そして物語はいよいよ動き出します
翌朝、シスルは目を覚ますと、隣で寝ていた筈のピターニアがいないことに気付いた
「あら?あの子がいないわね…気が付いて外の空気でも吸いに行ったのかしら……さて、ワタシもそろそろ起きなきゃだね。」
そう呟きならがら、シスルは起き上がり軽く身支度を済ませると、部屋から出ていった
部屋から出てすぐにリビングがあり、リビングにあるテーブルにエリオットが椅子に腰掛けて新聞を読んでいた
「おはよう、エリオットさん。」
「女王様、もう起きられたのですか?もうお体の方は落ち着かれたので?」
「お陰様でゆっくり休めたわ。有難うエリオットさん。」
「それは良かった。先程お連れの子も、目を覚まして外へと出て行かれましたよ。元気になられて良かったですね。」
「それじゃあワタシも外の空気を吸いがてら、あのこ子の元へ行くわ。」
「いま妻が朝食の支度をしてますから、朝食が出来たら呼びに行きますよ。」
「有難う、色々お世話になるわ。」
エリオットと軽く会話をしたシスルは、ピターニアを探しに外のほうへと出ていった
少し歩みを進めると井戸を発見し、そちらに視線を向けるとそこにピターニアが桶に水を溜めて顔を洗っている姿を捉えた
「おはようピターニア、気分はどうかしら?」
「女王様…おはようございます。申し訳ありません、私とした事が気絶するなどと……」
「気にしないで?寧ろ悪いのはワタシのほうなんだから。暫く魔法を使ってなかったから、感覚が鈍っちゃって変に失敗しちゃったわ。体のほうはもう平気かしら?」
「はい、お陰様で良くなりました。お話はエリオットさんに聞きましたよ。まさかユウさんのお知り合いの方に助けられるとは、思いもしませんでしたね。」
苦笑いしながらピターニアがそう返した
「そうね。世の中何が起こるかわからないわよね。もう平気なら朝食を食べ終えたらユウの村へ向かうわよ。」
「わかりました、支度は整えて…というか荷物はありませんでしたね…せめて着替えだけでも持ってくるべきでしたかね?」
「仕方ないわよ。すぐに合流して帰って来る予定だったんだもの……後の祭りよもう。」
「あはは、そうですね…ではそろそろ戻りましょうか。」
「そうね、そろそろ出来てる頃かしらね。」
2人は会話も程々に家へと戻って行る事にした
家に戻ると丁度フィーリアとリアが、テーブルに朝食を並べている所であった
「ただいま。」
「お帰りなさい女王様、ピターニアちゃん。ピターニアちゃん具合はもう大丈夫?」
「はい、お陰様で良くなりました。すみません、ご迷惑をお掛けしてしまって……」
「ううん、大丈夫よ。こうして出会たのも何かの縁だしね。朝食を食べ終えたらユウの村へと案内するわね。」
「有難うございます、フィーリアさん。」
「あら?エリオットさんは食べないの?」
「父さんは仕事があるから先に済ませたんです。だから女王様達は気にしないで食べて下さいね。」
「そう、アナタのお父様も大変なのね。」
「あはは。まあ父さんも好きでしてるので、大変だとは思ってはいないですよ。」
「さあ、話はそれ位にして食べましょう。食べたら支度が整い次第、出発しますね。」
「お願いするわね。それじゃあいただくわ。」
シスル達は雑談を交わしながら、出された朝食を食べた
朝食を食べ終えた後、支度を整えて漸くユウの村へと向かう事となった……
場所は変わりユウの村
ユウ達は昨晩、スティーノスと出会った後、ファザ達と村の酒場で閉店まで飲み明かしていた…主にファザとりょうばの2人が中心となって飲んだくれていたのである
そして夜が空けた…
「父さん、アレクおじさん朝ごはん出来たよ〜、起きて。」
「ほら2人とも早く起きるのですよ〜。」
「う、う〜ん…もう朝か。お早うハーネ、メルク……ほらアレクも起きろ。」
「う〜…お早う2人とも。うう…気持ち悪い……」
「二日酔だなこりゃ。りょうばさんや父さんに、ちゃんぽん付けにされてたから無理もないな…」
「あの2人どんだけ強いのさ……僕は普段あんまり飲まないのにどんどん注いでくるからヤバかったよ……」
「はは…2人とも酒好きだからな。とは言え流石に酔い潰れて寝込んでるけどな。」
「そりゃあんだけ飲めばそうなるよ……」
「みゅ〜…飲み過ぎは体に良くないのですよ。」
「ユウも結構飲んでたけど、平気なの?」
「俺は普段から父さんの晩酌の相手するから…まあアレク程じゃないけど、流石に気持ち悪いけどな。」
「ほら2人とも、母さんが待ってるから早く行こう。」
「ああ、父さん達は顔洗ってから行くから、ハーネは先に行っててくれ。」
「わかった。行こうメルク、トト。」
「はいなのですよ〜。」
「きゅっ!」
ユウ達は朝食を取りにリビングへと向かって行った
リビングに行くと既に朝食が並べられており、皆が席に着いていた
「お早う。ほら2人共早く席に着いた。」
「お早う皆…て、あれ?父さんにりょうばさん起きてたんだ?2人共もう大丈夫なんだ?」
「よう若。なぁに、まだ少し気持ち悪いけど大丈夫でさぁ。なぁ旦那?」
「りょうばには負けるけどな…俺は頭痛がまだ残ってるよ。」
「叔父様達あれだけ飲んで動けるんだ……お師匠様と良い勝負かも……」
「2人共強いからなあ。俺は普通だけど。」
「僕は強くはないから、流石にあの量はキツいよ……」
「みゅ…お酒は程々に、適量になのですよ?」
「ほら喋ってないで食べた食べた。食べたらまた見て回る予定なんでしょ?」
「ああ。昨日は余り見て回れなかったからな。と、いただきます。」
「ごめんシエット、僕はスープだけでいいや…まだ酔いが残ってて」
「大丈夫アレク?お義父様達にかなり飲まされてたものね。気にしなくて良いから、食べられるもので済ませて。」
「有難う、悪いね。」
「ユウ兄ぃ、今日は何処から見て回るの?」
「今日は昨日とは反対から見て回ろうかと思ってたよ。その後は、各自で適当に好きな場所を見て回る感じかな?」
「そっか。じゃあその予定で行こうか。」
「よっしゃ若、じゃあ飯も食ったし身支度整えて行くとしましょうや。」
朝食を済ませ再び祭りを見て回るべく、身支度を整えているとドアを叩く音が聞こえた
「あら?誰か来たみたいね?」
「誰だろ?」
ユウが扉を開けると、そこに見知った人物がいた
「久し振りユウ、お知り合いの方を案内しに来たわよ。」
「久し振りねユウ。元気そうね。」
「お久しぶりです、ユウさん!」
「フィーリア、それにシスルにピターニアじゃないか!!久し振りだな、急にどうしたんだ?村の祭りを見に来たのか?」
「そうしたいけど、残念ながらそうもしていられないのよ。」
「若、誰か知り合いでも…ってお前さん達はシスルにピターニアじゃねえの。どうしたんでい、いきなり?何かあったか?」
「シスルさんにピターニアちゃんじゃない!え、何どうしたね?トゥルータ兄ぃと喧嘩でもしたの??」
「嫌ね、そんなんじゃないわよ…そんな事より大変な事が起こったのよ。」
「大変な事?深刻そうだな……わかった、とにかく2人共、上がってくれ。悪い皆、祭り巡りは一旦中止にする」
「悪いわね…楽しみな所を奪っちゃって。」
「お邪魔します。」
3人はユウの家へと上がり、自分の国で起こっている事と、これまでの経緯をユウ達に語り伝えた
「世界鐘(ウルラレ)が現れただって!?本当なのか?」
「おいおい…世界鐘の件はえっちゃん達が全て終わらして事を得たんだろ?それがなぜ今頃になって現れたんだ…?」
「どういう事なの……ユウ兄ぃ、また世界に危機が来てるのかな?」
「分からない……それで、俺達に協力を仰ぐべく訪ねて来たんだな?」
「はい…お願いしますユウさん、どうか力をお貸しください…!」
「ワタシからもお願いするわ、あの人の、国の為に力を貸して頂戴。」
「分かった。事が事だから確認する必要もあるしな…皆、済まないが力を貸してくれるか?」
「言われるまでもねぇ、トゥル太郎達が困ってるってんなら、助けに行かない訳にゃ行かないでしょうよ?」
「りょうばおじさんの言う通りよ。私も行くわ。」
「ごめんユウ、僕も協力したいけど……イリスの事もあるから僕は残るよ。」
「気にしないでくれ。今が1番大事な時期なんだし側に付いていなきゃだし。無事に生まれると良いな。」
「有難う、ユウ達も気を付けてね。」
「私も牧場があるから……ごめんなさい」
「いや、フィーリアも気にしないでくれ。エリオットにも宜しく言っといてくれな。」
「うん、気を付けてね。」
「私も行くわよあなた。」
「シエット…え?本気で言ってるのか?」
「本気も本気よ。前回は何も出来ずに悔しい思いしたんだもの。今回は嫌でも行くわよ?」
「おいおい……ま、まあ言っても聞かないしな。分かった、シエットも来てくれ。ハーネ、お前も来るか?」
「え?僕も一緒に行って良いの?」
「王国以外、外に出た事ないだろ?良い機会だから勉強ついでに一緒に来ると良い。良いだろシエット?」
「あなたが良いなら私は良いわよ。」
「うん、じゃあ僕も行くよ!」
「ユウ、父さん達は留守番してるよ。全員家を空ける訳には行かないだろうしな。」
「そうね。その代わり、メルクとトトを私達の代わりに連れて行くのですよ。」
「分かった。じゃあ父さん達は留守を頼むよ。メルク、トト、宜しく頼む。」
「みゅ〜、頼まれたのですよ!」
「きゅきゅっ!!」
「メンバーも決まったみたいね。ならそろそろ行くけど、良いかしら?」
「ああ、大丈夫だ。てか、こんな大人数で転移魔法使って大丈夫なのか?」
「まあ何とかなるわよ…きっと?」
「だ、大丈夫なのかな……私ちょっと不安になってきたんだけど……お師匠様にまた会えるわよね?」
「そこまで怖がらなくても良いじゃないの。まあピターニアの件は事故よ、事故。」
「あ、あはは…事故ですか。」
「ほらもう行くわよ、皆ワタシの側に来て。」
「じゃ父さん、母さん行ってくる。」
「気を付けて行くのですよ。」
「無茶はするなよ。」
「父さん達もな。」
「ふう……じゃあ皆、行くわよ…お菓子の国へ転移するわ。」
かくしてユウ達は、シスルに連れられてお菓子の国へと旅立って行った
この先に起こる、重大となり得る出来事など、この時はまだ知る由もなかったのであった……
シエット…ユウの幼馴染でかつての旅をした仲間であり妻
今は主婦業に専念してるが、かつては槍の使い手でもありその腕はかなりのもの
その槍の腕でユウ達の危機を幾度となく救ってきた
現在は息子のハーネと共に、親子3人で暮らしている
ファザ…ユウの父親で癒術士
かつて世界の危機を救うべく、各地を旅して回り暗躍していた過去を持つ
現在は癒術士としての仕事から身を引き、隠居している
ユウの母…ユウの母親で、ファザの妻
外見と喋り方がメルクと似ている
ふだんからおっとりしているが、優しく孫のハーネをとても可愛がっている
トト…ユウの長年の相棒であり親友
ユウがモンスター恐怖症を克服したきっかけを作った
登場はしていないが、実は妻子持ち
登場するかはまあ追々考え中…
メルク…ユウの昔からの知り合いで第二の母親?代わりでもある瓶詰めの女
実は世界の危機に平和を齎すのに関与していたりする重要人物だったりする
現在はユウ達と平和に暮らしている
瓶詰めと言っても閉じ込められている訳ではなく、自身の身体が液体な様な作りをしていた為、この様な処置をしている
ハーネ…ユウとシエットの子で10歳
癒術士としての能力にはまだ目覚めていないものの、ファザ曰くかなりの素質は持っている
見た目はユウそっくりで、髪色はシエット寄り
優しい性格で年の割にはしっかりしている部分がある