復讐に染まった俺は、この世に地獄を作る   作:龍座

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プロローグ

わかっていたはずだった。

 

青春とは嘘であり悪であることを…。

 

優しさは嘘だということを…。

 

本物なんてありはしないことを…。

 

わかっていたはずなのに俺は本物を求めてしまっていた…。

 

ーーー

 

「ごめんね〜♪ こんなことをして」

 

一人の女性が目の前の倒れているホームレスに言った

 

「何で…こんなことを…」

「だって君、私たちにとって危険人物だし、それに何より…」

 

「君、面白くなくなったから」

 

彼女は笑顔でそう発言した。

 

「という訳で、君には私の役にたってもらおうと思ってね。美女の為に死ねるなら本望でしょ?」

 

それを聞いた男は、自分が今までしてきたこと、学んできたことが全て無駄だったと言うことを悟った瞬間。

 

「は…はは…ハハハハハハ!」

 

男は笑いだした。体は毒に蝕まれていき、血を吐き、これから死ぬというのに。壊れた機械のように男は笑い続けた。

 

「あ~あ、とうとう壊れちゃったか…」

 

彼女はもう飽きたのか彼を見た後。

 

「さようなら。赤の他人君♪」

 

彼女はそう言いこの場から去っていった。

 

ー許さない。

 

ー俺を道具の様に扱い、裏切り、こんな風にした奴等を。

 

ー覚えてろ…俺が受けた仕打ちを何倍にして死よりも恐ろしい恐怖を…。

 

地獄を貴様らに味わわせてやる!!!

 

男ー比企谷八幡はそう恨みながら深い闇のそこへと沈んでいった。

 

ーーー

 

八「ここは…何処だ?」

 

死んだはずの俺が目を覚ますとそこはなにも無い真っ白な世界だった。

自分の姿を確認してみると、高校三年ぐらいの年に若返っていた。

 

八「何でよりにもよってこんな姿に…」

 

自分が死んだことを知り、地獄の様な人生を歩み始めた頃の姿に嘆いていると、後ろから抱き締められていることに気付き、後ろを振り返って見ると…。

 

 

「ああっ…愛しの八幡…可哀想に…辛かったでしょう?」

 

漆黒の髪に色白の肌、着物が似合う大和撫子が抱きついていた。

 

この状況、昔の俺ならキョドって言葉を噛みまくってしまい、避けられてしまうのだが、今は違う。

 

八「可哀想?辛かった?よくそんなことが言えるな」

 

女の腕を払い馬鹿にしたように笑った。

 

正直、怒りがこみ上げてくるが、今は情報が欲しい。

 

八「ここは地獄か?俺のことを知ってるようだがお前は誰だ?」

そう問うと、元々涙で濡れていた女が大粒の涙を流し泣き出した。

 

泣くならとっとと俺の質問に答えろよ…。

 

女は泣き止んだ後俺の質問に答えてくれた。

 

「ここは地獄ではありません。ここは私の住む世界。そして私は貴方達の住む世界を管理する女神です」

 

女神?何だその中二病みたいな設定は。

だが嘘を言っているわけでは無いな。若返っているし。俺はその「女神様」に吹っ掛けてみる。

 

八「ハッ、テメーは何もせず俺の無様な姿をただ見てたって訳か」

 

ご身分の高いこってと俺は吐き捨てる。

 

 

女神はうつむいたまま。

 

女「見ていることしかできなかったのです…。神は人間の住む地には干渉できませんから…」

 

女神は俺の顔を見上げ。

 

女「どうか貴方を助けられず何もできなかった私を許して…」

 

その言葉を聞いて俺は馬鹿馬鹿しくなってきたのと同時にこの女に呆れてきた。

 

八「どうせこの結末もお前が望んだことなんだろ?」

女「そんなことはありません!まさか人間達がこんなことをするなんて誰一人夢にも思わなかったの…!本当です…。信じて…」

 

真っ青になった女神がガクガクと震えだす。

 

八「おい、『誰一人』と言ったがお前の他にも神がいるのか?」

女「…はい」

八「そうか…。ならその神達にもよく言っておけ」

 

震えている女神の顎を掴み、無理やり上向かせる。

 

八「あれが人間の本性だ。お前らが見ていたであろう俺への仕打ちを忘れるな」

 

女神は少し頬を赤くして頷いた。普通は俺の死んだ魚のような目を見れば「ひっ…」と怖がられるのだが…、この女イカれてやがる…。

 

女「ええ…。決して忘れません…。私達は判断を誤ってしまったのです。もう彼等に救いをもたらそうとは思いません。」

 

だがこの女、上手くいけば利用できる。

 

八「本当に見捨てられるのか?俺にはまだお前がクズ共(あいつら)を愛しているように見えるんだが?」

女「い、いえ!私が愛しているのは八幡、貴方だけです」

 

下らない。

口先だけだったら何度でも言える。

 

八「俺のことを本当に愛しているのか?」

女「も…勿論です」

 

露骨なまでに俺に熱い眼差しを向けてくる。

吐き気が出てきたが、今は我慢だ。

 

八「俺のことを愛しているのなら、俺の願いを叶えてくれるよな?」

 

女「え…?」

 

女神が不思議そうに小首を傾げる

 

八「俺の願いはー

 

 

俺自身を蘇らせることだ。勿論、俺が死んだ年でな」

 

女「!?…」

八「神様だったらそれくらいできるよな?」

女「でっ…ですが、一度死んだ魂は浄化してからでないと地上に戻してはいけないのです!」

女「それに掟を犯した女神は地位を剥奪されてしまいー」

八「関係ない。できるのか?できないのか?」

八「それとも俺への愛はそんなものだったのか?」

女「…!いいえ…!決してそのようなことはー」

八「だったらやれ」

女「…はい」

 

女神は少しうつむきながらも、最終的には了承してくれた。

 

罪悪感なんて全く無い。

こいつらは何もしなかったんだ。

これ位してもらってもまだつりがくる。

…そうだ。

 

八「まさか渋られるとは思わなかったな。俺は散々な目にあったのに」

女「申し訳ございません…」

八「それともう一つ、俺に力を寄越せ。あいつらに地獄を見せてやるには力が必要だからな」

女「い…いけません!!そんなことをしてしまえば貴方は力に飲み込まれてしまいます!!」

 

今さら何を言っている。

俺は現世で地獄を味わって来たんだ。そんなの関係あるか。

 

女「それに貴方がたの住む世界では魔法を使うことができないのです」

八「何…?」

 

俺は眉をしかめる。

 

女「貴方がたの世界で使えるのは…、剣術や空手などの格闘術や銃や弓を使った射撃、暗殺術、頭脳を良くする力に後は…ッ」

八「何だ…。はっきり言え!」

 

女神が言うのを躊躇したから俺は言うように渇を入れた。

 

女神が少し怯えたが俺には関係ない。

女神はうつむきながらも口を開いた。

 

女「ーーーーーー」

 

俺はその能力を聞いた途端、笑みがこぼれた。魔法が使えないのは残念だがこの能力があれば、俺の復讐は有利に進められる。

 

八「よし、それじゃあ、お前が俺に言った能力を含めた俺に与えられる力を全て寄越せ。勿論、全部最強にしてな」

女「な…何故、力に執着するのです!?」

 

女神が必死にすがり付いてきた。

 

女「ここにいればもう辛い思いをすることもありません。私と共にこの楽園で永遠に過ごしましょう…?」

 

幸せ…?

 

笑えない冗談過ぎて逆に笑える。

八「なあ、お前らはもうクズ共(あいつら)に愛想が尽きたんだよな?」

女「…ええ」

 

八「だったら俺が代わりにテメー等の世界

を清めてやるよ。クズ共(あいつら)に地獄の罰を与える事でな」

女「あえて修羅の道を行くと言うのですか…?」

 

テメーの言葉、使わせてもらうぜ。

 

八「そうだ。俺が変えるのさ」

 

八「人ごと、このせかいをな」

 

女「ああ…。八幡…」

 

女神がへたりこんで、瞳が潤いを帯びて頬がほのかに赤くなり、何か別の色が宿り始めたように一際熱っぽく俺を見つめてくる。

 

女「どんな目にあっても突き進むその姿。なんと美しい…」

女「私も貴方の世界を変える旅に連れていって下さい」

 

やっぱりこの女、イカれてやがる。

 

だが使える駒は必要だしな。

 

八「いいだろう。だがその前にまずは俺の願いを叶えてからだ」

 

俺はそう言い、女神に向かって手を伸ばした。

 

女「…わかりました。貴方の喜びは私の喜び。ー貴方の望みを叶えましょう」

 

女神がそういうと、俺の首に抱きついてきた。

何をされるのかと思いきや。

女神の柔らかい唇が俺の唇にそっと触れた。

そのまま深い口づけが与えられた。

 

「…」

 

女神の唇が離れた瞬間、体の奥から力が溢れてきた。

 

どうやらあの行動は俺に力を与えるためのものだったようだ。

 

八「さあ、後は俺を蘇らせるだけだ。さっさとやれ」

女「…では貴方を地上へ送り返します。それによって女神の地位が剥奪され、私は貴方と共に地上に送られるでしょう」

八「…お前の力は?」

女「女神の地位が剥奪されるだけなので問題はありません」

 

いいことを聞いた。了承しといて正解だったな。

 

女「女神の祝福があらんことを」

 

祝福…ね。

 

女「では行きましょう」

 

ーさあ、俺のー

 

女「世界を変える旅へ」

 

復讐の旅の始まりだ

 

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