一話 魔王を恐れし者
『言ったでしょ?助けてあげるって』
昔のことが今日のように思える。
『ごめんね。さすがに私だけじゃどうすることも出来なくて…。』
それは、優しくて、温かく、そしてー
『さようなら。赤の他人君♪』
はらわたが煮えくり返る程怨めしい!!
だがそれも、もうじき終わる。
彼奴の絶望する面を拝めると思うとな。
ーーーー
ーとある空港ー
「ああ、せっかく楽しんでたのにな~」
私は今、久しぶりの日本に帰ってきたところだ。
母から連絡が来て、「最近日本は物騒で妹に危険が及ぶかもしれないから側にいなさい」と言われたからだ…。
せっかく南国で楽しんでたのに…。
確か、ボディガードが迎えに来るって聞いたけど…。
「お待ちしておりました」
するとガタいの良い男が目の前にやって来た。
…ゴツい男。
ボ「車を待たせてありますので、こちらへどうぞ」
そう言われ、私はボディガードに付いていった。
まさか…この男も乗るんじゃないでしょうね…。
暑苦しくなりそうだなぁ…。
そう思っている内に私たちは車についており、ボディガードがドアを開けたので乗ろうとしていたら…。
ボ「…ッ」
そのあとの記憶は覚えていない…。
ーーーー
「ん…。?」
目を覚ますと私は、薄暗い部屋の中にいて、目の前には、先程のボディガードと女性がいた。
スマホを取られており、これは正に絶体絶命といった所なのかな?
ボ「お目覚めでございますね。」
ボ「雪ノ下陽乃様」
ボ「私たちは貴女に「待った!」…何でございましょう?」
話を遮られたのかボディガードが少しムッとした。
陽「あのさぁ、もう小細工は無しにしない?とっくに正体わかってるしさ。」
陽乃が少し呆れた顔で言ってくる。
それを聞いたボディガードが少し沈黙した後。
ボ「やっぱりばれてたか…、魔王相手だと簡単にはいかねーか…」
ボディガードの声が変わったと思ったら、体が細くなっていき、元の体型に戻ったあと自分の顔を剥がした。
八「お久しぶりですね、雪ノ下さん」
陽「久しぶりだね。比企谷君♪」
ーーーー
久しぶりの対面。だがそれを楽しんでるのは陽乃だけである。
八「いつからバレてましたか?」
陽「君が私に電話をしてきた所からかなぁ」
つまり最初からバレてたのか…。
八「何で黙ってたんですか?」
陽「何でって…」
陽「面白そうだったからかな?」
この人らしいわ、やっぱり…。
陽「単刀直入に聞くね、君は私に復讐をしに来たんでしょ」
陽乃は笑顔のままそう聞いてきたので。
八「そうですよ」
俺はハッキリと答えた。
陽「アッハハハハ!当たった当たった!やっぱりそうだよねぇ」
陽「それで君はどんな復讐をするのかなぁ?」
それは勿論。
八「…ッ」
貴女がしてきたことと同じ事をするんですよ。
俺は動かない雪ノ下さんに近づく。
小さな瓶を持ちながら。
これを飲ませれば俺の復讐は完了する。
さあ、裁きの時だ!!
八幡が動かない陽乃に飲ませようとした。
陽「…」
ピクッ
…が。
陽「…」ガシッ
陽乃が八幡の瓶を持っている手をつかんだ!
八「!?」
八幡はそれに驚いてしまい、隙を見せてしまった。そのあとは一瞬だった。
陽乃は八幡から瓶を奪い取り、それを八幡に無理やり飲ませた!
八「…!?、ガフッ」
八幡は少し、吐き出しかけたが…。
ーゴクン!
それを八幡は飲み込んでしまった
八「ゴホッ…ゲヘ…」
八幡は少しむせてしまい、少し息を整えたあと。
八「…テメェ、なぜ動ける!?」
催眠術でテメーの動きは止めたはずなのに…なぜ!!
陽乃は無邪気な子供のように嬉しそうに笑った。
陽「フフフ♪残念だったね」
ーこの勝負。
陽「君の負け♪」