俺の青春が田舎へ流された。   作:龍造寺

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原作開始前10話です。


原作開始前ー11ー10話ー吹寄からのプレゼント。

2010・12・04・☁・12:45・八十神高校・屋上。

 

俺は花村と屋上で昼飯を食べてた。俺はコンビニで買ったおにぎりとサンドイッチ、花村は購買部で買ったらしいハンバーガーだ。

 

12月に入って寒いけど、屋上は意外と風がなくて、飯を食うにはちょうどいい。…って思ってたら、花村がニヤニヤしながら話しかけてきた。

 

【八幡、吹寄とどうなってんだよ?里中達も言ってたぞ】

 

花村のやつ、小西先輩と仲良くなってから、なんか余裕ができてやがる…。俺のことからかうなんて、いい度胸だな。

 

【何でもねえよ】

 

俺はそう否定するけど、花村がさらに追い打ちをかけてくる。

 

【吹寄、モテるからな。早めに動かないと他の奴に取られるぞ】

 

…ズキッ。花村の言葉が、俺の心に突き刺さった。吹寄が他の男と…?俺には関係ねえって思うはずなのに、胸がズキズキする。…何だよ、この感覚。吹寄が他の男と一緒に笑ってる姿とか想像しただけで、めっちゃ嫌な気分になる。…俺、ほんとに吹寄のこと好きなんだな。

 

 

2010・12・04・☁・12:30・八十神高校・1ー2組。

 

放課後、俺が帰ろうと鞄を手に持った瞬間、吹寄が話しかけてきた。

 

【比企谷君、こないだの牛丼のお礼に、今度ジュネスで何か奢らせて】

 

「別にいいって】

 

俺はそう断るけど、内心では動揺してる。吹寄と2人でジュネスで一緒に見て回る…って、なんだかデートみたいだな…。って、何喜んでんだよ、俺は!俺みたいな奴が、吹寄みたいな真面目でアクティブで魅力的な奴とデートなんて…ありえねえだろ。

 

【いいからいいから】

 

吹寄がそう言うと、またしても俺は腕を引っ張られるようにしてジュネスへ連れて行かれた。…吹寄、こういうとこグイグイ来るよな。静江が言ってた『グイグイ引っ張る子がいい』って、まさに吹寄のことじゃねえか。

 

 

2010・12・04・☁・12:55・ジュネス・フードコート。

 

俺は吹寄に連れられて、ジュネスのフードコートにやって来た。12月に入ってさらに寒い。ジュネスの内部は暖房が効いてるけど、フードコートは外にあるから温もった身体も、再び身体が冷える。

 

吹寄が『ここで待ってて』って言うから、俺は温かいマッ缶を買って、席で待ってる状態だ。

 

【それにしても、吹寄のやつは何を奢ってくれるんだ?】

 

食べ物じゃないのは確かだ。食べ物なら、このフードコートで買えるはずだしな。まあ、待つのは慣れっこだけど…。

 

ジュネスの中は、クリスマスの飾り付けがされてる。12月だし、クリスマスイベントが近いんだな。ジュネスでも『クリスマス感謝祭』ってポスターが貼ってあった。…まあ、俺には関係ねえリア充のイベントだ。

 

中学時代の時も、クリスマスなんて俺には無縁だった。今も……総武高校の連中は……雪ノ下や由比ヶ浜は奉仕部で何か依頼を受けてる可能性はあるな。

 

アイツらはもう関係ねぇ…

 

俺が万が一向こうにいたとしてもクリスマスイベントなんか俺には関係ないとそっぽを向いてた……いやいや場所が変わっても変わるはずがねぇ…

 

…って、そう思ってたはずなのに、今は吹寄と一緒に過ごせたらなって思うようになってる。

 

…俺、変わったな。吹寄と一緒にクリスマス…なんて、想像しただけで顔が熱くなる。…やばい、俺、ほんとに吹寄のこと好きだ。

 

しばらくしたら、吹寄が青いマフラーを持って戻ってきた。…って、ちょっと待て、俺が気になってたやつじゃねえか!ジュネスの雑貨コーナーで、さっきチラッと見て『いいな』って思ってたやつだ。

 

【あ、サンキューな、吹寄。こんなマフラーまで奢ってもらって】

 

【良いのよ。今までのお礼だから】

 

【お礼って…俺はそこまでのことは…】

 

【良いの。私がそうしたいから】

 

吹寄がそう言うもんだから、俺、ますます吹寄を意識しちまう。…吹寄って、ほんと真っ直ぐだな。俺みたいなひねくれた奴にも、こんな風に接してくれる。マフラーを首に巻いてみると、暖かくて気持ちいい。…吹寄が選んでくれたってだけで、なんか特別な感じがする。

 

 

吹寄が俺に青いマフラーを買ってくれたことで、俺の心はもう完全に吹寄にやられてる。…どうしよう、俺、吹寄のこと、もっと好きになっちまってる。

 

そんなことばかり考えていたら、吹寄が突然聞いてきた。

 

【比企谷君、クリスマスって何か予定ある?】

 

【俺には関係ないし予定もない】

 

俺は反射的にそう答えた。クリスマスなんて、俺には無縁のリア充イベントだ。

 

小学校、中学校の時も、クラスの連中が何か企んでたけど、俺は参加しなかった…。

 

でも、今は吹寄と一緒に過ごせたらなって思ってる自分がいる。…俺、ほんと変わったな。

 

【じゃあ、クラスのみんなで何かやろうよ】

 

【は?クラスの連中とクリスマス?】

 

…何でクラスの連中とクリスマスを…?でも、それって吹寄と一緒にクリスマスを過ごせるってことだよな…?いやいや、ちょっと待て、クラスの連中とだぞ!2人っきりのクリスマスじゃねえんだ…。何、勘違いしてんだ俺は。俺、吹寄のこと意識しすぎだろ。

 

【私が企画、立案で。比企谷君は文化祭の時みたいに手伝ってくれる?】

 

吹寄がウィンクして俺に頼んでくる。…くそ、今の俺にそんなことされたら、断れるわけねえだろ。吹寄の笑顔とウィンクに、俺の心臓がドキドキして止まらねえ。

 

【ま、吹寄の頼みだから断るわけにもいかねえな】

 

【そう?ありがとう、比企谷君】

 

吹寄が笑顔でありがとうって言うもんだから、俺、ますます吹寄を意識しちまう。こうして俺と吹寄は、クリスマスのイベントについて話し合った。もちろん、雪柳先生にも許可を取ってやるらしい。…吹寄って、ほんと真面目だな。こういうとこ、嫌いじゃない。

 

 

2010・12・04・☁・14:00・自宅までの通学路。

 

ジュネスを出た時、雪がチラホラと降り出してきた。12月に入って、稲羽市も本格的に冬って感じだ。

 

【あ、雪が降ってきたね】

 

吹寄が空を見上げて言う。俺も空を見上げて、雪が舞うのを見た。

 

【そうだな。千葉じゃこんな時期には降らねえな】

 

【そうなの?】

 

【少なくとも俺が実家に住んでた場所じゃ降らねえな】

 

俺と吹寄は雪が舞う中、自宅へ帰るために一緒に歩いてる。以前の俺なら、雪が降ろうが雨が降ろうが何も思わず、ただ家に帰ることしか考えてなかった。でも今は…吹寄と一緒に歩いてるだけで、なんか特別な気分だ。雪が降る中、吹寄と並んで歩くなんて、俺の青春、こんな展開ありえねえって思ってたのに。

 

【こっちは雪が降ったら大変よ。雪かきしなきゃいけないし】

 

【そうなんだな。俺、雪かきとか経験したことねえ。そこまで雪は降らねえしな】

 

吹寄が俺を見て、ニコッと笑った。

 

【比企谷君、マフラー似合ってるよ】

 

…!不意に吹寄にそう言われた。さっきも言われたけど、今度は耳元で囁くように言われたから、俺、めっちゃびっくりした。顔が一気に熱くなる。自分でも分かるくらい、顔が真っ赤になってる。…やばい、俺、完全にやられてる。

 

【ふふっ、比企谷君ってうぶなんだね】

 

吹寄がそうやって笑うのを見ると、心臓の鼓動が速まるのが分かる。吹寄の笑顔、ほんと可愛いな…。

 

【…まあ、そう言う私もこういうの慣れてないけど】

 

吹寄が顔を真っ赤にして言った。そんな彼女を見て俺は、ついつい照れ隠しでつい言っちまった。

 

【べ、別にうぶじゃねえ】

 

そう言って、俺は前を歩き出した。…くそ、顔熱い。吹寄にこんなこと言われて、俺、どうしたらいいんだよ。でも、こういうやり取りが、今となっては楽しくてしょうがねえ。俺、吹寄と一緒にいる時間が、こんなに楽しいなんて…。

 

【待ってよ、比企谷君】

 

吹寄が俺の後を追って走ってきた。雪が舞う中、吹寄と一緒に歩く。俺の青春は、完全に吹寄色に染まりつつあった。

もう一度、アンケートを取ります。鳴上悠のヒロインは誰がよろしいですか?

  • 1ー里中千枝
  • 2ー天城雪子
  • 3ー久慈川りせ
  • 4ー白鐘直斗
  • 5ー小沢結実
  • 6ー松永綾音
  • 7ー海老原あい
  • 8ー雪柳綾奈
  • 9ー麦野静江
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