Decide Zone Zero   作:犬咲夫藍

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モンハンの新作で次々と新モンスターを狩っていく中、リオレウスが出てきた時の安心感は異常。慣れない敵をガクブルしながら倒してた所に狩り慣れた奴が来たらもう、ね?


九話 摩耗した心と見透かす男

 

「何だと!?テメェ!!」

 

クレタはそう言って俺に掴みかかろうとしてきた。

 

くッ……!怯むな!ここで畳み掛けないと詰むぞ俺!

 

「間抜けな警戒心だって言ってんだよ!」

 

「「「!」」」

 

「待って!おチビちゃん!」

「待ってくれ!お嬢!」

「一旦落ち着いてくれ!お嬢!」

 

「!?なんで止めるんだよ!」

 

俺の発言をうけて、三人は慌ててクレタを止めた。

 

フッ!思った通りだぜ!

凡そ俺が悪いやつかどうかこっそり見極めようとしてたんだろう?

 

そして、それに気がついた俺が敢えて指摘したことで意図を測りかねている!だから俺の話を聞こうとしている!

そうだろう!

 

「「「……。」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

沈黙は肯定とみなすぜ?

御三方。

 

 

 

 

うーん!我ながら天↑才↓的な脳の冴えだ!ここまで完璧に事を運ぶとは!

深謀遠慮たるこの俺に不可能はない!

 

後は"まあでも唯一の友達が悪いやつで、クレタが被害に遭わないか心配になる気持ちも分かりますよ"的なことを言って誤魔化せば良いだろう*1

 

我が計略に一切の死角なし!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【お前らみたいなのにクレタを任せられるか!俺がもらっていくぜ!】

 

【みんなの前でクレタに求婚するのは恥ずかしいのでペロペロするだけにしよう!】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フッ!(泣)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クロトは めのまえが まっくらになった!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しんぼうえんりょ!……w*2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いや笑ってる場合じゃないと思うんですけど(凡推理)。*3

 

 

 

……なんか一周回って冷静になってきたな。

 

ヨシ!考えてみようか。

 

【お前らみたいなのにクレタを任せられるか!俺がもらっていくぜ!】

 

のデメリットはやはりクレタとの関係性への悪影響だろう。

 

 

家族の前でプロポーズまがいのことをされてみろ、絶対恥ずかしい。

いくらクレタが俺のことを好き(もちろん恋愛的な意味で)でもこれはキツイはずだし、最悪の場合絶縁されるだろう。それは嫌だ(切実)。

 

 

あとグレースさん達に"やっぱり悪いやつじゃないか!"と思われる可能性があり、本末転倒なので却下だな。

 

 

じゃあ次は

 

【みんなの前でクレタに求婚するのは恥ずかしいのでペロペロするだけにしよう!】

 

のデメリットについてだ。

 

これのデメリットはやはりクレタとの関係性への悪影響だろう。

 

 

家族の前でそんなことをされてみろ、絶対恥ずかしい。

いくらクレタが俺のことを好き(もちろん恋愛的な意味で)でもこれはキツイはずだし、多分確実に絶縁されるだろう。それは嫌だ(超切実)。

 

あとグレースさん達に"やっぱり悪いやつじゃないか!"と思われるのが確定、本末転倒なので却下だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……あれ?

 

もしかして…… "詰み" ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして俺は選択しない限り動き出すことのない世界で

考えるのを、選択することを辞めた。

 

選ばない奴の見る世界は色を失ったままだ。

 

停止世界における

クレタの燃えるような赤髪は、まるで燃え尽きた灰のような色だが、そこに二度と火が灯ることはなかった。

 

バッドエンドルート1

"Can't decide"

 

 

 

 

って、言ってる場合じゃねぇ!

選ばなきゃ……!

 

考えろ!前者と後者を比べたらデメリットが殆ど同じでまるでコピペしたみたいな感じだけど!前者の方がまだデメリットを受ける可能性が少ない!

 

"失敗の可能性"と"失敗が確実"なら前者を選ぶ!

 

俺が選ぶのは

 

 

『お前らみたいなのにクレタを任せられるか!俺がもらっていくぜ!』

 

だ!

 

ピコン!

 

「お前らみたいなのにクレタを任せられるか!俺がもらっていくぜ!」

 

 

「「「!?!?!?」」」

 

「な、ななな……」

 

 

 

 

ななな?

 

 

 

 

「何だと!?テメェ!……///」

 

 

 

 

クレタは顔を真っ赤にしてそう言った。

 

 

 

 

 

 

カワ(・∀・)イイ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さぁて!こっからが本番だせ!

どうしようか……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本当にどうしよう?

 

 

 

 

 

はわわ(。>﹏<。)……!

 

 

 

 

 

 

Sideグレース

 

 

「間抜けな警戒心だって言ってんだよ!」

 

その言葉を聞いた瞬間、この子が私たちの思惑を見抜いていたことに気がついた。

 

 

それを堂々と宣言した真意は何かを考えたかったけれど、おチビちゃんが今にも彼に掴み掛かろうとしていたので慌てて止めざるを得なかった。

元はと言えば私たちが悪かったのだから。

 

 

おチビちゃんを止めた後、私は彼の言動について考えていた。

 

私達の警戒心を看破して、尚且つそれを態々声を大にして指摘した理由は一体?

 

ホルスさん*4がいなくなってから、私達は大きく追い詰められた。

 

彼の創り上げた会社、白祇重工の従業員は殆ど辞めてしまい、株価は大幅に下落、世間からの風当たりも強くなり、取引できる会社は極わずかになってしまったからね。

 

けれど、それでも残った少数の従業員とともに、なんとか会社を維持し続けていた。

 

ホルスさんは私の恩人だ。

身寄りのない私を養子に迎えて雇ってくれて、私に居場所を与えてくれた。

おチビちゃんという家族もできた。

 

彼の会社を終わらせたくなかったし、おチビちゃんを守りたかったんだ。

 

そこからの日々は激務だった。ホルスさんと進めていた知能工業用重機の開発、これが成功するかどうかで会社の今後が左右されるというプレッシャーの中、毎日毎日、何度も何度も実験と失敗を繰り返した。

恩人への悪口を耐えながら。

 

だから段々と心が摩耗していった。

 

アンドーも同じようなものだ。

彼ははホルスさんの養子ではないものの、ホルスさんを尊敬していて、失踪騒動があった後もホルスさんを信じて会社に残ることを選び、広報担当として各地を駆け回り、ホルスさんへの侮辱に耐えながら仕事を手に入れてきて、現場監督として誰よりも体を動かして働いていた。

 

たまに彼が、自身が兄弟と呼んでいるドリルに"オレじゃこの会社を守ることは無理かもしれねぇ……!"と弱音をこぼしていたことを覚えているよ。

 

 

ベンは少し特殊だ。失踪騒動があるまで、彼は平社員に過ぎなかったが、騒動の後におチビちゃんに能力を見込まれ会計として幹部まで上り詰めた。

日々帳簿と向き合い、資金繰りに苦心する毎日。自分を見いだしてくれたおチビちゃんに恩義を感じて、それに報いようと、慣れない幹部という立場にも関わらず、少しでも新しい環境に慣れようと毎日夜遅くまで必死で努力していた。

 

彼の読んでいた、上司の心構えや、計算ソフトの使い方について書かれた本に付箋が沢山貼ってあったことは印象的だ。

 

みんな、追い詰められていた。

 

おチビちゃんもそんな私達を見て、幼い自分を抑えて、年頃の子供らしく友達と遊んだりせずに、次期社長として一刻も早く会社を立て直せるように努めていたんだ。

 

私達は、それが不甲斐なかった……!

 

親をなくした幼い少女にそんな責任感を抱かせ、、私達のために無理をさせていることが……!

 

だから久しぶりに彼女に友達ができたと聞いて、本当に嬉しかった。

 

新しくできた友達のことを話す時の彼女は年齢そのままの等身大の子どもに戻っていて、とっても嬉しそうだったんだ。

 

すぐにでも会いたかったけれど、久しく友達がいなかったおチビちゃんは中々家に誘えずにいたから会えなかった。

こっそり見ようにも仕事で忙しくてそんな暇はなかったしね。

 

だがついに昨日

何故か顔を赤くしたおチビちゃんから

件の友達を家に呼ぶつもりだと聞かされた。

 

私達は喜んだ。ついにおチビちゃんにもそこまで心を開ける同世代の友達が出来たんだ!と。

 

けれど同時にとても心配になった。

もしその友達が悪い子だったら、と。

 

だからおチビちゃんの反対も押し切って無理やり迎えに行って、その子の人柄を確かめようとした。

 

アンドーとベンには私とおチビちゃんの家に来て貰って、一緒に見極めることになった。

 

もちろんおチビちゃんには内緒で。

 

そして迎えた今日、ついに対面した彼、クロト君はこちらの思惑に思い至った様子もなく、普通に*5家に来た。

 

そしてこのままみんなと見極めようとしていると"間抜けな警戒心"と言われてしまった。

 

 

うーん、分からないね。

どうしてそれを私達に言う必要があったんだい?牽制にしたって逆効果だ。

 

そうやって彼の発言の意図を測りかねていると彼は突然覚悟を決めたような顔で

 

 

「お前らみたいなのにクレタを任せられるか!俺がもらっていくぜ!」

 

 

なんて、とんでもないことを言ってのけた!

 

 

な、何を言っているんだいこの子は!?

お姉さん、君たちにはそういうのはまだ早いと思うな!

*1
浅謀近慮

*2
なにわろてんねん

*3
ワイトもそう思います

*4
クレタの父親の名前

*5
普通の人は車と並走しないと思うんすけど




次回、決着……!

展開が遅くて申し訳ねぇ!
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