王城正門、3台の馬車が並んで荷物が持ち運ばれていた。先頭の馬車は律花達が乗っていた馬車で屋根を付けてもらい馬も別の馬に変わっていた。
彼女達が異世界へ迷い込んで初めてした事が見知らぬ町での
クラウスナーへと向かうレビオス冒険者ギルド旅団と同行してスランタニア王国まで来て今度はパレッティア王国へ行くとなりこの年寄馬では旅には持たないと言われて馬を変えてもらう事となった。メリッサは別れにわんわん泣いたが年寄馬は王宮で預かる事となり、馬車も色々と補修された。御者は律花となる。
そして二台目はアニス、ユフィリアが乗る馬車となり、御者は獣兵衛が請負う。
三台目は聖、カタリナ、アンが乗り御者はソラが請け負った。アルベルトは単馬で後方配置となる。黒い修練服を着たカタリナはわんわんと泣いて抱きつき離れないソフィアとメアリを宥め、マリアは目尻に涙を溜めて一定の別れを惜しむ。
メアリ、ソフィアにキース、ニコルはソルシエに帰るがマリアはこのままスランタニアに残る様で彼女のみならずジオルドとアランも残りスランタニアの魔導団と騎士団で修練を積むそうだ。そして…。
「ええ、愛良ちゃんソルシエ王国に行くの!?」
聖は驚きの声を上げて愛良は頷いてエリザベスが説明をした。
「これはアイラからの要望ですの。その事でレイン様と一緒にラーナ様とお話を致しましてソルシエ王国への外交特使として二名の宮廷魔導師を護衛に付けてお願いする事になりました。」
「ラーナさん達が新たな国への同盟を考えていてカイル殿下と一緒に行ってきます。私、聖さんの力になれる様に…大切な人達を守れる様に頑張ります!」
聖は彼女の強い決意と意志が愛おしく思わず抱き締めてしまう。
「聖さん?」
「愛良ちゃん、無理はしないで。」
「はい。」
スランタニア王ジークフリートと二人の王子も見送りに来ていた。
「セイ殿、貴女を国として守るべきなのに、正直この様な形でパレッティアに貴女を任せるのは不本意であるが…どうか理解して頂きたい。」
「いえジークフリート王、王様が許可を出さなかったとしても私は国を出ていたかも知れません。この国には大切な人達が多過ぎます。そんな国が私一人の為に燃えてしまうのは我慢出来ません。どうかお気にしないで下さい。」
そしてカイルが父王と並び、聖に言葉を贈る。
「セイ、
「カイル様、ありがとうございます。」
ジークフリートはユフィリアに歩み寄り、ジェフリーも二人と向き合った。
「ユフィリア女王、此度の訪問…そして同盟結成等の提案、とても有難いものでありました。ジェフリー王子も心より感謝致します。」
そう言って二人に頭を下げる。
「ジークフリート王、どうか頭をお上げ下さい。我らとしては恥ずかしながら下心あっての提案です。我が義姉様の言葉を借りるなら“ウィンウィン”で御座います。」
「?ウィンウィン…とは?」
「義姉が言われるには“相互利益”良い関係を意味するそうです。」
「その言葉、ラーナ署長より教えて貰いました。ラーナ署長はカタリナ嬢より聞いたそうですよ。」
ジェフリーがそう言うとユフィリアは驚いてアニスに向く。彼女は何かを確信でもした様に頷いた。
そして出発の刻となり、皆に見送られ馬車が動き出す。先頭を律…ではなくメリッサとミア、オボロが乗る馬車が先導し、二台目三台目と動き出し一番後ろをアルベルトの馬が歩き出し一行は王都を立つのであった。