次の目的地である雫の国へと向かっていた。
ヘキサルトとその子供達、ナマールィにムディアを加えた一行は雫の国へと向かっていた。
「スティーノスさん、雫の国へはどの位で着く予定ですか?」
「順調に行けば3~4日と言った所だな。まあそれまでは我が飛行船内で、ゆっくり寛いでいると良いだろう。」
「そうさせて貰います。それよりすみません、巡業中だったのに巻き込んだ形になってしまって……」
「別に気にせずとも良い。ただの暇潰しみたいなもんだったしな。それに実を言うとな、世界鐘の出現の件は事前に知っていたからな。」
「え?そうだったんですか?まさか俺達より先に…?」
「当然だ。俺の……いやエルシアムの情報網を甘く見るでない。お前達と出会う前から遅かれ早かれ先の巡業が終わり次第、俺独自で調査しに行こうと思ってたからな。それがまさか、お前の住む村だったのは予想外ではあったがな……」
「あはは、それを言ったら俺達だって意外でしたよ。まさかスティーノスさんが俺の村に来るだなんて、予想もつかなかったですからね。」
「ふん。お互い様と言った所だな。」
「ですね。だから今回のお礼も兼ねて今回の件が解決したら、皆を家に招待して慰労会みたいなのをやろうと思ってるんで、もし良かったらスティーノスさんも来て下さい。」
「ほう?生憎お前達とは馴れ合う気は無い、と以前の俺なら言っただろうが……良かろう、招待にあやかろうではないか。」
「あはは、有難うございます。大したおもてなしは出来ませんけど、楽しみにしてて下さい。」
「ふ…俺も甘くなったか……だがまあ、それもまた良かろう。」
「ほーんと、丸くなったわよねえアンタは。」
「うわっと!?ヒュチュカいつの間に?」
「ついさっきよ。アンタ達ほんと仲良くなったわよねえ。まあ私もか……」
「ヒュチュカ、操縦はどうした?」
「操縦なら航路的にも天候的にも問題なさそうだったから、自動に切り替えたわよ。私だって休みたい時もあるわよ?」
「お前が問題ないと判断したなら良い。何時も手間を掛けてすまないな。」
「気持ち悪いから良してよ……ま、私もゆっくりさせて貰うわ。」
「ヒュチュカも悪いな。ヒュチュカもこの旅が終わったら是非、俺の家に来て来れ。」
「そうね。せっかくアナタのご招待だし、行かせて貰うわよユウ。」
「ああ。ぜひ来てくれ。」
「それはそうと…お前の息子は兎も角、ヘキサルトの子供らは大丈夫か?何やらずっとポカンと呆けてる様だが?」
「あー、きっとこの飛行船に驚いてるんだと思うから、暫く経てば慣れるだろうし大丈夫だと思いますよ?」
「それならまあ良いがな。まあ話こんでばかりおらんでユウ、お前も少しは羽を伸ばせ。伸ばせる時に延ばして置かねば、体が持たぬぞ?ヒュチュカ、お前もだ。」
「勿論そうさせて貰うわ。私は少し寝させて貰うけど、2人共もし何かあれば遠慮せずに起こしてよね。」
「ヒュチュカも有難うな。ゆっくり休んでくれ。」
「有難う。フフ、アナタも家庭を持ったからか頼もしくなったわね?」
「はは、家庭を持つ事の大事さを毎日、身を持って実感してるよ。」
「フフ、大事にしなきゃ罰が当たるわよ?それじゃ、私は部屋に戻るわ。お休みなさい。」
「うむ。ゆっくり休め。」
そう言い残しヒュチュカは自室へと向かっていった。
「やれやれ…相変わらず喧しい奴だ。」
「けど良いコンビじゃないですか?大事にして下さい。」
「無論だ。彼奴は俺にとっては無くてはならない人材だからな。勿論、ヒュチュカ意外のスタッフもだ。奴らがいるからそこ我がエルシアムの運営や管理が成り立つのだからな……」
「そうですね…上に立つというは大変な事ですよね。俺にはとても出来ませんよ。」
「何を言うか。お前もあの時は彼奴らの上に立ち引っ張っていたではないか。現に今もお前は、仲間を引っ張っているではないか?形はどうあれ、上に立つとはそう言う事だ……覚えておくが良い。」
「スティーノスさん……そうですね、覚えておきます。」
「それはそうと……あの双子のガキ共だが、先程からずっと微動だにしないが大丈夫か?」
「え?ああ……多分この飛行船に驚いてるんだと思います。そのうち慣れるとは思うから心配はないかと。」
「ふむ?それならまあ良いがな。お前も少し休め。この先、何があるか判らんのだからな。」
「そうします。スティーノスさんも無理はしないで下さい。それじゃあ俺は部屋に戻ります。」
「ああ。何かあれば呼ぶ。ゆっくり寛いでこい。」
ユウはスティーノスと一通り話をすると、自分の客室へと戻っていった。
その途中で、ずっと微動だにしないサレナとルカが気になり、声を掛けてみた。
「2人共、さっきから大人しいけど大丈夫か?」
「ふぇ?あ、ユウさん。うん、大丈夫…ちょっとこの飛行船の規模に驚いてただけだから。ね、ルカ?」
「ああ…本や絵では見たことあるけど、まさかこれ程とは……すみませんご心配をお掛けして。」
「いや、それなら良いんだ。2人も慣れてきたら飛行船内を見て回ったり遊んだりして来ると良いよ。滅多に乗れるもんじゃないし、楽しまないと損だぞ?」
「うん、そうする。所ユウさん、ハーネ君は?」
「ハーネなら多分、飛行船内の図書室にいると思うよ。さっき行くみたいな事言ってから。」
「そっか。じゃあちょっと行ってみるね。それじゃあユウさん、心配ありがとうね。行こう、ルカ。」
「姉さん、走ったら駄目だって…はあ。あ、ではユウさん、失礼します。」
そう言いながら2人は図書室へと向かって行った。
そしてユウも客室へと向かう事にした。
客室へと戻ると、部屋の中は静まり返っていた。
「あれ?シエットも何処かに行ったのか?それにメルクやトト達も……まあ良いや。何だか少し体がだるいし、ちょっとだけ寝るとしようかな……」
そう呟きながらユウはベッドの中へと潜りこんだ。そして暫く経ち、寝息を立て始めた。
…………………
…………
……
どの位の時間が経ったであろうか。
ユウが深い眠りに入っている所へ突然、ドアを激しく叩く音が部屋へ響いた。
「う、ううん……何だ…?」
ドアが叩かれる音で目覚めるも、まだ覚醒しきれずに頭の中がぼーっとしていた。
「若!おりやすかい?若!!」
「うん……この声はりょうばさんか?どうしたんだろう?」
ユウはまだ頭が冴えないながらも、応対するべくベッドから起き上がりドアを開けに行った。
そしてドアを開けるなり、りょうばが慌てて入って来た。
「りょうばさん、どうしたんですか?そんなに慌てて?」
「若、休んでた所申し訳ねえ。実は飛行船が魔物の群れに襲われてるんでさあ!」
「何だって!?それでりょうばさん、数は?」
「それがかなりの数でな……今おテオちゃんらが対応はしてるんだが拉致があかねえ。取り合えず若も来てくれ!」
「判りました、直ぐに行きます!」
ユウは軽く身支度を整えると船外の甲板へと向かった。
甲板へ上がるとそこには、かなりの数の魔物が飛び交い飛行船を襲っていた。
飛行船を守るべく仲間達が必死に応戦をしていたものの、そのあまりの数に苦戦を強いられていた。またユウ自身も圧倒されていた。
「あれは……ゴルドリーか?何故こんな所にいるんだ?それになんて数だ……あまりに多過ぎる……」
ユウはゴルドリーのその余りの数の多さに、圧倒され絶句し、それと同時に焦りを覚えずにはいられなかった。
この危機な状況を、果たして乗り切れるか……
ともかくユウは自分も対処するべく、仲間達の元へ駆け出して行くのであった……
ゴルドリー…メフテルハーネに存在しているモンスターで群れで行動する事が多く数で攻められるとやや厄介。
体調不良等が重なり更新が…(°∇°;)