復讐に染まった俺は、この世に地獄を作る   作:龍座

3 / 20
二話 浄化開始

会場内では拍手が響き渡り。

 

祝福の声が聞こえる。

 

そして、皆が今日の主役に歓喜している。

 

長かった…。やっとここまで来ることができた。

 

相手は高収入の美青年!相手にとって不足なし!玉の輿に乗っかり人生薔薇色だ!!ヒャッホーイ!!!

 

私が何故こんなに素晴らしい人と結婚できるのか教えてやろう。

 

私が総武高校から異動してきて少し経った後、合コンに誘われ、そこで酔いつぶれていたときに介抱してくれたのが彼だった。

 

元々彼を狙っていたのでチャンスだと思いお近づきになろうとして色んなことを話したのだが、どうも手応えを感じない。

 

脈なしだと諦めかけたその時、つい奴の名前をこぼしてしまったのだが、彼がその男に興味を示しだしたのだ。私はしめたと思い奴のことについて語ることにした。勿論少し改変してな。

 

奴のことを聞いた彼は私を慰めてくれた。今思い出しても本当に気持ち良かったぞ!私の思い通りに行ったのだからな。

 

その後は番号を交換して、また会う約束をしたのだ。

昔の私なら、これに浮かれて積極的にいっていたのだが、あえて連絡や会う日を少なくしたことで、ついに私は結婚までこぎ着けたのだ~!!

 

やはり彼が慰めてくれた時に流した涙と時々出していた女の子らしさのお陰だな。

 

だが一番の決めてはやはり「アレ」だな。

 

あいつは役に立つやつだと分かっていたが、ここでも役に立つとは思わなかったぞ。

 

その内に新郎が私の隣に来ていた。

 

そろそろ神父が誓いの台詞を言うから気を引き締めないとな。

 

神「汝、この女を健やかなる時も、病める時も妻として支え、愛することを誓いますか?」

彼「誓います」

 

次は私の番だ。

 

神「汝、この男を健やかなるときも、病める時も、夫として支え、愛することを誓いますか?」

平「誓います」

 

さあ、いよいよだ。

 

最後に言い渡される「誓いのキス」!

このときを待っていた!

 

これが終われば私の幸せ生活が始まる。

そしてゲストにこのキスを見せつけて見下してやるのだ!

 

神「では…」

 

さあ言え。とっとと言え!早く言え!!

 

 

平塚は今か今かと浮き足立っていたが表面には出さなかった。

 

だが、その言葉を言われることはなかった。

変わりに言われた言葉はー

 

 

 

神「『偉大なる恩師に祝福を』」

 

 

 

神父は予定とは違う台詞を言った。

 

平(今の…。言葉は…?ハッ!)

 

平塚は困惑したがあることを思い出してた。

 

暴れだした人間には共通点があり、皆同じ言葉を繰り返し叫んでいたという。

 

『偉大なる恩師に祝福を』

 

そうだ。あれは暴走していた人達が行っていた言葉ではないか。

 

だが何故…。今、その言葉を…?

 

そう思ったのも関係なしに、神父が話し出した。

 

神「おやおや…。いかがなされましたかな?平塚静殿…。いいえー」

 

 

 

 

神「『元』奉仕部顧問、平塚先生」

 

 

 

平「!?…。貴様!何故それを…!?」

 

平塚は驚愕したが、初老の神父は言いはなつ。

 

神「知ってて当然です。なぜなら…」

 

 

 

神「神がそう教えてくださったのですから」

 

罪人の顔を見ながら…。

 

神父はニヤリと口角を上げ、困惑している平塚の顔をジッと見ていた。

 

突然の出来事に会場はざわついている。

 

だが、神父は気にせず言葉を続けた。

 

神「貴方のことは神から聞いております。元総武高校の国語の教師で生活指導担当兼「奉仕部」顧問、そして、とある人物の人生を狂わせた加害者だということをね」

 

平塚は神父の威圧にたじろぐが新郎である男が神父と平塚の間に入ってきた。

 

彼「平塚さん、下がってください!貴様、こんなことをして、いったい何のつもりだ!?」

 

平塚を背に庇って男が吠える。

 

神「こんなこと…?当然の報いだと思いますが…?」

 

神父が少し顔をしかめた。

 

 

神「彼女は教師でありながら教師にあるまじき行為をしたのですよ?」

 

神「横暴、職務放棄、暴行といった犯罪を、貴方はこのことを知っておられましたか?」

 

彼「彼女はそんなことはしていない!!」

 

平「そ…そうだ!出鱈目を言うな!!」

 

平塚は少し戸惑ったが、すぐに態度を整え彼に便乗した。

 

神「ほぅ…。飽くまでも白を切りますか…」

 

神父は少し不気味に微笑む。

 

神「よろしい。なら証拠をお見せしましょう。証拠をお見せなさい」

 

神父が二つ手を叩いた。すると…。

 

 

「かしこまりました」

 

平塚をつれてきたアテンダーが何かを持って、前に出てきた。

 

ア「今から流すものと一緒にご覧下さい」

 

ゲストや新郎に紙を配った後、スマホを取り出し、スイッチを押した。

 

「おい、なんだこれは!」

「教師にあるまじき行為だ」

「まさか、あの子がこんなことをやっていたなんて…」

 

ゲストがざわつき始めた。

 

なぜなら、平塚のこれまでに行っていた証拠写真撮と、その音声が流れていたからだ。しかも、暴行、職務放棄といった酷いものばかりだった。

 

彼「そんな…これはいったい…!?」

平「騙されないで!全て合成に決まっています!!」

 

平塚は新郎の男を押し退けて、神父の前に出てきた。

 

神「…、いい加減になさい!!」

 

神父が舌打ちをして怒鳴った。

 

 

その時、平塚の動きが一瞬止まった。

 

 

神「貴女はまだ認めないのですか!?自分が犯した過ちを!貴女が一体何をしたのかを!!」

平「…黙れ…。折角の結婚式を滅茶苦茶にしやがって…」

神「罪を犯した当然のむくいです」

 

平「うるさいっ!!」

 

 

平「私は教師だ!!悪いのはあいつで、私はあいつの体に『お前に権利はない』と教育させただけだ!!」

 

新郎が驚いた顔をし、会場がどよめく。

そんなこともお構いなしに平塚はとんでもないことをバラした。

 

平「そもそもこの男が結婚できるのは、私がこの男に薬を飲ませ私が無理やり既成事実を作ったからだ!悪いことはしていない!むしろ感謝されるべきだ!!」

 

その言葉を機に会場のどよめきが一層強くなった。

 

「静さん!!どう言うことですかそれは!!」

 

新郎の両親が凄い形相をしながらこっちに向かってきた。

 

神「…ッ。失礼ですがご着席願います」

 

神父が舌打ちしてからそう言うと両親は怒りなんて最初から無かったかのように素直に元の席に座った。

 

神「…。会場の皆様もご着席願います」

 

騒いでいたり、立っていたゲスト達が不気味な位に座っていった。

 

彼「平塚さん…。それは一体どう言うことなんだ!!」

平「…ハッ!私は何を…!?」

 

平塚は我に帰ったかのように正気を取り戻した。

 

神「…。新郎の貴方、新婦を押さえていなさい。貴女も抵抗してはいけませんよ」

平「なっ…」

 

新郎が新婦を羽交い締めにした。新婦の平塚も抵抗しなかった。

 

平「クソッ…。体が動かない…。貴様、一体何をした!!」

 

神「神が奇跡を起こしているのです。貴女を罰する為に」

平「ふざけるな!そんなものあるわけない!!」

 

平塚が凄い形相で神父を睨み付ける。

 

神「信じるも信じないもそれは、貴女次第」

 

これで最初の裁きがー

 

神「それでは、平塚静殿…これから貴女が犯してきた罪の精算をしましょうか…」

 

ー終演を迎える。

 

 

平「罪…、だと…。貴様!何を…」

神「何をって…」

 

神父が拳を作り、腰を低くし。

 

神「そのまんまの意味ですよ」

 

そう言いはなった瞬間、神父が渾身の力で平塚の顔面を殴り付けた!

 

拳がめり込む鈍い音が会場内に響く。

 

「おぶうっっ!?」

 

平塚は殴られたことで鼻から血が出ていた。

 

神「衝撃のファーストブリット…ですね」

 

平「貴様アアアア!!私の顔を殴ったなああああ!!!」

 

平塚は鼻血を出しながらも声を荒げた。

 

神「私は貴女が犯した罪の一つを真似ているだけです。それに、これで終わりだと思わないで欲しい」

平「なっ…!?」

 

神「撃滅のセカンドブリット」

 

「ぐあっ…」

 

神「抹殺のラストブリット」

 

「がふっ!」

 

神父はその後も何度も殴り続けた。老人とは思えない程の腕力で。

 

平塚の顔は何度も殴り続けられたことで腫れ上がり、どんどん変形していった。

 

平「ひゃめてくれ…、顔だけを殴るのは…」

神「そうですね、これくらいでいいでしょう」

 

平「え…」

 

平塚が信じられないというような目で見てくる。

 

神「これで、貴女の罪は清められるのですから」

 

平塚の腫れた顔から満面の笑みがこぼれたが、それもすぐに消えた。

 

アテンダーがスマホを片手に平塚の前に出てきて。

 

ア「貴女の犯した犯罪を全てばらまきました。これで言い逃れはできないでしょう」

 

アテンダーが今までの平塚の言動をばらまいたからだ。

 

神「どんなに苦しくても、一生懸命に生きなさい。そうすれば神は貴女をお救いくださるでしょう。」

 

神父が指を鳴らした。するとゲスト達が何かに解放されたかのように元に戻った。

 

彼「ひっ…ひい…」

 

新郎は腰を抜かしてへたりこんだ。

 

生きろだと…?

 

全てばらされ普通の生活はできないかもしれないというのに…?

 

ふざけるなっ!!

 

あいつがあんなことをしなければ、私は幸せな生活を送っていたというのに…。

 

それをぶち壊しやがって…。

 

あいつさえ…、いなければっ!!!

 

平「貴様アアアア!!!!」

 

平塚が神父を殺す勢いで襲いかかってきた。

 

だが、神父はそのまま何もしない訳ではない。

 

神「フンッ!!」

 

それを神父が腹に回し蹴りを食らわせた!!

 

「グエエッ!!」

 

平塚は大きく吹き飛んだ!

 

そして、そもまま倒れこんだ。

 

神「確かに受け入れがたいでしょうが、これは現実です。受け入れるしかないのです」

 

神「ご安心を、お腹の子に被害が起きぬように蹴りましたので」

 

神「それでは私はこれで…。行きますよ」

ア「はい」

 

神父はアテンダーと共に去っていった。

 

ゲスト達は呆然としてだれも彼らを捕らえようとしない。

 

神父達が式場を去ろうとした時。

 

神「おや、いい忘れてました。」

 

神父がふと、思い出したかのように歩みを止めて振り返り。

 

神「ご結婚おめでとうございます。平塚静殿」

 

そう言い、笑いかけた。

 

平塚の顔は絶望と憎悪で歪んでいた。

 

神「偉大なる恩師に祝福を」

 

その言葉を残し、式場の扉は閉まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ククク…。

 

ハーハッハッハッハ!!

 

神「まさか、こんなにも上手く行くとは思わなかった!!」ベリッ

 

神父がそう言うと、顔をはがした。

 

そこには、ボサボサの髪に一本のアホ毛と死んだ魚のような目を持った男がいた。

 

比企谷八幡である。

 

彼は神父に変装していたのだ!

 

ア「素晴らしい裁きでした…!八幡様」

 

なんとアテンダーも女神が変装していたのだ!

 

八「しかし、凄いな…。この能力は」

 

女神にもらった能力は沢山あるが、そのなかでも凄いのが。

 

舌打ちをするだけで相手の情報をばらさせ、自由自在に操れる能力と。

 

どんな声も一瞬で真似ることができる能力である。

 

他にもあるが、今はこれだけにしておこう。

 

最高だ…。

 

絶対に忘れないだろう…。

 

復讐を果たした時の爽快感と、奴のあの面を!

 

今思い出しても本当に笑いが止まらない。

 

しかも、コレが何回も続くんだから、これを最高と言わずして何て言うんだ!

もしクズ共(あいつら)が俺のことを知ったらどんなに顔をするのかも実に見ものだ。

 

八「さあ、行こうか」

 

ー次なる復讐へ。

 

 

一章 汚れた結婚式 完

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。