石堂シュウ「私が…初星学園のプロデューサー…?」   作:のーば

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石堂シュウの日記 その5

ついに清夏さんがやる気を出してくれた。

課題は山積みだが、一歩前進だと言っていいだろう。いろんな偶然が積み重なった結果だが、ライブに招待してくれた星南さんをはじめ、皆に感謝しなければ。

彼女が抱えていた秘密は、私にも似た経験があった「過去の傷」と言えるものだ。自分にはあくまで支えることしかできないが、できる限り寄り添っていきたい、と思う。(彼女のプライバシーのためにこれ以上は記載しない)

今日の特筆点はもう一つ。亜紗里先生にご教授いただいていたプロデューサー科の臨時講座を無事修了したのだ。これで、仮で与えられていた称号としてでなく、正式にプロデューサーとしての活動を本格化させることができるだろう。

これまでは清夏さんにも最低限のサポートしかできていなかったが、ここからは私としても未知の領域だ。彼女はどんなアイドルになるのだろうか。その見えない未来が自分にかかっていると思うと、身が引き締まる思いだ。

この責任感は、プロデューサーとしての自覚が芽生えてきた証拠だろうか。自分で書いていると少し気恥ずかしい気もするが。どうあれ、与えられた役割以上に精勤感を持って事にあたっていこう。

そういえば、まだ自分がプロデューサーをしていることをユウマくんには話していなかった。理由は単純で、自分がユウマくんの立場だったとして、「防衛隊の潜入任務の一環で、アイドル養成学校でプロデュースをしています」といきなり言われても理解が及ばないだろう、と直感的に理解したからだ。

しかし、いつまでも秘密にしておくこともできないので、次回の報告会で話しておこうと思う。ユウマくんはどんな反応をするだろうか。

逆に、今回の怪獣災害で連携している元アー担には、自分が初星学園でプロデューサーをしていることが丹生谷班長経由で伝わっている。

彼はどうやら大のアイドル好きらしく、星南さんをはじめ、それなりに初星学園についても知っているようだった。今は、定期的にアイドル業界について教えてもらっているのだが、どうやらアイドルの世界は自分が思うよりも遥かに奥深いようだ。何せ、自分くらいの年齢の男性が前職を生かしつつ活動していることもあるんだとか。詳細をじっくり調べたわけではないが、セカンドキャリアとして「アイドル」というものが選択肢に入るということは、芸能界に疎い自分には想像もつかなかった。

幅広い知識を得るためにも、一度しっかり初星学園の生徒ではなく、世間で成功しているアイドルに注目してみるのも悪くないだろう。ライブに清夏さんを連れて行くのも、刺激になるかもしれない。

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