ハイスクールD×D 終焉に抗う暁の太陽   作:ドラゴン大好きT

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リメイクを書くうえで一番気にしていたのが、前作を読んでくれていた方に申し訳ないなって。


第2話 カラスの羽と、悪魔です

 

 

一誠が生死の狭間をさまよい、秀次が完全に意識を手放した直後のこと。

上級悪魔のリアス・グレモリーは一誠の最後の願いに応じるように召還された。

 

──現場は凄惨の一言で、一誠は半ば死にかけ、秀次はすでに死んでいた。

 

リアスは一誠の体に宿る神器の波動を感じ取り、懐から紅いチェスの駒を取りだす。数にして八つの『兵士』の駒が紅く輝き、一誠の体に吸い込まれていった。

 

残る死体はもう一つ。秀次に視線を向けたリアスは迷っていた。──彼からは神器の波動をまるで感じられなかった。おそらく巻き込まれて殺されてしまったのだろう。

 

自分は確かに彼を生き返らせる術を持っている。しかし、その後の彼は人間ではなくなる。これまでの生活とは何もかもが一変することになる。

人間ではなくなった彼が、何の力も持たずにこちら側の世界で生きていくのはあまりに困難だ。

リアスとしても数に制限のある『駒』を安易に使うわけにはいかない。

 

自分の夢を叶えるためには、強い眷属が必要だ。ただの人間を復活させるために、大事な『駒』を使うわけにはいかないとリアスは瞑目する。

 

「……でも、彼は確かこの子の弟なのよね。祐斗とも仲良くしてくれているって聞いているわ。ソーナも困った子と言いながら、邪険にはしていないらしいじゃない。そんな子を見捨てるなんて、私にはできないわ」

 

再び目を開いたリアスは自分の甘さに呆れつつ、懐から──紅い駒を一つ取りだした。

 

「あなたの命、私が救ってあげる」

 

紅く輝く駒は秀次のぽっかり空いた胸の穴に吸い込まれていった──。

 


 


 

ここ最近、何かがおかしい。

 

寝ている間に悪夢を見ることは日常茶飯事だったが、最近の夢は前とは全然違う。血だまりに倒れ込んだ一誠に駆け寄り、直後に俺も胸を光の槍に貫かれる。噴血を辺りに撒き散らしながら、俺も一誠も夕暮れの公園で死んでいるのだ。

 

ま、あくまで夢ですけど。実際は生きているし。ただ妙なことは他にもあって、朝に起きることが最近ツラく感じる。確かに俺は寝つきも悪ければ寝起きも悪いが、朝日を浴びて気持ち悪いと思ったことはこれまでに一度もなかった。

 

逆に夜になると、体をやけに動かしたくなる。

深夜徘徊は親に心配されるし、俺もいい経験をしていないのでやっていないが、最近は深夜の四時頃まで部屋で筋トレをしているくらいだ。

 

そして、どうやらこの変化は一誠にも起こっているらしい。夜な夜なこっそりと家を抜けだし、外を走り回っている。

 

あの日からだ。一誠と天野さんがデートをした日から、俺たちは明らかに変わっていた。

 

***

 

私立駒王学園。俺と一誠が通っている学園で、現在は共学だが、数年前までは女子校だった。

全体的に女子が多く、男子はあまり強く出ることができない。わざわざこんな学園に男の俺たちが入学してきた理由は──。

 

「女子高生に囲まれて授業を受けたい!」

 

と、一誠と松田と元浜が言ったからだった。

幻想を抱くまではよかったが、一誠と松田の学力はてんでダメで、俺と元浜が勉強を教えて、なんとか難関といわれる駒王学園に入学した。

 

それもひとえに、彼女とのラブラブな学園生活を送りたい、ハーレムを作りたいという、あいつらのスケベ根性がなした結果だった。

──が、中学から覗きを繰り返し、朝っぱらから教室でエロを題材とする本やDVDを広げ、人目も憚らずにエロ談義をするあいつらに彼女ができるはずもなく。

 

そう。ついこの間、一誠に天野さんという彼女ができるまでは。

 

一誠に彼女ができたという大ニュースは、俺以外にもたくさんの人に知らされていた。

松田、元浜、友人の祐斗、両親も知っていた。

そのはずだった……。

 

なのに、その全員が天野さんのことを知らないと言い始めたのだ。

おかしいと思った俺と一誠は、天野さんに関する情報をこれでもかと探した。しかし、何も見つからない。ケータイの番号も一誠と彼女のツーショット写真も消えていた。

しつこく調べている俺たちを松田と元浜は頭がおかしくなったのかと笑った。祐斗や両親も知らないと首を横に振っていた。

 

天野夕麻という存在が跡形もなく消えている。

 

「どうなってんだよ……」

 

あまりに不可解な現象に俺はつぶやきをこぼす。

これだけでも十分頭を抱えるような事案だというのに、最近の俺たちは体までおかしくなってしまっている。松田と元浜は病院にいくべきだと勧めてきたが、本当にいく必要があるか……?

 

「秀次くん、だいじょうぶかい?またお兄さんのことで悩んでいるの?」

 

教室の自分の席で頭を抱えていると、隣の席に座る祐斗が心配そうに声をかけてきた。

 

「ああ……なあ祐斗。もう一度訊くけど、本当に天野さんのことを何も知らないんだよな?」

 

「……うん。お兄さんにできた初めての彼女さんのことだよね。そんな話、僕は知らないよ」

 

マジかぁ……。祐斗の返答に俺は額を押さえた。何度聞いてもこれだ。

本当に俺と一誠の勘違いだった?でも二人の人間が同じ夢を見て、妄想のように語るなんてありえるのか?どうしても解せないんだよ……。

 

そのときだった。俺たちの教室に隣のクラスの女子が駆け込んできて、席に座っている俺を見つけるなり、叫ぶように救援を求めてきた。

 

「兵藤弟!今日も兵藤たちが朝から教室で卑猥なものを広げてるの!なんとかしてよ!」

 

「あー、卑猥物はなー。覗きと違って対応策が思いつかねえな。持ち物検査の強化をしたり、没収してもその場しのぎにしかならねえし……。しょうがねえなあ」

 

頭をかいて俺は立ち上がり、今日も今日とて変態三人組を叱りにいく。そんな俺に、祐斗はどこか気に病むような視線を送っていた。

 


 


 

学園での一日が終わり、俺は松田の家で開催されるエロDVD鑑賞会に付き合わされていた。

なにやら気分の優れなさそうな一誠を励ますためにと誘ったらしいのだが、同じように浮かない表情をしていると、俺まで誘ってきた。

 

悩み事が多すぎて当初は断ろうとしていた俺も、三人のエロに対する熱意に折れて参加している。

 

俺だって、思春期の男らしく性欲はある。

別にエロを全否定しているわけじゃないのだ。

三人の性欲の発散で周りに迷惑がかかることを注意しているだけなんだよ。ただなあ。

 

「毎度思うんだけど、こういうビデオを男だけで見ても不毛なだけじゃね?性欲の発散もできないんだから、余計に虚しくなるだけじゃん」

 

エロDVDを鑑賞しながら泣き崩れている三人を見て、思ったことを俺は伝える。

あとモテたい、なぜモテないって騒ぐなら、おまえたちは普段の生活態度を反省してください。

 

「うるせえぞ!男四人、ダチ同士で見るからこそ得られるものがあるんだよ!」

 

「そういうもんかあ?得るどころか、どんどん何かをなくしているような気もするけど……」

 

「あとシュージって以外にスケベだよな。自室に何冊かエロ本隠してるの俺知ってるけど、けっこうスゴいのもあるっていうか……」

 

「おいこら、俺の趣味を勝手に公言すんな!あといつ見た!?勝手に部屋に入ったのか!」

 

男子高校生らしい会話を繰り返しながら鑑賞会を楽しんでいると、もう夜中の十時になっていた。

 

皆、明日の通学に支障をきたすと別れ、俺と一誠は二人で家に向かっていた。

 

夜の時間。さらに外にいるからだろうか。これまでにない力を感じる。内側から溢れてくる力に体がムズムズする。五感も鋭くなっているようで、周囲の物音がよく聞こえ、光ひとつない暗闇の道でも先まではっきりと見える。

 

「ッ……これって……なんだ?」

 

「シュージも感じているのか?」

 

突如として道の向こうから視線を感じ、得体の知れない寒気が俺の全身を襲った。どうやら一誠も同じものを感じているらしいが……。

 

「これは数奇なものだ。こんな都市部でもない地方の市街で貴様らのような存在に会うとは」

 

そう言って道の先から現れたのは、スーツを着て帽子を被った男。中年くらいの見た目で、明らかに初対面だが、ものすごく睨まれている。

 

ああ。ようやく思いだせたわ。この感覚。これは敵意とか殺意とか、害を及ぼす危険なものだ。

そういうよくない類いの感情を持った男が、俺たちに静かに歩み寄ってくる。

 

刃物を持っているような気はしないが、とにかく危ない人って感じ。俺と一誠は顔を見合わせて、互いの意志が同じことを確認すると──、

 

「逃げよう!」

 

「逃げるぞ!」

 

その場から全速力で逃げだした。振り向いて来た道を走って戻る。

途中、振り返りつつ走っていたが、昼間とは比べ物にもならないくらいに速い。十五分ほど走り続けていたところで、俺と一誠は公園についた。

 

ここは……一誠と天野さんがデートの最後に訪れた公園だ。そして、悪夢で俺と一誠が血の海に倒れていた場所でもある。

 

偶然にしてはできすぎていると思えるほどに、公園には嫌な空気が漂っている。

同時にバサッという羽音が背中側から聞こえ、俺と一誠が振り返ると、先ほどの男が俺たちに追いついていた。

 

背中に黒いカラスのような翼を生やして──。

 

「あれ、夕麻ちゃんと同じ……」

 

「あ?どういうことだよ」

 

「……夕麻ちゃんもあの人みたいに黒い翼を生やしてた。そのあとすぐに俺は……夕麻ちゃんに殺されたんだ……」

 

っ──。一誠が天野さんに殺された?夢の話には続きがあったってことかよ。

だがいま目の前にいるのはあんな少女じゃない。どう見ても危険で不審者なおっさんだよ。

 

「ふむ。主の気配も仲間の気配もなし。消える素振りも見せない。魔方陣も展開しない。状況分析からすると、おまえは『はぐれ』か。ならば、殺しても問題あるまい」

 

主に仲間?魔方陣に、はぐれ?本当にこの不審者は何を言っているんだ?

 

だけど俺でもわかる単語がひとつあった。

 

このおっさんは俺たちのことを殺すつもりだ!

警戒して俺は身を固め、一誠は動揺して冷や汗を顔から流していると、おっさんの両手に光が集まっていき──光の槍が出現した!

 

夢で俺の胸を刺し貫いたものと同じだ。色や形は少しばかり違うが……。

次の瞬間、おっさんが俺と一誠に向かって光の槍を投げてきた!チッ、仕方ねえなあ!

 

ガキィン!

 

向かってくる光の槍──その先端を避けて俺は殴った。硬質な物を殴った音が耳に響き、横殴りで防いだ光の槍は光の粒子となって消え去る。

 

「何!?貴様、私の槍を防ぐとは!」

 

……おいおい、マジか。確かに防ごうと思ったけどさ。金属並みに硬い物を殴った感触だったぞ。それになんだよ、いまのパワーは!

防がれるとは思っていなかったのか、おっさんは顔をしかめていたが、自分のものとはとても思えない膂力に俺も驚いていた。

 

しかし、無傷とはいかなかった。光の槍を殴り飛ばした手に痛みを感じ、見てみれば手の甲の皮膚がただれている。

 

けど、これくらいの痛みなら我慢できる。俺は不審者を睨みつけて唸るように告げた。

 

「おい……いまの当たってたら死んでたぞ。いい加減にしろよ」

 

「ふん、いくら凄もうと私にはそよ風程度のものにしか感じん。それに貴様が防げても──そちらの者はまともに当たってしまったようだぞ」

 

「ぐ……あぁぁぁ……」

 

ッ──!不審者からの忠告の直後、一誠の呻き声を聞いて、俺はようやく気づいた。

一誠の腹に光の槍が突き刺さっている!口からの出血量もかなりのものだ!

 

「クソッがあっ!」

 

これじゃあの夢と同じじゃないか!一誠が死にかけているのに俺は何もできないのかよ!

不審者はいやらしい笑みを浮かべて言う。

 

「光はおまえらにとって猛毒だからな。その身に受ければ大きなダメージとなる。光を弱めで形成した槍でも死ぬと思ったのだが、意外と頑丈だ。おまえには防がれてしまったしな」

 

不審者は俺たちに再び手を向け、先ほどよりも強い光を放つ槍を投げつけてくる!

 

せめて、俺が壁になる!

俺は一誠の前に立って拳をかまえた──そのときだった。向かってくる光の槍を、どこからともなく飛んできた紅い球体が消し飛ばした。

 

「その子たちに触れないでちょうだい」

 

凛とした声が辺りに響く。同時に紅い長髪を揺らして俺たちの前に一人の女性が現れた。

名前をリアス・グレモリー。俺たちのひとつ上、三年生の先輩なのだが、駒王学園においても他を圧倒する美貌を持っていることで有名だ。

 

学園の二大お姉さまと呼ばれているうちの一人。そんな彼女がなぜ俺たちの前に?──なにより、

 

この人が現れただけで、なぜ俺はこんなにも安心しているんだろう……?

 

「……紅い髪……グレモリー家の者か……」

 

「リアス・グレモリーよ。ごきげんよう、堕ちた天使さん。この子たちにちょっかいを出すなら、容赦しないわ」

 

「……ふふっ。これはこれは。その者たちはそちらの眷属か。この町もそちらの縄張りというわけだな。まあいい。今日のところは詫びよう。

だが下僕は放し飼いにしないことだ。私のような者が散歩がてらに狩ってしまうかもしれんぞ?」

 

「ご忠告痛み入るわ。この町は私の管轄なの。

邪魔をしたら、そのときは容赦なくやらせてもらうわ」

 

「その台詞、そっくりそちらへ返そう、グレモリー家の次期当主よ。我が名はドーナシーク。再び見えないことを願う」

 

ドーナシークと名乗った不審者は黒い翼を羽ばたかせて、夜の闇に消えていった。

黒い羽が辺りに舞い落ちるなか、吐血して地面に倒れ込んだ一誠に俺は駆け寄る。

 

「おい、一誠!しっかりしろって!」

 

肩を揺さぶって何度も呼びかけてみるが、一誠は意識を失ってしまっていた。息はまだあるけど刺された腹から血が溢れ続けている。

かなりマズい、このままでは……。俺が焦っていると、倒れている一誠を先輩が覗き込んだ。

 

「確かにこれは少しばかり危険な傷ね。仕方ないわ。──兵藤秀次くんだったわね。あなたたちの自宅はどこかしら?」

 

「自宅?それを聞いてどうするんですか。というかあなたはいったい……」

 

「悪いけど、あなたの質問に答えている余裕はあまりないのよ。──彼、このまま放置していたら死ぬわ」

 

っ……。グレモリー先輩の言葉は正しい。なぜかそう思ってしまう。実際、このまま放置していたら一誠は出血多量で失血死するだろう。

でも、この状況で家の場所を聞いてくる意味がわからない。普通、病院に連れていくだろう。

 

怪訝な顔をしている俺に先輩は「仕方ないわね」と嘆息し、先ほど傷つけられた俺の手を取って両手で包みこんだ。

 

「ちょっと!何してるんですか!?」

 

「動かないで」

 

俺が戸惑いの声を発すると、グレモリー先輩は硬く真面目な声を返してきた。包まれた手から痛みが引いていくような……。

しばらくして、先輩の手から解放された俺の手は──傷が消えている。

どういうことだ?驚きの連続に唖然とする俺に先輩は微笑んでいた。

 

「これでわかったかしら。あなたのお兄さんも私が助けてあげる。だからあなたたちの家に案内しなさい」

 

先輩の透き通るような碧眼を見て、俺は内心で悟っていた。

 

──ああ、このヒトには逆らえないと。その場で膝をついて俺は頭を下げて頼み込む。

 

「お願いします。一誠を助けてください……!」

 

「任せなさい」

 

その言葉を聞いた直後、俺は一誠を背負って先輩と共に家へと走りだした──。

 


 


 

グレモリー先輩を家に案内すると、俺は血まみれの一誠の制服を脱がした。

背負った俺の制服にも血がこびりついていて、風呂場で体を洗うと同時に服まで一緒に手洗いすることになった。

 

「それじゃ、これからは私の仕事だから」

 

そう言ってグレモリー先輩は裸の一誠と共に、一誠の部屋に入っていった。

……おそらく体の隅々まで怪我の確認をするのだろう。腹の傷くらいしかないはずだけど。

俺は訝しげに思いながらも、一誠のことをグレモリー先輩に任せた。

 

結局、その夜は一睡もできなかった。腹に穴が空いた一誠が心配だったし、ドーナシークと名乗った黒い翼の生えたおっさんのことや、グレモリー先輩のことが気になってしょうがない。

 

「お、お、お、お、お父さんっ!シュージぃぃぃぃっ!」

 

な、なんだ!?時刻は朝の六時頃、俺はベットに寝転んでずっと天井を眺めていたのだが、母さんの悲鳴じみた声を聞いて跳ね起きる。

慌ててリビングに降りると、すでに一誠を除いた兵藤家の家族が集まっていた。

 

その後も母さんは「国際的」だの、卑猥な言葉を叫んで狼狽していた。あまりの様子に父さんがなだめるも、母さんはよほど衝撃的だったのか、目を点にして口をパクパクとさせていた。

 

これはどう考えても、原因はひとつだ。

俺は嫌な予感に突き動かされて、一誠の部屋の前に立ち、扉のドアノブに手をかけた。

 

まさか一誠は……助からなかったのか?

最悪の想像をして、俺は入室の許可も取らずに扉を開けてしまった。

 

「あら、おはよう。あなたたちのお家って、朝から随分と元気なのね」

 

……。部屋に入った俺を出迎えたのは、下着姿の先輩と裸の一誠だった。あまりの光景に俺は頬を引くつかせ、直後に頭を地面につける。

 

「ゴメンなさい!先輩、一誠の馬鹿はとんだ間違いをしてしまったようです!たぶん夢と現実の境がわからなくなって……!先輩の体が汚されていたら、俺はどう謝罪をすれば!?」

 

「うふふ。この子たちって本当におもしろいわ。だいじょうぶよ。私も彼もまだ綺麗なまま。弱っていた彼を治療するために、裸で抱き合っていただけだから。頭を上げなさい。私の眷属くん」

 

は、裸で抱き合った!?治療でそんなことをする必要があるんですか!?俺の当惑ぶりを先輩は心底楽しそうに笑い、一誠は鼻の下を伸ばして彼女の立ち姿を眺めていた。

 

ん?眷属くん?

またもや出てきた意味不明な単語に俺は頭を悩ませる。そうこうしているうちにリアス先輩は一誠の頬を撫で、撫でられた一誠は顔を紅潮させる。

二人の姿に……というより、先輩の姿に絵画のような美しさを感じていた。

 

そのとき、彼女の碧眼が両膝を地面につけている俺とベット上の一誠の両方を捉える。

 

「私はリアス・グレモリー。悪魔よ。そして、あなたたちのご主人さま」

 

魔性の笑みを浮かべる彼女は、確かに悪魔のような美しさをその身に宿していた──。




あとリメイクとはいえ、だいたいの流れは一緒というのもねえ。今作から読んでくれる方は新鮮さを楽しめるんですが、前作から読んでくれている方はほぼ読み直しになっちゃうからな……。
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