試合開始が宣言され、今正に正規の決戦が始まるのかと思いきや…。
相&一「「…」」
二人は突っ立ったまま呆然としていた。
当たり前だ。いきなりメールで呼ばれ来てみたかと思いきや、突然試合開始の宣言を出されたのだから呆然するのも無理はない。
えっと…、確かメールが来てそこには『バラされたくなければ指定の場所に来い』という文章と地図、そしてこれまでに私が今までやって来た写真と映像が載ってて…。
それで来てみたら、見たことある人物と出くわしてそしたらいきなり試合開始と言われて…。
『さて、ここでルール説明を致しましょう』
未だに呆然とする二人をよそに実況者は言葉を続けた。
『ルールは至ってシンプル!どちらかが戦闘不能になったら試合終了。相手を倒すためなら武器を使おうが何をしようが構いません、正にフリーダム!ちなみに武器を使うときは自分達でこのステージから探しだしてください!』
『試合が終了したら貴女達は解放されます』
『勝者はそのまま帰れますが、敗者はこれまで貴女が犯してきた事がバラまかれます』
相&一「「!?」」
二人はそれを聞いて正気に戻った
相「フザけんな!!今すぐあんたを『後、スマホを使った時点でその人は負けになりますのでご注意を』…って危な!!」
相模は持っていたスマホを直ぐに閉まった。
『勝てば天国、負ければ地獄。さて、勝利は誰の手に!』
実況者の声が辺りに響く。
『最後に時間制限がありますので時間がたっても決着がつかない場合は両者負けという事になりますので気を付けてください』
ルール説明が終了した。
未だに沈黙する空間の中、最初に動き出したのは…。
相「ねぇ…。あんた、降参してよ」
相模だった。
一「なんでですか?そっちが降参してくださいよ」
一色も反論した。
相「なに言ってんのさ!私はね人生を謳歌してるの。それをあんたのせいで滅茶苦茶にされるのは真っ平ごめんなの!!」
一「私だって同じですよ!ですので潔く私の為に負けてください。私にはなんの関係もありませんので!!」
相「言わせておけば…!元生徒会長だからっていい気になってんじゃないよ!!」
一「そっちこそ!文化祭の時は逃げたくせに偉そうにしないでください!!」
相「あんた…、何故それを…!?」
一「先輩達から色々と聞いたんです」
言い争いは徐々に過激になってくる。
一「まさか、貴女のせいで文化祭が中止になりかけたとは知りませんでしたよ~。確かにそれバラされたらヤバいですものね~だから必死なんですね」
一色は相模を嘲笑いながら言う。
その時…。
バチンッー!
何かを叩いたかのような音が響いた。
相模が一色を叩いたのだ。
一「叩きましたね…。私のこの愛くるしい顔を叩きましたね!!」
相「テメーの面にそんな価値なんざねーんだよ!!」
一「なんですって!!」
一色が相模につかみかかった。
一「そもそも貴女、なにも出来ないくせに偉そうなことを言わないでください!!」
相「黙れ!!いつも葉山くんや他の男に尻尾を振やがってこの尻軽女!!!」
二人の争いは段々過激になってきた。
相「しかもあんたあの「クズ」にまで尻尾を振ってたんだからピッタリじゃないか」
一「ふざけんじゃねぇ!!」
一色は相模の顔面を思いっきり殴った。
『おぉーっと!!一色選手のパンチが相模選手の顔面にクリーンヒット!状況はどんどんヒートアップしてきたぞー!!』
実況者が興奮しながら実況するが、二人の耳には届いていない。
一「あんな奴に媚びへつらう訳ねーだろ…」
一「あいつはな!なんの価値もないただの「奴隷」なんだよ!!」
一「それを私がそいつに「価値」を付けて、その分の恩を返させるためにコキ使ってただけ!」
一「そもそもクリスマスイベントの時もハナからあんな奴信じてなかったし、あいつはもし失敗したときに責任を全部押し付けるための道具」
一「意外と便利だったから骨の髄までコキ使ってやろうとしたのに勝手なことしやがって彼奴…」
一「でも、なかなか使えましたよー。残念でしたね、「奴隷」を使うことができなくて…」
相模「フンッ!!」
ガンッ!
相模がどこからか拾ってきた鉄の棒で一色の顔面をぶん殴った!
相「別に残念とは思ってないし…」
相「そもそも彼奴にはムカついてたんだよ!!」
相模が激昂しながら一色に怒鳴った。
相「陰キャの癖に目立ちやがって…」
相「しかも、彼奴はそれをいい気に文化祭でこの私を馬鹿にしやがった!!」
相「それから私はそいつに何度復讐しようと思ったことか…」
相「だけど彼奴の周りにトップカーストの奴等がいて手出しが出来なかった…。凄く悔しかったよ」
相「だけど、あの時の彼奴の顔を見て心がスーッとしたよ」
相「陰キャの癖にでしゃばるからああなったんだから正にザマーミロだったね」
相「私は高校時代辛い思いをしてきたんだ…」
相模が血を流しながら鉄の棒を持っている一色を見る。
そしてー。
相「だから私の為にとっととくたばれー!!」
一「いや…!テメーがくたばれー!!」
両者の戦いが本格的に始まった。
それからしばらく経ち…。
顔は見る影もなくなり、髪も引きちぎられたのか服と同様にボロボロになっており、両者、満身創痍になっていた。
一「お前を殺して、私はここをでる…!」
相「上等だよ…。テメーを完膚なきまでに叩きのめしてやる」
今、二人の戦いにー。
一&相「「死ねーーーーーー!!!」」
終止符が打たれようとしていた。
バタンッ!!
一&相「「!?」」
ーが、それは現れた乱入者によって止められた。
乱入してきたのは一色がサイフとして使っていた男達と遥やゆっこといった相模のクラスメイトを含めた人たちだった。
相「なんで…、なんで彼奴らがここに…?」
突如、スピーカーから声が流れてきた。
『おや、お忘れですか?私言いましたよ?』
『『時間がたっても決着がつかない場合は両者負けにする』と』
そうだ!確かにそいつはそんなことを言っていた!!
『という訳で時間がたっても決着がつかなかったので貴女達の犯してきた行為を全てばらまきました』
相「で…でもいつ終わるのか言われ『反論したってこの状況は覆せませんよ?』…っ」
『それではまたどこかでお会いしましょう。シーユー!』
そういうとスピーカーが切れた。
遥「よくも私たちを見捨ててくれたわね…」
ゆ「今までの分、きっちり返してあげる」
乱入者がじわりじわりと近づいてくる。
そんな、一体どうしたら…。
相模が困惑していると。
一「…もう、やるしかありませんよ」
一色が武器を持ったままそう言った。
確かにその通りだ…。
このまま黙ってやられる訳にはいかない。
どうせとっくにバレてるんだから今更言い訳したって意味もない!
相「そうだね…やろう!」
相模も武器を持つ。
そして二人は乱入者を睨み付け…。
一&相「「うぉおおりゃあぁーーー!!!」」
そのまま突っ込んでいった。
ーーー
八「バカなことしやがって…」
八幡はモニターで直ぐに取り押さえられた二人を見てそう呟いた。
八「そろそろ警察も来る頃だろうからとっとと行くぞ」
女「…はい」
俺達はその場から去っていった。
ずっと見てきたけど、本当醜い争いだったな。
まあ、時間も好きなところで終わらせるだけだったからあんまり関係ないんだけどな…。
女「…八幡」
八「?」
女神が俺の名前を言ってきた。
女「私はどんなことがあっても私は貴方を見捨てません」
女「ですから貴方も自分を犠牲にしようだなんて思わないでください」
ー偉そうなことを言ってんじゃねーよ。
だがそれを何故か言えなかった俺は
「…そうか」
それだけ言って後は何も言わなかった…。
五章 あざとい女と悲劇のヒロインの争い 完
次回 六章 王国の崩壊