〜とある日のとある場所にて〜
「あぁ〜ピターニアちゃん、相変わらず可愛いわ〜。」
「あ、あのベリさん……くすぐったいです……」
「はぁ〜ん!!!!とても可愛いらしい反応だわあ〜!!」
「あうぅ………」
「やめんかこのバカ姉が!!!!」
「ごふぉっ!?」
「助かった……」
「悪いなうちのバカ姉が…許してくれ…」
峰打ちによる制裁を食らい意識を手放した変態…もとい姉を引き摺りながら運び出すラズであった……
ゴホンゴホン、大変お見苦しいものをお見せいたしました…
さて改めて、世界鐘が出現した事をユウ達に伝えに行くべく使いに出たピターニアとシスルであったが、果たして世界鐘が出現した意味とは…
場所は変わり、王国の郊外にある夜の牧場
牧場内にある建物内で、とある少女が作業をしていた
「ふう、こんなものかな。あとは出産を待つだけね。」
その少女は、飼育しているポニーの出産を迎える為の準備をしていた
「さてと、そろそろやすむとしようかな。」
そう少女が呟きながら、建物内から出ようとした時
ドッゴォォォォォン!!!!
何かが落下した様な物凄い音が鳴り響いた
「きゃぁぁ!?な、何、地震?それとも隕石でも落ちてきたの??」
とっさに蹲っていた少女は少し間を置いて起き上がると、様子を見に外へと出て行った
そして周りを見渡してみると、敷地内の真ん中辺りに何かの気配があるのを感じ取り近づいてみる事にした
すると其処には……
「アイタタ…久々に使ったせいか、制御が難しかったわね……ピターニア、大丈夫?」
「うきゅ〜……」
其処にいたのはお菓子の国に世界鐘(ウルラレ)が出現した事を、ユウ達に知らせに行くべくユウ達の村へ向かっていたシスルとピターニアであった
シスルは転移魔法で王国まで行き、そこから歩いてユウの居る村へと向かう予定でいたが、暫く魔法を使用していなかったせいもあり感覚が鈍り王国から離れたこの牧場へと落下したのだった…ピターニアは落下の衝撃で気絶していた
「これは駄目ね…目を覚ますまで休ませなきゃ…何処かに休める場所はないかしら。」
シスルが何処か休めそうな場所を探していると
「え、人?隕石とかじゃなくて人が落ちてきたの??」
「あら、人がいたのね。ちょうど良かったわ…ねえお嬢さん、何処かに休めそうな場所はないかしら?連れが気を失っちゃってて介抱をしたいのだけれど…お嬢さん?」
「…はっ!いけない、突然の出来事で思考が止まってたわ…ご、ごめんなさい…」
「良いのよ、いきなり落下してきた私達が悪いんだから無理もないわ。」
「えと、お姉さんは魔法使いか何かで?」
「うーん、まあ似たようなものかしらね?それで、休める場所の事なんだけど……」
「あ、ごめんなさい!それなら私の家に来て下さい。ちょうど母さん達もいますから、きっと助けてくれます。」
「悪いわね、こんなよる遅くに…ならお言葉に甘えさせて貰うわね。」
「はい、すぐそこですので私に着いて来て下さい。」
そう言って少女が自宅へ向かうとしたその時
「リア、物凄い音がしたけど何が起きたの?大丈夫?」
「あ、母さん。えっとね、空からこの人達が落下してきて、落下した衝撃で連れの方が気絶したらしくて、それで休める場所を探してるみたいだったから家に連れて行く所だったの…」
「落ちてきたって……魔法でも失敗したの?」
「お母様ですか。突然でごめんなさい、ワタシが転移魔法を失敗してしまってこの場所へ落下してしまって…その時の衝撃で連れの子が気絶してしまったもので…」
「まあ、それは大変でしたね。それなら娘が言う通り、どうぞ私達の家で休んで行って下さい。」
「ごめんなさい、助かりますわ。」
「お~い、物凄い音がしたけど何があったんだ?」
「あ、父さんお帰り、えと実はね…」
リアが父親に今までの出来事を追って説明をすると
その父親も快くシスル達を受け入れてくれた
「うん、怪我も擦り傷程度だし、軽い脳震盪を起こしただけみたいだから少し休めば大丈夫よ。」
「有難う、ごめんなさいね夜分に迷惑をかけてしまって…」
「気にしないで。困った時はお互い様だから。」
「そう言って貰えると嬉しいわ。ええと……」
「?あ、自己紹介がまだだったわね。私はフィーリア、この牧場の経営者よ。こっちは娘にのリアで机の1番奥に座っているのが夫のエリオットよ。」
「えっと、リアです。」
「エリオットだ、宜しく。」
「ワタシ達も名乗ってなかったわね。ワタシはシスル、ベッドで横になってるのがピターニアよ。」
「シスルさんにピターニアさんね。宜しくね。」
「さて…所でシスルさん、あなた方は転移魔法で此処まで来たと言ってたが、何か急ぎの用事か何かですかな?」
エリオットは穏やかに接しつつもやや疑いを持った目でシスルに尋ねた
「ちょっと父さん、失礼だよ…」
「構わないわ、突然見ず知らずの者が突然空から落下してきたんだもの。怪しまれても仕方ないわよ。」
「すまない。悪気はないんだが一応、念の為にね。」
「大丈夫よ。話せば長くはなるけれど、取り敢えずこれまでの経緯は説明するわ……」
シスルは自分がお菓子の国のバターワールドの女王である事、自国の領地に世界鐘が現れた事をユウに知らせるべくユウが住む村に向かっていた事を話した
「ええ!?シスルさんって女王様だったの!!しかもユウさんの知り合いだったなんて……私ったらそれとは知らずに失礼な事ばかり…」
「気にしないで大丈夫よ。それよりまさかアナタ達もユウの知り合いとはねえ……」
「私はユウが世界鐘を巡る旅をする以前に、一緒に旅にしていたの。その後は王国に残って夫と一緒に色々と勉学に励んでいたわ。そして数年前に動物とモンスターが自由に過ごせる牧場を開いたの。」
「まさかお菓子の国の女王様で、ユウの知り合いだったとは……いやこれはとんだ失礼をしました…どうかお許し願いたい。」
「気にしてないし大丈夫よ。それにしても本当にあの子は仲間が多いのね。」
「ユウは人を惹きつける魅力があるから、自然と人が集まるんだと思います。」
「確かにそうね…ワタシも何だかんだ言って、知らないうち の子に惹きつけられたのかもね。それもあって出会たんだから感謝はしてるわ。」
「ふふ、私も同じです。さあ女王様も今夜はお休み下さい。お知り合いの子の状態を見て問題が無ければ明日、ユウの所へお連れします。」
「そうね、今日の所は休ませて貰うわ。色々と有難うねフィーリア、それにリアちゃんも有難うね。」
「いえ、お気になさらずゆっくり体を休めて下さい!」
「ええ、それじゃお休みなさい…」
「お休みなさい女王様、ゆっくり体を休めて下さい。」
かくしてシスルは、フィーリアの家で一晩を過ごす事になった
ユウのかつての仲間と、こうして出会うとは世の中は分からないなと、そう思いながら深い眠りに入っていった……
フィーリア…ユウのかつての旅の仲間
ユウ達ト別れてからは王国で勉学に励み、その数年後に
エリオットと結婚し娘のリアを授かった
数年前に自身の夢であった牧場を開き、現在に至る
エリオット…王国出身の学者でユウやフィーリアの友人
フィーリアとは色々な部分で気が合い、共に勉学に励むうちに意識をする様になり、プロポーズをし結ばれた
現在は王国で様々な分野に通ずる学者をしている
リア…フィーリアとエリオットの娘で13歳
普段は牧場の雑務等をしている
両親に似て本好きでもあり、学者にも興味を持ち始めている