ハイスクールD×D 終焉に抗う暁の太陽   作:ドラゴン大好きT

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初めましての方は初めまして。そうじゃない人はお久しぶりです!ドラゴン大好きTと申します。
今回から赤と煌黒の軌跡リメイク版を始めていきたいと思います。お楽しみに〜!


旧校舎のディアボロス
第1話 俺は弟です


 

 

「あなたなんかだいっ嫌い!」

 

悲痛に満ちたその声が耳から離れない。

 

「あなたのせいで私の人生はめちゃくちゃよ!」

 

絶望の悲鳴が俺の心を押し潰す

 

「あなたはただの怪物よ!」

 

侮蔑の言葉がいまも俺の心を掴んで離さない。

 

生きるとはつまり、地獄を歩むということだ。

 

***

 

俺の名前は兵藤秀次。駒王学園の二年生。青春を謳歌しているかは怪しい男子高校生だ。

なぜ、青春を謳歌していると断言できないのか。その理由はね……。

 

──俺には友人がほとんどいないから!数える程度にしかいないんだ。悲しいね。

けど俺の名前は学校でも有名だったりする。二大お姉さま、学園の王子さま、学園のマスコット、変態三人組に並ぶくらいには有名だ。

 

……やっぱり最後のやつらと俺は有名人の欄から除外しよう。一緒に並べては他の有名人たちがあまりにかわいそうだ。

まあ、その変態三人組と俺との間には、切っても切れない縁があるんだが……。

 

そんな俺の異名は──土下座の秀次(ひでつぐ)である。

 

「俺の名前は秀次(しゅうじ)だし……!しかも秀次は土下座じゃなくて、切腹したんだっつーの」

 

「えっと……どうしたんだい?秀次くん」

 

額に青筋を浮かべて文句を言いながら、俺は昼食を食べ進める。前の席には困った顔をして俺と昼飯を食べている男──木場祐斗がいる。

祐斗とは一年生から同じクラスで隣の席だった。外面も内面もイケメンで、文武両道、才色兼備、俺とは違って社交性もある男子高校生。

学園の王子さまと呼ばれていて、その名にふさわしいイケメンぶりを常に発揮している。

そして、数少ない俺の友人の一人でもあった。

 

「学園での俺のあだ名だよ。豊臣秀次と同じ名前をしてるからって……秀次にも俺にも失礼極まりない異名だろ」

 

「ハハハ……こればっかりはフォローもできそうにないよ」

 

「おい、否定しろよ」

 

本当、失礼しちゃうぜ。ちょっとばかり土下座を人より多く経験している俺とはいえ、そんな異名をつけられてうれしいとはさすがに思わない。

だいたい、土下座だってそんなにしてるか?

ここ最近だと、テニス部の女子部員に土下座し、先生に土下座し、生徒会長に土下座した。

 

……わあ、すっごい。今月だけで違う相手に三度も土下座している。そして、どうやら今日も各方面に謝る必要があるようだ。

 

教室で飯を食べていたんだが、なにやら外が騒がしく、俺は嫌な予感がした。

 

「兵藤弟、あんたの兄貴が今度は女子剣道部の覗きをやったって騒ぎになってるわよ」

 

「あんのバカどもがぁ……っ!昼飯食うときに問題を持ってくるんじゃないとあれほど……」

 

教室の入り口からひょっこり顔をだして、にししと笑っているメガネ女子──桐生藍華さんの報告を受けて俺は立ち上がる。

マジで頭にきましたよ、ええ!今日という今日は許さねえ!いやいつも許さねえけど!

 

「いくのかい?」

 

「ぶっ飛ばすッ!」

 

「やる気に満ちているけど、微妙に答えがズレているんだよね……」

 

呆れた友人の声を聞き流し、俺は教室から飛びだしていった……。

 

 

 

 

 

「待ちやがれ、バカタレどもぉぉぉぉっ!」

 

「「「待つか、この薄情者の種無し男!」」」

 

「んだとゴラァァァァッ!」

 

怒鳴り声をあげて校庭を走る俺から、声を揃えて俺を非難する男子三人組が逃げ回る。

一番足が遅いメガネ男子が元浜、先頭を切って走っている坊主が松田という。

そして、二番目を走る男の名前を叫びながら、俺はバカ三人組をどこまでも追い続けた。

 

「一誠ェェェェッ!覗きは犯罪だっていつも言ってんだろが!今日も忘れたか!?なら毎日だって言い聞かせてやるよ!」

 

「しなくていい!今日は俺覗いてないって!元浜と松田だけだ!覗いたのは!」

 

「イッセー!ダチを売るのか!?」

 

「こいつも覗こうと躍起になってました!だからシュージ、お願い、見逃してくれ……!」

 

「ダメだ!三人ともその首根っこを押さえてやるから、覚悟しろぉぉぉぉっ!」

 

校庭を三周したあたりで元浜の体力がつき、締めあげていたら松田と一誠も降参した。

なんだかんだ言われているけど、友達を見捨てない良さがこいつらにはあるんだ。

だからといって!女子の覗きを許容してやるつもりはないがな!三人の耳にタコができるぐらい説教をしてから、俺は女子剣道部へバカ三人組と共に謝罪しにいき、今日も土下座を敢行した。

 

 

 

 

 

放課後、俺は生徒会室に足を運んでいた。

 

この部屋の玉座に座るのは、駒王学園生徒会長──支取蒼那先輩。付き添うように隣に立っている方は副会長の森羅椿姫先輩だ。二人とも学園でもトップクラスに美麗な女子だ。そんな彼女たちをこんな間近で拝めるなんて最高──、

 

なわけねえだろ!拝めるような空気じゃない!

俺は先輩二人を前にして、手慣れた動きで地面に頭をつけて謝っていた。

 

「本当に申し訳ありません!うちの兄とバカたち二人には俺からキツく言っておきます!だからどうか、どうか退学だけは!」

 

「兵藤くん、頭を上げてください」

 

生徒会長の静かな声を聞いて俺は頭を上げた。

机に両肘を立てて寄りかかり、口元を両手で隠している生徒会長。メガネの奥の薄桃色の瞳が細められ、じっと俺を見下ろしていた。

 

「──何度も言わせないでください。土下座をされても困るのは私たちです」

 

「はい。すいません……」

 

「そもそもあなた自身は覗きをしていないのに、なぜ毎回のように謝罪をしにくるのですか」

 

「兄が退学にされたら両親が悲しみます。ただでさえ俺が迷惑をかけているのに、これ以上の迷惑はかけられないんです。だからお願いします。兄と他の二人の処分をどうか……!」

 

「生徒会長には生徒を退学させる権限なんてありません。問題を解決する方法を考えるのが私たちの仕事ですから。とはいえ、これ以上の覗き行為を見逃すわけにもいかないですね」

 

思案する生徒会長を見て俺はホッと息をつく。

退学処分はないみたいだ。よかった。でもあいつらがこれ以上覗きを繰り返したら、今度は先生たちが黙っていないだろうな。よし。

 

「あのー、いいですか……?」

 

俺は恐る恐る手を挙げる。生徒会長と副会長の訝しげな視線を浴びながら進言してみた。

 

「覗き穴を全部塞いでみてはどうでしょうか。学園に覗く穴がなければあいつらも覗くことはできないかと」

 

「それはつまり……学園側に問題があると?」

 

副会長が眉根を寄せて訊いてくる。言葉選びを間違えたか。俺の悪い癖だ。

 

「そういうつもりで言ったんじゃ……言ったわけではない、です……。すみません……」

 

「兵藤くんの考えは悪くありませんが、学園にあるすべての綻びを完璧に把握するというのは私たちでも厳しいものがあります」

 

「把握しているやつ、いますよ。──覗き穴を毎回のように見つけてくるあいつらなら知っているはずです。俺がそれとなく聞いて、生徒会に改めて連絡しますよ」

 

俺が「一緒に覗きに行きたいから覗きスポットを教えてくれ」とでも言えば、あいつらは疑うこともなく教えてくれるだろう。

許せ、バカ三人組。おまえたちの将来のためだ。──女子生徒の尊厳を守るためでもあるが。

俺の提案を聞いて、生徒会長は悩むように顎を触っていたが、しばらくすると小さく笑った。

 

「わかりました。あなたの提案をやってみましょう。兵藤くん、頼みますよ」

 

「はい。あ、でも覗き穴がなくても更衣室の窓から覗くとかはあるかもしれませんので……」

 

「わかっています。私たちも警戒心をさらに強めてパトロールに臨みましょう」

 

それじゃお願いします。俺は一礼して生徒会室をあとにした。廊下を歩きながら外を見ていると、窓から茜色の夕陽が差し込んでくる。

とっくに下校時間を過ぎている。俺も帰ろう。

 


 


 

学園から出てすぐに俺は学生の男女を視界に映した。学園が目の前にあるし、学生がいること自体はおかしい話じゃない。だけどその光景は俺の頭に驚愕の二文字を思い浮かばせる。

 

男のほうは俺もよく知っている人物で、名前は兵藤一誠。──俺の双子の兄貴だ。

それでいて、俺が土下座の秀次と呼ばれるようになった原因の一人でもあった。

 

女子のほうは俺は知らない。綺麗な黒髪にスレンダーな体型の女の子だった。

着ている制服が駒王学園の制服ではないため、他校の生徒なのだろう。俺は慌ててその場から走りだし、眉を吊り上げて一誠に詰め寄る。

 

「一誠ッ!おまえ、今度はナンパか!?おまえは今日だけでどれだけ問題を起こすつもりだ!」

 

「シュージ!?違うって!ナンパなんかしてないから!」

 

俺の吠え声を聞いた一誠は首を何度も横に振って否定する。女子のほうも俺に顔を向けたが、やはりかなりの美人であった。

女子は自分も怒鳴られたと思ったのか、顔をしかめて体を引いており、俺は申し訳なさから落ちつきを取り戻していた。

 

「……本当だろうな。俺はもう生徒会長と副会長に頭を下げたくないぞ。怖いし。これ以上、俺の悪評を広げないでくれよ」

 

「お、おう……」

 

「それで、この女の子は誰だよ?見たところ、うちの生徒じゃないみたいだけど……」

 

俺は女子にちらりと横目を送って、一誠に耳打ちで訊く。すると、一誠は興奮冷めやらぬといった様子で女子の素性を明かしてきた。

 

「聞いて驚けよ。シュージ、この子は天野夕麻ちゃん。──俺の彼女です!」

 

「やっぱりナンパしてんじゃねえか!もしくは脅迫か!?ナンパ以上に問題のある行動を起こしてんじゃねえよ!」

 

「痛いッ!馬鹿か!そんなことするかよ!」

 

一誠の頭をひっぱ叩いて俺は声を荒らげた。一誠は非難するような目を向けながらポケットからケータイを取りだし、俺に画面を見せてくる。

 

画面には目の前の女子と一誠がくっついている画像が映しだされている。

 

え、まさか本当に?いまだに信じられない俺は夕麻ちゃんと呼ばれていた女子に視線を向けたが、女子は頬を赤らめてはにかむように笑っていた。

 

「えっと……はい。私からイッセーくんに告白しました」

 

……。…………。あまりに衝撃的な言葉に俺は開いた口がふさがらない。

 

ワタシカライッセークンニコクハクシマシタ?

そんなバカな!?あの一誠だぞ!覗きの常習犯で人目も憚らず教室でエロ本を読む変態だぞ!普段からエロいことしか考えていない馬鹿なんだぞ!

 

ハッ!まさかこれは高度なドッキリか!

 

一誠が女子にはめられているのか、俺が唖然とする姿を一誠たちが楽しんでいるのかと思ったが、周囲にそんな悪趣味な奴らの影はないし、一誠たちからもそういった類いのものは感じられない。つまりそういうことなんだろう。

 

「本当に付き合っているんだ……。と、とりあえずおめでとうございます。二人とも」

 

俺からのお祝いに二人はうれしそうに笑った。

何がなんだかさっぱりといった感じで、俺は二人と一緒に家へと帰っていった。

 

 

 

 

 

家に帰った俺は疲れた体を休ませるように、ベットに寝転んで白い天井を眺めていた。

 

勉学、スポーツ、娯楽、恋愛。いわゆる高校生の青春というやつに、もちろん俺も憧れている。

 

学業成績は優秀。部活動はやっていないが運動能力にはそれなりに自信があり、元浜や松田たちとゲームセンターに遊びにいくこともある。

恋愛はダメだな。色のある話はちっともだ。

 

俺は順風満帆な学生生活を送れているはずだ。

 

なのにときおり……無性に人生がつまらないと感じてしまうんだ。俺に見合う範囲で十分、幸せな生き方をしているはずなのに。何かが欠けているような、モヤッとした気分になる。

 

刺激が欲しいのかね?わかんねえや。

 

「シュージ、入るぞー」

 

そのときだった。ドアをノックすると同時に一誠が俺の部屋に入ってきた。せめて返事を聞いてから入ってこいよ。こちとらふて寝してんだ!

 

「何の用だよ。非モテを卒業した一誠さん」

 

「まだすねてるのか?悪かったって」

 

初彼女ができたことで大喜びの一誠は、彼女のいない俺に帰り道で永遠と自慢をしてきた。それだけならまだしも、調子に乗っていた一誠は俺の学園内での異名を天野さんに話しやがった。

結果、天野さんは大爆笑。俺は赤っ恥をかいて、家につくなり部屋に閉じこもったというわけだ。

誰のせいで、俺が土下座を何回もしてあんな異名をつけられたんだろうなあ?

 

「それで何しにきたの」

 

「今度の休みに夕麻ちゃんとデートすることになってさ。プランを考えているんだけど、シュージにも手伝ってほしくて」

 

「おまえ……まだ俺に自慢し足りないの?そんなに非モテをイジメて楽しいか!」

 

「そういうのじゃねえって。初めての彼女と初めてのデートだから、失敗したくないんだ」

 

「そんなこと言われてもさ。俺だって彼女なんてできたことないし、デートプランなんて思いつくわけねえじゃん。彼女がいるクラスメイトに聞いたほうがまだマシだと思うけど」

 

「そこをなんとか!シュージくらいしか頼める人がいないんだよ!お願い!」

 

両手を合わせて頼み込んでくる一誠。お願いされてもな。ベットに寝転んでいた俺は体を起こし、嘆息してケータイを取りだした。

 

「しょうがねえな。デートのこととか女の子のことをよく知っていそうなやつに聞いてみるよ」

 

「よっしゃ!でもシュージの友達で松田と元浜以外だと……」

 

「祐斗しかいないな」

 

ケータイをいじりながらそう答えると、一誠はあからさまに嫌そうな顔をする。一誠はモテるイケメン代表の祐斗のことを嫌っているからな。でも手伝ってやるんだから文句は言うなよ。

祐斗にメールを送って助言を求めたり、ネットでデートの王道について調べてあーだこーだと話していたら結局、俺と一誠は夜通しでデートプランを考えていた。

 


 


 

一誠と天野さんがデートをしている日、母さんに夕食の材料の買いだしを頼まれ、俺は近くのデパートに足を運んでいた。

ったく、兄貴がデート中だってのに俺は親からのお使いですか。兄弟間の差に泣けてくるね。

買い物をすませて家路につこうとする俺は、夕陽を浴びながらそんなことを考える。

 

そういえば、デートの最後に一誠は公園に行くって言ってたっけ。噴水をバックに天野さんとキスをして、デートを締めくくる。あわよくばそのまま……なんて妄想を膨らましていた。

 

にしし、いいこと思いついたぜ。一誠と天野さんのキスシーンを隠し撮りしてやろう。

一誠のやつ、この間はこれでもかと煽ってきたからな。天野さんも俺のことを笑った報いだ。

 

幸せを邪魔しない程度に拝ませてもらおうじゃないか。俺は悪趣味な笑みを浮かべながら近くの公園を目指して歩いていった。

 

そう……そんな、幸せを覗くつもりだった。

公園についた俺は目を見開いて体を硬直させ、手に持っていた買い物カバンを手放していた。どういうことだよ、これ……。

 

公園の噴水の前。──そこに一誠が血だまりを作って倒れていた。

 

「は、あ、ああッ!?なんなんだよこれはッ!」

 

あまりに非現実的な光景に俺は狼狽する。頭が真っ白になる?何も考えられない?そんなことを考えている場合じゃねえだろ!

 

俺はすぐに一誠に駆け寄り、状況を確認する。出血の原因は腹だった。一誠のお腹にはぽっかりと穴が空いていて、そこから止めどなく血が流れ出ていた。──どう見ても致命傷だった。

 

どうしてこんなことに?応急処置でなんとかできるレベルの怪我じゃない?救急車を呼べば助かるだろうか?まさかもう助からない?

 

いろいろな考えが頭に浮かぶなか、俺は倒れている一誠の肩をつかんで呼びかける。

 

「おい、一誠ッ!しっかりしろ!なんでこんな、ああクソッ!そうじゃねえだろ!すぐに救急車を呼んでやるからな!だから死ぬな!」

 

「シュ、うじ……うし、ろ……」

 

俺の呼びかけに意識を失いかけながらも一誠が掠れた声を返した瞬間──、

 

ズドン!

 

「あ?──ごぼっ」

 

間抜けな声と共に俺の口から血があふれる。胸が異様に熱く、見てみれば──光り輝く槍のようなものが俺の胸を貫いていた。

 

「まったく、どうやってここに入り込んだのかしら。万が一のことを考えて結界を張ったのに。もしかしてあなたも神器(セイクリッド・ギア)を宿しているのかな?まあどうでもいいわよね。──あなたもすぐに死ぬのだから」

 

背後から聞こえる声に振り向くこともできず、俺は口からごぼごぼと血塊を吐きだしていた。

次の瞬間──胸を貫いていた槍が消え、空いた穴から鮮血が噴水のように噴きだす。

 

あまりの痛みに発狂することも許されず、口元を血泡が覆う。同時に意識が一気に遠のいていく。ああ、わかる。心臓を破壊されたんだ。心臓は人間を生かすためにもっとも重要な器官で、血液を生みだし、全身に巡らせる臓器。

 

つまり、破壊された俺は絶対に死ぬ。それを理解した瞬間、俺は一誠の体から流れ出て作られた血のカーペットに倒れ込んだ。全身が激しく痙攣を起こし、次第にその揺れすら止まる。

 

俺の胸から噴きでる血によって、赤のカーペットがさらに広がっていく……。

赤く染め上げられていた地面を、一誠の血液と俺の心血が混ざり合うことで、さらにどす黒く染め上げていった。

 

「あ、あぁ……」

 

ああ、こんなことになるなら。

 

こんなことになるなら一誠にもっと優しくすればよかった。松田と元浜ともっと遊べばよかった。祐斗となんて、まだゲームセンターに遊びに行ったこともないんだぞ。

 

なにより迷惑をかけた両親に何も返せていない。迷惑をかけて、かけまくって、俺のせいで何度も頭を下げることになった母さん、引きこもりになった俺を何度も励ましてくれた父さん。

 

俺は両親に何も返せず、親不孝者の、馬鹿息子のまま、死んでいくんだ──。

 

こんなことになるって知っていたら、こんな刺激は求めていなかったと──俺は目を開けたまま、意識を手放した。




タイトル、主人公の名前が大きく変わりました。
名前は秀次と書いて「シュウジ」と読みます。
赤と煌黒の軌跡のリメイクと謳ってはいますが、設定はけっこう変わるかもしれません。
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