は回しておきな」

「あ、はい」

 

すっかり忘れてたな、と【反転術式】を回すと、眼に走った痛みも随分と和らいだ。

 五条センセーは悠仁と俺を見回すと、「2人にはあの呪霊たちに勝てるくらい強くなってほしいんだよね。だから今後はスケジュールみっちり組んで鍛えるから」と宣告した。

 いやあの、確かに術式訓練もしたいからありがたいけど、よりヤバいのはフィジカル方面で、俺が悠仁とセンセーの2人に着いていくのは至難の業……はい……やります……。

 

「お披露目は交流会だからね」

「はい先生!! 交流会って何??」

「あれっ言ってなかったっけ?」

「言われてないですね」

 

どこか幻想的な夜の花畑を後にしながら交流会について説明を受ける。

 この後、センセーは夜蛾学長との待ち合わせがあるそうなのだが、俺たちはまたワープで地下室に送ってもらった。

 別れ際、センセーは「2人の成長を楽しみにしているからね」と激励をくれた。……「特に紫苑は、その術式の先にあるものを早めに身につけてくれると()()嬉しいな」なんて言葉を読心してしまったのは、気のせいにしてしまいたかったが。

 

 ちょっと色々あったから思考もこんがらがってるけど、俺の! 最大目標は! GQuuuuuuXのテレビ放送を見ることなんだよォオオォ〜〜〜ッ!!!

 どうなっちゃうんだろうな……一年戦争でジオンが勝った宇宙世紀……。楽しみにしていたんだ、異聞帯ガンダム……。もしもあの時にうっかり死んでなんかいなければ〜〜〜〜ッ!!!!

 頑張って、今世こそ、見よう。あ、なんか泣けてきた。

 

 

 

 


 

 

 

 

「夏油。あの『宿儺の器』でない方の()()だが」

「ああ、結局生きていたんだね。まあ『過去視』にかかわらず【魔眼】系の対策はしてあるから問題ないと思っているけど」

「……あやつは『おかしい』。『異質』と言っていい。何かが……この世の存在とは違う。

 かと言って宿儺や五条悟のように強いわけではないのが不気味だ」

「──漏瑚がそこまで言うのか。ふうん……あんまり興味は引かれなかったけど……」

 

少し気にしていてもいいかな、と羂索は思う。

領域では、さざ波が打ち寄せる音がいつまでも響いていた。

 




皆さんはもう地上波か配信見ましたか
次回予告で一緒に振り回されよう!
Plazmaの歌詞が使えるようになっていて感謝
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