俺の青春が田舎へ流された。   作:龍造寺

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原作開始前11話です。


原作開始前ー12ー11話ークリスマスイベントの企画。

2010・12・04・☁・14:30・八十神アパート・2ー1・静江の部屋。

 

吹寄と別れて、アパートに向かったら、駐車場に叔母さんの愛車が停まってる。

 

今日は叔母さん、帰ってきてるのか。珍しいな、土曜日なのに仕事が早く終わったのかな?そう思いながら、アパートの階段を登る。

 

帰宅すると、叔母さんがニヤニヤしながら出迎えてきた。

 

【八幡、吹寄さんと一緒に帰ってきたの?雪の中、青春っぽいね~】

 

…くそ、見られてた。俺、完全に不覚だ。

 

【うるせえ、見てたのかよ?】

 

【バッチリ】

 

叔母さんがニヤニヤを隠さない。…恥ずかしいじゃねえか。でも、確かに青春っぽいって…確かにそうかもな。吹寄と雪の中を一緒に歩くなんて、俺の人生じゃありえねえと思ってた展開だ。

 

「というか、今日は帰ってくるの早かったじゃねえか?」

 

「まあ仕事が早く終わったからね。明日は休みだし」

 

「そうなのか」

 

「今日はジュネスで食材買ってきたから、それでなんか作ってよ」

 

俺は冷蔵庫を覗くと、新鮮な野菜や鶏肉、クリームシチューのルーなんかが入ってる。…叔母さん、ちゃんと買い物してきたな。

 

「今日は寒いし、夜はシチューにするか」

 

【おっ!シチュー、賛成!】

 

叔母さんが目を輝かせて喜ぶ。…ったく、叔母さんってほんと子供っぽいな。

 

その後、俺たちの洗濯物を洗濯して、部屋の掃除もやった。洗濯物や掃除が終わった後にシチューを作り始めたけど、時間はすでに18:00を過ぎてた。シチューが出来上がると、叔母さんが『おいしい!』ってバクバク食べてて、なんか作った甲斐があったなって思う。

 

…でも、頭の中は吹寄のことばっかりだ。雪の中の帰り道、吹寄の笑顔、マフラーのこと…。俺、ほんと吹寄にやられてるな。

 

 

2010・12・06・☁・15:30・八十神高校・1ー2組。

 

今日は吹寄がクリスマスイベントを告知するために、放課後にみんなを残した。朝のホームルームで雪柳先生の許可をもらって、放課後に話し合うことになってたらしい。吹寄、ほんと真面目だな。

 

【というわけで、クリスマスイベントはみんなやるっていうことでいいわね?】

 

吹寄がクラス全員に確認すると、みんなが賛同した。吹寄、今日ずっと根回ししてたからな。クラスのみんなが『いいね!』って乗り気なの見て、吹寄のリーダーシップってやっぱすごいなって思う。総武高校の相模とは大違いだ。

 

クリスマスイベントの場所は、ジュネスにするか教室でするかで投票した結果、ジュネスに決まった。まあ、ジュネスの方が雰囲気出るし、フードコートもあるからな。

 

【ジュネスのフードコートを貸し切るったって、最大で2時間くらいだぞ】

 

花村がそう言う。確かに、文化祭の時も2時間くらいだったな。

 

【花村、2時間でも十分よ】

 

吹寄が冷静に答える。花村もニヤッと笑って、

 

【ま、俺もこういうイベントは嫌いじゃないからな】

 

【また、ジュネスで肉が食える!】

 

【千枝ったらもう…】

 

千枝が目を輝かせて言う横で、天城が苦笑いしてる。…そういや、文化祭の時も千枝の食べっぷりはすごかったな。肉娘ってあだ名、そのまんまだ。天城も千枝ほどじゃないけど、結構食べてたな。

 

【クリスマスだからな。なんかプレゼントとか用意した方がいいのか?】

 

花村が提案すると、吹寄が頷いた。

 

【花村、そうね。クリスマスだから、みんなプレゼントを用意できるかな?プレゼントと言っても高いものを買えって言ってるわけじゃないわ。ジュネスで買えるものでね】

 

【みんなでプレゼント交換するんでしょ?】

 

【おぉ~、プレゼント交換!】

 

千枝や天城、クラスの連中が盛り上がってる。…俺もプレゼント、用意した方がいいんだろうな。ってか、吹寄から青いマフラーをもらったし…。吹寄にプレゼント…でも、プレゼント交換ってことは、みんなでシャッフルするわけだろ?吹寄に当たる確率なんて、めっちゃ低いじゃねえか。…なら、直接渡した方がいいのか?

 

でも、それだとプレゼントを2つ用意する必要が出てくるな。1つは交換用で、もう1つは吹寄に直接渡す用…。叔母さんからもらったお小遣い、そんなに使ってねえから、それで買うことにしよう。…って、俺、何考えてんだよ。吹寄に直接渡すって…。俺、完全に吹寄のこと意識しすぎだろ。

 

花村がニヤニヤしながら、

 

【ジュネスで用意できるものは用意するから、みんな楽しみにしとけよ】

 

その言葉で、クラスの中は歓喜に包まれた。本当にこのクラスは、総武高校の1-Eとは連帯感から何から全然違うな。あのクラスじゃ、こんなイベント絶対盛り上がらなかった。相模が仕切ってた文化祭なんて、俺が悪役になって終わったし…。でも、このクラスなら…吹寄がリーダーなら、楽しいクリスマスになるかもな。

 

2010・12・06・☁・15:50・八十神高校・1ー2組。

 

吹寄のクリスマスイベント告知が終わって、俺は叔母さんの家に帰るために教室を出ようとした。すると、不意に吹寄に呼び止められた。

 

【比企谷君、本当にありがとね。あなたのおかげでクリスマスのイベントもバッチリね】

 

【俺は別に何もしてねえぞ】

 

俺と吹寄は帰りながらそんな話をしていた。…って、また一緒に帰ることになっちまった。吹寄と並んで歩くだけで、俺の心臓がドキドキする。…俺、ほんと吹寄にやられてるな。

 

【クリスマスプレゼントの交換、楽しみだよね】

 

【まあ、そうだな】

 

【どんなプレゼントにするか決めた?】

 

【いや、まだだ】

 

俺、みんなとプレゼント交換するやつは、まあ無難なものにすればいいと思ってる。ハンカチとか、キーホルダーとか、そういう差し障りのないやつでいいだろ。

 

でも、吹寄に直接渡すプレゼント…何がいいのか全然分からねえ。この青いマフラーのお返しってことでいいのか?いや、でも、吹寄が喜ぶものって何だ?俺、こういうの全然分からねえぞ…。

 

吹寄も苦笑いしながら、

 

【そういう私はまだ決めてないんだよね】

 

【まあ、そうだよな】

 

今さっき決めたばかりのイベントなんだから、決まってる方がおかしいよな。俺も吹寄も、プレゼント選びはこれからってことか。

 

【さて、何にするか今日1日考えて判断しようかな】

 

【そうだな、それがいいと思う】

 

この後、吹寄と一緒に帰ることになった。…まただ。雪が降ってた時もそうだったけど、吹寄と一緒に帰るの、なんか特別な気分になる。帰り道、吹寄が『ジュネスの雑貨コーナー、色々あるから見に行こうかな』なんて話してて、俺は『 そうだな』って頷くしかなかったけど、内心じゃ『吹寄に何を贈るか』ってことばっかり考えてた。

 

叔母さんが例えを出してくれた。

 

【吹寄さん、アクティブな子だから、バスケグッズもいいけど…何か可愛い小物とか、手作りのものも喜ぶんじゃない?】

 

【手作り…俺にできるか?】

 

【アンタは私の破れた服とかも縫ってくれたでしょ?少しは自分を信じてやってみなさい】

 

【……自分を信じてやってみろか…わかったよ】

 

今の俺に何ができるかはわからない。でも吹寄を喜ばせたいのは本当の気持ちだ。明日ジュネスで何か見てみるのも悪くないか。

 

もう一度、アンケートを取ります。鳴上悠のヒロインは誰がよろしいですか?

  • 1ー里中千枝
  • 2ー天城雪子
  • 3ー久慈川りせ
  • 4ー白鐘直斗
  • 5ー小沢結実
  • 6ー松永綾音
  • 7ー海老原あい
  • 8ー雪柳綾奈
  • 9ー麦野静江
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