石堂シュウ「私が…初星学園のプロデューサー…?」   作:のーば

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 私の名前は、石堂シュウ。地球防衛隊日本支部、宇宙科学局に所属する特別調査員だ。
 数ヶ月前、私は「K-DAY」と呼ばれる16年前に発生した同時多発怪獣災害事件以降、怪獣災害が頻発する地方都市、星元市の怪獣災害調査のため、怪獣防災科学調査所・通称「SKIP」の星元市分所に常駐し、飛世ユウマくんをはじめとしたSKIPの仲間たち、星元市に現れた光の巨人・ウルトラマンアークとともに、数々の怪獣災害を解決してきた。(といっても、ほとんどがアークの活躍による所が大きいのだが。)
 記録上最後のアークの戦いとなる夢幻獣ギルバグ、暗黒宇宙戦士スイードとの戦いを最後に、ウルトラマンアークは宇宙へと旅立った。
 アークが去った後、程なくして減少傾向にあった星元市の怪獣災害はほぼ沈静化。それと同時に、私もSKIPへの常駐任務が終了となり、防衛隊本部へと戻ることとなった。すぐにでも次の任務に取り掛かってほしい、と本部からは連絡が来ている。
 私自身にとっても大きな経験となった星元市を去ることになるのは物寂しいが、これも私の大切な仕事だ。次は一体、どんな仕事になるのだろうか──



プロローグ

──地球防衛隊 日本支部

「失礼します、班長」

「星元市から戻ったばかりで呼び立ててすまないな」

「いえ、構いません。それで、話とは」

 彼の名は、丹生谷。地球防衛隊日本支部の班長であり、私の直接の上司にあたる。

「星元市の怪獣災害が収まってから、しばらくは大きな事案も起きていなかったんだがな。これを見てくれ」

 そう言って班長が私に提示してきたのは、とある地方都市の観測図。怪獣災害などで影響のあるエリアを特定するために使用しているものだ。

「これは……周辺地形に謎の周波数が検知されていますね」

「現状、謎の周波数が出ている以外に報告は上がっていないが……どうも気になってな」

 確かに、違和感はある。星元市を筆頭とした怪獣災害が収まりつつある今だからこそ、充分調査するに値する案件だ。

「では、それの調査というわけですか。確かに、念には念を入れるべきかと思いますが……なぜ私に?」

「実はだな……ここ周辺が一つの学校施設になっているんだ。学園そのものの規模も大きい事もあるが……事件性はないことから、表立って防衛隊を派遣するわけにもいかない」

「なるほど……であれば、確かにオニキスの件と同様に少人数での潜入調査、という形で進めるのが最善かもしれません。わかりました、引き受けましょう」

「そう言ってもらえると助かる。潜入先の資料は今送った通りだ。潜入先で違和感のないように、先方と所属についても調整している。頼んだぞ、石堂」

「わかりました、それでは失礼します」

 軽く礼をし、班長室を後にする。タブレットを確認すると、早速調査先の情報が送信されていた。

「調査先は……初星学園?」

 

---

 

──天川市 初星学園

「ここが初星学園、ですか……」

 初星学園。アイドルの育成・プロデュースをカリキュラムとして取り入れた、長い歴史を持つ世界的にも有名なアイドル養成学校だ。

 私の目的は、学園周辺で観測されている異常な周波数の原因を探ること。しかし、初星学園がある天川市には防衛隊の支所がなく、さらに表立って防衛隊が調査を行えるほどの事象にはなっていないことから、星元市案件のように、初星学園へ関係者として常駐することになった。

「のは、いいんですが……」

 正直に言えば、気が重い。SKIPに常駐した際は、私自身特別調査員という身分を明かしそのまま活動ができていたが……今回の常駐先では、機密保持の観点から私が防衛隊であることを知っているのは初星学園の学園長と、一部の内部関係者のみだ。どうしても肩身の狭さを感じてしまう。

 こういう時、ユウマ君ならどうするだろうか……と考えながら校門の前の受付へ到着すると、そこには既に出迎えが来ていた。

「あなたが石堂シュウさん?」

「ええ、はじめまして。貴方は、十王星南さんですね」

 十王星南。初星学園の生徒会長にして、初星学園における最強のアイドルの称号である"一番星"の称号を持つ、文字通り学園の「顔」とも言える存在だ。事前にリサーチする上で、最も顔を見た初星学園の関係者と言っても過言ではない。

「"一番星"自らお出迎えいただけて光栄です」

「私のこともリサーチ済みなんですね。流石は防衛隊の特別調査員さんですか」

 星南さんは少し私のことを警戒している様子だ。無理もない、いくら防衛隊とはいえ、自分たちの生活とあまり結びつかない、それも素性の知らない人間を学園に招き入れるのは些か抵抗があるはずだ。

「いえ、個人的な興味です。これまでアイドルという職業とは無縁な生活だったものですから」

 実際、半分は本当だ。私はこれまでアイドルというものにはあまり興味のない生活を送っていた。木内さん……昔の同僚はある程度知っていたようで、765プロというアイドル事務所が有名だった、という話を本人から聞いたことがあるくらいの認識だ。

「どんな理由にしろ、私達のことを知ってくれるのは嬉しいことです。事情は学園長から伺っています。どうぞこちらへ」

 星南さんは少し警戒を解いてくれたような表情を浮かべつつ、私を学園長室まで案内してくれた。

 道中、星南さんと歩く私を見て生徒たちがヒソヒソと噂話のようなものをしているのを何度か見かけた。変な噂を立てられないといいのだが……

 

---

 

──初星学園 学園長室

「失礼します、学園長。防衛隊の石堂さんをお連れしました」

「おお、星南か。入りなさい」

 星南さんが学園長室の扉を開くと、星南さんに合わせて、私も会釈をする。

「失礼します」

「君が防衛隊の調査員か。話は丹生谷さんから聞いているぞ」

 やはり、班長が既に話を通してくれているようだ。そうなれば話は早い。

「石堂シュウと申します。この度は学園付近で調査の許可をいただき、ありがとうございます」

「生徒に何かあっては、学園長として顔が立たん。こちらこそ感謝するわい。くまなく調べてくれて構わんぞ」

「ありがとうございます。班長……丹生谷からは、現地で常駐のための役職を仮でいただけると伺っているのですが」

「ああ、その話だがね。私に提案があるのだが……」

 学園長……十王邦夫さんは、大きく目を見開く。

「石堂シュウくん、アイドルのプロデュースに興味はないかね?」

「…………はい?」

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