スランタニア王国城下町とスランタニア城を繋ぐ城門にカタリナ達はソルシエ王国の馬車を迎える為に待っていた。カタリナとマリア、アンとソラ。スランタニア側は第二王子であるレイン・スランタニア、エリザベス、愛良。何故かユーリ・ドレヴェスも一緒にいた。
遠くから数台の馬車の影が見え、近付く度にカタリナとマリアの笑みがとても分かりやすい程に嬉しさを強めていた。
そしてソルシエの紋章を飾った馬車が4台止まり、先頭の馬車の扉が開き、銀髪碧眼の美青年、ソルシエ王国第一王子であるジェフリー・スティアートが降りて来て次に黒髪ストレートを綺麗に束ねた眼鏡美女、魔法省部署長…ラーナ・スミスが馬車を降りた。レイン、エリザベス、愛良、ユーリが二人に挨拶をした。
「遠い所を御足労ありがとうございます。初めまして、私はスランタニア王国第二王子レイン・スランタニアと申します。スランタニア王国へようこそ。」
「アシュレイ公爵息女…エリザベス・アシュレイで御座います。」
エリザベスの挨拶にジェフリーは王子らしく挨拶を返す。
「始めましてレイン王子、アシュレイ公爵令嬢。私はソルシエ第一王子ジェフリー・スチュアート、本日はソルシエ外交官として来国させて頂いた。宜しく頼む。」
続いてユーリが挨拶をし、彼が愛良を紹介した。
「お初に御目に掛かります。私はスランタニア王国宮廷魔導師団師団長ユーリ・ドレヴェスと申します。そして此方はアイラ・ミソノと申します。どうぞ、お見知り置きを。」
宮廷魔導師と聞いてラーナは不敵な笑みをユーリに見せて挨拶をする。
「私はソルシエ魔法省部署長ラーナ・スミスと申します。お互い魔法に身を捧げた身、仲良く致しましょう。」
「えぇ、宜しくお願い致します。スミス女史。」
「「ふふふふふふ……。」」
お互いに何かを感じたのか、二人の不敵過ぎる笑い声が揃い、それを聴いた皆は背筋に寒気を感じ、ジェフリーだけが愉快そうに笑っていた。
そして先頭の馬車から三人目の王族が降りて来、カタリナが彼を見た。
「ジオルド様。」
「カタリ…」
しかし2台目3台目の馬車の扉が勢い良く開き、「「カタリナさまああっ!!!!」」と甲高くハモり、二人の少女がカタリナにタックルをかました。
「ゴフウッ!?」
声にならない悲鳴をカタリナが漏らして二人の少女に押し潰された。
「グエェ、て、メアリにソフィア!?」
カタリナにタックルからのフォールをキメたのはメアリ・ハントにソフィア・アスカルトである。カタリナを慕う貴族令嬢…友達だ。
「カタリナ様、私ずっとずっとカタリナ様を心配していたんです!!」
メアリがカタリナの首に両手を巻き付け、ソフィアがカタリナのお腹をギュッと抱き締めた。
「私だってカタリナ様を心配してました!カタリナ様カタリナさまあっ!!」
「ふっふたっ、くるっG…」
二人に絞め技をキメられたカタリナはそのまま…落ちた。
カタリナが目覚めたのは寝室のベッドであった。結局メアリとソフィアが嬉しさのあまり加減が利かず、彼女を絞め落としてしまっていた。目覚めると顔をぐしゃぐしゃにしてワンワン泣く二人の声がカタリナを目覚めさせてくれた。
「カタリナ様、良かったですわ。ごめんなさい、感情が制御出来ず加減が出来ませんでしたわ。」
「ごめんなさい、カタリナ様。私嬉しくて…力が出過ぎました…。」
メアリとソフィアは泣き止んだら今度はシュンとしてしまう。
「全く君達は暴走して、姉さんだから生きてる様なものだからね。」
…と、二人を諫めているのは青い瞳、亜麻色の髪、色気立つ少年。カタリナの義弟、キース・クラエスである。
「キース…、私だから生きてるって何?」
「それだけ君を心配していたんだ、許してやってくれ。」
そう、静かな声で言ったのは黒髪に綺麗な顔立ちをした美青年…ニコル・アスカルトだ。
「怒ってなんていませんよ、ニコル様。むしろ皆来てくれて嬉しい。ね、マリア。そしてアラン様も。」
キース、ニコルと並んでいたマリア、そして銀髪碧眼のソルシエ第四王子であるアラン・スチュアートにカタリナは話しかけた。
「あぁ、スランタニアから迎えに来てくれって連絡があった時は皆我先にと慌てて出国の支度してたんだぜ。」
「ふふ、アラン様も慌てられたんですね。」
そうマリアにふられアランは頭に手を置いて「そうだ。」と言って笑った。