今頃になって問題児が一人異世界から来るそうですよ? 作:神園龍一郎
視界が一瞬の暗転の後切り替わる。
最初に天月の目に映ったのは日本のかなり昔の時代の家々だった。
「なっ、どこだここ!」
とっさに周りを確認するがどう見ても箱庭の風景とは全く違っていた。
そして目の前にいたはずの炎神の姿もなかった。
「くそっ…完全に油断した…」
焦っても仕方ない。
今はこの状況を打破するために冷静にならなければ。
天月は一度深く息を吸って心を落ち着かせる。
そして冷静になった頭で考える。
普通に考えてどこか別の場所に飛ばされたのだろう。
建物とかを見た感じ日本の1600年代くらいだろうか。
月の高さからして箱庭のあの時の時間と大差ないみたいだ。
とりあえずここにいても仕方がない。
周りを探索しようと天月が足を進めようとしたその時
カランッカラン______
どこからか下駄の音がする。
カランッカラン______
その音は次第に天月のいる場所に近ずいてくる。
天月に緊張が走る。
カランッカラン______
しかしその音は目視できるはずの距離まで近ずいてきているはずなのに見ることがてきない。
カランッ______
そして遂に音は天月の立つ場所まで来て音が止んだ。
あたりを静寂が埋め尽くす。
音の主は絶対に天月のすぐ近くにいるはずだ。
天月の頬に一筋の汗がつたう。
微動だにしないまま5分ほどの時間が過ぎる。
何も起きない…
おかしいなと思い、天月は動こうとしたが右手に違和感があることに気づく。
そこにはいつの間に握られていたのか一枚の紙が握られていた。
『ギフトゲーム″大盗賊の秘宝″
・プレイヤー一覧 天月零
・ホストマスター側 勝利条件
一、全秘宝の奪取
二、プレイヤーから発見され三度の逃走成功
・プレイヤー側 勝利条件
一、制限時間まで秘宝を護りきる
二、ホストマスターの捕獲・処刑
三、ホストマスターの謎を解く
秘宝を奪われれば闇を深め、謎を解けば闇を晴らす
秘宝は5つ、刀のみ
鐘の音が鳴りし刻から光照らすまで護られたし
熱き水に焼かれ、息絶えし者が守り抜きし者
一度の過ちは許されど、二度の過ちは許されず
今こそ示そう我が盗手
我こそは安土の大盗賊″石川五右衛門″
我に盗めぬ物は無し』
ギアスロールを読み終えた瞬間
ゴーン、ゴーン、ゴーン
突然鐘の音が鳴り響く。
「なるほど、これが開始の合図か」
読み終えたギアスロールを畳みポケットにしまう。
「相手は天下の石川五右衛門…いいぜ相手になってやるよ!」
天月は不敵に笑い、秘宝と言われる刀を探しに安土桃山時代の街を走り出した。
次の更新は3月22日です。
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