~早朝~
一晩明けて、ユウ達は次の目的地へ向けて身支度を整えていた。
「うん、こんなもんかな。」
「支度は出来たのか?」
「うん、バッチリだよ。暫く家を留守にするけど、その間はお願いね旦那様?」
「家の事は心配しなくて良い。だからお前は何も気にせずに、ユウ達の力になってやれ。」
「有難う旦那様、愛してるよ。」
「おい、皆の前で恥ずかしい事言うな!?」
「お~お~、朝からお熱い事で。おっちゃん見てらんないわ。」
「いいなあ…私にも素敵な人が現れないかしら……」
「心配しなくてもテオなら良い人が見つかるっしょ。なあユウ?」
「そうだな。テオは可愛いのは勿論、家事もこなせるしきっと良いお嫁さんになるよ。」
「そ、そうかしら?何か面と向かって言われると恥ずかしいわね…」
「みゅふふ、テオなら絶対に良いお嫁さんになれるのですよ?だから自信を持つのですよ!」
「うきゅっ!」
「有難うメルク姉、トト。よ~し、この旅が終わったら良い相手見付けるぞ~!」
「あはは、頑張れテオちゃん。と、あなた、そろそろ行かないと…」
「ああ、そうだな…カプナート、世話になったな。ヘキサルトの事は俺達が責任持って守るから、安心してくれ。 」
「ああ、宜しく頼む。道中気を付けてな。」
「有難う。ほらハーネ、お世話になったお礼と挨拶をしなきゃだろ?」
「うん。カプナートさん、一晩だけだけどお世話になりました。あとサレナちゃんにルカ君も有難う、楽しかったよ。」
「うん、私も楽しかったよ……気を付けてね?」
「僕もハーネ君と色々話せたり出来て楽しかったよ。また遊びに来てくれな?」
「うん、有難う。それじゃあ。」
「あ、うん……バイバイ。」
「おやあ?これはひょっとすると……」
「ん?どうかしたのかヘキサルト?」
「いやねえ~……うん、そうするか!」
「あん?どうしたんでい、ヘキサルトの嬢ちゃんよ?」
「サレナ、あなたも一緒に来る?あとルカも。」
「え!!良いの??」
「母さん!?」
「おい、突然何を言い出すんだお前は!!遊びに行くんじゃないんだぞ?」
「分かってるわよ旦那様。これにはちょいと訳ありでさ…ちょい耳貸して?」
「訳ありだと…?何なんだ…」
「つまり…ゴニョゴニョ……てな訳なのよ?」
「んなっ?!そんな理由で連れて行くと言うのか!」
「そんな理由とは何さ?ふ~ん……旦那様は子供の幸せを願えない、心の狭い人だったんだ…へぇ……」
「誰が心の狭い奴だ!僕だって子供達は大切だし、幸せになって欲しいとは思ってるぞ?!」
「だったら、ね?どうせ今は学校は休み中なんだし。」
「はあ……分かった、サレナ、ルカ、お前達も一緒に行くと良い。そして母さんとユウ達の手助けをする…それが条件だ、良いな?」
「良いの!?わ~い、お父さん有難う~大好き!!」
「まさか僕達も行く事になるとは……まあ、これも社会勉強と思って行くのも良いかもな。」
「え、サレナちゃん達も一緒に行くの?本当に?」
「ハーネ君、娘と息子を宜しく頼む。」
「え、僕?うん、分かったよカプナートさん。」
「と言う訳だからさユウ、この子達も宜しくお願いね?」
「はあ……おおよその理由は予想付いたよ。ハーネ、特にサレナちゃんは女の子なんだし、ちゃんと守ってあげるんだぞ?」
「?分かった、サレナちゃんとルカ君も守れる様に頑張るよ。」
「あらら……我が子ながら隅に置けないわねえ…何だか微笑ましいわねえ。」
「ぶわっはっは!!坊ちゃんも中々だわなあ。流石は若の子だわねえ。」
「ほら、そろそろ行った方が良いんじゃないのか?人を待たせてるんだろ?」
「おっとそうだった…カプナート、もし機会があれば俺の村へ遊びに来てくれ。何時でも歓迎するよ。」
「ああ、仕事が落ち着いた時期が来たら伺わせて貰う。元気でな。」
「良し、じゃあ皆行こうか。スティーノスさんも待ってる事だし。」
「おう、次はえっちゃんのいる国で良いんだよな若?」
「今の段階で所在が分かってるのは雫の国にいるエルピスだから、そちらに行くのが確実ですね。」
「それは良いんだけど、シェンルゥ?だっけか?ソイツはどうやって探すんだユウ。確か各地を渡り歩いてるんだろ?」
「そこなんだよなあ…あの人は一定の場所に留まらないから、探すのに1番苦労しそうだよ。」
「あの人の事だから、もしかしたらもう異変を察知してお菓子の国へ行ってるんじゃないかな…?」
「あー、そりゃあり得そうだな。ま、その話は後にして取り合えずはあのオッサンの所へ行こうや若。」
「そうですね。」
各々は話を切り上げスティーノスが待つ飛行場へと向かって行った。
飛行場へ着くと、外でテーブルを置き読書をしている
スティーノスがいた。
ユウ達はスティーノスの方へ近づき声をかけた。
「お早うございますスティーノスさん。お待たせしてすみません。」
「来たか。別に構わん、それよりも話は付いたようだな?」
「ええ、快く引き受けてくれましたよ。」
「お久しぶり、スティーノスさん。」
「ヘキサルトだったか?会うのはあの時以来か…健在そうだな。」
「お陰様でね。あなたも相変わらずそうだねえ。」
「俺は何も変わりはせん。それはそうと何やら見慣れぬ子供が2人いるみたいだが…もしやお前の子供か?」
「そそ、私の自慢の子供達だよ。男の子がルカで、女の子がサレナよ。」
「そうか、貴様も家庭を持つまでになったか……まあ良い事だ。せいぜい大事に育てる事だな。」
「勿論ちゃんと愛情込めて育てるよ。」
「ふん、それなら良いがな。さて、出揃った所で出発するとしようか……うん?」
「スティーノスさん?どうかしましたか?」
「どうやらまた連れが増えそうだぞ…アレも小僧らの仲間であろう?」
「え?」
スティーノスに言われてユウが振り返ると、そこには見知った人物が2人いた。
「何やら懐かしい気を感じて辿って来てみれば…まさか君達だったとは驚いたな。なあ、ムディアよ?」
「お久し振りです!皆さんお元気そうですね。」
「な、ナマールィさん!?それにムディア!驚いた…どうしてまた機械の国に?」
「あれ以来、当てのない旅をしていたのだが物資が乏しくなってな。それで補給しに立ち寄ってみたのだが、その帰り道に見知った気を感じたので辿ってみたら君達がいたのだよ。」
「そうだったんですか。2人とも元気そうで。」
「お蔭様で義娘共々に息災だよ。それより、何やらあった様だが…もしや新たな世界鐘の出現と関係してるのかなユウよ?」
「何故それを!?」
「貴様……どこかで見た顔だと思ったら、砂漠の国にいた流浪の王ではないか。世界鐘の事を知っていると言う事は、俺達と同じ目的と言う事か?」
「やはり君達も世界鐘の事変を知って、行動をしていたか。そうだ、我らも新たな世界鐘の出現を察知し事に当たる為に行動していたのだが、君達も動いているのであれば丁度良い、我らも一緒しても良いだろうか?」
「もちろん喜んで迎えますよ!そうか…そう言えばナマールィさんもいたんだったけ……忘れてたよ。」
「みゅ…確かにドタバタしすぎてて忘れていたのですよ…」
「まあ良いじゃねえの!このオッサンが一緒に来てくれるってんなら心強いでねえの若よう。」
「ムディアちゃん久し振りね!もの凄い美人になっちゃって……驚いたわ。」
「お久し振りですテオさん。テオさんこそお綺麗で美人ですよ?」
「くぅ~、嬉しい事言ってくれるじゃないの!まだまだ私も捨てたもんじゃないわね。」
「いやまさか二人に出会えるとは予想外だったわ。ナマールィさんもムディアちゃんもすっかり親子だな。」
「トゥルータさんもお元気そうで。執務が大変そうなのは聞いてましたけど、すっかり王様が板についたみたいですね。」
「はは、お蔭様でね。」
「おい小僧、積もる話は飛行船の中でしろ。いい加減出るぞ。」
「あ、はいすみません!じゃあ皆、続きは飛行船の中でするとして出発しよう。」
「やれやれ……かなりの大所帯になったものだな。だがそれでも持て成すのが、我がエルシアムの流儀…歓迎しよう。さあ、目的地に向け出発するぞ。着くまでの間は退屈はさせん、心ゆくまで堪能すると良い!」
「あ、相変わらずだなああのおじさん…」
「はは、まあそれがスティーノスさんだからな。」
かくしてユウ達は、ヘキサルトとその子供達、更には偶然に出会ったナマールィ、ムディアを加えエルピスのいる雫の国へと向かうのであった……
ナマールィ…砂漠の国の守護者でかつてユウ達と対峙し、その後は協力関係にあった。
ムディアを引き取り実の娘の様に可愛がっている。
ムディア…かつてユウ達と共に旅をした仲間。
以前は感情を表に出さず何事にも無関心だったが、ユウ達と旅をして行くにつれ次第に感情を出す様になり、自身が気になる事に関心を持つ様になった。
現在はナマールィと親子関係にあり共に過ごしている。