Sideクロト
「へへへ!そのギャグ、滅茶苦茶面白いぜ!」
なんだ天使か……(悟り)。
俺の最低な発言にも関わらず、クレタは輝くような笑顔と共にそう返してきた。
これが建設会社次期社長の人間の器というわけか……。(立派ダァ……)
何はともあれ、今回の選択は冗談だったことにすればなんとか乗り切れそうだな!
「フッそうか……気に入ってくれてよかった。(一歩間違えれば友情崩壊だったし)」
「ああ!気に入ったぜ!ただまぁ、その、なんだ……今度からは場所を選んでくれよ?冗談だとしてもちょっと恥ずかしいからな///」カァーッ///*1
「……!(デュ、デュフフフ、デュフフフフフフwンドゥフwwンドゥフwwンドゥフwwフカヌポゥwwwコゥーwwwクレタ殿よ、可愛すぎますぞwww。っといけないいけない。クレタが可愛すぎて古いオタクみたいになってしまった。*2)」
「なんだ天使か……(ああ、以後気をつける)」
……あ。
「!?……!?!?い、いきなり何いってんだお前ぇ///!?」カァーッ///*3
「ちが、これは
ドタドタドタ!
クレタ は にげだした!
「言い間違いでぇ……」
「……帰るか。」
俺は涙とともにその場を去った。
この目から流れた涙の跡は、敗北の証だった……。
〜帰り道〜
ああ、帰宅ってこんなに悲しいものだったっけ?まあ調子に乗った馬鹿にはお似合いの末路か……。明日どんな顔してクレタに会えばいいんだ?
嫌われちゃったかな……?
なんて考えながらうつむいて帰っていると
背後から声をかけられた。
「ねえ……あんた、なんでそんなに落ち込んでんの?」
うぅ、そっとしておいてください……。
そう言おうと思いながら振り返ると
見覚えのある少女がいた。
左目の下にある2つのホクロと、大きな鮫の尻尾、気怠げな態度と、口にくわえた飴が特徴的な鮫のシリオンの"美少女"(重要)だった。
「あっ、エレン先輩……、そっとしておいて下さい……。」
彼女の名前はエレン・ジョー。
俺の通う小学校において、俺より1学年上の小学5年生の女の子だ。
「はぁ……。私だってできることならそうしたいけどさ。目の前で"今が人生のどん底ですー"みたいに歩いてる奴を見ながら帰るなんて嫌なんだよね。こっちまで気が滅入っちゃうし。」
まじか……。エレンがそう思って話しかけてくるなんて、
そんなに落ち込んでるように見えたのか俺。
「そんなに落ち込んでるように見えたんですか?」
「うん。5歩に1回は重いため息ついてたし、足取りも重そうだったし。それに……。」
「それに?」
「今私と対面してるのに、パンツを要求してこない。もしかしてあんた、クロトじゃないの?」
なんかそこだけ判断基準おかしくない?
だがそう、そうなのだ。俺は彼女に会うたびに"選択肢によって"あくまで"選択肢によって"パンツを要求させられていた。
最初にエレンに出会ったときは驚いたね。まさか原作キャラ、それもとりわけ人気な子と同じ学校だとは思わなかったし、出会った瞬間にアホの選択肢がでてきて
【サメのシリオンだ、人を食うかもしれないので出会い頭にボコボコにしよう】
【パンツを要求する】
なんて、馬鹿みたいな2択を突きつけて来やがったからな。
今思い返してもこれほど酷い選択肢はなかなかない。
後者は初対面の子にしていい発言じゃないし、下手したらある程度仲の良い子でも関係が崩れる可能性がある。
だが前者にいたってはシリオン差別ここに極まれりって感じで、初対面でも無二の親友でもこんな対応したら殺されても文句は言えない最低な行いだ。
原作キャラかどうかなんて関係なく、流石にそんなことはしたくなかった。
だから前者を選ばざるを得なかったんだ。もっともその後も彼女に会うたび同じような状況になってしまうことは予想だにしてなかったがな!
お陰で俺が女子に対して出会い頭にパンツを要求する変態だという噂が立ってしまったし、彼女の中で俺は、出会うたびにパンツを要求するしてくる変態な後輩になってしまった……。
クソが!
「いやいや、俺はクロトで間違ってないですよ。落ち込んでいるように見えるのはその、友達と不幸なすれ違いがあってですね?」
俺がそう言うとエレンは怪訝そうに言う。
「不幸なすれ違い?あんたって意外に難しい言葉使うんだね。ま、要するに友達と喧嘩したってことなんでしょ。ならさっさと謝りな。」
「いやいや!別に喧嘩したってわけじゃないんですよ?ただホントにすれ違い的なSomething(ネイティブ)があって……。
って、なんで俺が悪いことしたみたいに言ってんですか!まだ何にも言ってないでしょ!?俺のことなんだと思ってるんですか!」
「会うたびに私のパンツを要求してくる変態。」
「……ぐぅ。」
ぐぅの音も出ない正論に対して、せめて"ぐぅ"と言って対抗した俺なのだった……。
〜転生者説明中〜
「と、いうわけなんです。」
「ふーん……やっぱりあんたが悪いんじゃん。」
「うっ、ぐぅの音も出ません」
「さっきは言ってたのに?」
「あっいやそれはノリと言うかなんというか……」
「……(なんか楽しくなってきた。こいつってこんな奴だったんだ……。変態には変わりないけど、悪い変態じゃないのかもね。)けどまぁそのことは、そんなに気にしなくていいと思うよ。少なくとも嫌われることはないんじゃない?」
そういうものなのだろうか?
前世含めてあんまり友達がいなかったし、ましてや女友達なんて皆無だったからよく分からないんだよなぁ。
俺のほうが精神年齢的には2回り以上は上のはずなんだが……なんか恥ずかしいな。
「なるほど、そういうものなんですねぇ……。」
「そうそう。だからあんまり気にしないでいいの。
……どう?元気になった?」
俺なんかよりもクレタと同じくらいの娘の意見のほうが信憑性があるよな。
そう考えたら
なんか元気が出てきたな!
ありがとう!エレン!
【この恩は仇で返させてもらうぜ!ヒャッハー!と言いながら殴りかかる】
【元気になった証としていつも通りパンツを要求する】
くたばれ!選択肢!
なんか良い感じの雰囲気になってたのに!そんなに悪いやつじゃないんだな、みたいな顔になってたのに!
台無しだよこれじゃあ!
うううう!
でもこれ、後者一択だよな?少なくとも今までの態度とあんまり変わらないから関係はマイナスにはならない筈だ。
だが前者の場合関係はマイナスに振り切れるだろう。そんな非道なこと、絶対にやりたくない!
あと普通に返り討ちにされると思います。
いくら俺がなんやかんやあってかなり身体を鍛えているとしても、彼女の怪力には敵わない。うちの小学校で一番腕相撲が強いって実績は伊達じゃないのだ*7。年の差もあるしな……。子供の1年、しかも男女には身体能力に結構差があるんだ。
大人しく後者を選ぶか……。
選ぶかぁ……(泣)。
「はい!パンツください!」
「……。
元気になったなら良かったそれじゃあねバイバイ」
スタスタスタ
は、速ぇ……。
まあ、元気にはなったし今度こそ帰ろうか。
その後のエレン
ポチポチ
「サ、ム、シ、ン、グ、と
へぇ、こういう意味なんだ。
あいつ意外と頭いいのかな。なんか複雑。」