その前日の晩、ハーネは不思議な体験をするのだった……
その晩ハーネは夢を見ていた
夢の中では眩しいくらいに、真っ白な空間の中にいた
「此処は?…父さん達は何処にいったのかな…」
ハーネは夢の中でユウ達を探し、真っ白な空間の中を歩いていた
暫く歩いていると、先の方に小さな祠らしき建物があるのを発見した
「あれは…祠?他には何も無さそうだし…入ってみようかな。」
ハーネは回りを見渡したみたが、他には何もなさそうだと思い、その祠の中へと入ってみる事にした
祠の中は外と同じく物静かで空気はひんやりとし、周囲には蝋燭を置く燭台しか見当たらなかった
蝋燭の灯を頼りにハーネは、真っ直ぐに続く廊下を進んで行った
「何か不思議な感じがするなあ…うん?あれは……」
暫く廊下を進むと、ハーネは祠の中央に台座があるのを見付けたので、近付いて行った
台座には小さな宝石が付いた、アクセサリーの様なものが置かれていた
「綺麗な石。あれ?これって……」
ハーネがその宝石を手に取った…すると
「私の声が聴こえますか……?」
「うわっ!!な、何??」
突然、頭の中で声がしたのに驚き周囲を見渡すが、誰もいなかった
「聴こえますか…私は貴方の心に直接語り掛けています…」
「僕の心に?えっと…聴こえるよ…?」
「良かった。貴方がこの夢を見ているという事は、使命を果たせるだけの素質があったから……」
「素質?素質って…癒術の??」
「貴方には癒術士のとしての素質もそうですが、私に代わりある使命を果たせる力…素質が合ったからです。」
「使命?」
「歴…出来…語……」
そう語る人物の声が、段々と消え掛けて行く
「待って。お姉さんは誰なの?使命って??」
「旅の先…いずれ…ま…た…私は……メ…ハ……」
段々と声が小さくなって行くにつれ、夢の中の空間も歪み始め、そして消え始めていた
そして空間が完全に消えた所で、ハーネは目を覚ました
「……夢?なんか不思議な夢だったな。」
「ハーネ君お早うなのです。どうしたのです?何やら心此処にあらず、て感じなのですよ?」
「あ、お早うメルク。何か不思議な夢を見たんだ……」
「夢?一体どんな夢だったのです?」
「真っ白な空間で皆を探し回ってたんだけど、途中で祠みたいなのを発見して、その祠の中に入って行ったんだ。」
「ふむふむ…」
「その祠の真ん中に宝石みたいなのが置いてあったんだけど、それを手に取った途端に頭の中に女の人の声がしたんだ。」
「女性の声がなのです?」
「うん。その女の…お姉さんが、僕にはある使命を果たせる素質があるって…」
「みゅ?使命を果たす素質?一体何なのですよ?」
「分からない。詳しく聞く前に声がしなくなったから…けど、何となくだけどこの先で、そのお姉さんに会える様なきがするんだ。」
「みゅ〜、不思議な話なのですよ……けど一緒に旅をして行くうちに謎が解けると思うのですよ。」
「そうだね。と、そろそろ支度して食堂に行かなくちゃ。」
「はいなのですよ。この事は取り敢えず、ユウさん達にも話しておいた方が良いのですよ。何やら今回の出来事と、何か関係があるかもなのですよ。」
「そうだね。そうするよメルク。」
「着替えたら食堂に行くのですよ。」
ハーネは軽く身支度を整えると、メルクと共に食堂へと向かって行った
食堂に行くと既にユウ達の姿があり、ハーネはユウの隣の席へと着いた
「お早うハーネ。今日は珍しく遅かったな、寝坊でもしたのか?」
「お早う父さん。いや、何か不思議な夢を見てその夢の内容を、メルクに話てたら遅くなっちゃって…」
「不思議な夢?どんな夢だったんだ?」
「あら気になるわね?母さん達にも聞かせてくれないかしら?」
「うん、分かった。えっと……」
ハーネは自分が見た夢の内容を、皆に話し伝えた
皆がそれぞれ真剣に耳を傾け、ハーネの話を聞いていた
ハーネが話終えるとそれぞれが思う事を口にした
「確かに不思議な夢だな……ハーネ、その夢は今回が初めてなのか?」
「うん。今まで見た事なかったよ。」
「うーん…ねえユウ兄ぃ、何かの啓示とかじゃないかしら?」
「啓示か……有り得なくはないか。」
「けどユウの子ならユウと同じく、癒術とはまた別の何か不思議な力が、あっても可笑しくはなさそうだけどな。」
「トゥル太郎の王様の言う事も一理あるわな。若の子なら何か特別な力があっても不思議じゃねう事わな。」
「ホント、ワタシもそう思うわ。何やら不思議な子よねユウの子は。」
「うーん、僕ってそんなに不思議な子かなあ……?」
「あはは…まあ余り深くは考えなくても良いとは思うわよ?どんな子でも母さんは、ユウの事が大切に思ってるわよ?勿論、父さんもね。」
「そうだな。ハーネはハーネ、俺達の子なのには変わらないからな。」
「そういこった!だからあんま気にしなさんなや坊っちゃん。」
「うん、有難う。」
「へえ〜、ユウ兄さんって凄い人だったんだね。」
「うーん、どうなんだろう?ていうか兄さんって…」
「だって僕より年上なんでしょ?ならそう呼んだ方が良いでしょ?ねえ父上、母上?」
「はは、そうだな。年上の人は敬うのが礼儀、良く出来てるじゃないか。」
「そうね。偉いわよルシア、良い子ねえ。」
「何だかたった1日で随分ルシアと仲良くなったんだな。」
「子供は子供同士、気が合うんだろうさ。これからも、うちのルシアと仲良くしてやってな?」
「うん、分かった王様。」
「良かったなハーネ。良い弟分が出来て。」
「弟分って……まあ良いか。」
「あはは、良かったわねえ。私も王子様みたいなお利口さんが弟なら、大歓迎よ?」
「よし、なら僕とユウ兄さんは今日から兄弟だね!」
「お?兄弟の契りですかい。こいつぁ良いですな坊っちゃん。」
「な、何か勝手に話が進んでるけど良いの王様?」
「俺は別に構わないさ。ハーネ、君さえ良ければルシアの兄貴になってやってくれないか?」
「王様が言うなら…分かった、今日から僕らは兄弟、宜しくねルシア君。」
「此方こそ宜しくね、兄さん。」
「みゅ〜、とても微笑ましいのですよ。」
「きゅう〜。」
「何か妙な事になったが、まあ今の時期だけだろうな…」
「どうかしらね?案外このまま続いたりしたりしてね?」
「ワタシはハーネ君みたいな良い子なら大歓迎よ。ねえアナタ?」
「だな。ルシアにとっても良い意味で刺激になるだろうしな。」
「ま、まあ2人がそう言うならいいか。」
「ほらユウ兄ぃ達、早いとこ朝食済ませて出発しましょうよ。」
「そうだな。良し皆、早いとこ食べて出発しよう。」
ユウ達は手早く朝食を済ませると、各々で支度を整えた
それから暫くして、漸く出立の時となった
「じゃあ皆、準備は良いか?」
「何時でもOKでさあ、若。」
「私もバッチリよユウ兄ぃ。」
「爺や、ピターニア、済まないが暫く留守を頼む。ルシア、良い子で待っているんだぞ?」
「はい、お任せ下さい王様、皆さんもどうかお気を付けて!」
「お任せ下され。城の事は私めらにお任せを…」
「父上もお気を付けて!ユウさん達も気を付けて下さいね。」
「有難う。よし、じゃあシスル、頼むぞ。」
「任せて。さあ皆、ワタシの側へ来て頂戴。」
かくしてユウ達一行は、奏鐘士達を探すべく城を後にした
まずはシスルの転移魔法で再びユウの村へと戻り、まだ滞在しているであろう奏鐘士の1人である、スティーノスを迎えに行く事となった
この先、何が起こるのか…そしてハーネが見たという夢の意味とは?
若干の不安を覚えつつも、皆がいれば困難をも乗り越えられる、其々がそう思いながら進んで行くのであった……
漸く奏鐘士を探しに…この先の展開は如何に