メメント・モリ   作:阪本葵

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相変わらず誤字が多く、ご迷惑をおかけします。
いやはや、何度も確認してるんですが、情けない限りです。



第35話 クラリッサの決意

三日月が美しく見える雲のない夜のドイツ某所、IS配備特殊部隊「シュヴァルツェ・ハーゼ」駐屯所の隊長室。

そこではシュヴァルツェ・ハーゼ隊長の「ラウラ・ボーデヴィッヒ」が書類整理をこなしていた。

彼女は15歳でありながら卓越したIS操縦技術によって隊を任されている。

階級も少佐だ。

そんな彼女はその平均女性より小さい身長でありながら、纏う雰囲気は小さい体躯であるということを感じさせない。

無造作に伸びた銀髪は特にセットされてはいないが、室内灯でもきらめきを放つ。

左目は黒い眼帯に付けられており、右目にはモノクルをかけ書類に目を通す。

時折モノクルの位置を直す仕草をしながら書類にサインをする。

ある程度目処がついたのを確認し、時計を見る。

そろそろ就寝時間になるので、シャワーを浴びて寝ようと書類を片付け始めたとき、ドアをノックする音がした。

 

「誰だ」

 

「ハルフォーフ大尉ですボーデヴィッヒ隊長」

 

「入れ」

 

簡潔なやり取りの後、クラリッサ・ハルフォーフ大尉は「失礼します」と部屋に入り敬礼する。

 

「どうした大尉。こんな夜に」

 

ラウラは、こんな夜更けに隊長室に訪ねてくる人間自体が珍しいのでクラリッサに質問する。

すると、クラリッサは実は……と少し言いにくそうに話しはじめた。

 

「有給を消化したく、一週間ほどの休暇申請に来ました」

 

「突然だな」

 

ラウラはそのオオカミのような切れ長の瞳でクラリッサを睨む。

すると、クラリッサは更に言いにくそうにこう言った。

 

「……実は、日本で『お見合い』をすることになりまして……」

 

「オミアイ? なんだそれは?」

 

ラウラは聞いたことのない単語に首を傾げる。

クラリッサは簡潔に説明した。

 

「結婚を前提とした先方との顔合わせです」

 

「おお、大尉は結婚するのか! それはおめでとう!」

 

ラウラは先ほどまでの剣呑な雰囲気を消し、一転してパアッと笑顔でクラリッサを祝福した。

だが、当のクラリッサの表情は暗い。

 

「どうした、大尉?」

 

「……これは内密でお願いします」

 

重々しい口ぶりでクラリッサは話した。

このお見合いは、ドイツ政府が勝手に自分の写真を先方に送り付け先方が会いたいと言い出した事。

そしてその相手が……

 

「織斑照秋です」

 

その名前を聞いてラウラの眉がピクリと動く。

 

「教官の弟……だな」

 

ラウラの言う教官とは、織斑千冬のことである。

彼女は一年間ISの技術指導に就いていた。

その時、シュヴァルツェ・ハーゼ部隊も世話になった。

特にラウラは千冬に心酔しており、未だに憧れの人物である。

そんなラウラには、許せない、殺意を持つ人間がいる。

それは彼女の弟、織斑一夏である。

彼女は一夏に対して、千冬がモンド・グロッソ2連覇を逃した遠因を作ったことから、「教官に汚点を残させた張本人」として敵視している。

しかし、照秋に対してはそんな感情は抱いていない。

むしろ、親近感を覚えるくらいだ。

千冬は以前ラウラにこう言ったことがある、

 

「出来のいい一夏と、出来の悪い照秋。どちらも私の大切な家族だ」

 

それを聞いたとき、ラウラの心にモヤモヤしたものが沸き起こった。

なにより、千冬に出来の悪いと言われる照秋に興味が湧いた。

自分も、『出来損ない』の烙印を押された者だったから。

だが、ただ興味が湧いただけでそれ以上調べようとも思わなかったが、嫌でも知る機会が出来た。

それがワールドエンブリオが世界に照秋のIS適性を発表した時である。

そして、その時映し出された操縦技術にラウラは雷に打たれたような衝撃を受けた。

その事を思い出し、呟く。

 

「織斑照秋……教官の優秀な方の弟(・・・・・・)だな」

 

「はい」

 

クラリッサも同意するように頷く。

 

ワールドエンブリオの衝撃的発表後、ラウラは早急に照秋に関するデータを収集し始めた。

そして、感銘を受けた。

日本という一国の同世代で剣道で一番になる実力。

実際全国大会の映像を取り寄せ照秋の実力を目の当たりにした。

 

圧倒的の一言である。

 

スポーツではあるものの、剣道という競技において他の者より実践的な動き。

調べると『東郷示現流』という流派で、初太刀の一撃に懸ける必殺の気魄が特徴的な流派である。

現代スポーツから退行したような流派で圧倒的実力によって勝利を掴む姿は、ラウラの目にまぶしく見えた。

そしてなにより、その力は日頃積み重ねた練習によって得たものであるという事が明白だった。

 

さらにIS学園での試合の映像だ。

クラス代表を決める試合と称して、一組の織斑一夏とイギリス代表候補生セシリア・オルコットの試合、そして三組の総当たり戦を見て衝撃を受ける。

まず一組の試合はそれほど特筆するものはなかった。

あえて言うならセシリアの技術が以前取り寄せた資料より格段に上がっていたというところだろうか。

それでも自分の脅威足り得ないとラウラは分析している。

もしセシリアの持つ第三世代機ブルーティアーズがスペック通りのビーム偏向が行えたなら脅威であるが。

しかし、その後の三組の試合が桁違いだった。

ワールドエンブリオ社テストパイロットであり急きょ日本の代表候補生に名を連ねた結淵マドカの圧倒的技量。

同社テストパイロットで同じく急きょ日本代表候補生に連ねた篠ノ之箒の操る世界で唯一の際四世代機[紅椿]の圧倒的スペック。

最後に照秋の専用機[メメント・モリ]と結淵マドカの高次元戦闘。

取り寄せた映像を見て改めて千冬の言った言葉を思い出す。

 

(一体、織斑照秋のどこに出来損ないと判断する材料がある? 逆に織斑一夏のどこに才能があるのだ?)

 

ちなみに、照秋のISの試合映像を一緒に見ていた部隊の部下達は、照秋のISスーツ姿に興奮していたことはどうでもいいことだろう。

 

そして最近になってIS委員会が発表した「織斑一夏・照秋の世界的一夫多妻認可法」の施行が極め付けだろう。

ドイツ政府はなんとか男性後縦者とのつながりを持とうとして片っ端からIS関連の女性の写真を照秋に送ったらしい。

なぜ照秋になのかは、理解できる。

照秋はワールドエンブリオ所属のテストパイロットである。

現在欧州連合では統合防衛計画「イグニッション・プラン」の第3次期主力機の選定中なのだが、イギリスのブルーティアーズがワールドエンブリオの技術提供を受け連合内で頭一つとびぬけた存在になっているのだ。

そんな事態を連合参加国のフランス・イタリア・ドイツは面白く思わない。

というわけでドイツはなんとかワールドエンブリオと繋がりを持とうと画策したのである。

つまりは。

 

「大尉の同意なしの縁談、というわけか」

 

「……はい」

 

困惑するラウラとクラリッサだが、本当に困惑しているのは写真を送りつけたドイツ政府である。

クラリッサの写真は軍隊IDカードの写真を引き伸ばして送っただけなのだ。

政府は国内の大物政治家の娘や他の女優顔負けのIS操縦者が気合を入れたグラビア写真のような見栄えする方に本命を入れていたのだが、まさかのクラリッサである。

しかしドイツ政府はこのチャンスを逃す手はないと、上からの命令としてクラリッサに言い渡したのだ。

軍属のクラリッサに、命令に背くという選択肢は無い。

 

そもそもクラリッサは照秋に特別な感情は抱いていない。

ただ、命令でお見合いをしに日本へ向かう、それだけである。

むしろ、世界公認でハーレムを造ろうとしている一夏や照秋に悪感情を抱いている節がある。

どうせ大量のお見合い候補に片っ端から会って、鼻の下を伸ばすような軟弱な性格だろうと判断する。

しかしこれで結婚なんてなってしまい照秋が生涯の伴侶となると考えると、そんな何の感情も抱いていない男に抱かれ子を成すことになるのだ。

軍属に女尊男卑思想など関係ないしクラリッサにもそんな思想はないが、これはクラリッサの人権を無視した政府の行動だという怒りはある。

 

「大尉、もしその縁談が破談になって政府から何か言われたら、私は君を全力で擁護する」

 

「隊長……!」

 

ラウラの、クラリッサを思う気持ちに感激し目を潤ませる。

 

「思うように挑んで来い」

 

「はっ!」

 

ラウラの激励にクラリッサは敬礼し、大いなる敵『織斑照秋』への闘争心を燃やすのだった。

 

 

 

所変わり日本のIS学園では、今日も今日とて照秋たちワールドエンブリオ組は訓練に励んでいた。

いつも参加している箒やセシリアはぜえぜえ息を切らし照秋やマドカと模擬戦を繰り返している。

 

「セシリア何度言わせる! もっと俯瞰視点で空間把握をしろ!」

 

「簡単に言いますけどねえ!!」

 

マドカはセシリアとビット攻撃の応酬を繰り広げるが、セシリアのビット攻撃は悉くマドカに打ち落とされている。

叱りさらに追撃するマドカに必死に応戦するセシリアだが、手も足も出ない。

 

「ああっ!! 化け物ですかあなたは!!」

 

「褒めても手は抜いてやらんぞ!」

 

「褒めてませんわよ!!」

 

言葉の応酬でも分が悪いようだ。

 

そんな二人に対し、照秋と箒は互いにISを纏いブレード一本で近接戦闘を行っていた。

照秋と箒はPICを切り地面に足をつけ、絶え間なく切り結ばれる互いのブレードは、火花を散らす。

一分ほどブレードを交えていたが、箒がバックステップして距離を取る。

それを照秋は追わず、箒を見据えた。

箒は顔を紫色にして肩で息をしていた。

 

「大丈夫か?」

 

照秋が箒を心配するように声をかけるが、箒は応えず肩で息をするのみだ。

照秋の言葉に答える気力もないのである。

箒が何故ここまで疲弊しているのか?

それは、接近戦での無酸素運動が原因だ。

一分間無酸素で激しい運動を繰り返し酸欠状態に陥ったのだ。

酸欠により視界が狭まり、聴覚も麻痺、平衡感覚さえ曖昧になる。

膝をついて休みたい。

だが、しない。

箒には信念がある。

 

――照秋と並べる存在になる――

 

箒は前のめりに倒れるように、しかし照秋に向かってダッシュした。

 

「ああああああああっ!!」

 

獣のような咆哮で、箒はブレードを我武者羅に振り降ろす。

それを照秋は難なく受け流すが、その表情は笑みを浮かべていた。

 

「いいね」

 

「ああああああああっ!!」

 

箒の鬼のような形相と獣のような叫びを見て呟く。

限界を超えた、肉体を酷使した攻撃。

 

箒は、階段を一つ上った。

 

 

 

いじめの様な訓練が終わり、箒とセシリアはフラフラとおぼつかない足取りで部屋に帰る。

それを見届けたマドカは、照秋を見て訝しんだ。

 

「どうしたテル?」

 

照秋が自分の手や足を見て首を傾げている姿に、マドカは照秋の体に異常が出たのではないかと危惧した。

 

「いや、なんかISが……」

 

照秋は首を傾げながらつぶやく。

どうやらISが窮屈に感じるのだという。

それを聞いてマドカはホッとしたと同時に、苦笑した。

 

「テル、お前また身長伸びただろう?」

 

「え? そうかなあ?」

 

そう言って照秋の頭に手を水平に乗せるマドカ。

ぽつりと「この野郎……私は伸びないのに……」と呟きが聞こえたが照秋は無視した。

 

「恐らく体型が変わってISに違和感が出てるんだ。いい機会だ、自分でISの調整してみろ」

 

いままでISの調整はワールドエンブリで束に任せるか、ISの自己修復に任せきりだった。

しかし不測の事態で自分で調整できないと不都合が出る。

ISには自己進化機能があり、操縦者に合わせてフィッティングを調整してもいいと思うのだが、生憎ISの自己進化機能あくまでIS自身の自己進化、学習能力向上であって、操縦者の最適化は最初のフィッティングに準拠する。

つまり、ISに乗るなら体型の維持が必須という事だ。

ISの装甲は基本的に腕や足のみであり、それ程体形変化に支障をきたさないのだが、それでも女性には死活問題である。

ある日、ISを解除したら太腿や二の腕ににISの跡が……とかあったら自殺ものだろう。

だからこそISの操縦者は身体管理がより徹底されている。

その都度調整すればいいじゃないかと思うだろうが、そこは女の心情で見栄というか、意地というか、まあ女心は複雑というわけだ。

だが照秋は男であり、そんなことで恥じるような神経は持ち合わせていない。

 

「じゃあ整備室に行ってくる」

 

「おう、私はセシリアと箒のクールダウンを手伝ってくる」

 

そう言って照秋とマドカは別れた。

 

 

 

マドカと別れた後、照秋は整備室に向かった。

整備室は広く、さらに一人一人仕切りがされており作業に支障が出ないよう配慮されている。

整備室に入ると、何人か整備を行っていた。

整備課の生徒なのか、自分の専用機を整備しているのかわからないが、皆自分の整備に集中しており照秋が来たことに気付いていない。

いや、ただ一人整備室の入口にたまたま目をやったときに照秋が入ってくるのに気づいた。

とりあえず照秋は一番端の整備スペースに向かった。

壁にはISの整備に必要な工具が備え付けられてある。

またISに接続しプログラムチェックするための端末まで置いてあるという、至れり尽くせりの場所だが生憎照秋のIS[メメント・モリ]にはほとんど必要がない。

最初に格納ハンガーに展開したメメント・モリを置く。

そして話しかける。

 

「起きてるか、メメント・モリ」

 

[私はいつでも起きています照秋様]

 

驚くことに、メメント・モリが女性の電子音声で話し出した。

これをISに詳しい人間が見たら卒倒するだろう。

……実は、覗き見し絶句している少女がいるのだが、照秋は気付いていない。

 

「スキャン開始」

 

[スキャン開始します]

 

照秋がの言葉に、女性の電子音声が復唱しカリカリと処理する音が鳴る。

 

[スキャン完了。メメント・モリ稼働率34.4パーセント。不具合箇所ゼロ。損傷個所ゼロ。疲労率20パーセント。簡易メンテナンスを推奨。ワールドエンブリオ社に報告します。クリーンアップを行いますか?]

 

「ああ」

 

メメント・モリから流れる電子音声に従い指示を出す照秋。

 

「クリーンアップを行います。現在クリーンアップ中……メメント・モリに新たな開放領域が現れました。確認しますか?」

 

「見せてくれ」

 

[新開放領域名称『トニトルス()』、仕様は電撃操作です]

 

「……3DCGシミュレーションを見せてくれ」

 

電撃操作と聞いて嫌な予感がした照秋は、メメント・モリにシミュレーションさせた。

そして、想像通りのCG映像にドン引きした。

 

[電撃によって対象ISの電子機器をショートさせ内部破壊、シールドバリア―プログラムを破壊、操縦者へダメージを与えます。その際の症状として火傷による皮膚の爛れに伴う焼死、感電死、心臓麻死が想定されます]

 

効果を聞き想像通り、いや想像より悪質な性能に照秋は頭を抱えた。

 

「……なあ、メメント・モリ」

 

[何でしょうか照秋様]

 

「……ISの装備で殺人は不味いだろう。インヘルノといいハシッシといい……今度はトニトルスって」

 

[出力を下げれば相手へのダメージも軽減されます]

 

「出来るんならやれよ! ていうか言えよ!!」

 

[聞かれませんでしたので。それでは出力を殺人レベルから再起不能レベルへ変更します]

 

「物騒なレベル設定にするな! スポーツレベルだ!」

 

[…………了解、スポーツ(お遊戯)レベルに設定]

 

「おい、なんだその納得してませんけど言われたから仕方なくやりますよ的な声は。お前本当にAIか?」

 

[肯定、私は作られた電子の存在です。照秋様]

 

「都合悪い時だけ無機質な声を出すな」

 

照秋は呆れて大きくため息を吐いた。

照秋がメメント・モリにAIが組み込まれていると知ったのは偶然だった。

ワールドエンブリオのラボで束がメメント・モリの整備をしているのをたまたま見て、内容は聞こえなかったが束が楽しそうにメメント・モリと会話しているところに出くわしたのだ。

束は何故メメント・モリが高性能AIを搭載しているのか、そして何故それを知っていたのか照秋に話してはくれなかったが別に害はない、むしろ優秀なAIだから安心しろと言われた。

確かに優秀だ。

このAIは待機状態では機能せず、また戦闘中も特殊武装を使用する際のみ音声は発するだけだが、ISの整備に関しては照秋が簡単な指示を出すだけで適切な処置をしてくれる。

だがなんか妙に人間臭い、というか人間に対し悪意を持っているような感じを受けるのだ。

AIに対して感じるなんて妙な表現だがそういうしかないのだから仕方ない。

 

「メメント・モリ俺を3Dワイヤースキャンしてくれ」

 

[ワイヤースキャン開始します]

 

緑色のレーザーが照秋をスキャンし、終了すると照秋の形の3Dワイヤーフレームが現れた。

照秋の目の前でゆっくりと回転する3Dフレームから細かな数字が表示される。

 

[前回の身体記録より身長が3センチ、体重が2キロ、体脂肪が0.5パーセント増量しています。さらに三角筋、大胸筋、僧帽筋、広背筋、腹斜筋、脊柱起立筋、大臀筋、大腿二頭筋、大腿四頭筋、下腿二頭筋の筋量が増加しています]

 

「前回の記録はいつのだ?」

 

[3月15日です]

 

「じゃあ、今の体型に合わせてIS装甲の最適化をしてくれ」

 

[最適化を行います。自己進化に分類される作業のため時間がかかります。その間ISは展開出来ません]

 

「どれくらいかかる?」

 

[現在の状態で5時間、待機状態では明日の14時には装甲の最適化が終了します]

 

「わかった。待機状態で進めてくれ」

 

[了解、待機状態に移行、最適化開始]

 

メメント・モリはそう言って待機状態へと戻る。

メメント・モリの待機状態はアンクレットである。

照秋の左足首に、黒い金属のアンクレットは、目立たず、しかしいやらしくもない存在感である。

いわゆるおしゃれさんだが、ファッションに毛ほども興味がない照秋にはどうでもいいことだろう。

 

ISのメンテナンス作業が終わり(これが作業と言っていいのかわからないが)、照秋は部屋に帰りシャワーを浴びて宿題をしようと振り返った。

 

「……あ。」

 

「ん?」

 

そのとき、目が合った。

というか、照秋の整備スペースをガン見していた子がいた。

 

その子は、どこかで見たような顔立ちをして、水色の髪をしていた。

 


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