異世界転々忍法戦記   作:濁酒三十六

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波乱カオスなお茶会になりそうです。

 (ミソノ?タカナシ?黒髪美少女と美女!?…えっ、ココ“日本”!?)

 

 違います。

 

「おー、アンも黒髪美女だったわ。」

 

 自分の傍らにいる専属メイドのアンを見、一人突っ込みをして左掌を右拳でポンと叩くカタリナ。そんな彼女を四人とも不思議そうに見ていた。

 

「あ…、何でもありませんわーっオホホホホ。」

 

 変な笑いで誤魔化そうとするカタリナ。しかし聖は先程愛良と自分が紹介した時の驚いた顔を見逃さなかった。

 

(カタリナ・クラエス様、私達の“何”に驚いたのかしら?)

 

 聖はカタリナは先ず置いておいて目的のマリア・キャンベルとの歓談をする事とした。

 

「マリアさん…でいいかな?」

「えっ、あ、はい。」

「マリアさんの光の魔力とはどういった物なのかしら?」

「光の魔力ですか…、治癒や闇の魔力の感知…ですか。」

「闇の魔力?」

 

 そこで傍らに控えていたソラがマリアの後ろに立ち耳打ちをする。

 

「マリア嬢、その話はアウト。」

「あっ、ごめんなさいソラ様。申し訳ありませんセイ様、治癒魔法だけです。」

 

 マリアがシュンとして軽く頭を下げるので聖は慌ててしまう。

 

「いいんですいいんです、話してはいけない事聞いたの私だから、此方こそごめんなさい。」

 

 謝り返して笑いかける聖にマリアは何となく彼女の人柄を感じて笑顔となる。

 

「セイ様も治癒魔法を扱われると聞きました。そしてこの国の魔物討伐に参加されたと、勇ましい限りです。」

「私も聞きましたーっ、やっぱヒールッ、て叫ぶんですか?」

 

 マリアとカタリナから質問されて聖は「そんな叫んだりはしないですよ。」と答えた。

 

(嘘です、叫んでます。)

 

 少し冷や汗が垂れた。

 

「マリアは無詠唱で治癒魔法使えるんですよ。」

「そう言えば、ソルシエは無詠唱での魔法の行使が主ですね。」

 

 これにはリズが驚いた。

 

「まあ、無詠唱による魔法の行使だなんて。アイラ、本当ですの?」

「はい、ドレヴェス様も無詠唱行には少し興味を示されてました。」

 

 無詠唱による魔法の行使はスランタニアではあまり見ない技術である。聖も聖女の魔力を行使すれば無詠唱魔法は出来るが、この場で見せる事は出来ない。

 

(いや、それ以前に恥ずかしいからしない!)

 

 先程一度聞いた闇の魔力は恐らくソルシエ王国の国家機密、自分達が知るべきものではないのだろう。

 どうやらお互いに話せない事が多いと聖は確信し、今日は雑談のみのお茶会と決めた。カタリナを暫し放ってしまい聖は彼女にも話を振ってみようと視線を移す。

 

「カタリナ様は土属性の魔法が得意…と…か…。」

 

 カタリナを見た途端に聖は言葉を濁した。カタリナは顔を綻ばせて口をモゴモゴとお皿のクッキーやマカロンを頬張っていた。

 

「はっ、はふいへふよ(得意ですよ)ふひほほほはへひまふ(土ボコとか出来ます)。」

「カタリナ様、先ずはお口の中の物を呑み込んでからお話下さい。」

 

 カタリナが何を言っているのか解らず、メイドのアンにたしなめられる。

 女子五人の歓談は弾み、楽しい時間が過ぎて行った。

 

「セイ様とアイラ様って、もしかして日本(・・)から来てたりとかしません?」

 

 その単語がカタリナの口から出た途端、愛良、聖、そしてエリザベスまでがギョッとした目で彼女を凝視した。

 

「カタリナ様、今…何て…言いました?」

 

 カタリナの頭でポクポクポクと響き、チーンと鳴ってガッツリ口を滑らせた自分に青褪める。

 

「わたし…もしかしてヤバい事言っちゃいました?」

 

 スランタニア三人娘が同時に頷き、マリアは頭の上に?を幾つも浮かべた。

 

 

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