チマチマ動いて参りまする…
ユウ達の村から場所は変わり、お菓子の国の1つであるエリアのバターワールド
ここバターワールドは3年前に先代の国王が病没し、その跡を王子が継いで、漸く落ち着きを取り戻しつつあった
「う〜〜ん、やっと書類が片付いたかあ。」
そう言いながら背伸びをし、肩を鳴らしながらその王は筆を置き、ひと息付いた
「お疲れ様です王。本日の業務は完了しましたので、後はゆっくりお寛ぎ下さい。」
「あ〜疲れた。未だに慣れないもんだよなあ…今なら親父の苦労が痛いほどわかるわ。」
「ふふ、とか言いながら楽しいんじゃありません?」
「えぇ…そう見えるかあ?正直言ってさ、内政なんかをするよかさ、お菓子作りしてた方がよっぽど楽しいよ俺は…」
「けど業務をしている時の王は、先王の顔にそっくりですしいつにも増してカッコいいですよ?」
「はは、買いかぶり過ぎだよ。俺はまだまだ親父の足元には到底及ばないよ。」
「そんな事はありませんよ。王は先王と同じくとても民想いで、誰にでも分け隔てなく接しとてもお優しい方ですよ?それこそ私みたいな異形な存在にも優しく接して下さり、秘書兼メイドとして私を登用して下さり、居場所を与えてくれたのですから……ですから王は先王以上に良い王様になれますし、どうか自信を持って下さいね?」
「あはは、君にそこまで言われたら期待に応えなきゃだわなあ、ピターニア。」
「ハイ、期待してますよ王様♪」
ピターニア…元々はごく普通の少女だったが、ある事がきっかけとなり、刃物と触手が一体となった異形の存在へとかわり果ててしまって以来、周囲の人達を傷つけるのを恐れ1人森の奥深くに籠り過ごしていた。
だがユウ達が森へ訪ね、少しずつ交流を深めた事がきっかけとなり再び人目へと出る事となり、それ以来、元の姿に戻る方法を探しながら再び家族や友人らと交流を再開し、現在はバターワールドの現国王の元で働いていた
「トゥルータ王、本日の業務は完了致しまたかな?」
「爺やか、今しがた終わった所だよ。」
「それはご苦労様でございます。では後の事は私が引き継ぎます故に、トゥルータ王はお休み下さいませ…ピターニア、お主もご苦労であったの。今日はもう休みなさい。」
「ハイ、有難うございます大臣様。」
トゥルータ…かつてユウ達とともに、世界の危機を救うべく共に旅をしたメンバーの1人で、バターワールドの王族であり、家出同然で国を飛びだし各地を回ってたが、ユウ達と知り合った事で自分自信を見つめ直し、成長する事ができ旅が終わった後は再び自国へと戻り、跡取りとなるべく王として教養を学んでいた
しかし3年前、病に倒れ療養していた先王のパルトスクが逝去した為、そのままの流れで新たに王位に就いたばかりであったのである
「ふう…なら後の事は頼むよ爺や。」
「お任せを…ああ、そう言えば先程、女王様と王子様がご旅行からお戻られになられましたぞ」
「あれ?もう帰って来たのか?思ってたより早かったな。」
「女王様と王子様って、確かセンオンへ旅行へ行かれてましたよね?」
「ああ、偶には家族水入らずで温泉にでも浸かってゆっくりしたいわあ、て言ってたからなあ…俺はこの通り、内政やらの仕事が立て込んだから、2人を送り出す形になって行けなかったけど……」
「女王様、行かれる時はかなりご機嫌斜めでしたからね…」
「ああ…さてもう一仕事、出迎えと愚痴を聞きに行きますかね」
「あはは…頑張って下さい…」
ピターニアは苦笑いしながらトゥルータに付き添うべく動きだしたその時
「父上、ただいま戻りました!!」
「うわっと!ルシアか、びっくりしたなあ。」
「えへへ、早く父上にお土産渡したかったから。」
「はは、そうか。有難うな。所で母上は?」
「ワタシならここよ?」
「うわぁぁっ!!び、びっくりした…いつから俺の後にいたんだよシスル……頼むから普通に来てくれ。」
「ウフフ…つい昔のイタズラ癖が出ちゃって。」
「あはは…お帰りなさいませ女王様。」
「ただいまピターニア。留守の間、この人の身の回りの世話を押し付けちゃってごめんなさいね?」
「いえ、大丈夫です。身の回りのお世話も私の仕事のうちですから」
「そう言って貰えると助かるわ。そうそう、ハイ、これあなたにもお土産のおまんじゅう。休憩中にでも食べて頂戴。」
「わあ、有難うございます女王様。後でゆっくりいただきます!」
「ハイこれ、あなたにも。お勤めご苦労様。」
「あ、ああ有難うなシスル。ごめんな、一緒に行けなくて…」
「もういいわよ。ワタシこそ拗ねたりしてごめんなさい…アナタだってお義父様を亡くされたばかりで跡継ぎ等で忙しいものね…落ち着いたら今度は一緒に行きましょうね?」
「ああ…不自由させるがもう少しだけ我慢してくれな?」
「大丈夫よ。ねえルシア?」
「うん、父上もお仕事落ち着いたら今度は一緒に行こう!そうだピターニアも一緒に行こうよ!」
「ええ!?そんな私なんかが行ったらご迷惑ですよ……」
「大丈夫だよ。もしピターニアを悪く言うヤツがいたら僕が懲らしめてあげるから一緒に行こうよ?ね、父上も母上も良いでしょ?」
「あら、良いわね。それに優しい子ねルシアは。」
「そうだな、そうするかあ。ルシア、父は良い子に育って嬉しいぞ〜!」
「父上くすぐったいって!」
「王子……有難うございます。その時は是非ご一緒させて貰います!」
ピターニアは泣き出しそうなのを堪え、笑顔でそう答えた
「パルトスク様……王子も思いやりのあるとても良い子に育っておりますぞ…勿論トゥルータ様も王として少しずつ、日々成長しております故に、どうかご安心下され。」
爺やは誰に聞こえるわけでもなく、そう小さく呟いた
王の間は暖かい空気に包まれていた
こうした暖かく平穏な日々がいつまでも続けばいいなと
そう思う一同であった…
シスル…かつてユウ達と敵対していた勢力に居たが、度重なる邂逅、特にトゥルータとの交流が深く、一時期記憶喪失になったものの、トゥルータの執念がみのり記憶を取り戻した以降は、更に交流を深めその後に結ばれ今では女王の座に就きトゥルータを支えていた
ルシア…トゥルータとシスルの子。顔立ちはトゥルータ、目の色と髪色はシスルと2人を足して2で割った感じの王子様
性格は優しくややヤンチャな所があるが、差別する事なく誰にでも分け隔てなく接するので、領民や城内の人達からも慕われている
普段色々とお世話をしてくれるピターニアの事をとても気に入っている
年齢は8歳
爺や
先王の時代から仕えている大臣兼、執事長
トゥルータの教育係も務めていたのもありトゥルータからもかなりの信頼を寄せられている
現在はルシアの教育係とピターニアのメイドと秘書の仕事の指導も務めている