城内では小鳥遊聖とアルベルト・ホーク、そしてカイル・スランタニアが客間から廊下で顔を蒼白にして困惑していた。先程大きな爆発音がして急いで廊下に出ると廊下はびっしりと蛇で埋め尽くされていて急いでまた部屋へ逃げようとしたら隙間という隙間から雀蜂が現れて蛇達を襲い始めた。
雀蜂はアシュレイ邸の出来事の記憶を思い起こさせるが、この状況を目の当たりにして聖もカイルも頭がこんがらがった。
「ええ、蜂は敵だったけど私達を助けて…、蛇は…気持ち悪くて…ええええっ!?」
「けっ、汚らわしいぞ!何なのだこの惨状は!?」
「セイも殿下も取り合えず落ち着きましょう、先ず
そう、廊下一面蜂と蛇の攻防一杯で足の踏み場がなく爪先で歩く様な状況にあった。
「案の一つにこの戦いが終わるまで待つ…。」
「却下だ、先程の爆発音は異常だ。鬼門衆の襲撃と見るべきだ。」
「すまないセイ、僕も殿下と同意見だ。」
(分かってます。自分で言って何言ってんでしょうかと思いました。)
「では踏み潰して…」
…までダミアンが口にした瞬間、聖が力一杯抵抗した。
「絶っ対、嫌です!」
するとアルベルトとカイルがダミアンを見て聖に同意見とばかりに頷く。「そうでございますか…。」とシュンとなるダミアンを見て聖は(本気だったのか!)と信じられないとばかりにダミアンを見る。…と、突然一匹の一際大きな蜂がブンッと聖目掛けて飛んで来た。
「ひっ!?」咄嗟に両手で顔を守る聖だが目の前まで来て止まりジッと見つめる蜂と聖は目を合わせる。
「もしかして、アナタ…?」
何かに気付き聖が思わず人差し指を蜂に差し出すとアルベルトが「危ない、セイ」と叫び蜂に向かって手を伸ばすがそれを聖は止める。
「多分、大丈夫です。アルベルト様。」
彼もカイルも不思議そうに蜂と聖の様子を見るとその大きな雀蜂は聖の人差し指を止まり木に止まった。暫く語り合うかの様に聖はその蜂を見つめ、少し俯き話す。
「このコ、
それを聞いた二人は険しい表情となり、アルベルトが呟いた。
「この場で駆除するべきだ、聖。」
あの事件は蜂に刺され死人も出ており、アルベルトとしては捨て置けなかった。
「駄目です、もし女王を殺してしまえば蜂は敵になり蛇も解放されてそれこそ大変な事になります。何より女王蜂に敵意はありません。
元々は八人衆の蟲蔵さんに洗脳の様なものを受けていたみたいです。」
「…ではどの様な理由か分からぬがそれが解けて群れでアシュレイ邸を飛び去ったとでも言うのか?」
カイルの問いに聖は頷き、二人は驚く。
「原因は…私の魔力みたいです。私の魔力を感じた時
どうやら聖はその女王蜂と会話が出来る様で蜂の代弁をしてくれた。
「セイは、そのキラービーと話が出来るのか?」
「話が出来るというより頭に
聖の言う事にカイルは思い当たる節があり伝える。
「もしかしたら…だが、聖女には
「テイム…ですか。」
(日本では生き物とはあまりか関わらなかったな…。)
ふと人差し指に止まった女王蜂を見つめると女王蜂は首を傾げ聖を見つめ返して来た。
(えっ、カッ、可愛い!雀蜂なのに可愛い!?)
そう感じた瞬間、女王蜂の思いが伝わって来た。それにハッとした聖が二人に振り返った。
「アルベルト様、殿下、
それを聞いてカイルは暫し考えた。
「領主と合流したい。彼の寝室だ、今なら我等と同じ様に動けぬ筈だ。」
「分かりました、行きましょう!」
カイルとアルベルトは頷き、聖が女王蜂を見つめ直すと女王蜂は指から離れた途端に他の蜂達が更に蛇達に群がると蛇を運び廊下脇へと寄せた。