「何を言っているんだラーナ様、カタリナをパレッティアに任せるなんて、許せる訳がない!」
ラーナは憤慨するジオルドを見て頭を頭を掻いた。
「ジオルド様、今言いました様にソルシエにカタリナ嬢を守れる程の力はない。ユフィリア女王に任せるべきだよ。」
「貴女は今のカタリナを厄介者としか捉えていないのでしょう、だからバレッティアに押し付けたいんだ!!」
厄介者…、そう言われたカタリナの表情が悲しげに歪み、ジオルドもハッとして自分の言葉で彼女を傷付けたと後悔をして俯く。するとユフィリアが一つ提案する。
「分かりました。…なら、ここは単純に勝負を致しましょう。反対するソルシエのジオルド、アラン両王子とこちらの二人組による試合で決めませんか?」
結局は力で決めようと乱暴な提案だが、話し合いでは決着がつかなそうなのでジークフリートは了承する。
そして修練場へと移動する事となった。気付けば観客にはユーリ・ドレヴェスと美園愛良、メアリ、ソフィア、キース、ニコルにマリアまでが居り大賑わいになっていた。メアリが婚約者のアランに声援と言う名の脅迫を大声で叫んでいた。
修練場にはジオルドとアランが既にセッティングしていた。
「アラン様ああっ、絶っ対にお勝ち下さいませえ!でないと承知致しませんわよおおっ!!」
ソフィアもジオルドにメアリ程ではないが声を振り絞り声援を送る。
「ジオルド様あ、お勝ち下さいませえ、勝ってカタリナ様を守って下さいませえ!」
「酷いですわ、二人ともパレッティアに組するなんて許しませんわ!」
「裏切り者おっ、昨日湯槽の中で分かち合った友情は嘘だったのですね!」
好き勝手騒ぐ二人をマリアがなだめ、そんなソルシエ陣営を見て律花とミアは困り果てていた。
「リリィ、私達何でココにいるのかな?」
「…マジで分かんない…、取り敢えず腕の一本くらい折っても極刑は心配ないみたい。」
二人はユフィリアにパレッティアに行く前に実力を見せて欲しいと懇願された。律花は二人が出れば…と反論したが、アニスが王族同士が無闇に剣を交えば国同士の戦争に発展しかねないと屁理屈を言われた。
「ならとことん話し合えばいいのに…。」
「…話し合いに削ぐ時間もないかも。」
ミアの愚痴に律花はそう返す。そして二人の目付きが変わった。
「ミアはディフェンス&サポート、わたしはオフェンスオンリーね。」
「OK、リリィ。」
ソルシエ側、アランは相手を見て少しゲンナリしていた。
「向こうは竜殺しの女王と王姉殿下かと思ったが、よく分からない女二人かよ。みくびられてないか、ジオルド?」
「構わない、カタリナを守れるなら誰が相手でも容赦はしない。」
「…だな、あの娘達には悪いがちょっととした怪我は覚悟してもらうぜ。」
そして二人は律花とミアを睨んで剣を抜いた。それを見たカタリナは抜いた剣が真剣と気付いたのである。聖も驚いてアニスに声を張り上げた。
「アニス様、木剣での試合ではないのですか!?」
「あ…、試合の中に緊張感を持たせたくてね〜。ほら、大怪我とかしたら聖さんいるし…」
「そういう頼り方しないで、剣で斬られたら痛い筈なんです!何で…」
「聖さん、取り敢えずはこの試合を見て。勝負は直ぐに決まるよ。カタリナ様もお願い。」
そう言ってアニスは二人に促し、カタリナは何も言えず…ジオルド達も律花達も怪我する事なく、勝負を終える事を願った。
ミアは黒いマスクで目元を隠し、律花は頭部全体をマスクで覆い黒い狐面を被った。。
「行くよ、王子様。」
律花は狐面で隠れた氷の様な視線で彼等を見つめた。