日が沈み、再び太陽が上がるころ。
12名のエースパイロットが機体をぶつけてでも守った街、ノリッジの1日が始まる。野戦基地ではロンドンからやって来た。憲兵隊や特戦隊ではなく、ノリッジ防空としてやって来たのだが、既に命が散った空に霧散していた。こうしてノリッジ亡命軍と連盟空軍、そしてネウロイの戦いは彼らが居なくなったことで終止符を打たれた。
ただ、連盟空軍にとってノリッジ亡命軍の彼らにお礼がしたかった。世界中の戦力の約10%強がここから排出されており、航空戦ではベルリン解放する直前までこのロンドン=ノリッジ防空で踏ん張っていた。
防空戦闘以外にも局地戦での防衛やヒスパニア防空戦、北アフリカ戦線航空戦もノリッジ出のエースパイロットが赴いていた。この情報はグレイスやルミナスの歌姫たちのみならず、グレスリー女史からも連盟空軍に伝わり、徐々に激怒する態度から緩和されていた。そして連盟空軍の彼らは落胆する。12名のエースパイロットが既に散って、その最たる存在であったウェルトン・”ガウディ”・トリスコル大尉が居なくなり、強いてはブリタニア空軍のエースパイロットやベルギガ撤退戦のエースパイロット、扶桑出身のエースパイロットですらも在籍していたこの基地から消えてしまった。
今残っているのは、亡命ウィッチの総隊長兼司令代理であるアンナと予備役ウィッチの隊長のバラッカしか実力派は残っておらず、地上を這う負傷兵か兵卒しか残っていなかった。
もうノリッジ野戦基地は崩壊したのも必然だった。
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ノリッジ野戦基地が接収されてから僅か数時間後。基地の端に戦没者の墓地があった。空の英雄は空中で落とされた場合、ほとんど遺品がない。ノリッジ大聖堂に送る前の12のエースは当初ここに眠っていた。
数多くの兵卒や予備役のウィッチが12名の告別式が執り行われた。
著名なパイロットが先の一戦で消えた勝者など居なかった。むしろ敗北に近いだろう。哀悼に包まれた夜。グレイスは小声で言い放つ。
「なにが『任せろ』なの・・・結局のところ死にに行っただけじゃない。」
歌姫たちとノリッジと連盟空軍のウィッチがグレイスの一言で考え始めた。
事実上、彼らが死に急ぐことに変わりはなかった。死んで喜ぶのは敵であるネウロイだけで、敵対関係の連盟空軍ではない。彼女たちに出来るのは彼らを休めることだけで手がいっぱいいっぱいだ。それなのに・・・。
彼女たちはふと頭を下げる。嗚咽と涙交じりの悲鳴。望まれない形で遭ったウィッチたちには戦争という残酷さに泣くことしか出来なかった。
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哀悼の時が数時間が経過した翌日。歌姫たちはノリッジ大聖堂を後にした時にアンナがある文をグレイスに渡した。グレイスは震えつつも文を開き読んだ。
「愛し君へーーー」
『愛し君へ、これを読んでいる時には私は空で散っているだろう。だが君たちを守れたことを光栄に思う。これからも素敵な歌を広めていくのを幸運を祈る。私たちは空を見守る仕事が残っている。君たちの旅路を祈る。』
「ーーートリスコル大尉より・・・。」
グレイスが読み終わると彼女は文を握りしめて泣きついていた。しばらく泣き続けたあとあることを決心する。
(彼らの為に長生きして、彼ら以上に歌を届ける必要がある。彼らみたいな人たちを生まない為にも・・・。)
文を胸ポケットに入れるグレイスを見ず、アンナはストライカーユニットを装着して歌姫たちの直掩に上がる。もうここに来ることはほとんどないと思いをはせるも、グレイスは決意を新たに小さき歌姫たちを連れてノリッジを去る。
これによって歌姫たちのノリッジ来訪の終わりによってノリッジ防空戦も終わりを告げる。ノリッジ亡命軍野戦基地も4年に渡って終わり、今後は連盟空軍によって管理されることとなった。
”彼ら”は今でも人類の空を見守っている。
~Fin~
最終回という蛇足が続いたので、ひとまずやれることはやったかな?
エースコンバットシリーズをおもっくそ影響を及ぼしてしまった作品やったんで、ちょいとおもんないかもしれへんけど赦してクレメンス。