異世界転々忍法戦記   作:濁酒三十六

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三国総当たり戦、終了致します。

 三国総当たり戦最後のアニスフィア・ウィン・パレッティア対ベリル・ガーデナントの試合は意外にもアニスがベリルを押し込めての開始であった。

 アニスが気付いたのはベリルは基本相手の出方を見る待ちタイプ。下手な我慢大会にしてしまうよりアニスはやはり先手を選んだ。

 しかしアルベルトの時とは違い身体強化によるダッシュからの双剣での連撃による連撃、攻撃こそ最大の防御と言わんばかりに叩き込んだ。

 観戦している町民達…そして聖達も息を呑み込み、押し込めているアニスもそうだが彼女の連撃を全ていなして躱すベリルの剣技に皆魅せられていた。

 

「すごい…、アニス様のあの連撃を全部躱してる。」

 

 驚いている聖の横でアルベルトも舌を巻いている。

 

「身体強化からの雪崩の様な連撃を私との試合でされていたら私は躱し切れず大打撃を受けていた。

その連撃を顔色一つ変えずに躱し続けるとは…。」

 

 そして攻めている筈のアニスにも焦りが見えていた。

 

(予想はしてた、それでも涼しい顔で(ことごと)くいなされるって。

それに…、この身体強化、胤舜時の数倍なんだけど!!)

 

 次の一手を考えるがその瞬間、ベリルが視界から消えて途端に視界が地面と平行になりそのまま倒れ込む。

 

「足払い!?」

 

 思わず声を上げてしまう聖、アルベルトもまさかの動きに眉間が寄る。ベリルは連撃のタイミングを見計らって地面スレスレまで屈み込みアニスを足払いで転ばせたのである。

 即座に立ち上がり木剣の切っ先をアニスの顔に向けるベリル。だがアニスもそのまま地面に倒れずに逆立ちになり両足でベリルの頭を挟み込む。ベリルは「いっ!?」と声が出て驚愕の表情をアニスに向け、彼女は脚力でベリルの両肩にのし上がって彼の前で二振りの木剣を逆手に持ちクロスしてベリルを見下ろした。

 

「さぁどうだ!?」

 

 瞬間、アニスは「ガっ!?」と奇声が出、驚愕の表情で固まる。彼の顔が朱色の布に被さり見えず、ベリルもアニスを担いたまま立ち尽くし動かない。それもその筈、アニスが逆立ちした瞬間に彼女の下着を見てしまいショックで固まったのだ。

 40過ぎのオッサンには刺激が強過ぎた。両肩に乗り上げたアニスのミニスカートに頭を被われたベリルはいきなり悲鳴を上げた。

 

「ギャアアアアアッ!!」

「ギャアアアアアッ!!」

 

 ベリルの悲鳴に重ねる様にアニスも悲鳴を上げただけでなく二振りの木剣の柄でベリルの額を強打、ベリルは前のめりに受け身を取れず倒れ込み、アニスもそのまま地面に落とされた。アニスが先に立ち上がり、白目をむいて倒れたままのベリルを足元にアニスは天を仰いで叫ぶ。

 

衛生兵(メディーック)っ!!」

 

 そして皆が絶句する中で審判のクラウスナー卿が我に返り声を裏返しながら張り上げた。

 

「しょ、しょうしゃ、アニスフィア・ウィン・パレッティア様あぁっ!!」

 

 町民が“ワッ!!”と歓声を上げ、その中で弦之介と彼に捕まえられた不審者の少女がそのシュールな光景を見つめる。

 

「…“めでく”…とは何であろうか?」

 

 誰に質問したでもない彼の問いに不審者の少女…石動律花が答える。

 

「えと、戦場で…味方に応急処置を施す…兵士の事です。」

 

 そう説明するとベリルに聖女様(メディク)が走って行き、治癒魔法(ヒール)をかけたのだった。

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