ハイスクールD×D 破壊を司る神の弟子 リメイク版 作:狂骨
あの日。私は父のみならず堕天使そのものを憎んでしまった。
人間の母と堕天使の父との間に生まれた私をよく思わない一族の人々によって、命を狙われ、私を庇った母が殺されてしまった。
私が殺されそうになったとき、空から突然と飛来した彼によって命を救われたが、自分の母の死に耐え切れず、感謝や生きた心地という感情は一切沸くことがなく、ただ自身が狙われた大元の理由たる父そして姫島家を憎んでしまった。
彼に助けられたにも関わらず、それに気づかなかった自分は愚かだ。
だけど、精神が成長し感受性が育ってきた今だからこそ思う。
あの人がいたからこそ今の自身がある。彼に会ったならば必ず御礼を言わなければならない。
○◇○◇○◇
招かれたのは、とある神社だった。
「日本の書院造の家屋か…懐かしいな」
中へと招かれたゼノは久方ぶりに見るその家屋の作りや畳の匂いを堪能ながら置かれているテーブルの側に敷かれた座布団へと腰を下ろす。
「普通は神主さんがいると思うけど、いないのか?」
「ここは私1人で管理しているのですわ」
すると、奥の部屋からTシャツに長いスカートといったラフな服装に着替えた女性が現れ、自身に向かい合うように座った。
「んで?何でここに俺を」
「…貴方にずっと…お礼が言いたくて…」
「俺に?」
「はい。覚えていないとは思いますが、私は貴方に命を救われたんです」
そう言い女性は語り出した。
自身は五大宗家という日本の呪術を扱う家計において最大規模の家の者であり、数年以上も前に“ある理由”一族の者から襲撃を受け、その際に自身を庇った母が死に、殺されかけたところで現れたゼノによって救われたのだと。
「…なるほど」
ある理由については詳しくは話さなかったものの、ゼノはそれについては深く言及せず頷く。
「確かにあの時、墜落したはしたけども…そうか。神社に墜落したのか。それで、俺が殺したのがアンタの家の奴らと」
「えぇ…。あの時…貴方がいなければ私は命を落としていました…感謝してもしきれません。本当に…ありがとうございました」
「…」
女性は笑みを浮かべながら御礼を言うが、その話を聞いたゼノはある点が気掛かりとなった。
「それはつまり…俺が来た時にはお前の母親もまだ息があったって事だよな…?」
「…それは確かかどうか分かりませんわ」
「そうか…。でも、災難だったな」
いくら神の元とは言え、命の尊さなどの最低限の道徳教育は受けてきた。特に命の奪い合いなどはその目で見てきた上にこの手で実行してきた事もあるが、それでも躊躇はするし、消えそうな命を見つけたら手を差し伸べたくなる時もある。
だからこそあの日、付近にいたにも関わらず助けられなかった事に責任を感じてしまったのだ。
そんなゼノの謝罪に女性は首を横に振った。
「いいえ。気になさらないでください」
そんな中、彼女の目が自身の荷物へと映る。
「荷物を見た所、家がないご様子ですが、どのようにするおつもりだったのですか?」
「近くの林でキャンプして、朝イチで不動産屋に行こうと思ってた」
「そうでしたか。夜も遅いですし…もしよろしければ、家が決まるまでは此方に泊まってはどうでしょう?」
「ここに?良いのか?見ず知らずの奴なんて」
「えぇ」
女性の提案にゼノが尋ねると女性は笑みを浮かべながら答える。
「先程の言葉。普通の方でも言える人は中々いませんわ。貴方の素性は知りませんが、寝首を襲うほどの危ない方とは思っておりませんわ」
「でも、身元不明な奴だぞ?」
「その点についてはまた明日、お伺いします。だから今日はここでごゆっくりとおやすみください」
「成る程…(確かに知らない土地で野宿して面倒ごとを起こすよりかはマシだな…)」
「じゃあ頼む」
「はい!お名前は?」
「ゼノ。アンタは?」
「姫島朱乃ですわ」
この日、ゼノは女性改め朱乃の家で世話になる事が決まったのだった。
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「おや?ゼノさんから報告が…ふむ。どうやら悪魔か天使のいずれかと接触したようですね」
「ほぅ?良いねぇ。報告によっては、僕も行こうかな〜」
ゼノからの報告にビルスは胸を高鳴らせるのであった。