Decide Zone Zero   作:犬咲夫藍

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お知らせ:今回の話から選択肢の表記を『』から【】に変えます。


一九話 入学式と再会した娘

チュンチュン チュンチュン

 

ある日の朝。小鳥の甲高い囀りが、鼓膜を揺らした。今が朝だと認識する。そして、ゆっくりと起き上がって、ぼんやりとした頭でカーテンを開けた。陽の光が差す。"ああ、朝だ"と確信した。

 

今日もまた、いつものようにスマホを起動して、ブルーライトで目を覚まそうとしたところ、クレタからのメッセージがあることに気が付いた。

 

 

クレタ:やばい、緊張して全然眠れなかった!

 

クレタ:もう朝になってやがる!

 

 

うーん、可愛い。

 

【「雑魚乙www」と返信する】

 

【「今日も可愛いな」と返信する】

 

小鳥の囀りが止み、目が覚めた。

 

うーん、選択肢だ(クソが)

そんなある日の朝だった。

 

ちなみにその"ある日"は入学式の日でもある。

 

入学式の朝からとんでもない爆弾残しやがったなマジで……!

 

もちろん【下】を選んだ。

 

ピコン!

 

 

 

 

クレタ:(≧∀≦)キャー///

 

クレタ:ありがとな! 嬉しいぜ!

 

 

結婚しよ……。

 

 

 

〜体育館内〜

 

 

"入学式の始まりです。校長挨拶です。よく聞きやがれください"

 

 

司会のスーツの人のアナウンスが響く。ついに入学式が始まった。

 

館内の木造の壁には、紙で形作られた花や、紅白の垂れ幕等が装飾されていて、祝福の雰囲気を演出している。

更に床には、汚れるの防止する為か緑のシートが敷かれていて、その上には大量のパイプ椅子が規則的に並べられ、俺達新入生は前方の、父さんと母さん達保護者は後方の席に座っている。

 

ちなみにクレタは舟を漕いで眠そうにしているぞ。可愛いね。

 

ステージは緞帳が上がっていて、上方に赤いカーテンみたいなやつ、*1左右に赤いカーテンみたいなやつ、*2最後方には白いカーテンみたいなやつ*3が垂れていた。

更に、真ん中あたりに演台*4とマイクが置かれていて、こっちから見て右手には☆☆☆☆☆☆(ロックスター)中学校入学式という文字が書かれた木の板が立っていた。

 

というかステージのカーテンみたいなやつたちってそんな名前だったんだな……。

 

なんて考えているとステージの横に立っていたボンプがぽむぽむと舞台に登壇した。

 

あれが……校長?

マジで?

 

「ンナ」

 

ボンプは短い足で必死に体を支えながら、前のめりになった。

所謂ボンプ式お辞儀だ。

 

(((かわいい……!)))

 

皆の心が一つになった瞬間だった。

 

そしてお辞儀した後、演台に向かっていった。

 

あれ、ボンプの大きさでマイクに届くのか?

 

と思ったが、普通に台から顔を覗かせていた。

 

あの感じ、絶対台の裏に踏み台があるな……。ま、それはどうでもいいか。そんな事よりもボンプの校長挨拶なんて初めてだ。どんな事を言われるんだろうな。

 

なんか前世でもこういう式をやった分、色々考えられる余裕がある俺だった。

 

 

 

 

キィーン

 

マイクのスイッチを入れた時特有の甲高い音が、館内に響いた。

 

いよいよ校長の挨拶だ。なんて言うんだろうか?期待が頭に広がっていく。

ワクワク。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ンナ、ンナナ!(始まりの春ですね。皆さん、頑張りましょう!)」

 

そう言うとボンプ校長は、ステージから降りた。

 

 

 

 

 

ワクワk……え? もう終わりですか? 校長挨拶ってもうちょっと長いものだと思ってたんだが……。

前世今世含めてぶっちぎりナンバーワンの短さだったなぁ。内容は普通だったけど。

 

 

 

 

ん?

 

 

唐突に司会のスーツの人がマイクを取った。

 

キィーン

 

再びマイクのスイッチを入れた時特有の甲高い音が館内に響く。そして

 

「えー、皆さん。本学から支給された翻訳機は局地的にブチ壊れる仕様となってやがりまーす。と、いうわけで、私、司会のカイザーが翻訳してやるので貴様ら様は耳の穴かっぽじってよく聞きやがれくださいませ(校長、あんたの熱意は本物だ。俺は誰よりもそれを知ってる。分かってる。……けど、あんたは表現するのが苦手だ。絶望的にな。だからよ、校長。俺が! その熱意を! 熱い(ソウル)を! もっと本当のカタチで表現してやるぜ!!)」

 

「ンナ? (カイザー先生?)」

 

流れ変わったな……。

 

 

「コホン……

 

 

 

 

 

 

 

 

聞け! 殺戮の天使達よ!」

 

 

(((!?!?)))

 

お前は一体何を言ってるんだ。

いや本当に。

 

 

「運命に侵され、汚され、それでも抗い続ける気狂いの天使達よ! 自らを広大な世界のほんの塵芥だと自覚し、それでも自我を押し通す塵共よ!」

 

 

え、俺達のこと言ってる? 気狂い天使とか塵とか……まじ?

 

ざわ……ざわ……

 

館内で生徒達がざわついている。そりゃそうだ。いきなりよく分からん名称で呼ばれてるんだからな!

 

ざわ……ざわ……

 

親御さん達もざわついている。そりゃそうだ。いきなり自分の子供達がよく分からん名称で呼ばれてるんだからな!

 

だが、そんな空気もお構い無しにカイザー先生は続ける。

 

「学べ! 例え手足をもがれ! 凌辱の限りを尽くされても! 魂が宿る限り抗い殺す執念を!」

 

「「「おお」」」

 

「理解しろ! 貴様らの執念を押し通す術を! 一挙手一投足全てを! 化物退治に費やせ! 身につけるな! 換装しろ! 貴様らは今から殺人サイボークだッッッ!!!」

 

滅茶苦茶してて草。

絶対そんな事言ってないだろ。

 

「「「おおお!」」」

 

後なんで君達は感化されていってるの? お兄さんは君達の将来が心配だよ?

 

「ン、ンナ!? ンナn(ちょ、カイザー先生!?僕はそんな事言ってn)「いいか天使共! いいな塵共! 分かったな天使の塵(エンジェルダスト)共ぉ!!!」

 

「「「おおおおおお!!!」」」

 

入学生達の呼応の叫びが、会場内に響いた。余りの声量に会場が揺れ、照明が割れた。

 

自分で解説しといてあれだが俺は何を言ってるんだ。

 

「ンナ!(あなたを詐欺罪と器物損壊罪で訴えます! 理由は勿論、お分かりですね? あなたがこんな演説で皆を騙し、証明を破壊したからです! 覚悟の準備をしておいてください! 近い内に訴えます! 裁判も起こします! 裁判所にも、問答無用で来てもらいます! 慰謝料の準備もしておいて下さい! 貴方は犯罪者です! 刑務所にぶち込まれる楽しみにしておいて下さい! いいですね!)」

 

ボンプ校長の切実な訴えが聞こえる。まあそりゃそうだよな。自分の発言を曲解さまくって、挙句の果てに設備ぶっ壊されてんだもん。誰だってそうなる。俺だってそうなる。

 

けど、カイザー先生は

 

ジャーン!!

 

「てめぇらぁ!」

 

「「「おおお!」」」

 

「滅茶苦茶キモチイイコトってのは何か知ってるかぁ!?」

 

そんなのお構い無しに演奏し、呼びかけを始めた。こいつ無敵か?

 

「「「エーテリアスをぶち殺すことです!!」」」

 

「違ぁう!」

 

演奏のボルテージが上がってきた

 

「死ぬのはよぉ!セッ○スの二百倍キモチイイらしいなぁ!!」

 

おいカメラ止めろ。

 

ジャーン!

 

「お前らぁ!」

 

ジャーン!!

 

「お前らぁ!」

 

ジャーン!!!

 

「俺がぁ!」

 

「お前らを!」

 

「俺の歌でぇ!」

 

「ぶっ殺してやる!!!」

 

 

 

 

Wipeout!

 

〜間奏〜

 

侵食と殺戮の日々

肉が裂ける音がする

骨が砕ける音がする

侵されてくのは身体だけ?

 

wipout!

 

魂の振動(バイブレーション)絶頂に至るまで

 

慟哭(シャウト)

 

内臓をぶち撒けた(しをまえにした)先にある

 

慟哭(シャウト)

 

 

 

生きたい(ころしてやる)

 

 

 

あの温もりはもう存在しない

あの日々はもう戻らない

あの日、全てが終わったあの日から

この胸に刻まれたキズが

陽に当たる度にズキズキと痛む

だからもう

 

戻れないの

 

ママの微笑み(ぬくもり)は思い出の中に

 

パパの抱擁(ぬくもり)も思い出の中に

 

二人のいない毎日が思い出になっていく

 

きっと死んだのは私

私は多分悪い子だったから

だから今地獄にいるんだと

いつか二人が天国に行くときは、私も一緒に連れて行ってね

 

また笑って抱きしめて

 

それまで私は慟哭し(なき)続けるから

 

あなたのために捧げます

あなたのかわりに捧げます

 

生き残った(あなたがすくった)私を

 

 

 

 

 

 

 

演奏が、終わった。

 

 

"以上で入学式を終わります。帰りやがれください"

 

 

 

 

 

 

 

 

なんというか、流石☆☆☆小学校と同じ系列の中学校だな……。ハードな歌だぜ。ハード過ぎて親御さんたちなんてうちの父さんと母さん含めて気絶してるからね。

 

シーン

 

生徒達も沈黙してる。流石に刺激が強過ぎたようd「「「アンコール! アンコール!」」」

 

……(最近の若者の感性は)これもう分かんねぇな……(転生者並感)。

 

 

 

 

入学式が終わり、俺は父さんと母さんと一緒に帰っていた。

 

「う〜ん、紆余曲折がありつつも、クロトも今日で晴れて中学生か……」

 

「おめでたいわね〜」

 

「うんうん、本当におめでたいね……」

 

「ええ ええ、本当におめでたいわ〜」

 

「うんうんうん、本っ当におめでたいね……」

 

「ええ ええ ええ、本っ当におめでたいわねぇ……」

 

「月とスッポンの距離よりも大きく」

 

「きっと、宇宙の果てを飛び越えるほどに」

 

「「おめでたい(わ)ねぇ……」」

 

「はいはい……もういいから……」

 

口では二人を(なだ)めつつ、その、ふふ、(別に)下品(ではない話)なんですが、"ニヤニヤ"、しちゃいましてね……。

 

まあ流石に一週間毎日三食赤飯を出されると、もうええやろって気持ちにはなるけど。*5

 

ちなみにこの後はうちで入学祝いパーティーが開催される。

クレタ達も参加する。

 

宴の始まりだ!*6

 

 

 

 

翌日の翌日

 

学校内

 

楽しかったパーティーの記憶を胸に、俺は廊下を歩いていた。

 

ブォンブォンブォンジョルノ

 

……何だ今の音?

 

ブォンブォン

 

何かが物凄い勢いで振られている音が近づいてくる。そして

 

「「あ」」

 

曲がり角からエレンが現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【成長したサメのシリオンはとても危険だ。人が襲われたらやばい。今からでも遅くないボコボコにしよう】

 

【パンツを要求する】

 

はぁ……久しぶりの再会でも相変わらずだなお前な。

これまでエレンに百回以上要求して、全部Reject(ネイティブ)されてきたジャンアゼルバイジャン。

見苦しい真似はよせよ……。

 

ま、それだけパンツを要求してれば自然と誤魔化し方も覚えたんだけどな。

 

しょうがないが、【下】は絶対に選びたくないので必然的にパンツだ。

 

新エリー都パンツ選択肢はぐらかし選手権五年連続優勝の実績を持つ俺が、久々に華麗なる話術を披露する時だな。*7

 

刮目してくれよエレン!

一年ぶりのPANTY&AVOIDING with GARTERBELTを! (ガーターベルトの部分は置き換えが思いつきませんでした!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピコン!

 

「パンツください!」

 

まずはデカい声で言う! 意表を突く! そして……

 

「……ダメだけd「出ておじゃれ……隠れていても、獣は匂いで分かりますぞ」……隠れてないし、私獣じゃないんだけど……」

 

相手の返事を遮って意味不明なことを言う! 更に!

 

「成る程……確かにそうですね! ところで知ってましたか? (自然な話題転換)体育館のステージの、左右に垂れている赤いカーテンみたいなやつは袖幕、上の方に垂れている赤い短いカーテンみたいなやつは一文字幕って名前があるらしいですよ!」

 

自然な流れで話を上手い具合に逸らす!*8 雑学の話が効果的だ!

 

「……へぇ」

 

エレンの感心したような声から分かるように、パンツをくぐり抜けたことは確定的に明らかだ!

なんとか誤魔化せたな!

 

「いや全然誤魔化せてないから。くぐり抜けてないから。まるっきり顔に出てるから。てかその表現辞めな?もっと変態っぽくなるよ」

 

ふむ……。思考は顔に出ていた、と。

 

 

 

 

雑学二発目、いきまs「はいはい、もう分かったから。パンツなんて言葉、全然無かったね〜」

 

 

おお!

 

「ほら、これでいいんでしょ」

 

ヤレヤレといった風に、エレンはパンツ要求を無かったことにしてくれた。

 

ありがとな、エレン。

ま、今回も無事くぐり抜けたな、修羅場を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【雑学は二つあった!】

 

【雑学の邪魔すんじゃねぇ……殺すぞ】

 

ダメみたいですね……(諦め)

 

 

お前そんなに雑学にこだわりなかっただろうが! いきなりどうした! 丸く収めてくれる流れだったのによぉ!ふざっけんじゃねーよお前! 信じらんねぇ!

 

……はぁこうなった以上はしょうがない。考えようか。

 

どっちも内容的には変わらなそうだけど、【下】が物騒すぎるな……。

 

雑学は披露する、パンツもはぐらかす。両方やらなくちゃあいけないってのが、転生者の辛いところだな。

覚悟はいいか?俺はできてる。

 

【上】じゃい!

 

ピコン!

 

「体育館のステージの後ろに垂れてる白いカーテンみたいなやつの名前はホリゾント幕なんですよ(雑学二つ目)(鋼の意志)」

 

「へぇ……」

 

 

 

 

 

 

 

「じゃなくて……。はぁ、私今言ったよね? もう良いって言ったよね? どうしてそうまでして雑学を言おうとするの?」

 

 

いや、本当なんでなんだろうね……。私にも分からん(you know(ゆうのう)無能博士)

 

「全く……変わんないね、あんた」

 

なんやかんやありつつも、こうして俺とエレンは再会した。

*1
一文字幕

*2
袖幕

*3
ホリゾント幕

*4
講演者や発表者が立って話をする際に使用される台。資料等を置き、体を支えるのに用いられる。主に入学式や卒業式で見られる

*5
もっとツッコミどころがあっただろ

*6
それは違うソシャゲ

*7
なお参加者はクロト一人の模様

*8
言う程自然か?




余談ですが、入学式の歌のタイトルは「Bouquet of Colchicums for you 〜あなた達の最良の日々は過ぎ去った〜」です。シルバー小隊の唄が配信された時に考えました。

〜が面白かった! とか感想をくださると、そういう描写が増える可能性が高いかも知れませんよ……

ですので是非感想を!(切実) 高評価を!(重要) お気に入り登録を!(強欲)

次回! エレンの真意が明らかに!
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