石堂シュウ「私が…初星学園のプロデューサー…?」   作:のーば

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雨夜燕実装〜〜〜〜!!!!!うれし〜〜〜〜!!!!!!


第11話「不穏なるネロンガ」

 

──天川市 市街地

 

「ユウマくん、あれは……!」

 地響きが鳴っていた方角へと駆けつけた自分とユウマくんが見たのは、間違いなく姿を現したネロンガだった。

「やっぱりネロンガ、でも、あの体色は…!?」

 ネロンガなことは間違いない。だが、その体色は黒く、通常ネロンガの触覚は前に向いているが、後ろに向いている。

「やはり通常のネロンガとはなにか異なるのかもしれません、シュウさんはなるべく離れて防衛隊へ指示を!僕は住民の避難を進めます!」

 そう言うと、自分の返答よりも前にユウマくんは走り出してしまった。

「ユウマく……仕方ない!」

 ユウマくんを追いかけてもいいが、やはりユウマくんの言う通り、自分は防衛隊の出動指揮を行わなければ!

 

 

──初星学園

 

『市内に、怪獣の出現が確認されました!在校中の生徒は、すぐに避難を──』

 サイレンが鳴り響き、避難喚起のアナウンスが校内中に放送されている。自分はというと、プロデューサーの安否が気になり、真っ先にプロデューサー室へとやって来ていた。

「Pっち!って、いない……!」

 もう避難したのだろうか。もしかすると、外に出てしまっているのかも。いろんなことが頭の中を駆け巡る。

「もう、連絡つかないし……!」

 アナウンスが聞こえてから、すぐにプロデューサーには連絡している。それでも、チャットに既読はつかない。

 ──電波は通っている。もしかしたら、避難中で連絡が取れないだけなのかもしれないけれど。

 この間は、学園内で避難誘導をしていたのを知っていたし、怪獣災害なんて実感もなかったから、考える余裕なんてなかった。でも、さっきまで会話をしていて、今どこにいるのかわからないなんて状況が、焦りと不安を募らせる。

「清夏!ここにいたのね!」

「咲季っち、なんでここに!?」

「点呼で探しに来たのよ。……あれ?リーリヤは一緒じゃないの?」

「え?リーリヤ?今日は確か、新作のゲームを買いに行く、って……!」

 それはつまり、リーリヤの所在が掴めないということを意味していた。

「……今は仕方ないわ、とにかく講堂に行くわよ」

「咲季っち、でも」

「わかってるわ。でもまずは、あなただけでも無事を知らせないとでしょう」

 咲季っちは冷静だ。このリーダーシップに、支えられてきたクラスメイトも多い。あたしの焦りも、しっかり見抜いている。

「……わかった」

 みんな、無事でいてほしい。そう願うことしか、できないのが悔しい。

 

 

──天川市 市街地内 防衛隊臨時本部

 

 防衛隊が出動し、ユウマくんと共に避難誘導が順調に進む。その一方で、ネロンガは行動を起こさない。

「なぜ今になって現れた……?」

 ネロンガは”透明怪獣”と銘打たれている通り、普段はその体表を電子イオンの働きによって透明化させている。その姿を表す時は、概ね興奮状態か、主な餌である電気を食らっている時だが……そんな様子もなく、微動だにしていない。見たところ、エネルギー切れというわけでもないが……

『シュウさん!周囲の避難、完了しました!』

 考え事をしていると、ユウマくんから無線が入ってきた。無線が通じるということは、無事避難誘導を終えたのだろう。

「ありがとうございます」

 流石はユウマくん。前回のシャゴン案件の際も、市民の避難を率先して支援してくれたと、防衛隊側からも報告が上がっていた。

『……やっぱり、あのネロンガ、何かがおかしいです。なんというか、機械的というか……多分ですけど、あのまま周囲の電気を捕食しているみたいです』

「それは……確かに、今現在透明でなくなっていることにも、さっきユウマくんの携帯の件も、説明がつきますね」

 あのネロンガは今もなお捕食活動を続けているのなら、確かに姿が透明でないことにも説明がつく。しかし、ではなぜ今まで姿を現さなかったのか?

 少なくとも、ユウマくんが電力を食われた時は姿を現していなかったはず。もし、自在に捕食時でも透明になれる個体とすれば……危険だ。今はおとなしいかもしれないが、一定以上のエネルギーを蓄えて暴走などしたら、予想だにしない行動を起こすリスクがある。

「わかりました、一度こちらへ戻ってきてください。対策を立てましょう」

『わかりました!』

 ユウマくんとの無線が切れる。

 こういう特殊ケースは今までも何度か遭遇している(星元市でのゴメスSP改めスペッキオの案件が記憶に新しい)が、あのようなイレギュラーがある以上は、慎重に行動しなければならないのは間違いない。もし移動を開始すれば、他の施設にも……

 しまった。初星学園のことが頭から一瞬抜けていた。ホーム気分などと言っていたのに!

 慌てて潜入用の携帯を手に取ると、恐ろしいほどの着信が清夏さんからかかってきていた。

「しまった……」

 間違いない。不安にさせている。すぐに連絡をしなければ。

 現地スタッフに断りを入れて、持ち場を離れる。15分前から着信は途絶えているが、避難はできているのだろうか……

 チャットが来ていた。『講堂に避難してる……』と通知が来ていた。念の為、電話もかけておこう。

TELLLLL……

「すみません、石堂です」

『Pっち!?今どこ!?』

 着信が繋がった瞬間思わず携帯から耳を離しそうになる大声が耳を刺す。

「駅前です。避難誘導をしていたもので、携帯を見れていませんでした」

『そっ、か……ごめん、何回も連絡して』

「いえ、不安にさせてしまってすみません。皆さん無事ですか?」

『それが……』

 清夏さんの説明によると、リーリヤさんが外出しており、他にもクラスメイトがアルバイトで外出していて、居場所が掴めていない、と。

「……なるほど、私の方でも探してみます。くれぐれも、不用意に行動しないように」

『わかったけど……大丈夫?』

「心配は無用です、怪獣災害には経験がありますから。もし何かあればすぐ連絡を」

 一言だけ添えて、通話を切る。

 アルバイトの方は……1年1組なら、藤田ことねさんだろう。星南さんが目をかけているという……バイト先までは特定できないが、アルバイト中なら避難できているはずだ。

 問題はリーリヤさんだ。外出しているとなると、まず場所がどこかだが……ゲームを買いに行ったということは、この付近だとショッピングモールか。

 付近のショッピングモールは、今広域避難所として機能しているだろう。その点で言えば安全だ。だが、ネロンガが佇んで、電力を喰らっている場所からさほど遠くない位置にある。何も、なければいいのだが……

 

続く

 

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