石堂シュウ「私が…初星学園のプロデューサー…?」 作:のーば
星元市の案件以来、どうも日記を記さなければ落ち着かない日々が続く。今回の案件も長引く可能性が高いため、こうして日記に残すこととした。
災害予見のある天川市の潜入調査のため、初星学園へとやってきた私は、なんとアイドルのプロデューサーを目指す学生の一員として活動することになった。
初星学園が全国有数のアイドル養成学校であることは事前に丹生谷班長から聞かされていたが、まさか自分がプロデューサーになるとは……所属については調整済み、と伝達されていたことも含めて、一度本部に確認を取る必要がある。
だが、これはある意味チャンスかもしれない。初星学園に常駐する上で、学生と積極的にコミュニケーションを取る事ができるポジションなのは間違いない。もちろん、下手なことをすれば防衛隊の威信にも関わってしまうが……プロデューサー科はアイドル科と切って切れない関係性がある。私がプロデューサー科として所属する上であまり言い方は良くないが、思春期の学生はウワサ好きも少なくない。なにか手がかりになるのなら、怪しまれずに学生と会話できるプロデューサー科は絶好のポジションかもしれない。
しかし、前述の通り、もし何かあれば私自身のみならず防衛隊の威信に大きな傷をつけてしまう。気を引き締めていきたい。(特に、不必要な生徒とのコミュニケーションは要注意。相手が未成年の学生であることを常に考慮して接する必要がある。)
そして、そんなプロデューサーとして早速気になる生徒と出会った。どうもよく授業やレッスンをサボタージュしているようで、話したときも「ダルいから」と言っていた。
普通の感覚で言えばあり得ない。学費も安くはなく、入学すら難しい初星学園でわざわざサボタージュをする理由はないはずだ。まだ一度会って話しただけだが、どこか放っておけない雰囲気をまとっていた……。今こうして思い返せば、アークのことをはぐらかしていた時のユウマくんに近いのかもしれない。
彼女にもどうしても話せない事情があって、それを誤魔化すためにあえて不良を演じているかのような……そんな気がしてならない。
あえて深く詮索する気はないが、もし私がプロデューサーとして彼女の心に寄り添えるならば、力になってあげたい。そう感じさせる何かが、彼女にはある。
とにかく、私のプロデューサー生活始めての担当アイドルとして、スカウトを試みる予定だ。望みは薄いが、明日、声をかけにいこう。