メルクストーリア〜長き旅のあと〜   作:ドーン・ハイド

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お菓子の国へと赴いたユウ達
新たに出現した世界鐘の謎を解くために動き出しますぞ



新たな旅立ちへの前奏曲

 

シスルの転移魔法で、お菓子の国のバターワールドへとやってきたユウ達…であったが、またしても着陸に失敗し全員積み重なっている状態であった

 

「いたた、まだ感覚が取り戻せてないわねえ…普段から鍛錬してないと駄目ね……」

「そ、そんな事は良いから皆、早くどけてくれ重い〜……」

「キャっ!!ちょっと変なとこ触らないでよ!?」

「わ、悪ぃ若奥方……おい早くどけろい、でないと坊っちゃんが潰れちまうぞ。」

「ぐぇぇ…重い…」

「じ、女王様早く…どいて下さい…」

「あらごめんなさい。よいしょっと。」

 

着地に失敗し全員が積み重なるハプニングがあったものの、何とか落ち着きを取り戻した

 

「酷い目にあったわ……私も魔宝石を使ってるとはいえ、魔法の鍛錬を怠らない様にしなきゃだわね…」

「日々の鍛錬は大事なのですよ……」

「それより、早くトゥルータの所に急ごう。」

「そうね。あの人の事だからきっと心配しているわね。」

「予定外の寄り道をしてしまいましたからね…王様も王子様も心配なさってますよね。」

「ともかくトゥルータも待っている事だし、先を急ごう。」

「そうね。城の近くに落下したのがせめてもの救いだったわ。案内するから付いて来て頂戴。」

 

ユウ達はシスルの案内で、トゥルータのいる城へと向かう事となった

10分程歩くと、目の前に大きな城が姿を現した

この城こそが、トゥルータが治める城である

 

「さあ着いたわ。此処がワタシ達のお城よ。」

「うわあ大きい……此処がトゥルータ兄ぃのお城なのね…」

「凄い立派だね、父さん。」

「ああ……王国の城にも引けを取らないな。」

「あなたの知り合いって本当、凄い人が多いわね…」

「ユウさんは人を惹きつける何かを持っているのですよ。」

「うきゅっ」

「さあ皆さん、早くお城の中へ…王様がお待ちです。」

「あ、ああ、済まないピターニア、案内を頼むよ。」

「では此方へ……」

 

ユウ達はピターニアの案内で、トゥルータがいるであろう

玉座の間へと向かって行った

暫く歩くと目の前に大きな扉が姿を現し、ピターニアがその扉を開けると玉座の間へと続いていた

そしてその奥の玉座に、トゥルータが腰掛けていた

トゥルータはユウ達の姿を見掛けるや、勢い良く立ち上がりユウの側へと駆け寄った

 

「ユウ!良く来てくれたな!!それにテオにりょうばさん、メルクにトトも…突然呼び出して済まないな。」

「トゥルータ、元気そうだな。」

「みゅ〜、お元気そうで良かったのですよ〜!」

「きゅっきゅっ!」

「お陰様でこの通りさ。毎日忙しいけどな。」

「久し振りねトゥルータ兄ぃ、すっかり王様が板に付いたわね。」

「まったくだ、立派になっちゃって。おっちゃん感激だわ。」

「はは、まだまだ未熟だけどね。」

「遅くなってごめんなさいアナタ、この通り連れて来たわよ。」

「ああ、良く連れて来てくれたなシスル。それにピターニアもご苦労様だったね。というか少し遅かった気もするが、何かあったのか?」

「ええっとですね…話せば少し長くなると言いますか…」

 

ピターニアはこれまでの経緯を簡略的にではあるが、トゥルータに説明した……

 

「成る程…それは大変だったな。まあ特に怪我とかもなく良かったよ。今度改めて、助けてくれたユウの仲間には礼をしに行かなきゃだな。」

「そうね。今回の件が落ち着いたら、また改めてお礼をしに行きましょうねアナタ。」

「所でトゥルータ、世界鐘の件だけど……」

「あ、ああそうだったな……俺もシスル達がユウ達を迎えに行った後に、本当に世界鐘かを確認し、その場所へと行ってみたんだが……間違いない、あれは世界鐘だった。」

「そうか、やはり世界鐘なんだな。」

「だけどなんというか、少し変なんだよな…」

「変?何が変なんだ?」

「色だよ。ほら世界鐘って色付いてただろ?その色がおかしいんだよ。」

「色だぁ?奇抜的な色でもしてるのかねトゥル太郎…じゃなかったトゥルータ王様?」

「今まで通りで良いよりょうばさん…いや、ある意味では奇抜的というか……」

「歯切れが悪いわねトゥルータ兄ぃ。そんなに変なのかしら?」

「まあ変っちゃ変だな…なんてったって無色透明だし。」

「無色透明……?間違いないのか?」

「間違いないさ、この目でハッキリと見たんだから。ユウ達も見れば嫌でも分かるさ。」

「無色透明って…何か特別なのかしら?」

「とにかく此処で話をしてても埒があかないし、ユウ達も見に行くと良い。そうすればわ俺が言わんとしてる事が分かるだろうし。」

「そうだな、なら案内を頼めるか?」

「勿論だ。爺や、ラクリッズにユウ達を、世界鐘に案内する様に伝えてくれ。」

「畏まりました。」

「それはそうとユウ、隣にいる女性と子供は…もしかして?」

「ああ、紹介するよ。妻のシエットに息子のハーネだ。」

「え?あ、初めまして王様、シエットと申します。」

「ハーネです、宜しくお願い致します王様…」

「やっぱそうか。いやユウも幸せそうで何よりだな。」

「そっちこそ。シスルと上手くやっている様で良かったよ。」

「まあな。後で俺の息子も紹介するよ。」

「ああ。そいえばピターニアもそうだけど、ラクリッズさんもトゥルータの所で働いていたんだな?」

「ああ、俺が2人に声を掛けたんだよ。生活も大変だろうし、それに2人共優秀な人材そうだったからスカウトしたんだ。」

「お陰様で兄共々、充実した毎日を送っているんですよ。王様には感謝してもしきれません。」

「良かったなピターニア。楽しそうで良かったよ。」

 

各自が会話を交わしていると、ラクリッズが玉座の間に入ってきた

 

「失礼致します、ラクリッズ参りました。」

「ラクリッズ、済まないがユウ達を世界鐘のある場所まで案内して欲しいんだが、頼めるか?」

「承知致しました、お引け受け致します。」

「頼んだぞ。」

「お久し振りですラクリッズさん、宜しくお願いします。」

「ユウか、暫く振りだな…息災で何よりだ。」

「ラクリッズさんもお元気そうで。」

「お陰様でな。ピターニア、勤めご苦労だったな。後はゆっくり休め。」

「うん。ユウさん達を宜しくね。」

「ああ、任せろ。ではユウにその仲間達よ、付いて来てくれ。」

「お願いします。よし皆、行こう。」

 

一行はラクリッズの案内の元、世界鐘のある場所へ向かう事となった

暫く進んで行くと、世界鐘が発見された森へと辿り着いた

森の入口には見張りとして、ラズとベリが立っていた

 

「隊長、お疲れ様です。」

「ご苦労、異常はないか?」

「特にはないっすね。それよりその人達は?」

「ああ、女王様が連れて来た、王様の知り合いの方達だ。」

「王様のお知り合いって事は…まさかあの英雄の!?」

「マジっすか??うわあ、まさか本物に会えるなんて…」

「紹介しよう、部下のラズとベリだ。」

「ラズっす、どうかお手柔らかに。」

「初めまして、ベリです。宜しくお願い致します。」

「ユウです、宜しく。後ろにいるのは俺の仲間と家族です。」

「俺はこの者達を世界鐘まで案内する。お前達は引き続き、入口の警備を続けてくれ。」

「了解っす。」

「異常はありませんが、お気を付けて。」

「ああ。では行くとしよう。」

 

ラズ達と軽く挨拶を済ませると、ユウ達は森の奥へと進んでいった

暫くの間、森を進んで行くと漸く目的の場所へと辿り着き、其処にそれはあった……

ユウ達は世界鐘を見るや、驚きを隠せないでいた

 

「まさか…本当に世界鐘が出現したなんて……」

「本物なのこれ??」

「こいつぁ驚いた…こりゃあ紛れもなく本物の世界鐘だぜ、おテオちゃん……」

「これが世界鐘なのね…何だか不思議な感じがするわね。」

「わあ、綺麗だね母さん。それに何だか不思議な感じがする…」

「まさかまたこうして世界鐘を見るとは、思いもしなかったのですよ……」

「というかユウ兄ぃ、確かに世界鐘の色ないわよねこれ?」

「確かに。これは……確かに無色透明だな。」

「こりゃ一体、どうなっているんですかね若?」

「分からたない…けどこれは、俺達には手に負えない事は確かだ。」

「奏鐘士(そうきょうし)…唯一、世界鐘を鳴らす事が出来る者達の案件と言う事か。」

「そうですね。ラクリッズさん、確認も取れましたし、今後の事も考えないとですし一先ず城へ戻りましょう。」

「そうだな、では戻るとしよう。」

 

ユウ達は世界鐘を実際に目の当たりにし、動揺を隠せないでいたが、一先ず今後の事を考えるべく、城へ戻る事にした

 

 

 

「戻ったかユウ。どうだ?実際に見た感想は?」

「いや、正直まだ信じられないけど、あれは紛れもなく世界鐘だよ。」

「だよな…しかもあの色だから、余計に混乱もするよな。」

「ああ…しかし何故、今になって現れたんだ?」

「神のみぞ知る、て所かしらね?」

「シスル?神か…ユウ、神と言えば…」

「ああ、始祖メフテルハーネだな。」

「けどユウ兄ぃ、今回の件と関係あるのかしら?」

「分からない…けどもしかしたら何らかの理由で、再び世界鐘を出したという可能性も有り得るかもな。」

「若、こいつぁ彼奴等を集めた方が良いんじゃないかね?」

「うん、俺も今それを考えていた所ですりょうばさん……奏鐘士を。」

「奏鐘士を…エルピス達を迎えに行くのかユウ?」

「ああ。世界鐘の事は奏鐘士が1番分かってる筈だし、それに鳴らす事が出来るのは彼女達だけだからな。」

「確かにそれが良いわね…アナタ、ユウ達の奏鐘士を迎えに行く旅に同行なさいな?」

「いや、それは出来ない。仮にも俺はこの国の王だ。私的な事で国を空けるなんて事は……」

「それならワタシが変わりを務めるから大丈夫よ。それに本当は、アナタも行きたいんでしょ?」

「シスル…だが」

「行って下され王。この爺めも、女王様の補佐を致します故に…」

「私も女王様を支えます。ですから王様も、ユウさん達と一緒に行って下さい。」

「爺やにピターニアまで……分かった、有難う2人共、それにシスルも。済まないが暫くの間、城と国を頼む。」

「任せて。2人がいるんだもの大丈夫よ。」

「という訳だから、俺も一緒に行くよユウ。宜しくな。」

「ああ、此方こそ。また一緒に旅が出来て嬉しいよ。」

「んー、あとはレイ姉ぇがいれば揃うんだけどなあ。」

「レイヤーか。レイヤーもすっかり売れっ子作家になって、ネタを探しながら各地を転々としながら忙しいみたいだしな…まあ仕方ないさ。」

「ん?レイやんならつい最近会ったぞ?」

「えぇ!りょうばおじさんレイ姉ぇに会ったの!?」

「ああ、おテオちゃんに出会う前の日に偶然にな。なんでも王国でイベントがあるとかで、何日か滞在するとか…」

「何でそれを早く言ってくれなかったのりょうばおじさん!?分かってたら行く前に声掛けたのに!!」

「いたた!いやすっかり忘れてたわ、ごめんしておテオちゃん。」

「ま、まあまあテオ。レイヤーは仕事で来たんだろ?だったら邪魔をしたら悪いし、今回は誘うのは見送ろうな?」

「うー…まあ確かに仕事なら、無理に誘うのは良くないわね……分かったわユウ兄ぃ。」

「ユウ、話はそれ位にしてそろそろ行くぞ?」

「あ、ああ済まないトゥルータ。」

「あれ?奏鐘士って事は……ねえユウ兄ぃ、あの人も迎えに行かなきゃじゃない?」

「ん?あの人?」

「あ……おテオちゃんの言う通りですわ若。ほれあの喧しい歌を歌うおっちゃんですわ。」

「あ…ああー、そう言えばスティーノスさんも奏鐘士だったな。て事は村へ逆戻りか…」

「まあ仕方ないさ、早いとこユウの村へ行って、あのおっさんに事情を話して迎えに行こうやユウ。」

「ねえ父さん。どうやってその奏鐘士?て人達の所に行くの?」

「ん?どうやってって…それは……どうやって行くんだ??」

「「「「「あ……」」」」」

その瞬間、全員が固まった

 

「そ、そう言えば其処まで考えてなかった(汗)」

「おテオちゃん、転移魔法使える?」

「ごめんなさい、私転移魔法の魔宝石までは持っていないのよ…」

「落ち着きなさいよアナタ達……出発は明日にして、今日の所は泊まって行きなさい。そうしたら明日の朝1番に、ワタシが村まで送るわよ?一晩休めばまた転移魔法使えるし。」

「う、うーん…まあそれしかないか。悪いけどシスル、また頼めるか?」

「勿論よユウ。気にしないで頼って頂戴。」

「済まないな…と言う事で皆、今日はゆっくりして、明日改めて旅立つとしよう。」

「まあ仕方ないわな。ま、今夜はゆっくりしましょうや。」 

「相変わらずしまらないと言うか、本当変わらないわねえあなたも。私もだけど。」

「言うなシエット。まあ、ある意味俺達らしいと言えばらしいけどな。」

「それもそうね。さあ、明日に備えて今日は皆でゆっくりするわよ〜。」

 

こうして旅立ち…かと思われたが、足が無い関係上、シスルの魔法頼みとなり、魔力が回復する明日までお預けとなった

この先どうなる事やら……

 

 

 

 




レイヤー…かつてユウ達と旅をしたメンバーの1人で、旅をしながら作家の活動をしていた
現在は念願だった超売れっ子作家となり多忙の日々を送っていた

奏鐘士…世界鐘を鳴らす事が出来る唯一の存在で、エルピスとスティーノスを含め4人いる

エルピス…ユウ達のかつて仲間で奏鐘士の1人
後半の物語を握る重要人物の1人でもあった
現在は雫の国で平穏に暮らしている

スティーノス…ホテルエルシアムのオーナーで奏鐘士の1人
かつてはユウ達とは対立…と言うかエルピスとの間でライバル関係にあったが、現在は関係は割と良好ではある
今はエルシアムの更なる発展に尽力を注いでいる

ホテルエルシアム…スティーノスが経営する複合施設
豪華絢爛な劇場やカジノが大きな売りで、宿泊施設もかなりのもの
常に客足が絶える事なく、夜になっても賑わいが途切れる事がない
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