「セレスティアルッ!」
アニスフィアが右手に腰の片刃の短剣を抜くと刃を軸に彼女の
「二刀流だと?…
宮本武蔵、この世界ではなく弦之介や朧と同じ日本…江戸時代の有名な剣豪だがアニスフィアが知る由もないと踏んで始めは鼻で嗤うが、アニスフィアから溢れる魔力を見て真顔となり、彼女はまるで武蔵を知っているかの様に答えた。
「別に宮本武蔵を意識したつもりはないけどね。双剣が性に合ってるの。そっちこそ、この世界に来てゲームみたいに人間やめちゃったのかな…槍無双の胤舜さん。」
「げえむ?…がなんかは知らんが
「わたしはまだ人間のつもりだよ、ハゲオヤジ。」
「言うたな、化物娘。来るが良い。」
「んじゃ、お言葉に甘えてっ!」
そう聞いたアニスフィアが目にも止まらぬ速さで突進。胤舜がその突進を三股…十字槍にて受け止めると踵が地面に埋まて冷や汗を額に滲ませた。
(これが小娘の力が!?…真に化物か!)
(コレを止めるのかよ、マジにサー○ァ○トか何かよ!)
互いに後方へ飛び退き間合いを取ったかと思えばまた同時に飛び込み刃が激しい火花を散りばめ刃鳴が溢れ鳴る。アニスフィアがヌンチャクみたいに双剣を振り回し胤舜も十字槍をプロペラの如く振り回し、暴風と化す。どちらも致命傷は与えられずに掠り傷だけ増えていき、暴風に血が混じり暴血風となった。
弦之介は唖然として金縛りとなっていたが、ふと我に返り暴血風と化した二人へと走り、胤舜に手裏剣を投射、不意を突かれ尚跳ね返した胤舜は不覚を取り弦之介の瞳術を見てしまう。
アニスフィアに集中していた胤舜は瞳術に魅入られて回していた十字槍で左肩から右脇腹までを深々と斬り裂き、止まらなかったアニスフィアの斬撃が顔面…否、右こめかみから左頬へと頭を両断した。
アニスフィアと胤舜を中心とした暴血風が止み、辺り一面が鮮血で彩られた。血だらけのアニスフィアは切り裂かれた服から胸が見えてしまいハッとして赤面し隠すが、後ろから弦之介が羽織を彼女に着せ、彼女はその羽織で前を隠した。
「あ…ありがと…ございます。」
「それは此方の方だ。
「あのハゲオヤジ死んだよね?
…でも突然自分を斬りつけたみたいに見えましたけど…何したんですか?」
「瞳術と言う忍術だ。敵の殺気をそのまま返す術だ。
「そっか…。ん、忍術、えっ、忍術って言った!?」
「…忍術を知っているのだな。しかしその姿は日本人ではない、面妖だ。」
問いただそうとせずに弦之介が先程までの鬼気迫る眼光が和らぎ小さな笑みを向けるとアニスフィアは思わずそれに見惚れてしまう。…が、瞬間脳裏に最愛の女性であるユフィリア・フェズ・パレッティアの…それこそ鬼気迫る眼光の顔が浮かびブンブンと頭を横に振り心の中でい言い訳した。
(ちっ、違うよ“ユフィ”!見惚れちゃあいませんぜっ、ホントに!)
其処へ城内から数人の城兵が現れてカイル第一王子殿下、そしてアルベルト・ホークと小鳥遊聖と弦之介へと駆け寄った。
「ゲンノスケ、怪我は…。聖女よ、彼と隣の女性に治癒を頼む。」
「畏まりました。」
カイルの頼みに聖は応えて
「傷が治っ…た、のか。」
「何だかユフィの治癒魔法より治癒が早い気がする。」
…と、聖はアニスフィアの顔をマジマジと見つめる。
「貴女…、クラウスナー城内では見た事ないんだけど…?」
聖は彼女に覚えがなく尋ねる。すると彼女は「あ…では、自己紹介します。」と前置きして左胸に右掌を置き軽くお辞儀して名乗った。
「わたくし、本日招かれましたパレッティア王国冒険者総本部ギルド所属のゴールドランク冒険者、アニスフィア・ウィン・パレッティアと、申します。スランタニア王国クラウスナー領の方々宜しくお願い致します!」
“パレッティア”と聞いたアルベルトは即座に跪いてやはり右手を左胸に置いて頭を下げ、カイルは表情が引き締まり自身の紹介を口にする。
「こ、此れはお早く着いた上に御助成頂くとは、大変助かりました!
ありがとう御座います“パレッティア義姉殿下”。」
聖はキョトンとして急に畏まるアルベルトとカイルを見てパレッティア義姉殿下に聞き覚えがある事を思い出す。
「確か…、ジュードが言ってたパレッティアの竜をやっつけた元お姫様?」
「あっ、それわたし。」
アニスフィアはニッコリと笑い自分を指差した。