レベリス冒険者ギルドのメイゲン、スレナとベリルが退席して直ぐにパレッティアのグランドギルドマスターも退席し、アニスの指示でレベリスと同じく国へ戻る事となった。
宿の食堂では先ずは敵…天草四郎時貞の正体において
「天草四郎時貞は確か江戸時代初期に起きた島原の乱の中心人物です。
詳しい事はアメリカで生まれた私にはちょっと…。」
「んっ、アメリカ?」
聞き返すカイルに律花は頬を人差し指で軽く掻いて苦笑いする。
「あっ、私アメリカ人の父と日本人の母のハーフなんです。」
カイル、アルベルト、ユフィリアの頭に“?”が浮かんでしまっているみたいなので律花は「それは取り敢えず置いといて…。」とジェスチャーをし、メリッサに助けを求めた。
「メリッサお願い、天草四郎を簡単に説明出来る?」
すると白い法衣の少女…メリッサが頷いて天草四郎と島原の乱を簡単に説明を始めた。
「天草四郎はその昔の日本の侍、幕府…この世界での王族政府に農民と
「キリシタンとは…何でございますか?」
ユファリアが尋ね、メリッサが答える。
「キリシタンは日本に布教されたキリスト教の教徒です。幕府はその宗教を徹底的に弾圧していました。」
「何故“バクフ”とやらはキリスト教を弾圧したのだ?」
これにはカイルが質問、メリッサが答えた。
「歴史では幕府の支配的統治が脅かされるのを危惧したとあり、そして影では宣教師と日本の商人が日本人…特に女性を人身売買にしていた事実から有害と判断されたとあります。此処ら辺の歴史は皆さんには関わりないのですが、問題は
「えっ、そんなのあったの!?」
これには当主である律花が驚いた。
「あるんだよ、リリィ。この歴史書には江戸時代に忍びが深く関わった事件案件が沢山記されてる。
例えば時の天下人である徳川家康が伊賀甲賀を争わせた世継ぎ争い、影で起きていた幕府公儀隠密と豊臣残党を束ねた闇公方との争いなど歴史には記せない事柄が記述されてるの。」
(世継ぎ争いって、まさか…)
伊賀甲賀と聞いたアルベルト達は弦之介と朧二人の顔が浮かび、アニスは三代目世継ぎ争いまで浮かんだ。カイルはもう一つの質問をメリッサに投げかける。
「では、アシュレイ邸とクラウスナー城を襲ったキモンシュウは分かるか?…同じ忍者である弦之介からは危険な忍者集団としか聞けなかった。」
「その認識で間違っていないと思います。鬼門衆は闇公方との繋がりが強く、徳川に乗り替わり前天下人豊臣秀吉…豊臣家に天下を取らせようとした陰謀に加担してました。」
(わっ、分かるのか、鬼門衆!)
またも律花は驚きを隠せず、その横でミアは全く話が分からず、困り顔で聞いているしか出来ずにいた。
「江戸時代の石動家は江戸幕府公儀隠密と繋がりがあったみたいで幕府の裏で起きた事件の記録を預かり、管理していたんです。鬼門衆の記録もですがこの中にはキリスト教の残した予言の文節…末鏡と言う予言書もあります。そして預言していたのは島原の乱と…天草四郎が“魔王サタン”として蘇ると言うものでした。」
「なに末鏡って、そんなの
てか魔王サタンとかもうオカルトでしょ!?」
歴史の裏にある真実と…神とか悪魔とか聞いて混乱しながら強く食いついたアニスにメリッサは不思議に感じながら続ける。
「末鏡は幕府に封印されていたんです。
…末鏡を要約すれば日本に唯一神ゼウスの御子が生まれ、神になる。けどその道が絶たれた時、御子はサタンとなるだろう。…と言う表裏の意味があって島原の乱は天草四郎の副官だった森宗意軒と言う大名…異世界で言う所の貴族?…が仕組んだ儀式で三万七千人の農民達は四郎をサタンに堕とす為の生贄だったの。」
それを聞いていた皆が青褪める。特に転移転生した律花とミア、アニスは自身の世界の歴史の裏で起きていた恐ろしい事実に戦慄していた。