暫しの沈黙、今二人の転生者がお互いの正体を知る。今、アニスを転生者と知るのはこの場にいるユフィリアと聖にアルベルト。スランタニアにいるカイルに側近のダミアンである。
そしてカタリナを転生者と知るのはアンとソラ。マリアにスランタニア公爵令嬢のエリザベスとなる。
「するとアニス様も何か乙女ゲームのキャラなんですね!」
カタリナは少し高揚して好くっと立ち上がり、アニスは困惑。
「えっ、乙女ゲー…む?」
「ハイ、私は本来乙女ゲー厶“FORTUNE・LOVER”の悪役令嬢カタリナ・クラエスなんですがマルチエンディングでは全部身の破滅しかないのでその回避に頑張りました!」
勢い良く話すがアニスと周りの反応は完全にフリーズしていた。
「カタリナ…さん、取り敢えずゲームの話は置いておきましょう。」
「…はい。」
星になだめられたカタリナも自分が暴走しかけたと理解して寂しげに着席。この話が出来るのは今の所、ここにいない愛良だけである。
「ぁぁ…、話戻すね。今、此処に異世界転生者が二人、私とカタリナ、召喚者が聖さん、そして聞いた話じゃ獣兵衛さんと
「えっ、伊賀甲賀って…!?」
カタリナが驚き、獣兵衛の表情が険しくなる。アルベルトが事情を話した。
「彼等…弦之介殿等とはクラウスナーで出会い、カイル殿下がリリィ嬢達と同様に味方要請をしてある。」
「えぇ、そして多分この後も敵味方両方で異世界転移転生者と出会す可能性があると考えた方がいいと思う。」
アニスがアルベルトの話に続けた。聖は律花に話を振って尋ねた。
「いろいろあって聞けなかったけど、
律花はメリッサ…ミアと見合わせてミアには直接話して良いかを尋ねる。
「いいよ、リリィ。」
「うん…。」
意味深に見つめ合う二人、そこに聖は友情より深い何かを感じる。律花と同じ忍者である獣兵衛はそれには何となく気付いてはいた。
「私達が異世界に飛ばされた話はちょっと長くて、私の家族とミアの出会いからします。私の祖父は石動家先代当主で父は婿養子で人工知能の研究をしていたアメリカ人です。父は昔二人の親友と会社を設立しました。意見の相違で会社を辞めましたが、その親友は父の研究データを奪う為に私の家を襲ったんです。
その中に…
とても雲行きの怪しい話に聖、カタリナ、アニス達は表情を硬くする。
「祖父は交戦しました。…でも、敵の銃撃で死にました。父も…殺されました。私は…」
「リリィのおじいさんを殺したのはわたしです。」
驚愕する聖達、反対に獣兵衛はやっぱりと言わんばかりに地べたに寝転んだ。
「リリィのおじいさんは強かったんです。襲撃部隊と一緒に連れられた私は命令に逆らえず超能力でおじいさんの動きを封じたんです。そして…」
そこで律花は隣のミアの肩に腕を回して抱き寄せ、話を続けた。
「敵の部隊が動けない祖父を機関銃で…、目の前で父も同じ様に…そして父の研究は奪われました。私は復讐、研究データの奪還を決意したんです。」
その後をメリッサが話を引き継ぐ。
「リリィとミアは戦いの中で和解しました。ミアは超能力研究とリリィのお父さんの劣等感に取り憑かれた父親に操られてました。ミアは父親と決別して私達と一緒に敵の本拠地に乗り込み、全ての元凶であるブラッド・イングラムを追い詰めました。…そこに、本拠地の頭上に大きな黒い穴が空いて…、私達は飲み込まれたんです。」
あまりにも壮絶な話の流れに聖達は絶句し、カタリナは涙で地を濡らしていた。
「そっか、そのブラックホールみたいなのでリリィ達は異世界へ…。
つまり、あのクラウスナーで暴れた
それだけじゃない、その本拠地っのはその会社本社でしょ。」
律花達三人は頷く。彼女達の辛い出会いは同情すべき話ではあったが、アニスは頭を抱え考え込んでしまう。
「どうしたの、アニス?」
ユフィリアが心配するとアニスは険しい顔を見せて答えた。
「今の話、問題視するのはその本拠地自体がリリィ達と同じ様にこの世界に来ていたとして、鉄の魔物を鬼門衆が運用していたと云う事はその会社本社は敵の手にあり、私達前世の
アニスは戦慄した。…それは律花達の時代…アメリカの先進兵器が敵になる事を示していたのであった。